2007年3月20日

鳥インフルエンザ、ヒト エジプト・インドネシア H5N1,香港 H9N2
類鼻疽 オーストラリア
髄膜炎菌性疾患 ブルキナファソ、ウガンダ

● 鳥インフルエンザ、ヒト エジプト・インドネシア WHO H5N1,香港 H9N2(2件)
エジプト インドネシア
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (56): Egypt, Indonesia, WHO 20070320.0985
[1] エジプト Egypt: Avian influenza situation - WHO Update 10
 情報源 World Health Organisation (WHO) CSR, Disease Outbreak News、2007年3月20日
2007年 3月20日、エジプト保健人口省は、新たなヒトでの鳥インフルエンザ Avian influenza A(H5N1)ウイルス感染を公表した。症例は、エジプト中央公衆衛生研究所と第 3米国海軍医科学研究所(NAMRU-3)において確定された。このアスワン Aswan 県出身の 2才男児は、2007年 3月15日に発症した。翌日病院に入院し、現在安定した状態にある。調査により、庭先飼育の家禽との接触歴が判明した。2007年 3月19日に公表された、同地域の10才少女の鳥インフルエンザ患者との、疫学的な関連性は確認されていない。エジプトでこれまでに確定された26人の患者のうち、13人が死亡した。
[2] インドネシア Indonesia: 66th suspected human case of avian influenza
 情報源 PRESSTV (Teheran)、2007年3月20日
21才のインドネシア人女性 1名が鳥インフルエンザで死亡し、このウイルスによる国内での死亡は 66人となったと、保健省当局者が語った。数百万羽の庭先飼育の家禽を飼育するインドネシアは、鳥インフルエンザによる死者が世界で最も多く発生している。この女性は、2007年 3月19日にインドネシア第 2の都市、東ジャワ州スラバヤ Surabaya の病院で死亡した。「数日前に状態が改善したため、彼女は回復するものと期待したが、その後悪化し死亡した」。この女性は、先週H5N1鳥インフルエンザウイルスの感染を公表されていた。インドネシアでは、86人の鳥インフルエンザ感染患者のうち 66人が死亡した。鳥インフルエンザは、世界第4の人口 2億2千万の国であるインドネシアは、33の州のほとんどで土着感染し、短い空白の後、2007年のはじめから同ウイルスによるヒトでの死者数が突如急増している。ジャカルタとその周辺地域での庭先飼育を禁止し、処分を強化して対策にあたっている。H5N1鳥インフルエンザは主にトリに感染するが、ヒトの間で容易に感染が拡がり、パンデミックとなることがおそれられている。
関連項目 (54): Egypt, WHO 20070319.0965

香港 H9N2
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (55): H9N2, China (Hong Kong SAR) 20070320.0975
 情報源 International Herald Tribune, Associated Press report、2007年3月20日
Human case of H9N2 avian influenza detected in Hong Kong (SAR)
香港: 9ヶ月の女児が、より毒性の弱い鳥インフルエンザである H9N2 型に感染していることが判り、病院に隔離されていると、2007年 3月20日に保健当局が発表した。この乳児は、2007年 3月4日に発症するまで、ほぼ毎日生きたトリを販売する食品市場を訪れていたと、健康保護局の当局者が述べた。市場のトリから感染したものと考えられている。H9N2は、弱毒の鳥インフルエンザAウイルスで、世界で 169人以上が死亡したのは、H5N1 型鳥インフルエンザ A ウイルスである。H9N2型は、H5N1型とは毒性、宿主、感染力などが異なる、別々の 2種類の鳥インフルエンザAウイルスであり、H5N1型の一種と記載すべきではない]患児の症状は軽く、ヒト-ヒト感染を示す重大な証拠はないと述べた。香港では、1999年に 2件、2006年に 1件の弱毒型ウイルスの感染が報告されている。患者は小児ですべて回復している。この最新の患児も 5日間の入院の後、自宅に戻ったが、2007年 3月20日に児の検体が H9N2陽性との結果を受け隔離された。当局は市場や家族らからさらに検体を採取した。
[Mod.CP- このケースは前例がある(19990407.0566 および 19990805.1347)。1999年のインフルエンザA(H9N2)は、1歳と 4歳の小児からウイルスが分離された。両児とも完治した。数年前からアヒルやニワトリからインフルエンザ A(H9N2) が検出されていたものの、香港でヒトから H9N2 ウイルスが分離されたのは、これが初めてのことだった。いずれの場合も、H9N2 ウイルスは症状の軽い小児から分離されており、それ以上の感染拡大は発生しなかった。これらの小児への感染の暴露源は、報告されていない。他の鳥インフルエンザウイルスがヒトから分離されたのは、1997年の香港での H5N1ウイルスや、その後の 2003年の H9N2(H5N1も)、家禽での大規模流行中の 2003年前半のオランダの H7N7が注目された。これらの事例のうち、H5N1ウイルスのみが、ヒトにおいて重症化した。H9N2のヒトの間での感染の証拠はない]

