2007年6月1日

マラリア アンゴラ
プーマラウイルス感染 ベルギー

● マラリア アンゴラ
PRO/EDR> Malaria - Angola (Cuanza-Norte): RFI
Archive Number: 20070601.1780
 情報源 allAfrica.com 6月1日
2007年1月から3月にかけて、Cuanza-Norte州のN'dalatando hospitalの4992人が患者として登録され、そのうち合計117人がマラリアで死亡したと、アンゴラ政府に報告された。2006年の同時期に2928人であったことに比し増加しており、その他呼吸器や下痢の患者も入院中である。薬剤が不足している。
[Mod.EP-報告によると、アンゴラで分離された熱帯熱マラリアの98%が、クロロキン耐性の指標として用いられるpfcrt変異を有していた。情報を希望する。]
参考項目 2004
Malaria - Angola: RFI 20040411.0983

● プーマラウイルス感染 ベルギー
PRO/AH/EDR> Puumala virus infections - Belgium
Archive Number: 20070601.1777
 投稿者 白・Queen Astrid Military Hospital,Heyman Paul 2007年6月1日
Belgium: 3rd consecutive year of increased hantavirus infection activity
ヨーロッパおよびアジアのハンタウイルス感染は、腎症候性出血熱 HFRS の形をとり、血清型によりその重症度はまちまちである。ベルギー国内においては,_Puumala virus_ (PUUV) がハンタウイルスとしてもっとも多く,主要保有宿主は the bank vole (_Myodes glareolus_) である 。この疾患は、突然発症するという特徴を持ち、その症状には、発熱、頭痛、腹痛、腰痛などがある。ヒトは、齧歯類のエアロゾル化した排泄物の吸入により感染する。ヒトのハンタウイルス感染は、少なくともヨーロッパの温帯では、bank voleの個体数に左右され、さらにそれはオークやブナの数による。... 1999年までは 3年周期(with epidemics in 1990 with 62 cases, 1993 with 174 cases, 1996 with 224 cases, 1999 with 124 cases) で活動性の増加が認められていた ... 2005年までは 2年周期 (epidemics in 2001 with 110 cases, 2003 with 122 cases and 2005 with 372 cases) となり,2006年は初めて 160例と 2年連続での流行年となった。2007年も年初 4か月間だけで,ブラッセル Brussels の Queen Astrid Military Hospital 病院にある、国立ハンタウイルス感染症研究所により 61例が確認され,5月22日の時点で 76例となっている。...1-4月の例年の平均患者数は 41例で、1年間のうち約 35%の患者がこの 4ヶ月間に発生する。このため、ベルギーの当局は 2007年の患者数を 175人と計算し、3年連続の患者増と見込んでいる。...植生と気候が原因との観測など。 

● 胃腸炎 香港
PRO/EDR> Gastroenteritis, cruise ship - China (Hong Kong) (02)
 Archive Number: 20070601.1779
 情報源 Centre for Health Protection, Hong Kong, Wed 30 May 2007
Gastroenteritis outbreak on board cruise ship update
保健省広報は2007年5月30日、初期の検査の結果、乗客からの8件の便検体で、ノロウイルスが検出されたことを確認したことを明らかにした。...
 ... Preliminary laboratory results of 8 stool samples collected from the passengers involving in a gastroenteritis outbreak on board a cruise ship were positive for norovirus(ノロウイルス), a common cause of viral gastroenteritis.

● 麻疹 コンゴ(民),カナダ,中国(3件)
コンゴ(民)
PRO/EDR> Measles - Democratic Republic of the Congo (Katanga)
Archive Number: 20070601.1775
 情報源 ReliefWeb, Fri 1 Jun 2007
Democratic Republic of the Congo: Measles outbreak in northern Katanga
コンゴ北部Katanga地方Malemba-Nkulu地方で麻疹感染流行が発生している。被害は10カ所以上の村に及んでいる。2007年5月20日から6月1日までの2週間に、およそ3500人の患者の報告があり、150人以上の小児が死亡した。世界各国の医師団Doctors Worldwide (DWW) は4つの緊急チームを派遣した。....
There is a measles outbreak in Malemba-Nkulu territory in northern Katanga region in the Democratic Republic of Congo (DRC). It is affecting more than 10 villages. Around 3500 cases [have been] recorded in last couple of weeks [20 May - 1 Jun 2007] and more than 150 children have died so far.

