2007年3月6日

髄膜炎菌性疾患 西アフリカ

● サルモネラ感染症 ロシア
PRO/AH/EDR> Salmonellosis, banquet - Russia (Krasnoyarsk)
Archive Number: 20070306.0800
 情報源 RIA (Russian News & Information Agency) Novosti、3月6日
舞踏会 ball で、232人の食中毒発生
シベリアの都市クラスノヤルスクの知事主催の舞踏会で、衛生的 ・ 疫学的基準を著しく逸脱した行為による、大規模な食中毒が発生したと、2007年 3月6日に、ロシア検事総長が報告した。3月1日に開かれた会には 1400人以上が出席し、6日までに、そのうちの 232人に食中毒の症状が見られている。サルモネラ感染症の症状のため、212人が入院した。「大勢でサラダやオードブルを作ったことが判明している」と、広報が伝えた。
[Mod.LL- サルモネラ菌が、培養によって確認されたとは述べられていない]
* クラスノヤルスクは、クラスノヤルスク地方の中心都市でシベリア鉄道の重要な連結点となっている

●  ノロウイルス 米国
PRO/EDR> Norovirus, students - USA (NJ New Jersy) 20070306.0799
 情報源 Home News Tribune、3月6日
大学において 194人のノロウイルス感染患者が発生した
Fairleigh Dickinson 大学で、胃腸のウイルスに感染した生徒数は、2007年 3月5日に 194人に達した。学生、教員、経営者らにも、ウイルス感染は及んだ。両親に届けられた Florham Park 保健委員会の知らせには、ノロウイルス Norovirus が原因で、多くの学生が信じていた食中毒ではないと結論されていた。"このウイルスは色々な経路で感染が広がる。ヒト-ヒトの接触、ドアノブ ・ 浴槽 ・ 机などとの直接の接触、そして汚染された食品などを通じて感染する。最も大切な予防法は、こまめに手洗いをすることである。"患者数は、2007年 3月3日から増加し始め、患者数は 89人と報告されていた。5日には 124人、のちに 10人の新たな患者報告がありし、さらに 60人の発病が当局から報告されたが、いずれも回復している。合計患者数は 194人となった。約 2000人が通うこの大学の生徒のうち、1500人が Florham Park キャンパスに住んでいる。
[Mod.CP- 北半球は、"冬期嘔吐" ウイルスのシーズンの最盛期にある]

● 肝炎、ウイルス性 パキスタン
PRO/EDR> Hepatitis, viral - Pakistan 20070306.0796
 情報源 The Daily Times、3月6日
パキスタン医科学研究所で、約1300人の肝炎患者が治療を受けている。
最大 1300人の肝炎患者がパキスタン医科学研究所 Pakistan Institute of Medical Sciences (PIMS) で治療を受けていると、2007年 3月5日、保健部上級職員である、肝炎予防管理国家計画課長が述べた。国内で 13000人が肝炎と診断され、1300人が PIMS で治療を受けている。彼は、不要かつ頻回の注射針の使用と、汚染された水が、感染拡大の主因であると説明した。予防に勝る治療はないことを人々は知るべきだと述べた。水質汚染の構造、医療器具やひげそりも原因となることなど(中略)。国内のB型肝炎の感染率は約 3-4%、C 型肝炎は 5-6% であると説明した ....
[ * 以下、A-E 型肝炎の一般的説明だが、記載内容が不適切であり、たびたびモデレータによる訂正が付けられている]

● 髄膜炎菌性疾患 西アフリカ

PRO/EDR> Meningococcal disease update 2007 (10): West Africa 20070306.0795
 情報源 UN Integrated Regional Information Networks (IRIN)、3月5日
ブルキナファソの髄膜炎菌感染流行による死者は、2007年 3月2日時点で324人に上り、国連当局は、2007年、その他の西アフリカ 7カ国においても、流行と死者が発生していると述べた。

ブルキナファソはこの地域内でも群を抜いて被害が深刻となっており、先週約 1000人の新たな患者が発生し、合計の患者数が 3625人となった。 53ある保健地区のうちの5つの地区で、流行が発生し、他の 14地区で注意喚起が出されている。
その他に深刻な被害を受けているのは、コートジボワールで患者 100人、死者 28人が発生し、次いで、ニジェール (患者 84,死者 14)、マリ (患者 73,死者 69)、ベニン (患者 68,死者 16) の順となっている。以上は、国連人権支援局 (OCHA) の数字による。
他に患者が発生している国として、ガーナトーゴギニアがある。OCHA およびブルキナファソ政府によれば、この地域のワクチンの量が、流行拡大防止には不足し、カナダ大使館が 18800米ドル相当のワクチンをブルキナファソに送ると発表した。しかし、保健相は、根本的な予防のためのワクチンに必要な額は、160万米ドルであると述べた。西アフリカの降雨量の少ないサハラの国々は、髄膜炎ベルトと呼ばれ、毎年 12月から 6月までの乾期に、細菌性髄膜炎の感染流行が発生しやすい。ほこりを含む風と、寒い夜が重なり、人々の気道感染症に対する免疫力を低下させる。この地域の国々は、世界の最貧国に数えられ、ワクチン接種が行われるのは、流行が発生した後のこととなるのが通例である。

