2007年3月15日

ロタウイルスワクチン、腸重積症 MMWR
ボリビア出血熱 ボリビア

● ロタウイルスワクチン、腸重積症
Rotavirus vaccine, intussusception (02): active surveillance
Archive Number: 20070315.0917
 情報源 MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2007; 56(10): 218-222、3月15日
2006年 2月1日から 2007年 2月1日までの、ロタウイルスワクチンの腸重積症に関する市販後調査報告
関連項目 20070217.0609

● サルモネラ感染症 ノルウェー、デンマーク スペインから
PRO/AH/EDR> Salmonellosis, serotype Typhimurium, sausage - Europe 20070315.0915
 情報源 Eurosurveillance、3月15日
フェリーで購入したスペ7イン製ソーセージにより、ネズミチフス菌に感染
2006年 11月に診断された、Typhimurium 型サルモネラ菌感染患者についての報告。2006年 10月に乗船した、ドイツの キール Kiel、ノルウェーのオスロ Oslo を巡る船上で購入した、スペイン製ソーセージを摂取していた。自宅にあった、開封済みのソーセージから同菌が検出された。その後の調査で他に 3例のTyphimurium 型サルモネラ菌感染患者が確認された。2007年 1月4日には、デンマークで商品回収が行われた。

● ボリビア出血熱 ボリビア
PRO/AH/EDR> Bolivian hemorrhagic fever - Bolivia (Beni) (02) 20070315.0914
 情報源 Los Tiempos, Bolivia [trans.]、2007年3月10日
マウスの殺処分の後、3人がボリビア出血熱に感染し、2人が死亡した。
Beni 県 Magdalena から 22km 離れた Mamuja 集落は、出血熱発生のため隔離されていると、 2007年 3月10日に報告された。エルニーニョ現象による自然災害の結果、感染流行が発生するリスクが高まっている。他の豪雨や洪水に見舞われた地域にも潜在的なリスクがある。このため、当局はデング、黄熱、マラリア、ハンタウイルス、出血熱その他の疾患への対策を強化している。2週間前、獣医学部の学生 1名を含む 3名がネズミの巣を発見し、無防備で理由は分からないがナイフでこれを殺害した。その後すぐに、同じナイフで (十分にきれいにしないまま)、木からレモンを切り取り、レモンジュースを飲んだ。このうち 2人は発熱性疾患により死亡し、生き残った 3人目が友人らにことの次第を説明した。この結果、集落は隔離され、人々の出入りが厳しく制限されている。村の周りには、3000個のねずみ取りが仕掛けられ、殺鼠剤がまかれている。ボリビアで患者の多くが死亡する疾患の、このような状況が発生し、隔離期間が宣言されたのは、これが 3度目である。Magdalena のとなりの San Joaquin 集落が 1958年に隔離され、一方 1971年にはコチャバンバCochabamba の Viedma 病院が、同疾患発生を理由に閉鎖された。
[Mod.TY- Machupo virus は、ボリビア出血熱の病原体で、アレナウイルス属 Arenavirus のTacaribe 複合体 complex に属している。同ウイルスの保有宿主は、_Calomys callosus 科のネズミで、Beni および Santa Cruz 地方の平原で見かけられる。 _Calomys_ mice は、出生時にウイルスに感染し、授乳期から、尿や唾液へのウイルス排泄が始まる; 終生、無症候性のウイルス血症の状態である。同マウスが成獣となってから感染した場合、免疫が成立する可能性がある; この場合、短期間ウイルスを排泄した後、排泄は停止する。ヒトのボリビア出血熱の潜伏期間は、平均 14日で、報告されている致死率は 5から30%の間である。明らかにこの 3人は、20070308.0829 で報告された、死亡した 2人の牧場の従業員に追加された、新たな出血熱患者である。保健副大臣のコメントは、デング出血熱よりは、マクポウイルスによるボリビア出血熱を想定している。検査室で病原体が確定されれば興味深い。この 3人の曝露の可能性は、ネズミの取り扱いか、彼らが飲んだレモネードの準備のどちらかであろう。ニュースでは、2007年の Beni の洪水の惨状を伝え、デング熱や出血熱の発生にも触れている] 