● 食中毒 ネパール 死亡
PRO/AH/EDR> Foodborne illness, fatal, boar - Nepal (02): trichinellosis susp. 20070320.0984
 投稿者 仏・Hopital Cochin / Universite Paris Descartes、Pr Jean Dupouy-Camet、2007年3月20日
Comment on trichinellosis in Nepal 20070319.0962
ヒトにおける旋毛虫症 trichinellosis が疑われる散発事例は、これまでネパールにおいて数件発生していたが、旋毛虫の幼虫が豚肉から検出されたことはなかった。抗体アッセイ、とりわけろ紙に滴下された血液でできるウエスタンブロット法によって確認すると興味深い。フランス国立旋毛虫委託研究所では、ラオスで発生したこのような感染流行を、郵送された検査用ろ紙で確定した。要望があれば、ネパールへの協力を惜しまない。

● リフトバレー熱 タンザニア
PRO/AH/EDR> Rift Valley fever, Eastern Africa (23): Tanzania (Dodoma) 20070320.0983
 情報源 All Headline News、2007年3月20日
タンザニア中央部で、リフトバレー熱 Rift Valley fever (RVF) の流行により 16人が死亡し、100人以上が感染していると、20日保健相が明らかにした。RVF はタンザニアではよく知られている、感染した家畜からヒトに感染する蚊族が媒介する疾患で、ケニアの国境地域では3ヶ月足らずの間に約 154人が死亡している。タンザニアでは、41人以上が現在も RVF を発症して入院治療中である。
「この病気は最初に Arusha から報告され、[現在?] 多くの新規の患者が発生しているが,Dodoma に拡大していなかった」 と述べられた。ケニアの獣医学当局者は、現在発生中の家畜でのワクチン一斉接種が RVF の猛烈な感染拡大の要因となっている可能性があると話している。RVF は熱帯や亜熱帯地方に見られるヤブカ属 _Aedes_ の蚊族によって、家畜からヒトに感染伝播する。症状としては、肝不全や鼻や口からの出血が認められる。
[Mod.CP- 2007年3月14日のタンザニアからの報告では、Dodoma の RVF による死亡は 10人であった。しかし、これらの死亡が現地で発生したものか、他の場所で感染した疾患によるものか明らかにはされていなかった。今回の新たな報告では、死亡 16人・患者 100人で、ケニアとの国境地域(Arusha 付近)からタンザニア中央部に向かってRVF感染が拡がっていることが確認されている]

● 類鼻疽 オーストラリア

PRO> Melioidosis - Australia (NT) (03) 20070320.0981
 投稿者 英・Health Protection Agency (South West)、Dr David Dance、2007年3月20日
20070102.0016 に関し。
1.類鼻疽に非常に強い関連性のある糖尿病について触れられていない
2.芝刈りが類鼻疽のリスクされたことは未だかつてない。動物が保有し地表の物体に転嫁される野兎病の_Francisella tularensis_ と、土壌そのものに生息する(類鼻疽の)_Burkholderia pseudomallei_ は根本的に違う。しかも、_B. pseudomallei_ は、浸水した土壌のみで発見され、芝を刈るような状況ではない。とくに北部オーストラリアから、以前考えられていたよりも、悪天候時にエアロゾル化された土壌の吸入によって感染が成立することは一般的であるとの証拠が積み上がっており、普段から土や水面と接触のない人での感染の説明を可能とする。
3.今日、クロラムフェニコールで実際に治療を行っている国はなく、わずかに、その他の薬剤が手に入らない資源の極端に乏しい状況に限られている。急性期の治療の中心は、セフタジジム、イミペネムあるいはメロペネムに、co-trimoxazole とドキシサイクリンを併用する治療が、駆除期の第一選択とされている。
4.血清学的診断は、オーストラリア北部のような常在地域の住民は、血清検査上、高陽性率との背景を持つため、問題がある。

