2007年3月22日

ムンプス ブルガリア
髄膜炎菌性疾患 ブルキナファソ、コートジボワール、米国

● ムンプス ブルガリア
PRO/EDR> Mumps - Bulgaria: supplementary vaccination 20070322.1007
 情報源 Eurosurveillance weekly release Vol. 12, Issue 3、2007年3月22日
Mumps outbreak in Bulgaria, 2007: a preliminary report
2007年 1月1日から 3月18日にかけて合計 997人の患者が報告されている、ブルガリア Bulgaria のムンプス感染流行は、現在も続いている。患者には、検査室で確定された患者と、 2005年以降ブルガリアのムンプス・サーベイランスのために採用されている、EUの症 例定義と分類に沿って、疫学に基づく臨床例が含まれている。2005年の第11週まで の報告患者はわずか22例で、2006年の同時期には311人が報告された。患者の多くは ティーンエイジャーと若年成人で、2007年の患者の60%以上が15-19才、20%が20-24 才であった。997人のうち、検査室で確定されたのは、112人(11.2%)であった。以 下、この年齢はほとんどムンプスのワクチンを接種されたことがないか、効果が乏しいとされている、Leningrad3株のワクチンを接種されていたこと。ブルガリアにおけるムンプスワクチンは1972年に導入され、1976年には定期接種となったが、1982-86 年の中断や、ワクチン株やスケジュールの不統一などがあったこと。1982-92年生まれは、ムンプスのハイリスクであるため、追加で接種を受けるよう勧告されていることなど。

● インフルエンザウイルス ブラジル
PRO> Influenza virus, seasonal spread - South America (Brazil) 20070322.1006
 情報源 Fogarty International Center, NIH (National Institutes of Health) News, press release、2007年3月20日
Unexpected pattern of influenza spread in South America and tropics

研究者らが、南半球および熱帯地方、とりわけブラジル Brazil におけるインフルエンザ伝播様式を調べたところ、各シーズンにおいて、インフルエンザは赤道付近の人口の少ない地域から、より人口の多い中心地へと拡大していることが判明した。 American Journal of Epidemiology 誌に掲載された、"Seasonality of Influenza in Brazil : A Traveling Wave from the Amazon to the Subtropics (ブラジルにおけるインフルエンザの季節性: アマゾン地方から亜熱帯への移動) " と題されたこの論文は、ブラジル全体のインフルエンザウイルス感染拡大と、インフルエンザ関連死亡、の季節性について語られており、ブラジルが一定区間の緯度をまたいで熱帯や亜熱帯などの様々な地方を含む国である点からも興味深い ... ブラジルにおけるインフルエンザ流行期間については、年初に赤道地域において発生し始め、北半球で使用される勧奨されるワクチン株の組成は、赤道周辺の南半球の国々において、より適合する可能性がある。熱帯地域の国々が相当量のワクチンを導入し使用する際、この地域の重要性が増している

● 結核 米国 XDR 1993-2006年
PRO/EDR> Tuberculosis, XDR, 1993-2006 - USA 20070322.1005
 情報源 MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2007;569(11): 250-3、2007年3月22日
2006年に発行された、National TB Surveillance System 米国結核サーベイランスシ ステム (NTSS) のデータによると、1993-2004 年の 74件の結核感染症例が、超薬剤耐性 XDR の診断基準に一致していた。その後、新たな診断基準が示唆され、2006年の WHO による診断基準の改訂では、結核第 1選択治療薬のうち少なくとも イソニアシッド と リファンピシンに耐性で、フルオロキノロンにも耐性であり、2次治療用の注射用薬剤 (アミカシン、カプレオマイシン、カナマイシン) の 1種類以上に耐性と改められ た。この報告は、改訂された XDR の診断基準に基づく、米国での超薬剤耐性結核に関 する 2006年の報告である ...
[Mod.LL-2007年 3月24日の World TB Day の紹介など]

