2007年3月21日

クリプトスポリジウム症 オーストラリア
鳥インフルエンザ、ヒト 抗ウイルス薬の使用

● クリプトスポリジウム症 オーストラリア
PRO/EDR> Cryptosporidiosis - Australia (SA) 20070321.0992
情報源 The Australian、2007年3月21日
サウスオーストラリア South Australia 州での胃腸炎患者数の増加により、保健当局は市民に対し、個人の衛生遵守を呼びかけている。クリプロスポリジウム症 Cryptosporidiosis 感染流行は、渇水も関与 、節水のため、より多くの小児が同じ水に入ったり、水遊び馬の水の入れ替えの回数が減らされる恐れがある。衛生当局者が、2007年に 228人の胃腸炎患者が発生し、 2006年の同時期には 52人であったと述べた。同医師は、クリプトスポリジウムは、家族内感染で拡大したことがはっきりしており、感染リスクの軽減に注意が払われるべきと述べた。「水浴びをいっしょにした子供たちが、クリプトスポリジウムに感染 しているため、感染しているあるいは感染した子供の両親に、水浴びはひとりでさせるよう求めている。」 水質アドバイザーは、クリプトスポリジウムは、患者あるいは汚染された水や家畜かによって感染拡大が起こることが多いと説明した。症状が消失した後も長期間排出され、塩素化による殺菌は困難であると話した。トイレ使用後、食事前、動物に触った後、石けんを使った手洗いが有効である。
[Mod.EP-クリプトスポリジウム属 _Crytosporidia_ がヒト-ヒトの間で感染拡大することは一般的ではない。どのような場合も手洗いが有効であることは同意できるが、感染拡大の封じ込めにつながるとは考えにくい。この中でも指摘されているように、スイミングプールのような、共同の水を使う施設の使用が主なリスクファクターである]
20070321.0994 (訂正); Cryptosporidia が細菌となっているが、寄生虫 a coccidian parasite の間違いである

● 腸炎ビブリオ チリ 2005年
PRO/AH> Vibrio parahaemolyticus, shellfish - Chile: 2005 20070321.0991
 情報源 Emerging Infectious Diseases 2007; 13(4) (in press、2007年3月21日
2005年1月から 4月の夏期の間に、チリの Region X の中心都市 Puerto Montt で腸炎ビブリオの感染流行が発生し、合計 3725人の急性下痢症患者が確認された。同市は、チリで消費されるシーフードの 75%を扱っているため、チリ全体に拡大し、3月末までのチリ全体の患者数は 10783人と、腸炎ビブリオによる下痢症としては世界最大の集団発生となった

● 鳥インフルエンザ、ヒト 抗ウイルス薬の使用
PRO/AH> Avian influenza, human (57): antiviral use 20070321.0998
[1] タイ Thailand アマンタジン耐性
タイの鳥インフルエンザウイルス株の薬剤耐性判明
 情報源 Reuters、2007年3月20日
研究者らは、タイで感染循環している H5N1型鳥インフルエンザウイルスが抗インフルエンザ薬アマンタジン amantadine に対し耐性を示すことを確認し、ヒトでの H5N1型 感染患者に対して、より有効な治療法の積極的な研究の必要性を主張している。WHO は以前より H5N1型に対する治療第 1選択としてタミフルを使用するよう勧告してきた が、2006年 5月に感染流行時には、アマンタジンとタミフルの併用療法を考慮すると していた。バンコク ・ チュラロンコン Chulalongkorn 大学の医学部教授は、タイ中央 部の H5N1型ウイルス株はアマンタジン耐性であり、同疾患対策としての使用に大きな 疑問があるとしている。アマンタジンに対する感受性や耐性を知らずにH5N1型の治 療に使用したとすると、非常に危険なことであると、述べた ... タイで感染循環 する H5N1型には 2種類のウイルスがあり、1種類は北東部、もう 1種類は中央部のウイ ルスである。北東部のウイルス株は、2006年 10月に国際的ウイルス学者グループが東 南アジアとユーラシアの家禽の H5N1型の新たな変化と述べた、福建類似株と確認さ れている。福建類似株は中国南部の福建省で2005年に初めて分離された。
[2] タイ Thailand-タミフルの使用
 情報源 Thais News online、2007年3月20日
Mukdahan で、鳥インフルエンザにより死亡した家禽と接触した 6人に、2007年 3月16日から 7日間タミフルが投与されたことが明らかにされた。Mukdahan は、隣接するラオ スの Savannakhet で鳥インフルエンザ感染流行が宣言された。 Savannakhet での感染流 行は、主に野鳥の間で悪化している。
[3] 日本-タミフル使用上の制限
 情報源 Newsday.com [リンク切れ], Associated Press report、2007年3月21日
21日、日本の医師らに対し、数少ないインフルエンザ治療薬の 1つであるタミフル Tamiflu について、服用後に複数例の異常行動が報告されたことを受け、ティーンエイジの患者らへの処方を控えるよう、注意が呼びかけられた。20日、厚生労働省は日本の販売会社である中外製薬に対し、医師に対する注意喚起を行うよう命ずる、緊急通達を行った