● 原因不明の疾患 ネパール
PRO/AH/EDR> Undiagnosed illness, human - Nepal (Far Western Region): RFI 20070320.0979
 情報源 The Himalayan Times (THT)、2012年3月20日
2007年 3月18日の原因不明の疾患による女性 1名の死亡を受け、同 19日に保健人口省は消化器科医師と検査技師らを Kailashmadaun of Dadeldhura and Jijadamaduan of Doti districts に派遣した。報告によると、3月19 [* 18 ?] 日に 32才の女性 1名が SetiZonal 病院へ運ばれる途中で死亡し、その他に何百人という住民に、下痢、下肢と手のむくみの症状が発生している。患者らには、貧血と腎不全の症状も認められている。
疫学専門家の当局者は、トキシン産生を伴う細菌感染の結果との可能性を示唆した。
疾患が発生しているのは、Kailashmadaun and Jijadamaduan VDCs [villagedevelopment committees 開発委員会集落] である。休暇でネパールを訪れていたオーストラリア王立小児病院の小児科医師は、大腸菌感染に起因することの多い、HUS 溶血性尿毒症症候群に症状が一致すると話した。細菌学的診断、感染源の特定を急ぐことが大切だが、脱水補正や血液製剤の使用、腎臓透析など費用がかさむ治療となるとコメントした。
[Mod.LL- 昨日の投稿 (20070319.096) にある、この同じものと見られる感染流行では、症状として筋肉痛、発熱、呼吸困難、四肢の腫脹、に加えて、嚥下困難、咽頭痛と、上下唇の運動困難が見られるとされていた。さらに、感染流行には食品が関与し、野生のイノシシの肉との関連が示唆されていた。この感染流行では、下痢、貧血、四肢の腫脹を伴う腎不全が、"数百人の住民”に発生している。貧血と腎不全のある患者の正確な数字はわからない。発熱の症状があるとすれば、通常明らかな発熱はない VTEC(ベロ毒素産生性大腸菌、STEC 志賀毒素産生性大腸菌とも)に合わず、血便や下血がないことも VTEC に合致しない。またこの報告にはイノシシ肉の摂取についても触れられていない。VTEC をにらんだ便培養の結果、好酸球増加の有無(旋毛虫症の特徴)、腎不全になった人数 (HUS 溶血性尿毒症症候群は、通常感染者の 5-10%以上には発生せず、腎不全はもっと少ない)、血性下痢症の有無などの情報が必要である。また、アウトブレイク曲線は、タイムスパンや原因となる食品などの他の疫学データの評価のために必要となる。イノシシ肉など、原因食品と考えられるものがある場合、まだ直接の検査は可能であろうか?]
地図 2つの地域 (Dadeldhura and Doti) は、ネパールの Far Western の隣り合う地域