● カンピロバクター症 米国
PRO/AH/EDR> Campylobacteriosis, unpasteurized milk - USA (UT Utah) 20070322.1004
 情報源 KSL.com, Associated Press report、2007年3月21日
ユタ州で患者15人が発生。 7人が同一の生産者の未殺菌ミルクに関連。
ユタ郡保健当局 Utah County health officials は、発生した7例の重症食中毒患者が、同じ製造所の乳製品と関連していたことをうけ、生乳を消費しないよう警告をだした。2007年3月21日、ユタ州農業局 Utah's Department of Agriculture は、発病した消費者らが生のミルクを購入したと報告している Payson の Woolsey's Diary に対し調査を申し入れた。 ... 確認さ れている15人の患者のうち、7人は同社の生のミルクとの関連が確認された。全ての患者で、カンピロバクター_Campylobacter_ が陽性であった。この一般的な細菌による感染症により、下痢症、腹痛、発熱を発症し、約 1週間症状が続くと、当局者が説明した。重症例では命に関わることがある。多くの患者は曝露後 1-10日のうちに発症する。医師ら は、 この疾患を報告するよう求められていて、最初の報告は 2007年 3月19日に行われ た。1人のみ入院となり、同一家族の複数の患者籾止められている。2006年、郡内で 39件が発生しているが、全てが生の食品と関連があったわけではない。DNA 検査によって、15例が全てに関連性があるのか調査されている。同社は約 100ガロンの生のミルクを毎日生産し、48時間以内に販売しており、年 4回の監視を受けている。
[Mod.LL- 2005年、CDC からの最新の米国における 19件の食品関連のカンピロバクターによる疾患報告があり、感染源の判明した 16件のうち、7件は未殺菌のミルクとの関連があり、1件は殺菌ミルクに関係していた ... 20070302.0741 ... 2007年2月現在、27の州で生のミルクの販売が認められている。未殺菌ミルク 取り扱いの公衆衛生上の問題を強調し た論文の紹介など]

● 髄膜炎菌性疾患 ブルキナファソ、コートジボワール、米国
PRO/EDR> Meningococcal disease update 2007 (13) 20070322.1003
[1] ブルキナファソ Burkina Faso
 情報源 AllAfrica.com, UN Integrated Regional Information Networks (IRIN) report、2007年3月21日
ブルキナファソの衛生当局は、800人以上が死亡した急速な拡大を続ける髄膜炎対策 として、首都ワガドグー Ouagadougou におけるワクチン一斉接種を開始した。ワガドグーの感染流行は、予想を超えるものであると、保健省事務局長が述べた。保健省に よれば、2007年1月以降、ブルキナファソで 10796人が髄膜炎に感染し、801人以上が 死亡した。全国の 55の衛生管区のうち、26地区で感染が流行し、11地区が警戒域と なっている。保健省は髄膜炎菌ワクチンの盗難対策のため、全ての薬ビンに番号タグ を付け、空瓶を回収して、使用形跡を把握している。当局は、2006年に6地区で感染 流行が発生し、ワクチンの一斉接種が行われたにもかかわらず、2007年に再び発生し た理由を調査している。
[Mod.LL- 全確定患者は、A群髄膜炎菌の感染であった。2007年3月16日のブルキナ ファソの感染流行の投稿では、患者4958人、死者432人となっていた。3日後の投稿で は、7333人死者 583人、さらに今回その 2日後に、数字は患者 10791人、死者801人と なっている]
[2] コートジボワール Cote d'Ivoire
 情報源 AllAfrica.com, UN Integrated Regional Information Networks (IRIN) report、2007年3月21日
コートジボワール衛生当局は、首都アビジャン Abidjan の北 800kmにある Boundiali において、2007年 3月20日にワクチン一斉接種を開始した。2007年2月中旬より 、この地域で死者 6人を含む患者 36人が報告されていると、国連機関が明らかにした 
[3] 米国 USA, school cluster (California)
 情報源 The Fresno Bee、2007年3月22日
Frenso 郡保健当局は 21日、El Captain ミドルスクールの生徒 3人が、まれな細菌性感染症である髄膜炎菌性髄膜炎で入院したと発表した。当局 、生徒および教職員らに、予防の抗生物質を配布した。ミドルスクールには 7年生お よび 8年生が約 830人通学し、スタッフは教師を含め 65人いる。生徒らには髄膜炎菌ワ クチンも用意されている。この 3人の生徒のうち、1人は髄膜炎菌血症を発症している と、医師は話した。患者との濃厚接触者は抗生物質を処方されている。同郡では年 平均 8人の髄膜炎菌性髄膜炎が発生している。当局は、2007年 3月17日と 20日の間に、 2人の児童が髄膜炎症状で、救急室を受診し入院した報告を受け、感染発生を覚知し た。同 21日には、3例目が同じ場所で発生し、アウトブレイク発生の公衆衛生基準を満たした。米国内での集団発生 outbreak はまれである。
[Mod.LL- 今回の感染の、髄膜炎菌の夾膜による分類については触れられていない が、おそらく、B,C,Y のいずれかであろう]

● マラリア キルギスタン,コメント
PRO> Malaria - Kyrgyzstan: control campaign (02): comment 20070322.1009
 情報源 GIDEON (Global Infectious Disease and Epidemiology Network) Online、2007年3月22日
Emergence of malaria in Kyrgyzstan
キルギスタンのマラリア急増に関し、国内および隣国タジキスタンの報告患者数の割合 reported disease rate は、近年のインドやタイと同じかそれを凌いでいる。
関連項目 20070318.0954

