2007年3月24日

◎ リフトバレー熱 タンザニア

◎ リフトバレー熱 タンザニア
PRO/AH/EDR> Rift Valley fever, Eastern Africa (25): Tanzania (Dodoma), WHO 20070324.1024
[1] Rift Valley fever in the United Republic of Tanzania
 情報源 World Health Organization (WHO) Epidemic and Pandemic Alert and Response (EPR) disease outbreak news、2007年3月23日
1月18日に動物の間で発生が開始したリフトバレー熱 outbreaks of Rift Valley fever (RVF)は、2007年2月はじめに、 Arusha region において初めてのヒトの感染例が報告され、2月中旬までに報告された 8例のうち、死亡した 4例の感染が確定診断されている; 残る Arusha, Mangara, and Tanga からの 4例の患者らは入院中である ...
[2] 20070320.0983 に関し。
 投稿者F. Glyn Davies MA. PhD (Cantab) MB Vet. MRCVS、2007年3月23日
[Mod.AS-20070320.0983 の、ケニア獣医学当局は家畜でのワクチン一斉接種が、RVFの拡大につながっている可能性があるとの記事を受けて、世界的な RVFの権 威であるProf Glyn Daviesにコメントを求めたところ:
Dodoma や Morogoro 地方の RVF ウイルスは、ケニアからの拡大によるものではない。現地では数年にわたって、土着感染していることが知られており、タンザニア当局の年次報告にも記録がある。この流行は発生 emerge したもので、ウイルス活動が 2006 年後半の多量の降雨や洪水によって引き起こされたものと考えられる。 
RVFウイルスの解説 (抜粋); RVF ウイルスの自然史の基礎的な理解が欠けている。洪水による水溜りで生まれるヤブカ属の経卵感染によりウイルスが伝播される。継続的な伝播には、洪水が残留し、膨大な数の蚊族がその中で繁殖することが必要で、これにより二次的な感染伝播の能力が獲得される。多くのヤブカ属やイエカ属、その他の蚊族でも、このような状況は起こりうる。吸血される反芻動物の宿主において増幅されるが、多くの動物は、感染による症状をほとんど示さない。急性の流行曲線は洪水の持続期間に左右されるが、通常は 3-4ヶ月程度である。しかしさらに 2-4ヶ月延長する場合もある。在来種のヒツジ、ヤギ、コブウシ zebu-type [_Bos indicus_]、ウシなどは、比較的 RVF に抵抗力がある。
この期間、RVF ウイルス活動性の第 1の指標は、ヒトでの感染である。外来種のウシ、ヒツジ、ヤギや混血種において、流産や若い個体での発症などにより、 RVF の臨床症状が確認できることもある。アフリカの風土病感染地域では、このような症例はほとんど見られない。疾患の指標となる宿主がない場合 、RVF ウイルスの活動は潜在化する。現在の東アフリカでの感染流行は、予想された時間経過どおりに発生している。大規模なワクチン計画によって病原性 ? virulent RVF virus が効果的に伝播したあと、流行曲線に変化が生じたと考えられる。
ワクチン接種がなければ感染しなかったであろう数十万頭の動物がこれに関与している。 Smithburn MLVV (修飾された生ワクチンウイルス株) などのワクチンによる接種は、ウイルスが活動時期にある場合は絶対的禁忌である。このため、感染流行早期に RVF を 察知 し、流行前ワクチン接種を実施する目的で、早期警告システムを築いた。ベクターによる動物間の RVF ウイルス伝播中のワクチン接種では、注射針によるウ イルス感染拡大が容易に発生する。Dodoma 地域における感染症例の増加の原因はこういったことによると思われる]
[Mod.AS-感染流行期における、Smithburn ワクチンの使用、および注射針による反芻動物での感染伝播のリスクについても語られている。ワクチンのマイナス の影響に関する言及は、2007年 1月18日にタンザニアで感染流行が開始したにもかかわらず、第1便のワクチンが 3月2日に南アフリカからやっと到着し、ワクチン接種が開始された、時間経過についての指摘である]

● カンピロバクタ-症 米国
PRO> Campylobacteriosis, unpasteurized milk - USA (UT Utah) (02) 20070324.1033
 投稿者 米・Retired USDA/ARS、John L. Hyde, DVM, MS、2007年3月22日
ミルクの殺菌に関して、超高温 Ultra High Temperature (UHT) 殺菌 (139℃、2秒のあと、直ちに4℃に冷却) が、適切に行われれば、ミルクは滅菌される。常温で 3-4ヶ月 間の期限有効で、生や従来の通常の殺菌方法で発生していたヒトでの感染症に対して、大きく安全性を改善した。とりわけ、ガンやエイズによる免疫不全および妊娠中の人には重要である。UHT 殺菌ミルクは、ほとんどのスーパーで手にいれることができるが、ミルク製造会社は積極的ではなく、一部には通常の殺菌が行われたミルクは 無菌状態ではなく、冷蔵が必要で数日後に酸っぱくなることがその理由かもしれな い。ミルクが酸っぱくなる(傷む)ことは、より多くの購買を生むことを意味する。