● 髄膜炎菌性疾患 ブルキナファソ、ウガンダ

PRO/EDR> Meningococcal disease update 2007 (12) 20070320.0977
[1] ブルキナファソ Burkina Faso 
 情報源 World Health Organization (WHO) Epidemic and Pandemic Alert and Response (EPR) disease outbreak news、2007年3月19日
2007年 1月1日から 3月11日の間に、ブルキナファソ保健省は死者 583名を含む髄膜炎菌感染疑い患者 7,333名を報告した (致死率 8%)。22地区が現在流行閾値を超えており、その中には首都ワガドゥ (Ouagadougou) 内の 3地区が含まれている。患者の発生している全ての地区からの脳脊髄液検体が、ラテックス試験 and/or 培養検査で髄膜炎菌血清型A群陽性となった。住民 100万人を目標とした第一相ワクチン接種キャンペーンが 6地区で完了し、別の 2地区で進行中である。この2価ワクチンは、The International Coordinating Group (ICG) on Vaccine Provision for Epidemic Meningitis Control とブルキナファソ保健省が保持していた安全保障備蓄から確保された。ICG は現在、ワガドゥグ (Ouagadougou) 市内全域を含む流行地区13カ所での今後のワクチン接種キャンペーンで使用する 2価ワクチン 3,350,000回接種分の追加譲渡を承認している。同ワクチン 1,165,000回接種分の最初の発送分は、今週前半に到着する予定となっている。大規模ワクチン接種キャンペーン実施は、各国に重い財政上および運営上の負荷となる。WHO、国境なき医師団、Plan Burkina および UNICEFは、今回の流行への対策の共同実施において、技術的 and/or 財政的支援をブルキナファソ保健省に供与している。全ての必要なワクチン接種キャンペーンを同国内で完全実施するように財政的不足を埋め合わせるには、120万米ドル以上が緊急に必要となっている。
[Mod.LL- 今回の確定患者はすべてA群髄膜炎菌に感染していた。2007年 3月16日の、ブル キナファソでの感染流行に関する前回の投稿では、患者数は 4958人で、死者 432人であった。この報告は、そのわずか3日後であるが、患者数は 7333人、死者 583人と報告されている]
[2] ウガンダ (西ナイル) Uganda (West Nile)
 情報源 AllAfrica.com, The Monitor (Kampala) report、2007年3月20日
2007年1月の西ナイル地方で発生した髄膜炎菌の流行で、23人が死亡した。この地方で実施されているワクチン接種にもかかわらず、髄膜炎が散発的に発生していると、当局が述べた。この当局者は、住民らに対し、疑わしい症例は、呪術医へ患者を連れて行くのではなく、すべて近くの医療センターに報告するよう、求めている。
[Mod.LL- ウガンダの流行に関する過去の投稿では、A群とともに、やや一般的ではない X 群による感染が報告されている]
*ウガンダの西ナイルは、同国の北西部で Arua/Maracha-Terego, Adjumani, Yumbe, Koboko, Nebbi および Moyo 地区などが含まれる

● チクングニア熱 スリランカ、インド、島嶼
PRO/EDR> Chikungunya - Indian Ocean (06): Sri Lanka, India, Islands 20070320.0974
 情報源 USA Centers for Disease Control and Prevention、2007年3月18日
スリランカ医療栄養省当局は、最近、検査室で確定された各地からのチクングニア熱 Chikungunya の患者を報告した;感染が深刻なのは、Batticaloa, Colombo, Jaffna, Kalmunai,Mannar, Puttalam, およびTrincomaleeであった。チクングニア熱患者のサーベイランス活動が、スリランカの定点病院で継続されている。2006年10月、WHOはインドの以下の州でのチクングニア熱の感染流行発生を報告している; Andhra Pradesh,Andaman and Nicobar Islands, Tamil Nadu, Karnataka, Maharashtra, Gujarat, Madhya Pradesh, and Kerala。2005年3月に開始した、メイヨット、モーリシャス、レユニオン(仏領)、セーシェルのインド洋の島々で発生してチクングニア熱感染流行は、沈静化してきている。しかし、感染は以前発生しており、世界の熱帯および亜熱帯へ向かうすべての旅行者は、蚊族の刺咬対策を怠るべきではない。チクングニア熱は、ヤブカ属 _Aedes_ およびイエカ属 _Culex_ の蚊族によってヒトに感染するウイルス性の病気である。蚊族の中には、日中に刺咬するネッタイシマカやヒトスジシマカも含まれている。症状としては、突然の発熱、悪寒、頭痛、嘔気、嘔吐、腫脹を伴うこともある関節痛、腰痛、紅斑などがある。臨床症状は、デング熱に酷似するが、デング熱と違い、出血型やショック型は見られない。ほぼ全例自然治癒し、死亡例はまれである。

[Mod.TY- チクングニアウイルス感染がモンスーンの雨期の到来まで継続すれば、南アジアやインド洋の諸島での患者数が再び増加することが予想される。ProMED は、この広大な地域のウイルスベクターであるヤブカ属に対して、どのような対策が行われているかについての情報を歓迎する] 
地図 スリランカ インド インド洋の島嶼

