2007年3月25日-26日

リステリア症 英国、サンドイッチ

● リステリア症 英国
PRO/EDR> Listeriosis, sandwiches - UK (England): alert, recall 20070326.1049
[1] 患者とサンドイッチの菌が一致
 情報源 BBC News、2007年3月26日。
リステリア症患者の 1人が、この菌に汚染されたサンドイッチを食べたことによって感染した疑いがある。このサンドイッチは、Kent-based Anchor Catering 製で、Kent, Sussex, Surrey, Essex, Middlesex, and Greater London 全域に流通している。 2007年 3月26日、健康保護局は入院患者が、Anchor 製品と同じリステリア菌に感染していたことを明らかにした。「院内で同ケータリング製と思われるサンドイッチを食べた免疫低下の患者から、会社から検出されたものと同一のリステリ ア菌が検出された」 ことを明らかにした。食品基準局は 16日、このサ ンドイッチの商品回収を行った。その後患者は発生していないが、同局は、発症まで最高 90日を要することがあるとしている。Anchor または Pomegranate とラベルの付いた、消費期限 2007年 2月21日から 3月14日までのサンドイッチは、South East 中の学校や会社にも届けられている。
[2] 定期検査で検出
 情報源 Health Protection Agency press statement、2007年3月16日。
同内容。Ashfold の当局は、定期検査のための、ごく少数のサンプルでリステリア菌の検査陽性が出たことをうけ、この問題を確認した。このサンドイッチを食べたことによる、リステリア症の危険はかなり低いが、予防的な対策を行っている。妊婦、高齢者、免疫力の低下がある場合は、感染の危険性が高くなる

● 食中毒、吸収不良症候群 魚類 スペイン 
PRO/EDR> Food poisoning, malabsorption syndrome, fish - Spain (Aragon)
Archive Number: 20070326.1052
 投稿者 西 ・ Aragon Government、Joaquin Guimbao Bescos、2007年3月26日
15 cases of food poisoning possibly related to fat rich food
症例定義: 便失禁や、油性排泄物で下着が汚れたエピソードのある患者で、自然治癒した疾患との関連のないものについて
スペインの Zaragoza で、2006年 5月以降 15例の患者が家族内発生し、相互の関連はなかった。以前の吸収不良症候群や前治療薬はなかった。
疫学調査から、ある種の魚の摂取との関連性が示唆されたが、魚の種は特定されていない
仮説: 魚類には脂肪吸収を阻害するような、未知の物質が含まれていた 
魚は 1種類の "oil fish" で南オーストラリアで以前報告された、同様の流行に関連していた
[Mod.MPP-オーストラリア Australia で、バラムツ escolar、butterfish、oilfish、ruddercod および rudderfish の摂取に関連する、吸収不良症候群の集団発生事例の報告があり、また、脂肪ゼロのポテトチップなどの食品を製造するために使用される代用品の olestra の摂取でも、同じような異常が発生している ... 以下、詳細な解説(長文)]

● 病原大腸菌 O157 米国 2006年
PRO/EDR> E. coli O157, spinach - USA (multistate): 2006, FDA report
Archive Number: 20070326.1051
 情報源 U.S. Food and Drug Administration (FDA) press release、2007年3月23日
FDA とカリフォルニア州保健局は、2007年 3月23日、2006年8月の病原性大腸菌 O157;H7 の感染流行に関する詳細な原因調査の共同報告を提出した。Dole brand Baby Spinach ホウレンソウが原因とされ、確定患者 205人うち死者 3人が発生した 

● サルモネラ感染症 米国
PRO/EDR> Salmonellosis, serotype Tennessee, peanut butter - USA (14) 20070326.1050
 情報源 WALB News、2007年3月22日
当局による、ConAgra社の生産ラインへの再三の立ち入り調査を伝える記事。
[Mod.LL-記事の内容からは、どこで菌が分離され、どのようにプラントに導入さ れ、ピーナッツバターがどのように汚染されたかはわからない]
[Mod.JW-ロースターは、通常の運転においては温度が高くなりすぎて、細菌は生 存し得ないと思われる。しかし、汚染された清掃用具なら、細菌をばらまくには絶好の道具となりうる]
関連項目 serotype Tennessee, peanut butter - USA (13) 20070310.0848