●  ムンプス ブルガリア
PRO/EDR> Mumps - Bulgaria (Plovdiv) 20070306.0793
 情報源 Focus Agency online、3月2日
政府疫学顧問が、2007年3月2日の時点でブルガリア国内の 500人がムンプス Mumps に感染したと、Plovdiv において述べた。最も感染が多かったのは、1982-88 年生まれの人たちで、第 1例の患者はブルガリアの西部で発生し、現在、Varna, Burgas, Sofia および Plovdiv で感染が発生している。これまでにワクチンを受けたことがない人のために、追加のワクチンが用意されている。
[Mod.CP-過去のワクチン接種のカバー率が不完全であった結果、未だにヨーロッパ中で、散発的なムンプスの感染流行が発生している。要求以下あるいは全く含まない MMR ワクチンや移民人口なども一因となっている]

● クロストリジオイデス・ディフィシル カナダ

PRO/EDR> Clostridium difficile - Canada (ON Ontario, QC Quebec) 20070306.0791
 情報源 CTV.ca、3月2日
病院当局 Barrie's Royal Victoria Hospital は、最近死亡した全ての患者について、クロストリジオイデス(クロストリジウム)・ディフィシル菌 _Clostridium difficile_ [CD] との関連性の調査を行っている。
2007年 1月以降、この施設で 43人が同菌により死亡した、と診断されている。交絡因子の検討 cross-referencing を行い、CD がこれらの死亡にどのように関わったかを検討し解明しなければならないとしている。病院側は、患者の急増に接し、2003年以降 2000人が死亡している危険な "Quebec"株による感染を危惧し、ウィニペグにある国立微生物研究所へ検体を送付した。
一方、Mississauga's Trillium Health Network において、新たに 3人の CD 感染例が確認され、合計 17人となった。病院側はこれまで通り、患者を個室に隔離し、入室者は全て手袋とガウンを着用し、入室と出室に手洗いを行う対策を行っていると説明している。2007年 2月28日、少数の CD 患者が発生した Scarborough Hospital でも同じ努力が続けられている。 Mississauga からの感染拡大ではないことと、1名の死者が発生したことが報告された。
モントリオールに近い Honore-Mercier Hospital でも、新たに 5人の患者が報告されている。いずれも集中治療室での治療は終了し、1人は退院している。Trillum の 4人の患者の死後の検査で、同菌陽性との結果が出ており、1例は、ケベック州で大きな被害を出した治療困難な菌株に感染していた。Mississauga's Trillium Health Network当局者は、最近の 4例の死亡と CD との因果関係について、判断しかねている。
[Mod.LL- リボタイプ 027型は、毒性が強い菌株で、北米とヨーロッパで重症化している。この菌株は、A および B トキシン産生の抑制調整部位であると考えられている、_tcdC_ の reading frame における 18-bp 欠失があり、このため、この菌株で見られるトキシン産生が増幅されている可能性がある。医療施設における CD 対策は、積極的な感染コントロール対策だけでなく、抗生物質の過剰な使用を控えるという慎重な対策もある。この疾患は、"抗生物質起因性腸炎、もしくは、偽膜性腸炎"とも呼ばれている]

●  狂犬病 ペルー
PRO/AH/EDR> Rabies, human, vampire bat - Peru (03) 20070306.0786
 情報源 Surnoticias.com, Peru [transl.]、2月27日
保健省担当官によれば、Puno and Madre de Dios において、吸血コウモリの咬傷による狂犬病 Rabies のため、20人以上が死亡した。2006年 7月から 2007年 2月15日にかけて、Mazuko (Madre de Dios)、San Gaba (Puno) および Huepetuhe (Madre de Dios) において、各々 27、370、130 件の吸血コウモリ咬傷症例が報告され、合計 527件となっている。全ての患者のうち 23人が 2006年 12月以降のコウモリの咬傷による狂犬病症例と報告されている; 17 人は Lechemayo, Ayapata (Puno) 地方から、 6人は Vuelta Grande、Huepethue 地方からの報告であった ... 
以下、狂犬病による死者は、医療機関を受診しなかった結果であること、広大な地形のため受診が困難なこと、コウモリの咬傷は夜間に起こりやすく、小児に対して、コウモリは頭部に咬傷を起こしやすいことと、頭部の咬傷は足に比べ潜伏期間が短いこと、咬傷後のファーストエイド ... 当初 Vuelta Grande とLechemayo Chico で発生した狂犬病感染流行地の周囲 20kmで咬傷を受けた人 affected person へのワクチン接種キャンペーンの実施。吸血コウモリ対策として(プラスチックや木、葉っぱの屋根だけで、壁のない)家を避け、コウモリの咬傷を受けた人はワクチンを受けるようになど。
[Mod.TY-今回の感染流行地域はペルーの熱帯地方のアマゾンの低地にある。吸血コウモリは、_Desmodus rotundus_ だと思われる。このコウモリは、ウシやウマから吸血することが多く、この感染流行地域にこれらの大型の種が存在しないか、大型の家畜動物がこれらの地域から最近移動したために、ヒトが代わりに接近できる宿主として残されたものと考えられる]

● 結核、ウシ 米国
PRO/AH/EDR> Tuberculosis, bovine - USA (NM) 20070306.0787
 情報源 Portales News-Tribune、3月1日
Eddy郡で、1頭のウシ結核が確定された。
ニューメキシコ 州家畜委員会当局 the New Mexico Livestock Board によると、Eddy 郡で、1頭のウシ結核症例が確定されたとの報告があった。感染していた乳牛は、米国国内の州と合衆国の監視下にある全ての農場で実施されている、slaughter surveillance [* 処分サーベイランス] と呼ばれる、定期的な検査の中で確認された ... ニューメキシコ州で過去 2年以上結核の報告はなかった。
[Mod.TG- ニューメキシコ州の大部分は結核清浄州に分類されている。州南東部の比較的狭い地域が、modified accredited advanced (修正、信頼、新型地域?)に分類されている .....]