2007年3月3日

サルモネラ感染症 オーストラリア、米国

● サルモネラ感染症 オーストラリア、米国(2件)
オーストラリア
PRO/AH/EDR> Salmonellosis, eggs - Australia (QLD): recall 20070303.0749
 情報源 The Sydney Morning Herald、3月2日
サルモネラ感染流行が発生し、クイーンズランド Queensland 州の Game Farm Enterprises 社の卵が緊急に回収されている。クイーンズランド州保健当局は、割れたり汚れたりした卵がクイーンズランド周辺の小売り店や八百屋、果物屋に供給されたことを受け、Mount Cotton 社と自主回収の交渉を行った。過去数ヶ月にサルモネラ菌中毒が多発したことに、卵が関連していると考えられている。Game Farm Enterprises 社の卵を箱で購入した人は、購入した店へ返却して全額返金を受けるか、破棄するよう求めている。
[Mod.LL- このサルモネラ感染流行の血清型については触れられていない。サルモネラ症はしばしば破損したり、糞で汚れた卵と関係があると信じられ、鶏卵会社において洗浄作業を実施することで管理されている。しかし、サルモネラ感染流行のほとんどは、破損のない、消毒を受けたGrad A の卵や、それらの [* 問題のない] 卵の入った食品で発生していることは明白である。傷のない卵が排卵時に汚染されるのであって、卵の殻ができる前に細菌での汚染されているのである]

米国
PRO/EDR> Salmonellosis, serotype Typhimurium, raw milk - USA (PA) 20070303.0748
 情報源 Pennsylvania Department of Health, PRNewswire、3月2日
2007年3月2日、ペンシルベニア Pennsylvania 州保健局長は、サルモネラ菌による感染のおそれがあるとして、ヨーク York County, New Salem の Stump Acres Dairy 社から生乳を購入した消費者らに、ミルクを廃棄するよう呼びかけている。生乳は低温殺菌も均質化もされていなかった。州農業局と密接に連携して、地元の公衆衛生調査を行っている。自宅に Stump Acres Dairy のミルクがあっても、決して飲まず、直ちに廃棄してほしい」と述べた。同社のミルクを飲用後、体調に変化が現れた場合は医師に相談し、地元の衛生部に連絡するよう促している。体調に変化がなければ、医療機関を受診する必要はないが、生乳は廃棄した方がよい。この注意喚起は、York 郡の住民に感染した、 Typhimurium 型サルモネラ症の 2例の確定患者と 1例の疑い患者に関する保健局への報告に基づくもので、患者らは 2007年 2月に Stump Acres Dairy 製のミルクを飲んでいた。他にも数例の疑い患者がいる。農業局は同社の生乳販売を差し止め、是正措置を取ることと、複数の検体で陰性の結果が得られるまで、販売を控えるよう求めた。調査中、この会社のミルクの培養から 3件の陽性結果が得られている。消費者にわたったミルクの検体においても、保健局の検査室で陽性結果が判明している。Stump Acres Dairy 社には、基本的に約250軒の顧客がいる。顧客らは、ペンシルベニア、メリーランド、バージニアに居住していることが判明している。他の州でのサルモネラ感染症例は、現時点では確認されていない。生乳の賞味期限は約 2週間であるが、冷凍によりさらに延長する。冷凍によって、サルモネラ菌は死滅しない。
[Mod.LL- 20070302.0741 には次の一文が添えられている。
"生乳は詳しい記述のある腸管感染症の原因で、100 年ほど前に、この種の原因として初めて確認された。ヒトに感染する病原体は、サルモネラ菌を含めて、ウシの糞便中に排出され、加工過程でミルクに混入する可能性がある。製造工程での標準衛生手順( 手洗い、機器の保清、ミルク製造区域を他の区域と分けるなど) の遵守で、感染のリスクを軽減することはできるが、ミルクへの混入のリスクを除去するには至らない。低温殺菌 pasteuriztion は、病原体数を減らし、伝播を防止し、生乳の保証書などの他のどの方法よりも生乳の安全性の保証となる。生乳の保証書は、過去数多くの生乳関連の感染を防止できなかったため、消費者は、保証書つきの生乳に細菌が含まれていないと信じない方がよい。サルモネラやその他の細菌感染を避けるため、生乳は飲用すべきではない]

● 豚熱(豚コレラ)ロシア 
PRO/AH> Swine fever, classical - Russia (Krasnodar) 20070303.0750
 情報源 Kuban.ru [trans.]、2月28日
豚コレラが、Kuban の Starominsk 地区で発生している。2007年 2月17日、Niva Kubani 農場でブタの死亡が始まった。2月26日現在、死亡頭数は 896に達している。豚コレラの感染によるものであることが確定されている。ブタの処分と隔離処置が実施されている。ヒトには危険性はない; ウイルスに感染することはない-- 感染動物からも、その肉からも感染しないと、獣医学当局者は説明している。同地区の人獣共通感染症対策獣医学センター長は、発生した農場の動物には豚コレラに対するワクチン接種が行われていたと述べた。しかし、感染したウイルスはまれなタイプで、汎用されているウイルスワクチン株とは別のものであった。この医師によれば、過去 Podmoskovye においてのみ記録されている株であった。飼育動物を公に届け出ないため、ワクチンを受けない私営農場から、ウイルス感染が起こった可能性があるとした。市場調査担当当局者らは、既に厳しく行われている市場の肉に対する監視を、強化する予定はないと述べている。
[Mod.NR- ロシアの農業獣医学サーベイランスによれば、豚コレラ CSF は毎年ロシア連邦内で発生している。通常、動物のワクチンが接種されていなかったり、予防対策が行われていなかったりした地域で発生する。地方獣医学監視センターの代表は、1カ所の特定の農場における感染流行の原因の1つは、ブタの免疫系が減弱したことと、農場から 3km離れた場所におかれた廃棄物であると述べている ]
[Mod.AS- OIE 報告 データによれば、6192頭中 870頭が感染し 351頭が死亡した。報道記事から、報告日以降もさらに甚大な被害が発生したことが明らかである。ロシアで前回 CSF 感染流行が発生したのは、2005年 1月17日であることが公式に報告されている]

●  馬ヘルペス脳炎 米国
PRO/AH> Equine herpesvirus - USA (multistate) (06): VA 20070303.0746
 情報源 Newsleader.com、3月2日
バージニア州の馬ヘルペスウイルス Equine herpesvirus の感染流行で、獣医師らは、馬のショーや売買を停止するよう求めている。少なくとも5頭が馬ヘルペスウイルス感染陽性との検査結果が判明し、同州北部の複数の郡が隔離措置を受けている。2007年 2月28日に、同州農業消費者局は、全てのショーとオークションを、3月5日まで延期すると発表した。これは、感染性が高い、死亡する可能性のある馬鼻肺炎ウイルス感染発生が原因である。
[Mod.TG- 鼻肺炎 rhinopneumonitis は、馬ヘルペスウイルス感染による呼吸器症状である、以下、ショーのシーズン数週間前ではあるが、プレシーズンショーが、今回の命令で影響を受けていることなど]