● 鳥インフルエンザ、ヒト  エジプト、香港
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (58): Egypt, China (Hong Kong) 20070326.1046
[1] エジプト Egypt: Girl with avian influenza is 27th human case
 情報源 Reuters Foundation AlertNet、2007年3月25日。
3才のエジプト人の女児が鳥インフルエンザに感染し、エジプトにおける 27例目の患 者となったと、国営通信 MENA が 25日伝えた。保健省の話として、この少女は、3月15日に南部の町 Aswan の病院に運ばれ、鳥インフルエンザウイルスの 検査結果が陽性となったと報じられた。エジプトでは、2006年2月の初めての発生以来、13人が死亡していて、世界中で最も致死率の高い国の1つとなっている。最新の死亡は、21例目の患者で、2007年 2月15日に死亡した。この少女は、高熱 とその他の鳥インフルエンザの症状で病院を受診した。家禽との接触があったため、 鳥インフルエンザの標準的治療薬であるタミフルを処方された。「状態は安定してい る。家族に関する疫学調査が行われている」 と伝えた。エジプトでの死者の多く は、家禽との接触を患者が隠蔽し、タミフルによる治療が遅れた結果であると、保健 当局は述べた。エジプトにおける患者 27人のうち、13人が死亡し、12人は完全に治癒 し、2人が現在も治療を受けている。最近、この他に 2症例が Aswan 県で発生している が、保健省はこれらの症例の間に関係はないとしている。
[2] 香港 Hong Kong (SAR): No onward human transmission of baby's bird flu- H9N2 case
 情報源 Shanghai Daily.com, Xinhua report、2007年3月26日。
香港の医療調査担当者らは、軽症の鳥インフルエンザに感染した 9ヶ月の乳児 [20070320.0975] における、ヒト-ヒト感染の可能性を否定したと、健康保護局管理 者が述べた。2007年3月24日のラジオで、9ヶ月の乳児から分離されたウイル ス -- H9N2、軽症型の鳥インフルエンザ-- の遺伝子配列解析から、ウイルスの遺伝子はすべて、トリが起源であったことが示された。このことは、このウイルスが直接トリ から女児へ、ヒトのインフルエンザウイルスに混じることなく [遺伝子のサブユニッ トの交換や、分節内の組み替えなしに] 感染したことを示していると述べた。この乳児は、発症前に野鳥と接触したことはなかった。医師は、この女児が、家族と何度も訪れていた香港新界 New Territories 地区にある近所の生鳥市場で感染した可能性 があると述べた。また、医療従事者 1名、この乳児と United Christian Hospital の同室にいた小児 3名からの気道の検体で行った H9 亜型ウイルスに対する検査は陰性であったことを報告した。女児の家族は無症状であり、ヒト-ヒト感染とは無関係であると述べた。しかし、抵抗力が弱い小児は、より H9N2 ウイルスに感染しやすく、1999年と 2003年の H9N2 の症例も、5歳以下の小児であった。平均して 1年間に 40000件のイ ンフルエンザ症例の検体がサーベイランスのため検査される。H5 と H9 はトリに関係 し、ともにトリからヒトへ感染する可能性があるが、H5 亜型ウイルスの致死率は 70%だ が、H9 ウイルスでは普通感冒と同じ症状と致死率を示す。
[Mod.CP- エジプトでは、H5N1型鳥インフルエンザウイルスによる感染患者が確認される場所が、北部 (デルタ地方) から南部 (Aswan地方) に移動してきている。いずれの場所においても、鳥インフルエンザウイルスのヒト-ヒト感染伝播を示す明確な証拠は見つかっていない。これまでのところ、この状況は、低病原性鳥インフルエン ザウイルス(H9N2) と高病原性 H5N1 ウイルスのいずれにもあてはまる]

● 結核 南アフリカ
PRO/EDR> Tuberculosis, XDR - South Africa (07): Eastern Cape 20070326.1044
 情報源 Bua News, South Africa, Government Communication and Information System report、2007年3月26日。
Eastern Cape で、10例以上の超薬剤耐性 XDR の結核患者が発見されたことを受け、WHO 本部は今週中に専門家を派遣する予定をしている。