● クリプトスポリジウム症 オーストラリア,コメント
PRO> Cryptosporidiosis - Australia (SA) (02): comments 20070324.1029
[1] ヒト-ヒト感染は一般的に起こる
 投稿者 豪・Australian Government Department of Health & Ageing、Martyn Kirk、2007年3月23日
クリプトスポリジウム Cryptosporidiosis が ヒト-ヒト感染を起こすことは、通常おこらないとのコメントであったが、オーストラリアでは一般的に認められている。水系感染としての詳し い記述があるため、水系感染が主な感染経路とみなされ、実際動物によって水源が汚 染される場合は重要だが、報告を受ける感染例はほとんどが散発例で感染源は特定 できない。オーストラリアでは、いずれの水系感染もまれである。プールやふれあい 動物園などでの感染報告がある。クリプトスポリジウムの主な感染経路は2つあり、 感染動物からの経路と、患者からの経路であり、これは、ヒトに感染する主な種に は、_C. hominis_ および _C. parvum_ (Hunter et al, 2007) の2種類があることを反映している
[2] プール以外での感染は珍しくない
 投稿者 豪・Branch Department of Health、Dr Ann Koehler, BSc MBBS FRCPA MPH、2007年3月22日
オーストラリア南部では異常な渇水が続き、節水のため子供らを同じ水で水浴びをさせる親が多いと思われる。プールのような水以外で _Cryptosporidium 感染がおこるか疑われていることに驚いている。われわれの調査では、家族内で多数の患者が発生したにもかかわらず、水泳や水浴び用のプールや水のレジャーでの接触歴がない症例が数多く見られた。一部の小児らは共同で水に入っており、この場合は関連性があったと考えられる。クリプトスポリジウムのオーシストは、感染するとすぐに発病し、ヒトにおいて急性下痢症を発生させるため、細菌性下痢症でおこる ヒト-ヒト 接触感染が "起こらない" とすることはありえない。以下の文献を参照するとよい (4編)。
関連項目 Australia (SA) 20070321.0992 Australia (SA): corr. 20070321.0995

● サルモネラ感染症 米国
PRO/AH/EDR> Salmonellosis, serotype Newport, Mexican-style cheese - USA (IL) 20070324.1027
[1] メキシコ風チーズによる 32人のサルモネラ菌感染を確認
 情報源 Daily Herald (IL)、2007年3月23日
22日、当局によれば、ヒスパニック系の食料品店で販売されていた、製造認可を受けていないメキシコ風チーズが、イリノイ州 Kane 市でのサルモネラ症感染流行の原因と疑われている。当局により、"queso fresco" および "queso cotija" のラ ベルがついたメキシコ風チーズが回収された。2006年1月以降 32人の Newport 型の細 菌感染患者が Kane 市で確認され、例年の 4倍の報告となっている。確定されていない 300人以上の患者がいるものと考えられている。
[2] Suspected salmonella source 'everywhere'
 情報源 The Courier、2007年3月23日
[Mod.LL-"queso fresco" (fresh cheese) "queso cotija" ( aged cheese) の感染源はまだ分かっていない。殺菌処理済みのミルクで製造されたかどうかも不明である。20010503.0855、20020401.3855に、この種のチーズによるサルモネラ Newport の感染流行が報告されており、20040920.2304 と20061202.3409 では、他の食品による流行が報告されている]

