2007年6月10日-11日

破傷風 米国

● 破傷風 米国
PRO/EDR> Tetanus, injection-related - USA (NY New York) ex Dominican Republic 20070611.1904
 投稿者 ニューヨーク New York Presbyterian Hospital 感染症科 疫学担当 Neville Clynes MD、6月11日
現在治療中の、古典的全身性破傷風 Tetanus の高齢女性1名は、同時に、発症1週間前にサントドミンゴSanto Domingoで受けた鎮痛剤の注射後の臀部の深部皮膚感染症も治療を受けている。予備的な情報によれば、薬局からの注射用具を使用した、成分のよく判らない混合薬物(doloneurodion と呼ばれているものらしい)の自家注射とされている。
[Mod.LL- 破傷風は vegetative form の破傷風菌 _Clostridium tetani_による、多くは創部からの局所感染に関連する中毒 intoxicationで、神経伝達物質をブロックする神経毒 tetanospasmin が産生される。このトキシンは、最も致死性の強い毒素の1つとして知られており、後弓反張opisthotonusなどのけい れんを生じる。病原菌は、グラム陽性、絶対 obligately 嫌気性、芽胞形成性桿菌で、自然界に硬性芽胞のかたちで存在する。トキソイドによる予防接 種は、疾患の予防となるが、免疫減弱と、未接種または接種未完了の個人の移動が相まって、途上国においては重症例が発生している。この女性患者の予防接種 状況は触れられていない。破傷風についての簡潔なまとめがある]

● クリミア・コンゴ出血熱 トルコ,ロシア(2件)
トルコ
PRO/EDR> Crimean-Congo hemorrhagic fever - Turkey 20070610.1892
 情報源 Gulfnews.com、2007年6月10日
2007年、トルコ Turkey 国内でのクリミア・コンゴ出血熱 Crimean-Congo hemorrhagic fever (CCHF) 感染流行により、133人の患者と7人の死者が発生していることが、9日、保健省から明らかにされた。 2006年同期と比べ、1月から5月までの患者数は13%増えている。2006年は、感染した438人のうち、27人が死亡した。

ロシア  
PRO/AH/EDR> Crimean-Congo hem. fever - Russia (Stavropol) (03) 20070610.1890
 情報源 News agency Regnum [trans.]、2007年6月4日
4日現在、スタブロポリ the Stavropol region. において、13人のクリミア・コンゴ出血熱 Crimean-Congo hemorrhagic fever (CCHF) が確認されている。10 districts (Apanasyevsky, Budenovsky, and Neftekumsky districts and one case in the each of Alexandrovsky, Arzgyrsky, Blagodarnensky, Izobilnensky, Ipatovsky, Krasnogvardeysky, and Novoselitsky districts.) から、各1~2名の患者が
報告されていることを、当局 The management of RosPotrebNadzor (Federal Supervision Agency for Customer Protection and Human Welfare) がが発表した。
参考項目 20070506.1470

● 病原大腸菌 米国 O157
PRO/AH/EDR> E. coli O157, ground beef - USA (west) (03): expanded recall 20070611.1902
 情報源 San Francisco Chronicle, Associated Press report [edited]、6月10日

● 偽薬 Fake pharmaceuticals 中国:アルブミン
PRO/AH/EDR> Fake pharmaceuticals - China (Jilin): albumin 20070611.1906
 情報源 Reuter's Alert Net、6月11日
中国北東部の18の大きな病院が、偽のヒトアルブミンや血漿タンパク製剤を使用して治療を行っていたことが報じられた。吉林省・食品医薬品局の通常の監査に おいて、点滴用アルブミン製剤36種類batchesのうち7種類は、プロテイン(タンパク)が全く含まれていなかった。...アメリカやパナマの事例な ど。
[Mod.MPP- ..第1の偽薬の報告 20070220.0640 では、低品質の抗マラリア薬が薬剤耐性を高め、発病や死亡につ ながった。グリセリンの代わりにジエチレングリコールを使った薬剤は、パナマに被害をもたらせた。ペットフードへのメラミン混入が北米のペットの死亡につ ながった]