● ボツリヌス中毒 米国、カナダ イタリアから(2件)
米国
PRO/EDR> Botulism, smoked uneviscerated fish - USA (NY): recall 20070326.1043
 情報源 Empire State News、2007年3月23日
2007年3月22日、ニューヨーク州農業委員長は、Apholo Shippers & Sari-Sari Store, Woodside, Queensが販売する、"Smoked Sardines イワシの燻製" は、内臓が取り除かれていないため、消費者らはこれを食べないよう注意を呼びかけている。この商品は、Woodside store で販売されている。冷蔵して、食品トレーにラップをかけ、 コードがつけられずに販売されている。ラベルの流通業者は C & K, Elmwood Park, New Jersey と書かれている。魚類の内臓にはボツリヌス菌の芽胞が多く含ま れやすいため、このような形態の魚の販売はニューヨーク州では禁止されている。 
[Mod.LL- 過去の同様の食品による、ボツリヌス中毒事例。ボツリヌス中毒防止のた め、食品加工のポイントなど]

カナダ イタリアから(オリーブ)
PRO/EDR> Botulism, olives - Canada ex Italy: recall 20070326.1042
 情報源 Canadian Food Inspection Agency, health hazard alert、2007年3月23日
カナダの食品監視局および Excelsior Foods Inc. 社は、下記の Marcella's Garden ブランドのオリーブがボツリヌス菌に感染している恐れがあるため、市民らに摂取しないよう警告している。この菌の産生する毒素 toxin によって、致死性のボツリヌス中毒が起きる可能性がある。 600ml ビン入り Marcella's Garden brand Olives で、賞味期限 2007年 7月31日のもの
1. Baresana Olives, lot 009/6, UPC 0 62136 90067 8. 2. Calabrese Olives, lot 012/6, UPC 0 62136 90070 8. 3. Cerignola Olives, lot 011/6, UPC 0 62136 90069 2. 4. Jumbo Stuffed Olives, lot 011/9, UPC 0 62136 90071 5. 5. Kalamata Olives, lot 005/6, UPC 0 62136 90066 1. 6. Nocellara Olives, lot 010/6, UPC 0 62136 90068 5.
イタリアからの輸入品で、British Columbia, Alberta, Manitoba, Ontario, and Nova Scotia州に流通している。
[Mod.LL-2007年 3月の 3件目の、ボツリヌス菌に関連するオリーブの商品回収である]

● デング熱 ブラジル、ボリビア、チリ、ニカラグア、ベトナム、マレーシア、フィリピン
PRO/EDR> Dengue/DHF update 2007 (13) 20070326.1048

● 麻痺性貝毒 南アフリカ
PRO/AH/EDR> Paralytic shellfish poisoning - South Africa (W. Cape): red tide 20070325.1039
 情報源 Hisz.rsoe.hu、2007年3月19日
Cape West coast および False Bay に赤潮注意報が出されている。この警報は、Lamberts 湾のシーフードにより、 3人以上が麻痺性の貝毒を発症したことを受けて出された。当局は、この海岸で採取される魚介類を食べないよう 呼びかけている。

● 麻疹 北朝鮮
PRO/EDR> Measles - North Korea (03)
Archive Number: 20070325.1035
[1] 麻疹感染患者数増加
Aid group: Measles outbreak sickens more people in North Korea

 情報源 The China Post、2007年3月25日
北朝鮮の麻疹感染流行により、1ヶ月足らずの間にさらに 600人が感染し、2006年11月 の感染流行開始以来の合計患者数は 3600人となったと、2007年 3月24日に赤十字社が報告書で伝えた。死者数は、小児 2人と成人 2人の、4人のまま変わっていない。入院患者は、2007年2月の 1013人から 1482人に増加した。UNICEF は、3月14-16日に、6-15 才の 600万人の子供にワクチン接種を行った。次回の接種は、2007年4月中旬に 45歳 以下の人たちに接種が行われる予定である。北朝鮮は、1990年代から、自然災害や 旧式農業のため飢饉が発生し、200万人が餓死している。麻疹は非常に感染性の強い疾患で、40年以上前から安全で有効なワクチンがあるにもかかわらず、子供の主要な死亡原因と なっている。2005年、ほとんどが小児の約 34万5千人が麻疹によって死亡 した。
[2] 北朝鮮:麻疹感染流行報告
国際赤十字社および赤新月社の活動報告(上記報道内容と重複)
DPR Korea: Measles Epidemic Appeal No. MAA54001 Operation Update No. 1
 情報源 Relief Web / International Federation of Red Cross And Red Crescent Societies (IFRC)、2007年3月23日