● デング熱/デング出血熱 パラグアイ、ボリビア、アルゼンチン、ウルグアイ、ブラジル、ベネズエラ
PRO/EDR> Dengue/DHF update 2007 (12) 20070320.0972
[1] パラグアイ ParaguaySummary of the current situation in Paraguay
 情報源 UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs (OCHA), ReliefWeb, Pan American Health Organization (PAHO) repor、2007年3月15日
パラグアイ公衆衛生福祉省の情報によると、引き続き全国的な疫学上の警報が出され ている。2007年 2月9日の報告に続いて出された、3月14日までの報告は以下の通り。
 -デング熱 Dengue 疑い患者 19577、デング出血熱患者 46、死者 10、致死率21.7%、
 -ウイルスの型 DEN 3(デングウイルス 3型)
 -感染発生地区 アスンシオンAsuncion、Central Department など
(背景) 2002年の DEN1、2の流行の後、2003,4,6年には DEN3 が中心となって再度流 行。2006年はアスンシオンで流行し、4271人の DEN3 患者が報告された。
(現況)上記の患者発生状況; 死者 10人のうち、3人は DHF、5人は非定型的なデング熱、2人は原因不明。アスンシオンと4つの地域 departments に集中して発生している; Capital (人口 10万対発生率 1166.6), Cordillera (392.3), Central (388.4), Concepcion (336.5)。その他に Amambay および Paraguari。DEN3 に対して罹患しやすい状態 susceptible であり、早急な対応策が必要。降雨が続いていることが、感染流行を招いた。 (非定型デング症例) "非典型的重症徴候を伴った古典的デング熱" と呼ばれる、重症 の臓器不全を伴うデング熱。心筋炎、ウイルス性肝炎による肝不全、ウイルス性肺炎による呼吸不全、神経系疾患による意識消失などを伴う ...
[2] ボリビア Bolivia
 情報源 El Dario.com (Cochabamba, Bolivia) [trans.]、2007年3月12日
保健省の全国的な疫学状況マップで示されたデング熱患者数は 634人で、うち 1人が DHF で死亡した。患者発生地の内訳; 5人 Cochabamba, 585人 Santa Cruz, 1人 Tarija, 4 人 Chuquisaca, 1人Potosi, 38人 Beni。
[3] アルゼンチン Argentina
 -Formosa, Misiones, Salta
 情報源 Diario Panorama.com (Santiago del Estero, Argentina) [trans.]、2007年3月11日
Formosa, Misiones, Salta の 3つの地区で多数のデング患者が発生している。新たに 608人の疑い患者が出た。確定された患者は全国で 149人で、国内で感染したものは、 Formosa の 3人のみであった。感染の深刻な北部で 25%の増加を見ている。その他の患者の検査は進行中である。
 -nationwide
 情報源 People's Daily online, Xinhua Agency report、2007年3月14日
アルゼンチン政府当局は、過去7日間に新たに発生したデング患者は 38人のみであ り、感染流行は沈静化したと、2007年 3月13日に述べた。3週間前にアルゼンチンでデング感染流行が発生して以来、156人の患者が感染したが、出血性の疾患はなかった。また、伝播するネッタイシマカ_Aedes aegypti_ が首都に侵入したとの噂も完全に否 定した。同省がハイリスクゾーン国に指定しているパラグアイとの国境にある Formosa で、どこよりも多い 197人の疑い患者が発生している。
[5] ウルグアイ Uruguay
 - パラグアイから
 情報源 La Prensa Digital (Argentina) [trans.]、2007年3月17日
2007年3月15日、モンテビデオ Montevideo で初のデング熱患者が確認され、市民は薬局 へ忌避剤などを求めて走った。問い合わせや苦情の電話もひっきりなしにかけられ 。パラグアイに在住していた 40才の地上輸送会社の社員が、ウルグアイで初めての デング熱患者と診断された。2007年 3月14日、ウルグアイの首都近郊の郊外で、ネッ タ イシマカのボウフラが発見された。モンテビデオ市当局は、3月16日、ボウフラが見つかったVilla Espanola 周辺で戸別調査を開始し、蚊族の繁殖に適する水たまり の一掃を目指している。
[Mod.TY- Southern Cone countries では、相当量の国境越えの地上交通量があり、 デングが発生している国で感染した患者が、デング清浄国で発症する、今回のよう な例が発生しても不思議ではない]
 -国内感染 local acquisition
 情報源 People's Daily online, Xinhua Agency report、2007年3月19日
2007年 3月18日、ウルグアイ保健当局は、初めてのデング熱国内感染患者を確認した。患者は首都モンテビデオ Montevideo から 500km の Salto 市に住む 30才男性である。 政府保健局長は、確定結果は 4-5日後になるが、患者は診療所に入院し、感染拡大防 止のため蚊よけネットの中に入れられていると述べた。Salto 市は人口 10万人のウル グ アイ川河畔にあり、アルゼンチンとの国境をなしている。当局はこのほかに 2人の 調査も行っている。ウルグアイでは、デングを伝播する蚊族を 1958年に撲滅したが、1980年代に始まった南米全域での拡大に伴い、1997年に再び姿を現した。
[6] ブラジル Brazil
 情報源 Unionradio.net de Caracas, Venezuela, Agencia EFE report [trans]、2007年3月9日
デング熱感染流行により、ボリビアとパラグアイとの国境にある、マトグロッソドスル Mato Grosso do Sul 州で 8人が死亡した。2007年 3月9日に発表された保健省のデー タによると、国内で 67847人の患者が発生し、44067人が同州で発生した。マトグロッソドスルは、農業と畜産業が中心の、人口の少ない州である。公式に DHF によるとさ れた死者は 5人である。マトグロッソドスル州の全患者のうち、31000人は州都 Campo Grande に集中し、連日 500人の新規の患者が発生する、史上最悪の感染流行に直面し ている。同州で DHF により 8人が死亡したが、検査室での確定を待っている状態であ る。2006年の 345922人のデング熱患者の 78%が、国内の大半の地域が雨期に入る1月から 5月の間に発生している。2006年の確定された DHF 患者は 628人で、うち 67人が死 亡した。
[7] ベネズエラ Venezuela
 情報源 Xinhua News Agency、2007年3月8日
2007年3月7日、ベネズエラ保健省は、2007年に入ってから 2月23日までに、9986人の 非死亡例のデング患者を報告した。2006年の同時期に比べ 42.8%の増加である。同省の第 8回の疫学報告では、コロンビアと国境を接する Zulia 州で、全国最多の 4319人の 患者が報告された。つづいてLara,Merida, Aragua, Miranda 州の順となっている。