カナダ(日本から)
PRO/EDR> Measles - Canada ex Japan: susp.
Archive Number: 20070601.1766
[1] 情報源 C News / Canoe 5月31日
カナダ当局は 2007年5月31日、バンクーバー Vancouver (British Columbia) での出発検査で、女学生 1名が麻疹の可能性のある症状を発症したため、検疫法 Quarantine Act を発動し、日本人学生 39人と付き添い 2人のグループの、東京行きのフライトへの搭乗を差し止めた。 ...Quarantine Act は感染症の輸出入を防止する目的で制定されたと、カナダの公衆衛生局緊急対策センター Canada's centre for emergency preparedness and response 長が説明した。この学生らは、123人の学生と付き添い7人からなる日本人の団体旅行客の一部で、2007年5月24日にカナダに到着後すぐに生徒1人が麻疹を発症したため、アルバータ Alberta 州バンフ Banff でも公衆衛生当局により隔離されていた。現地でこのグループ全体の麻疹抗体検査が行われ、生徒39人と付き添い2人に免疫がないことが判明した。公衆衛生局は、潜伏期間にあり新たな患者となる可能性となるこれらのグループは、12時間の東京までのフライトで、他の搭乗客への健康上のリスクを生じると説明した。...女学生の症状は、微熱と上気道炎症状のみであり、麻疹やインフルエンザの他いろいろな病気の可能性があるが、麻疹確定患者との接触歴があり、当局は麻疹の可能性を否定できないとした。3-4日で麻疹であるかどうか判断されるが、もし麻疹であれば、このグループは潜伏期間が終了するまで日程を延期することになり、その場合の期間は最大18日間となる。当初、この団体はバンクーバー国際空港の検疫所に留置され、カナダ滞在中の処遇を検討した。16-17才の生徒らは、バンクーバー内では幾分の行動の自由を許可されたが、制限(人の集まる場所など)が付けられた。...
[2] 情報源 Public Health Agency of Canada media alert 5月31日
Federal, provincial, and local public health authorities have been managing the response to a single case of measles among a tour group of students and their chaperones visiting Canada from Japan

中国
PRO/EDR> Measles - China (Shanxi): RFI
Archive Number: 20070601.1765
 情報源:Xinhua News Agency [in Chinese]、5月31日
中国陝西省の学生に、麻疹感染が流行している。
2007年5月30日、陝西省 Shanxi 衛生部は、2007年5月中旬以降、同省太原Taiyuan市Qingxuの中学校で発熱性疾患が発生していると発表した。現在総患者数は68人である。治療により、発病した学生らの状態は安定し、重症化した学生はいない。64人の生徒は平熱となった。専門家らは、予備的に診断として、この疾患は非定型麻疹であると決定した。発症した学生の大部分は、senior year juku studentsで、59.7%がクラスメートであった。しかし、同じ寮生ではなかった。男女比は1.71:1であった。当局が調査に入っている。.... SARS、鳥インフルエンザともに否定され、非定型麻疹が確定された。
[Mod.MPP- "atypical measles" (非定型麻疹)の語は、killed measles vaccine(不活化?)を接種された個人に非定型的な麻疹の症状が現れた、以前の麻疹ワクチンの時代に見られた症候群を想起させる。参考文献によれば、「非定型麻疹は比較的新しい疾患で、15年前に初めて認められた。当初、killed measles vaccine接種後数年経って、野生株の麻疹に感染した小児に見られた。2-3日の前駆症状としての発熱、咳、頭痛、筋肉痛につづき、ロッキー山紅斑熱、猩紅熱、あるいは水痘に似た発疹を生じ、胸水を伴うこともある肺炎のレントゲン像が認められる。」Cherryらは、killed measles vaccineおよび弱毒生ワクチン接種後の非定型麻疹各6例の報告で、弱毒生ワクチン接種後でより症状が軽症であったと述べている。非定型麻疹症候群は免疫が介在する異常と考えられている。Polackは非定型麻疹やenhanced respiratory syncytial virus disease (ERD)は、麻疹やRSウイルスに対する不活化ワクチン接種で免疫状態にある小児に、1960年代のそれぞれの野生株ウイルスに暴露した結果発生した重症疾患である。両者の臨床症状は違うものの、ワクチンによって引き起こされる免疫反応は、重要な点で相同性を共有している。いずれのワクチンも、長期間持続する防御抗体を誘導し、細胞障害性Tリンパ球の誘導することに失敗した。いずれの場合も、ワクチン接種後に、社会的流行により野生株ウイルスに暴露し、感染組織の免疫複合体沈着、CD4Tリンパ球増殖反応の活性化、免疫反応におけるTh2の偏向につながった。これまで非定型麻疹やERDの再燃の報告はない。...参考文献の紹介]