● 腸チフス マーシャル諸島、トルコ
PRO/EDR> Typhoid fever update 2007 (07) 20070315.0912
[1] マーシャル諸島 Marshall Islands (Majuro)
 情報源 Yokwe.net 、3月15日
米国 CDC からの医師たちは、マジュロ Majuro において腸チフス感染流行の原因調査を行っている。医師によると、マーシャル諸島共和国の首都の珊瑚礁の島で、同菌による患者 24人がこれまで発生している。上水道が糞便で汚染されて発生することが多いこの疾患は、Rita地域から発生した。委員会では、2年前からの Jenrok 地域での井戸の問題を確認しており、同地域は環礁の同じ側に位置している。住人の多くは、当局への未払いを理由に、下水に接続していない。腸チフスワクチンは存在するが、島での定期接種は行われていない。その他の状況説明つづく(省略)。
* Majuro は、諸島の南東のコーナーにある島の1つ 
[2] トルコ Turkey (Mus):NTV-MSNBC、3月13日
トルコ東部のムシ Mus 州の村で、70人以上が typhus [sic - 腸チフス abdominal typhus は、細菌性疾患の腸チフス typhoid の他の呼び方で、一般的に水系感染する; 流行性リケッチア性疾患はノミが媒介する] の検査が陽性となり、飲料水の汚染が原因とされている。感染した Malazgirt 地方 Bascatak 村の 70人の患者の中には、教師 4人と生徒 16人が含まれている。地元の衛生当局者は、村の住民 147世帯 400人全員の検査が行われたと述べた。激しい雨で、倉庫の前に積まれていた動物の屎尿が、水源に流れ込んだことが流行発生の原因であると説明した。

● 鳥インフルエンザ、ヒト エジプト
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (52): Egypt 20070315.0909
 情報源 Reuters Alertnet、3月14日
25例目、10才の少女の鳥インフルエンザ感染確認
10才のエジプト人の少女が、H5N1鳥インフルエンザウイルス感染の検査で陽性となり、アラブで人口最多国における 25例目の患者となったと、WHO 当局者が 2007年 3月14日に述べた。「Aswan 内の都市部で発生したが、現時点では詳細の多くを知らない」と WHO の感染症サーベイランス地域アドバイザーが述べた。彼は、この少女が治療のためカイロへ転送されるだろうと述べた。国営通信 MENA は、保健省広報の話として、2007年 3月13日、この少女が、発熱と筋肉痛のため、カイロの南 450kmの Aswan の病院に入院し、検査により H5N1ウイルス感染が確定されたと伝えた。彼女は抗ウイルス薬タミフルによる治療を受け、状態は安定している。彼女の家族は健康監視下におかれている。WHO によると、同ウイルスによる死者は 2003年以降 168人で、少なくとも 200万羽の鳥インフルエンザが死亡または処分されている。

● リフトバレー熱 タンザニア
PRO/AH/EDR> Rift Valley fever, Eastern Africa (22): Tanzania (Dodoma) 20070315.0908
 情報源 allAfrica.com, The Nation(Nairobi)、3月14日
タンザニアの Dodoma 地方で、リフトバレー熱  Rift Valley fever,RVF が発生し 10人が死亡した。地方行政長官によれば、タンザニア政府当局は、Bahi および Chamwino 地区で家畜の禁足令を実施している。過去1ヶ月間の 10人の死亡を受け、地方の HIV/AIDS 対策関係者の 2日間の部会が開催された。当局は、報道関係からの情報により、第 1例を確認した。RVF と最近になって判明するまで、多数の死者の背景について正確に理解されていなかったと、話した。しかし、一方では、地域獣医学当局は、同地区での RVF を確認していたと述べている。この当局者は、2007年 3月12日から、2つの地区での隔離措置が実施されていると述べた。
[ModCP- これらの死亡は感染流行が西へ向かっていることを表している。しかし、死者の出身地が曖昧]

● 口蹄疫、ウシ 北朝鮮
PRO/AH/EDR> Foot & mouth disease, bovine - North Korea (P'yongyang-Si)(03) 20070315.0916
[1] OIE Press release: FAO and OIE send mission to North Korea
 投稿者 OIE Maria Zampaglione 、3月15日
OIE プレス発表: FAOおよびOIEは北朝鮮へ調査団派遣
[2] S. Korea to help North curb cattle disease
 情報源 UPI.com/International [edited]、3月15日
関連項目 (02) 20070309.0841

● ペンギンの大量死、動物園-オーストラリア QLD
PRO/AH/EDR> Penguin die-off, zoo - Australia (QLD) 20070315.0913
[1] シーワールドで 25羽が死亡
 情報源 News.com.au、2007年3月14日
ゴールドコースト Gold Coast のシーワールド Sea World で、37羽のフェアリーペンギン fairy penguin のうち 25羽が死亡した。トリの死亡は 2007年 3月8日に始まり、鳥インフルエンザ感染が危惧された。3月13日、検査の結果否定された。海洋科学者である、Sea World の管理者は、3ヶ月毎のメンテナンスの際に、檻の中に置かれた砂利 gravel の汚染が、死亡の原因との見方をしている。
[2] 鳥インフルエンザは除外されている
 情報源 Official release [URL なし]、3月15日
残った 12羽は、その後の 4日間は元気であること、PCR で高病原性鳥インフルエンザは除外されたこと。毒素が疑われていることなど。
[ModTG―フェアリーペンギン 身長 41cm、体重 0.9kgの最小のペンギンで、南半球のみに生息する。学名 _Eudyptula minor_。 _Eudyptula は、ギリシャ語で 'good diver' を意味する]