2007年5月31日

チクングニア熱 インド
ハンタウイルス 米国

● チクングニア熱 インド
PRO/EDR> Chikungunya - Indian Ocean update (11): India (Kerala)
Archive Number: 20070531.1757
 情報源 The Hindu News Update Service [edited]、5月31日
インド・ケララ州でチクングニア患者が多発している。 
ケララ州の各病院には、約2万5千人のチクングニア Chikungunya の症状の患者が入院している。[他の記事では、2万5千人の発熱患者のうち、25%以上がチクングニアの感染を疑われている]Kottayam, Pathanamthitta, Ernakulam, Kollam,Thiruvananthapuram地区などでは、多数の発熱やその他の症状の患者が外来を受診している。... 当局はベクターコントロール策を行っている。蚊族の個体数は、2006年のAlappuzhaでの感染流行時を上回っている。政府は、全ての地区の貧しい患者家族に無料で1週間分の食糧を提供している。
[Mod.CP - 2007年5月24日、ケララ州の急性チクングニア熱による入院患者数はおよそ100人であったが、31日までに数千人まで急増した。感染流行は拡大し、多くの患者で感染は重症化しているものの、死亡例の報告はない] 

● ハンタウイルス 米国
PRO/AH/EDR> Hantavirus update 2007 - Americas (06): USA (NM)
Archive Number: 20070531.1756
 情報源 The New Mexican online, Associated Press report、5月30日
米国ニューメキシコ州で、女性1名がハンタウイルス感染により死亡した。
Taos郡の女性1名がハンタウイルス Hantavirus 感染の合併症で死亡したと、保健当局が発表した。59才のこの女性は、ニューメキシコ大学で治療を受けていたが、同州では2007年の初めてのハンタウイルス患者であった。同疾患は齧歯類、特にシカネズミdeer mice、により伝播され、尿、糞、唾液などにより感染する。ヒトは、ウイルスを含んだ乾いた粒子を吸い込むことで感染する。発熱、筋肉痛、悪寒、頭痛、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、咳などが初期症状である。発症は、曝露後1ー6週間で、ハンタウイルスに特異的な治療法はないが、当局は早期に受診することで回復の可能性が高くなると話している。アドバイスは、密閉された建物に入る前には、空気の入れ換えをすること、消毒薬を用いて巣や糞を始末すること、ネズミが入れないよう建物の目張りをすること、ネズミを捕まえること、ゴミや生ゴミをためないこと、ネズミが食べられるところに食べ物や水をおかないこと、木、干し草、堆肥はなるべく家から離すことなどである。2006年、同州ではハンタウイルス患者が8名発生しており、うち3人が死亡した。2005年は1例、2004年は4例であった。the Four Corners areaで1993年に初めてハンタウイルスが発見されて以来、ニューメキシコ州では74人の患者が発生し、31人が死亡した。アトランタにあるCDCによれば、全米31の州で465人の患者が発生している。報告された患者の約35%が死亡した。
[Mod.CP- ハンタウイルスの特定はなされていないが、ハンタウイルス肺症候群のウイルスが初めて発見されたFour Corners地帯に近いことから、Sin Nombre ウイルスによる可能性が高い]

● 鳥インフルエンザ、ヒト インドネシア
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (87): Indonesia, WHO
Archive Number: 20070531.1755
 情報源:World Health Organization (WHO) Epidemic and Pandemic Alert and Response (EPR) disease outbreak news [edited]、5月31日
鳥インフルエンザ流行状況-インドネシア更新8
[FORTH 感染症速報より]
インドネシア保健省は、新たなインフルエンザ Avian influenza A(H5N1)ウイルス感染患者1名を発表した。中央ジャワ州Grobogan 地区の45歳男性は、2007年5月17日に発症し、5月26日に入院後、5月28日に死亡した。感染源の初期調査により、死亡した家禽への曝露が判明している。インドネシアでは、確定された患者98名中、78名が死亡している。

● 小麦の病気,Barley yellow dwarf virus 米国
PRO/PL> Barley yellow dwarf virus, wheat - USA (IN, NE)
Archive Number: 20070531.1758 
[1]Yellow dwarf virus: Indiana wheat fields
 情報源: PhysOrg [edited]、5月28日
[2] Barley yellow dwarf virus: Nebraska wheat fields
 情報源:Agriculture Online [edited]、5月30日
[Mod.DHA- Barley yellow dwarf virus_ (BYDV) (_Luteovirus_, _Luteoviridae_)は世界中に分布する、小麦に壊滅的被害を与えるウイルス性疾患である]

● 鳥インフルエンザ ベトナム
PRO/AH/EDR> Avian influenza (93): Viet Nam
Archive Number: 20070531.1754
[1] 情報源 People's Daily online, Xinhua News Agency report [edited]、5月31日
2007年5月31日付地元紙は、当局の話としてH5N1型鳥インフルエンザ Avian influenza ウイルス株が変異し、家禽の疾患に対する効果が消滅したと伝えた。鳥インフルエンザワクチンは、2003年に発見されたH5N1型鳥インフルエンザウイルス遺伝子型Z株に基づき開発され、当時ベトナムは最も被害を受けた国であったが、2005年に別のGと呼ばれる遺伝子型が発見された。ZとG遺伝子の相同性は低く(not very similar)、ワクチンはZ型にはより有効だが、G型には効果が低く、ベトナムで初めてのG遺伝子型に感染した家禽は、おもに密輸されたものだと強調した。政府は全国で鳥インフルエンザワクチン接種を強化しており、ワクチンを中国とオランダから輸入している。2003年12月にはじめてベトナムに発生した鳥インフルエンザは、国内12の都市と省に拡がった;Quang Ninh, Son La, Nam Dinh, Hai Phong, Bac Giang, Ninh Binh, Bac Ninh, Ha Nam, and Vinh Phuc in the northern region, Nghe An in the central region, and Can Tho and Dong Thap in the southern region. 
[2] 情報源 Reuters Foundation Alertnet、5月31日
過去2日間にベトナムの北部および南部の2つの農場で、数百羽のアヒルが鳥インフルエンザにより死亡したと、農業省が2007年5月31日に発表した。5月29日、115羽のアヒルが南部メコンデルタにあるCan Tho市の農場で死亡した。また、150羽のアヒルが北部Quang Ninh省で5月30日に死亡した。検査の結果いずれにおいてもH5N1型ウイルスが確認されたと動物衛生当局が明らかにした。2つの群れはいずれも鳥インフルエンザに対するワクチンを接種されておらず、当局者らにより、残りの685羽が処分された。2007年5月に死亡したり処分されたりしたトリの数は、ベトナム中で5万羽を超えた。... 5月22日、東南アジアのこの国では1年半ぶりのH5N1型患者の報告があり、ハノイHanoiに隣接する省の30才男性1名であった。ハノイのBach Mai病院で治療中のこの男性の主治医は、状態は改善していると話し、人工呼吸器なしに呼吸ができると説明した。2003年後半に再登場して以来、鳥インフルエンザによってベトナムでは42人が死亡した。2005年、ベトナムではヒト、トリ共に感染が発症したが、2006年は家禽のみの感染で、2007年もこの男性の感染までは、家禽のみであった。WHOによれば、世界全体では、12カ国で309人が鳥インフルエンザウイルスに感染し、うち死者は187人である。
[Mod.AS - ウイルスの感染拡大は、ワクチン未接種のトリに拡がっているようである;ワクチン計画の効果に対する問題は、20070515.1543 and 20070519.1593で述べられている]