● 鳥インフルエンザ バングラデシュ、タイ
PRO/AH> Avian influenza (59): Bangladesh, Thailand 20070324.1032
[1] ワクチン No need for poultry vaccination in Europe - U.N. vet
 情報源 Reuters alertnet、2007年3月22日
ヨーロッパにおいて、家禽へのワクチンは不要-国連獣医学当局
国連の獣医学専門家は、2007年 3月22日、ヨーロッパの鳥インフルエンザ対応および 報告システムは強化されており、家禽の予防的ワクチン接種は不要であると述べた。 一部の専門家らは、ワクチン接種が必要と考えているものの、国連 FAO の獣医学主席 専門官は、"ワクチンは強力な鳥インフルエンザ対策の手段ではあるが、常在国で感 染流行が多発し、ヒトへの感染のリスクが高まるような状況の有事に使用されるべき である" として、鳥インフルエンザに迅速かつ効率的に対応されている、現在のヨー ロッパで使用する理由はないと述べた。その他、ベトナム、インドネシア、中国など でのワクチン接種に関するコメント。
[2] バングラデシュ Bangladesh:Chennai online、2007年3月24日
政府の鳥インフルエンザ感染への対応について
Bird flu: Culling on in Bangladesh
[3] 鳥インフルエンザウイルス、VおよびX型: タイ
Thailand: Experts see double threat from flu strains
 情報源 The Nation online、2007年3月24日
タイ:専門家らは、2種類のインフルエンザウイルス株による脅威を認識している
2007年3月23日、専門家らは、タイで確認されている2種類の異なる "sub-clades" と 呼ばれる遺伝子型の H5N1 型鳥インフルエンザウイルスが接触し、予想外の変異株が発 生する危険性を指摘した。チュラロンコン Chulalongkorn 大学は、北東部 Nakhon Phanom 県のウイルスの検体が、タイにおいては新しく確認された株であり、中国南東部で 2005年以降感染循環する H5N1型ウイルス株により近い株であることを発見し た。一方、lower North region の Phichit 県からの H5N1型検体は、タイやベトナムに おける 2004-2005 年感染流行中に分離された株に近いものであったと、同大学教授が 答えた。Phichit 県のウイルスは遺伝型Zであり、Nakhon Phanom 県のウイルスは V で あったと報告に記載されている。北東部 Mukdahen 県での最新の鳥インフルエンザ感染流行では、北東部からの V型ウイルスが感染拡大し、lower North および中央部に土着感染する Z型ウイルスと遭遇する危険に対して、不安が高まっている。Mukdahan のウイルス DNAの遺伝子配列解析の結果は未確定だが、家禽の死亡状況から Nakhon Phanom で確認 されているウイルスと同型であるもの可能性が高いと述べた。 2人の研 究者らは、2つの遺伝型の混合により、新たな H5N1ウイルス株が新興する結果が、重大なものとなるかどうか未定である点についての意見は、一致している。しかし、 Mahidol University's Siriraj Hospital のウイルス学教授は、"2つの遺伝型のウイ ルスが遭遇して融合すれば、良くない結果となるだろう" とし、未知で予想外の危 険性を孕んだ、異常なウイルスが誕生する可能性があると述べた。新たなウイルス株に既存のワクチンが有効であったとしても、研究者らは、ゼロからこの新たなウイルスの研究を開始する必要があると説明された。この研究者は、Northeast のウイルス株が他の地域、 とりわけ中央部 Central に拡大しないよう、あらゆる対策を行うべきであると述べた。以下、以前からの家禽のみに対する対策では、野鳥による感染伝播には無効であり 、閉鎖式養鶏場の屋内で野鳥から隔離して飼育しなければならないこと。問題は、多くの家禽が、放し飼い、庭先飼育、闘鶏などの、屋外で飼育されていること。積極 的な検査サーベイランスが2つの遺伝型の警鐘を察知するのに極めて重要であること。
[ModCP- V および Z型の H5N1型鳥インフルエンザウイルスのサブユニットの再集合により、家禽に対しての病原性が変化したウイルスが出現する可能性があるが、必ずしもヒトへのリスクが高まるとは限らない]

● アフリカ馬疫 南アフリカ
PRO/AH/EDR> African horse sickness - South Africa (W. Cape): OIE 20070324.1031
 情報源 OIE Disease Information, WAHID [World Animal Health Information Database], weekly disease information, 2007; 20(13)、2007年3月24日
African horse sickness, South Africa
感染発生時期 2007年3月15日
前回発生時期 2004年3月14日
原因ウイルス orbivirus
感染流行の詳細
発生地 Kunnenburg, Paarl (Western Cape Province)
感染種 ウマ科 18頭中 感染1頭、死亡1頭

● トマトの病気,Torrado disease 新種ウイルス確認
PRO/PL> Torrado disease, tomato: new virus identified 20070324.1030
 情報源 Wageningen UR (report accessed on Fri 23 Mar 2007)、2007年2月15日
オランダの Wageningen 大学研究センター内、国際植物研究所の研究者らは、危険なトマトのウイルスの 1種を発見した。このウイルスは、Torrado ( "酒酔い roasted" ) 病により、スパニッシュトマトの成長に永続的な障害を与える。最近 Archives of Virology に発表された。
[Mod.DHA-この新種のウイルスは、スペインの Murci a地方の "torrado disease” のトマトから分離された; 非常に明確な壊死で、ほとんどやけどのような症状が、感染した植物の葉に現われる。以下、ウイルスの大きさや特徴の詳細]