● 鳥インフルエンザ,ヒト 英国,インドネシア(2件)
英国
PRO/AH/EDR> Avian influenza H7N2, human - UK (Wales) (06)
Archive Number: 20070601.1772
[1] Avian influenza A/(H7N2) outbreak in the United Kingdom
 情報源 Eurosurveillance weekly release 2007; 12(5) 2007年5月31日
複数例のインフルエンザ様症状および結膜炎患者 Several cases of influenza-like-illness (ILI) and/or conjunctivitis に,家きん poultry at a smallholding near Corwen in northern Wales, in the United Kingdom (UK) が関係していることが判明した。3人が入院した。当局 The Department for Environment, Food, and Rural Affairs (DEFRA) により,the poultry outbreak の原因ウイルスが,低病原性鳥インフルエンザ H7N2, a low pathogenic strain of avian influenza (LPAI) であることが確認された。4人の患者 human cases (2 in Wales and 2 in northwest England) でインフルエンザ感染 influenza A infection が確認され,and are closely linked in time and place to the discovery of the H7N2 avian influenza virus ... 
[2] 情報源 icWales, Western Mail report 2007年6月1日
ウェールズ Wales で鳥インフルエンザ感染症状ある患者数が,5月31日に 4人増えて 17人となった。Wales' 1st outbreak of bird flu の確認の 1週間後になっても,感染源は明らかになっていない。a Cheshire market を中心に調査が行われている ... 
関連項目 
Avian influenza H7N2, human - UK (Wales) (05), WHO 20070529.1734

インドネシア
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (88): Indonesia
Archive Number: 20070601.1771
 情報源 Reuters Foundation Alertnet、5月30日
インドネシア、78人目の死亡報告
中央ジャワ州の45才のインドネシア人男性が鳥インフルエンザ Avian influenza により死亡したと、2007年5月30日に保健省が発表した。このGrobogan出身の男性は、5月17日に入院後、28日に死亡した。鳥インフルエンザセンターの当局者は、自宅付近で家禽が死亡する中、これを処分して食べていたと考えられていると話した。この男性の死亡により、インドネシアで確定されたヒトの死者は78となり、世界最多である。病鳥との接触が、ヒトのH5N1型鳥インフルエンザウイルス感染の主な経路と成っている。インドネシアの人々は、何百万という家禽を庭先で飼育しており、啓蒙活動が農村分まで行き渡らないため、ヒトとの接触制限の実効性は薄い。現在のところ、大部分の感染はトリに発生しているが、研究者らは、ウイルス感染が常態化し、新たな環境や宿主に適合する能力を獲得するのではないかと恐れている。

● 結核,超多剤耐性 航空機内暴露
PRO> Tuberculosis, XDR, airplane exposure - multicountry (03)
Archive Number: 20070601.1778
[1] New York Times article
[2] Yahoo.com article
[3] CDC press conference
[4] Tom Kelly correspondence

● ウエストナイルウイルス 米国 カナダ
PRO/AH/EDR> West Nile virus update 2007 - Western Hemisphere (09): USA, Canada
Archive Number: 20070601.1776
[1] カナダ Canada (Ontario)
 投稿者 Dr. Cheryl Massey 5月30日
5月27日,York Region, Ontario, Canada において死亡して発見されたカラスがウエストナイルウイルス West Nile virus 検査で陽性となった。確認された時期が2007年5月13日で、2006年は同地域で8月5日に初めて発見されたのに比べかなり早いが、オンタリオ州の5月のWNVが確認されるのは珍しいことではない。
[2] 米国 USA - CDC/Arbonet
 情報源 USA CDC, Division of Vector-Borne Infectious Diseases, West Nile Virus 5月22日
Human cases have been reported from:
State / Neuroinvasion* / *West Nile* fever** / Other*** / Total ****
/ Fatalities
Mississippi / 3 / 0/ 0 / 3 / 0
[3] 2006 West Nile virus activity in the United States (through 17 Oct 2006)
 情報源 USA CDC, Division of Vector-Borne Infectious Diseases, West Nile Virus 5月29日

● リス痘 英国 リス
PRO/AH/EDR> Squirrel pox, red squirrel - UK (Scotland) (03)
Archive Number: 20070601.1781
 投稿者 Pentlands Science Park・Dr. Colin J McInnes 2007年6月1日
I read with interest the article published on or around 18 May [2007] concerning the 1st confirmed diagnosis of squirrelpox in a red squirrel in Scotland ... 
関連項目 
Squirrel pox, red squirrel - UK (Scotland) (02) 20070524.1659