● 天然痘ワクチン 米国,ワクシニア湿疹
PRO> Smallpox vaccine, eczema vaccinatum - USA (02) 20070320.0982
 投稿者 米・ Battelle Biomedical Research Center、Kathleen Marriott, Ph.D.、2007年3月19日。
接種を受けた人に対し、周囲への感染の危険性と対策に関する情報提供や教育が重要とのコメント。

● 結核 ロシア 2006年
PRO/AH> Tuberculosis, bovine - Russia (Arkhangelsk) 2006 (02) 20070320.0978
 投稿者 Daniel S. Shapiro、2007年3月19日
Literature on the transmission of tuberculosis from humans to cattle

ヒトからウシへの結核菌_Mycobacterium bovis_感染に関する2件の報告の紹介。

● 鳥インフルエンザ ナイジェリア、ベトナム、ミャンマー、日本、タイ
PRO/AH/EDR> Avian influenza (55): Nigeria, VietNam, Myanmar, Japan, Thailand
Archive Number: 20070320.0986
[1] ナイジェリア (北部) Nigeria (north)
Bird flu spreads in northern Nigeria's main

 情報源 Angola Press、2007年3月19日。
致死性の H5N1鳥インフルエンザウイルスはナイジェリア北部最大の都市付近の養鶏場に感染が拡大していると、2007年 3月18日に獣医学当局者が述べた。「これまでに 7地区の 33の養鶏場で鳥インフルエンザの感染が発生している」 と、Kano 州対策委員会の責任者が答えた。対策説明(中略)。約 1億 4千万人とアフリカ大陸で最も人口が多いナイジェリアにおいて、2007年初め、西アフリカ初の鳥インフルエンザによるヒトの死亡が報告されている。2007年 1月17日に Lagos において、22才の女性が、ニワトリの処分後に死亡した。初めて鳥インフルエンザが確認されたのは、2006年2月、北部 Kano市の郊外 Jaji の町の養鶏場で、その後全国に拡大した。Kano は、北部ナイジェリア最大の都市で、97の養鶏場に被害がおよび、30万羽が死亡または処分となった。
[Mod.AS- ナイジェリアの OIEへの最終報告は 2006年 4月となっている]
[2] ベトナム Vietnam: 予防策および対策 (FAO 当局者に対するインタビュー)
Vaccination programme controls bird flu effectively: FAO official
 情報源 VietNam news agency、2007年3月20日。
冬期に国全体の防御レベルを最大にしなければならない。特に、10月、11月にワクチンを接種し、旧正月 Tet の家禽の移動に備える必要がある。商業用養鶏に関しては全ての鶏に強制的に接種を行いたい。年 2回行う必要があり、生後 1日目 3-4週間後に接種しなければならない。またアヒルに対しての年 2回の接種も新たな取り組みとして行いたい。庭先飼育の家禽については、無償で行い、年 1回としても良い。(ベトナムにおいて、鳥インフルエンザウイルスにわずかな変異が見られたと報告に関しては)心配していないとした。
[3] ミャンマー Myanmar
1000 chickens killed in new Myanmar bird flu outbreak