● 鳥インフルエンザ インド、バングラデシュ、パキスタン、サウジアラビア
PRO/AH/EDR> Avian influenza (58): Bangladesh, India, Pakistan, Saudi Arabia 20070322.1008
[1] バングラデシュ Bangladesh, 1st case suspected
Bangladesh says detects bird flu in poultry
 情報源 Reuters Alertnet、2007年3月22日
バングラデシュ政府は 22日、首都ダッカ Dhaka 近郊の家禽において、H5N1 鳥インフルエンザが確認されたことを明らかにした。ダッカから 25km離れた Savar の 養鶏場で鳥インフルエンザウイルスが確認されたと、情報省当局が声明の中で伝え た。「バングラデシュの家畜研究所と、バンコクの国立動物衛生研究所で H5N1 ウイ ルスの存在が確認された」。バングラデシュ国営ビーマン Biman 航空の経営する養鶏場の鳥インフルエンザで発見され、既に 3万羽が処分された。
[Mod.AS-公式な確認と正式報告があれば、バングラディシュは、OIE 加盟国中 61番 目の H5N1 感染リスト国となる]
[2] インド India: prevention
Ahmedabad Zoo takes emergency steps to contain bird flu

 情報源 Malaysian Sun、2007年3月22日
2007年2月にパキスタンで H5N1によるクジャク 4羽とガチョウ 1羽が死亡したことを受 け、Ahmedabad 動物園で鳥インフルエンザ感染対策が実施された。 「トリたちにビタミン剤を多く与え、清掃と消毒薬散布、月ごとのチェックの強化、 検体検査の実施などを行っている」と管理者が説明した。
[Mod.AS-2006年 8月11日、インドは OIE に対し公式に鳥インフルエンザの清浄化を取り戻したと報告している(具体的な内容の報告)。それによれば、最後の感染流行はマハラシュトラMaharashtra 州 Jalgaon 地区で 2006年 4月18日に発生したもので、記録では 2006年 1-4月の間に Maharashtra and Gujarat の 2つの州で発生した]
[3] パキスタン Pakistan:Dawn、2007年3月22日
Bird flu resurfaces in capital
鳥インフルエンザウイルスが再び首都において確認されたと、2007年 3月21に当局が発表した。国立鳥インフルエンザ委託研究所は、首都の複数の場所から採取された 8羽のカラスのうち、2羽で鳥インフルエンザウイルスを確認したと、食料農業省広報 担当者が述べた。検体は、公園や道路脇などから採取されたとし、一部は Tarlai か らのものであると述べた。野鳥によって持ち込まれた可能性があり、トリの死骸を触 らないよう市民に呼びかけている。
[4] サウジアラビア Saudi Arabia
 情報源 France 24、2007年3月22日
Saudi Arabia reports 1st bird flu outbreak in fowl

サウジアラビア Saudi Arabia の当局は 22日、ヒトにとって危険な H5N1鳥インフルエンザが、かごで飼育されていた captive birds で、王国内では初めて発見されたことを発表した。検査により、東部州 Eastern Province の、シチメンチョウ、 オウム、クジャク、ダチョウで感染が確認されたと、農業省の声明の中で述べられ た。同省は、感染したトリの数を明らかにしていないが、感染拡大防止策は実行され ているとしている。隣りあう湾岸のクウェートでは、2月25日以降、国境付近 のWafra を中心に、H5N1鳥インフルエンザ感染が多発しているが、約 300人の検査の結果、ヒトでの検査陽性例は発生していない。

● 口蹄疫 イスラエル
PRO/AH/EDR> Foot & mouth disease, gazelle - Israel (L. Galilee): susp. 20070322.1002
[1] 北部で 10頭の死亡確認
 情報源 Haaretz daily (Hebrew edition) [trans.]、2007年3月22日
Yisachar plateau と the Tavor creek の間で、10頭のガゼル gazelles が死亡して発見され、 北部のける口蹄疫 an outbreak of foot-and-mouth disease (FMD) 流行の不安が広がっている。北部で数ヶ月のうちに、 複数の家畜の群れで、口蹄疫が確認されており、現在はガゼルにまで感染が及んでい る。検体は検査中であるが、診断はほぼ確実である。
[2] 情報源 Haaretz daily (English edition)、2007年3月22日
the [Lower] Galilee の the Tavor River 周辺において、10頭のガゼルの死体が発見され、口蹄疫感染が疑われている ...