● 原因不明の死亡、ウシ オーストラリア
PRO/AH/EDR> Undiagnosed deaths, bovine - Australia (NSW): RFI 20070324.1028
 情報源 ABC Online - Australia、2007年3月22日
ニューサウスウェールズ州 New South Wales (NSW) 西部で、この数ヶ月間に 200頭以上のウシが、原因不明の疾患により死亡している。動物衛生管理局長 Senior regional animal health manager、The Department of Primary Industries (DPI) は、ウシの症状が多彩であると話している。 初感染例は子牛で、2、3日は調子を崩した程度か scouring [げっそりする、やや大量の下痢] しか見られないが、(その後) 突然死亡すると説明した。そのほかの観察される症状として、上気道症状や肺の症状、鼻からの吐物、口から泡を吹くなどの雑多な症状があると、述べた。
[Mod.MJ- 可能性として、コクシジオイデス coccidiosis は子牛では一般的でなく、'shipping fever' と一括して呼ばれる、呼吸器細菌感染合併症に関しては、子牛の移動の有無が記載されていない。成獣も感染したようなので、ウシウイルス性下痢症の可能性もある。もうひとつ同様の症状を示すものとして、悪性カタル熱 malignant catarrhal fever の可能性もある。診断法、検査、などの情報を期待している]

● ウリ科ウイルス、CYSDV 米国,キシコ 2006年
PRO/PL> Cucurbit virus, CYSDV - USA (AZ Arizona), Mexico (SON): 1st report, 2006 20070324.1026
 情報源 UANews、2007年3月20日
2006年秋のアリゾナ州で、植物のウイルス Cucurbit yellow stunting disorder virus [* ウリ科黄色萎縮ウイルス], CYSDV の 1種が初めて確認され、次期の Sonora メロンやカボチャ squash の収穫に深刻な影響を与える可能性がある。同ウイルスは、ウリ科の植物の仲間、すべてのメロン、夏カボチャ squash と冬カボチャ、パンプキン、ヘチマ、キュウリなどに感染する。2006年に、アリゾナ州南部のメロン、メキシコ Sonora のメロンやカボチャに、深刻な経済的損失が発生した ... 以下詳細を伝える長文記事、原文参照願います)
[Mod.DH-ウイルスの解説(長文);cucurbit yellow diseases は、コナジラミ whitefly が伝播する _Closterovirus_ が原因であり、世界各地で経済上の重要な大問題となっている。最新の yellowing diseases 感染流行は、CYSDV によって発生して いる。スペイン、ポルトガル、モロッコ、UAE、北米で確認されており、スペインでは温室の植物すべて(100%)に感染が起こる事例が観察されることがしばしばである。記事では、ウイルス耐性の遺伝子組み換えによる導入に多くが割かれている。2 種 類の transgenic multiple virus-resistant squash crops (遺伝子組み換え多種 ウイルス耐性カボチャの産品) は、すでに市場に出回っている。多くのウリ科植物の同様の産品については開発済みで、複数社から実地試験の申請が出されている。葉脈内 interveinal の萎黄病の症状は、スペインの南東岸の温室のメロンやキュウリに おいてよく見受けられる。原因ウイルスはCYSDV で、ベクターは tobacco whitefly (_Bemisia tabaci_ [Bt]) に限定されている。ベクター内で 7日以上保有される ... 以下ウイルス学的な詳細情報、2000-2002年のキプロスでのウイルス確認など (省略; 最後は、遺伝子組み換えは、経済損失の減少のため重要であるとの論調で締めくくられた) ]

● 口蹄疫 イスラエル
PRO/AH/EDR> Foot & mouth disease, gazelle - Israel (L. Galilee) (02): conf, OIE 20070324.1025
 情報源 OIE Disease Information, WAHID [World Animal Health Information Database], weekly disease information, 2007; 20 (13)、2007年3月24日 
Foot & mouth disease, Israel: Follow-up report No. 9 , 23 Mar 2007
原因ウイルス 口蹄疫FMDウイルス01
新たな感染流行 発生地 Ramat Issaschar, Yizreel (Hazafon)
感染流行開始時期 2007年3月17日
感染種 野生 [ガゼルgazelle] 
感染頭数 18頭 死亡 14頭 廃棄処分 1頭
感染個体群 2007年1月に家畜のウシの群れで感染流行が発生した Newe Ur 近郊の、ガゼルの群れ
[Mod.AS- FMD ウイルス O型のイスラエルでの流行開始 (2006年12月末) 以来、(主にウ シでの) 家畜反芻動物の感染流行 17件が報告されている。より FMD O型に感受性の高 い、野生保護動物のガゼ ルMountain gazelle (_Gazella gazella gazellae_) での高 い致死率の感染流行は、1985年に同じ自然保護区の Ramot Yissachar でも見られた。調査によって、近年イスラエル北部で個体数増加が伝えられている野生イノシシや、他の中東諸国の事情なども伝え らることを期待したい]