● 鳥インフルエンザ クウェート・ミャンマー,家きんか渡り鳥か,ジンバブエ(3件)
PRO/AH/EDR> Avian influenza (57): Kuwait, Myanmar
Archive Number: 20070321.1000
[1] クウェート Avian Influenza in Kuwait
 情報源 The Poultry site、2007年3月21日
2007年 2月に 17件の高病原性鳥インフルエンザ HPAI 感染流行を OIE に報告し、3月13日には 11件を報告した。OIE の報告によれば、3238羽の庭先飼育のニワトリ、シチメン ョウ、ガチョウ、ハト、タカ、guinea fowl、ウズラ、アヒルが HPAI により、死亡または処分となった。約 4233羽が感染の可能性あり susceptible とされた。感染は、クウェート全 6県のうち Al Farwaniyah, Al Ahmadi, Al Jarah, Hawalli, Moubarak Al Kabeer, Al Kuwayt の 5県で発生した。ヒトでの感染の報告はなく、第 1例の報告は 2005年に確認されている。その他対策などの説明(省略)。報告全文 
[2] ミャンマー Myanmar
 情報源 AP via the Intarnational Herald Tribune、2007年3月21日
ヤンゴンYangon の北約 40kmの Nyaunghnapin の養鶏場で、約 1600羽のニワトリが鳥イン フルエンザウイルスに感染し、死亡した。国連 FAO のミャンマー代表は、家禽の移動 監視を強化する必要があると述べた。感染が発生した農場から半径 1km以内のニワト リ、アヒル、ウズラの監視が行われており、当局は半径 6km圏内の販売や移動を禁止 している。しかし、当局はこの対策だけでは不十分で、他の地区で感染が発生してい ると述べた。
[Mod.AS- 2007年 3月20日の OIE追加報告では、感染したレイヤー種の正確な数は、対象22337羽、感染 1645羽、死亡 1645羽、破棄処分 20692羽となっている]
関連項目 (55): Nigeria, VietNam, Myanmar, Japan, Thailand 20070320.0986

PRO/AH/EDR> Avian influenza, poultry vs migratory birds (15) 20070321.0993
 情報源 The Nation、2007年3月21日
Cock-fighting birds likely culprit in Mukdahan H5N1 outbreak
タイ北東部 Mukdahan 県の鳥インフルエンザ感染流行は、ラオス Sawannakhet 県からの 違法な闘鶏の持ち込みが原因である可能性が高いと、2007年 3月20日に衛生当局者が 述べた。一方、 H5N1 が確認された同県 Muang 地区の 2つの地域における、死亡した家禽 との接触者の合計は 9人となり、この中には所有していた闘鶏が鳥インフルエンザによると考えられている原因で死亡した家畜担当官も含まれている。以下、タイ-ラオ ス国境間の移動を禁止しているにもかかわらず、家きんの密輸と、ラオスへ持ち込んでの違法な闘鶏 illegal cock-fighting tours が主な感染拡大の経路となっていると されている。
関連項目 poultry vs migratory birds (14) 20070314.0905

PRO/AH/EDR> Avian influenza (56): Zimbabwe, RFI 20070321.0988
 投稿者 豪・獣医師 Natalie Rourke、2007年3月19日
オーストラリアにある我々の動物園では、ジンバブエの農村における庭先養鶏募金への資金拠出を計画している。この地域の H5N1 型感染状況と、このような事業が招く 危険性の評価について、情報を求める。
[Mod.AS- ジンバブエの高病原性鳥インフルエンザ感染状況についての公式情報は、2006年 2月以来、政府機関からも OIE からも出されていない。この地域の動物衛生- およびその報告-に関しては、改良すべき点が多く残されている。質問への回答が寄せられることを期待している]

● 火傷病 モロッコ (Meknes) ナシ、リンゴ、マルメロ 初報告
PRO/PL> Fireblight, pear, apple, quince - Morocco (Meknes): 1st report 2006 20070321.0990
 情報源 National Plant Protection Organization (NPPO) of Morocco, via: European & Mediterranean Plant Protection Organization (EPPO) Reporting Service (2), 1 Feb 2007 (received 21 Mar 2007、URL 情報なし)、2012年3月21日
1st outbreak of _Erwinia amylovora_ in Morocco

● 豚熱(豚コレラ)スロベニア 否定、RFI
PRO/AH/EDR> Classical swine fever - Slovenia: NOT, RFI 20070321.0989
 情報源 Slovene Press Agency、2007年3月19日
Brezice 近郊の農場の、1匹のブタの検体の検査において、豚熱 swine fever [classical swine fever, CSF] は否定されたと 17日に報告された。
[Mod.AS-自由に動く野生のイノシシの個体群でのウイルス感染循環のことを考えれると、クロアチアの隣の国だけこの疾患から免れるとは考えにくい。特に野生のイノシシでのサーベイランス情報を歓迎する]