情報源 AFP via Yahoo.news.com、2007年3月20日。
北部のミャンマー最大の都市ヤンゴン Yangon で発生した、2007年に入って 5件目の鳥インフルエンザ感染流行で、1000羽以上の処分が行われたと、2007年 3月20日に当局が発表した。感染が発生した養鶏場は約 2万羽のニワトリを有する大規模養鶏場であった。ヤンゴンの中心部の北35kmにある Hmawbi の町で感染が発生した。ミャンマーは 2007年3月のこれまでに、H5N1ウイルスの感染流行 4件が確認されている。ミャンマーにおいて、ヒトの感染は発生していない。トリとの接触のあった 960人とその家族の監視が続けられている。ミャンマーは、2006年9月に、2006年3月の Mandalay 市での感染流行以来新たな感染が発生しなかったとして、清浄化宣言を行っていた。国連は、日頃から秘密主義の政府が、迅速かつ効果的な対応を行っていることを賞賛している。
[4] 日本、クマタカ Hodgson's hawk eagle
H5N1 kills rare eagle near Japan bird flu sites
 情報源 Reuters alertnet、2007年3月19日。
H5N1 鳥インフルエンザにより希少種のタカが死亡した。このタカは、今年初めに家禽におけるウイルス感染が 3件発生した場所から 75km以内で捕獲されたと、2007年 3月19日に環境省が発表した。高病原性 H5N1鳥インフルエンザウイルスであるか、また遺伝学的にルーツはどこであるかについての、詳細な検査が行われている。しかし、野鳥により日本は同ウイルスが運んだ可能性が高まった。_Spizaetusnipalensis orientalis_ はクマタカと呼ばれ、日本において絶滅危惧種に指定されている。渡りをせず、小動物や小鳥の捕食者である。同省は、このメスの成鳥は、2007年 1月4日に九州の熊本県相良村で衰弱した状態で発見され、外傷はなかった。その後日本において、 2004年以来となる H5N1ウイルス感染が、隣県で最大の養鶏県である宮崎で確認された。その後、宮崎で 2件、岡山で 1件の感染が発生している。このタカの鉛中毒の検査は陰性となり、鳥インフルエンザの検査陽性の結果は、のちに H5N1が確定されたと、環境省が説明した。周辺の野鳥の調査は引き続いて行われる予定である。4件の感染発生地域の、カモおよびその他の野鳥の鳥インフルエンザの初期検査の結果は全て陰性である。
[Mod.AS- 日本から OIE への2007年1月13日の届出報告。高病原性鳥インフルエンザの潜伏期間は 1-7日間とされ、初発感染例から臨床的に疑われる症例が検査によって出現するまである程度の時間を要する事実を考えると、2007年 1月4日に発見された感染した野鳥が必ずしも持ち込み感染させたとは限らないが、家禽およびその他の野鳥の感染の歩哨の役割を果たした可能性はある。報告のように、この野鳥は渡りをせず、小鳥や小動物の捕食者であり; H5N1の日本への再導入のルートがいまだ解明されていないことの補足的な証拠かも知れない]
[5] タイ thailand(Mukdahan)
 情報源 Presstv.ir、2007年3月20日。
北東部 Mukdahan 県で、4件目となる鳥インフルエンザ感染流行が報告された。これまでの 3件の感染は、ピッサヌローク Phitsanulok in the lower North, Ang Thong inthe Central Plains および Nong Khai in the Northeast で発生した。新たな鳥インフルエンザ感染流行は、2週間前にMukadahanの農場で飼育されていた、自宅用のニワトリで発見された。
地図 タイ Mukdahan 県は北東のNo8