● ブルセラ症 米国,ロシア(2件)
PRO/AH/EDR> Brucellosis, bovine - USA (MT)(02) 20070611.1908
 情報源 The Prairie Star [edited]、2007年6月10日
モンタナ州の家畜当局者らの対応など。

PRO/AH/EDR> Brucellosis, ovine - Russia (Buryatia) 20070611.1903
 情報源 Regnum News Agency [in Russian]、6月8日
ブ リヤート共和国 Dzhidinskiy 地方の非常事態省は、ヒツジのブルセラ症 Brucellosis 発生を受け、予防策を発動した。Rosselhoznadzor [連邦獣医学植物衛生学監視局Federal Agency for Veterinary and Phytosanitary Surveillance. - Assoc.Mod.NP]局長によれば、2007年4月に初発例が確認されている。132頭のヒツジが血清学的にブルセラ症陽性で、ヒトでの患者の報告 はない。Gegetuj and Maliy Naryn の両村の4カ所の集団農場で感染が発生し、1900頭以上が精肉加工場の衛生処分場に移送された。衛生作業は現在も進行中である。農場の再開 は、消毒作業完了後となる。

● アフリカ豚熱 ジョージア(2件)
PRO/AH> African swine fever - Georgia (05) 20070611.1901
 投稿者 南アフリカ 獣医学コンサルタント Mary-Louise Penrith、2007年6月11日
20070610.1891 の Mod. のコメントに対して
どの公式輸入記録を眺めても、ウイルスが東アフリカ起源であるとは思われない。Genotype II ウイルスは、ザンビア、モザンビーク、マダガスカル以外では発見されていないと、報告されている。いずれの国も豚肉の輸出は行っていない。従って、密輸、"国外投棄international swill"、あるいはアフリカよりもグルジアに近いどこかが起源である可能性が高い。
[Mod.AS-東アフリカ起源の合法な商取引の豚肉よりも、アフリカよりグルジアに近いどこかによる可能性が高いとの意見に賛成する。しかし、他の豚肉輸入国への拡散防止のため、まず、豚肉の輸出国がASFの診断を下すことができなかった可能性を除外することが第一で、違法な商取引などの感染経路に目を向けるのはその次である。グルジアに豚肉を輸出している国の中に、原因不明のブタの疾患が発生している国がないかに注目するのは興味深い。この件に関して言えば、ブタにおける疾患発生状態の異常がある国は、自国での検査結果が陰性となった場合でも、グルジアの例に従い、確認のためOIE委託研究所へサンプルを送付すべきであるとの、ProMEDmail からの勧告を繰り返し述べたい]

PRO/AH> African swine fever - Georgia (04): FAO 20070610.1891
 情報源 FAO NEWS RELEASE 07/62、2007年6月8日

● マンゴーの病気,うどん粉病 パキスタン
PRO/PL> Powdery mildew, mango - Pakistan 20070611.1900
 情報源 World News Network、2007年5月21日

● イネの病気,ウイルス性疾患 ベトナム
PRO/PL> Virus disease, rice - Viet Nam 20070611.1899
 情報源 International Rice Research Institute (IRRI) Bulletin、2007年6月4日
Looking for solutions to the rice virus problem in the Mekong Delta

●  口蹄疫 キルギスタン
PRO/AH/EDR> Foot & mouth disease - Kyrgyzstan (Batken) (02): OIE 20070611.1898
 情報源 OIE Disease Information, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information, 2007; 20(24) 、2007年6月8日

● 狂犬病 カナダ,米国(2件)
カナダ
PRO/AH/EDR> Rabies, feline - Canada (BC British Columbia)
Archive Number 20070610.1897
 情報源 CBC News、2007年6月9日
the Lower Mainland の Maple Ridge の11人が、狂犬病 Rabies のネコと接触し予防接種を受けている

米国
PRO/AH> Rabies, rodent - USA (OR)(03): not 20070610.1896
 投稿者 Steve Berger、2007年6月9日
狂犬病であるなしにかかわらず、 肉食獣に襲われれば、たいていのネズミは生存していない。(ネズミの狂犬病が)まれな理由の1つはそれである。
関連項目 20070609.1881