● ウエストナイルウイルス ベネズエラ 
PRO/AH/EDR> West Nile virus update 2007 - Western Hemisphere (04): Venezuela 20070326.1047
 情報源 Emerging Infectious Diseases (in press)、2007年3月26日。
ベネズエラの 33カ所の鳥類および馬からの血清検体において、抗ウエストナイルウイ ルスWNV IgG 抗体の ELIZA 法によるスクリーニング検査と、平板減水中和検査 plaque reduction neutralization test (PRNT) による確認試験を行ったところ、5羽の成鳥 ( 3羽の _Turdus leucomelas_ [pale-breasted ツグミthrush], 1羽の _Coereba flaveola_ [マミジロミツドリbananaquit], および 1羽の _Gallus gallus_ [家禽 domestic chicken] ; 2006年2月に採集された) において、中和抗体価が 80-320 を示し た。ウマ 791頭中 141頭で、フラビウイルス抗体が検出され、34頭(4.3%)が WNV IgG 抗体陽性であることが PRNT で確認された

● ペットフードによる死亡 米国、カナダ、メキシコ
PRO/AH/EDR> Pet food fatalities, pets - USA, Canada, Mexico (02): aminopterin
Archive Number: 20070325.1040
[1] Menu Foods pet food recall 商品回収の更新情報
 情報源 AVM、2007年3月24日
[2] Rodent poison found in pet food linked to deaths ペットフードから殺鼠剤発見
 情報源 WSYR.com、2007年3月23日
毒素は Aminopterin で、一部の郡では殺鼠剤として使用されている。米国では、殺鼠剤としてではなく、抗ガン剤 として認可されている。
[3] 業者らは異物混入を否定
 情報源 WSYR.com、2007年3月21日
[4]、[5] 
 情報源 ABC news、2007年3月23日
 投稿者 米 ・ U.S. Food and Drug Administration、2007年3月24日

● 小反芻獣疫 ウガンダ
PRO/AH/EDR> Peste des petits ruminants - Uganda (Karamoja): susp.
Archive Number: 20070325.1037
 情報源 The Monitor (Kampala) via All Africa、2007年3月24日
Uganda: Disease Wipes Out Goats, Sheep in Karamoja Region
小反芻動物病 Pest des Petits Ruminants (PPR) が疑われる疾患の拡大は、2007年 3月21日、Rupa 亜郡を訪れていた Karamoja とケニアの獣医師らが発見した。彼らは、リフトバレー熱についての 3日間の訓練を受けていた。以下 、RPR の症状の説明、現地の状況など。

● 原因不明の死亡、動物 パキスタン
PRO/AH/EDR> Undiagnosed deaths, animals - Pakistan: RFI 20070325.1036
 情報源 Pak Tribune、2007年3月23日
未知のウイルスによる感染流行により、Baria Kali Mitti でニワトリやウシが死亡した。住民らによると、Muree の郊外 Baria Kali Mitti で、ニワトリ、ウシ、その他 の動物が原因不明の病気で死亡しているという。この地域の未知のウイルス除去のため、野生動物衛生省の迅速な対応を要求している。
[Mod.AS-情報不足で、疾患やウイルスであるとした背景も不明である]

● レタスの病気,Big vein virus, lettuce mosaic virus 米国
PRO/PL> Big vein virus, lettuce mosaic virus - USA 20070325.1034
 情報源 USDA Agricultural Research Service Press release、2007年2月12日
Superior Lettuces Fend Off 2 Destructive Viruses
Iceberg lettuce は、全米の好きな野菜トップ 5にはいるが、ウイルスなに感染しやすい。しかし、農業研究所 Agricultural Research Service (ARS) が長年の研究の結果開発した、スーパーレタスsuperior iceberg lettuces は、big vein virus と lettuce mosaic virus という 2種類の恐ろしいウイルスに対して、抵抗力を保有している