2007年6月15日

サルモネラ感染症 欧州 イスラエルから
コレラ、下痢症、赤痢 イラク、インド、ソマリア

● サルモネラ感染症 欧州 イスラエルから、バジル
PRO/AH/EDR> Salmonellosis, serotype Senftenberg, basil - Europe ex Israel (02) 20070615.1960
 情報源 Eurosurveillance 、6月14日
2007年初より、HPA(健康保護局)の腸管病原体研究所には、イングランド England とウェールズWales の51例のサルモネラ菌 _Salmonella enterica_ [serotype] Senftenberg の報告があった。2005および2006年の同時期より10例以上増加ししており、51例のうち35例(69%)は2007年4月 8日以降に発生している。英国内の小売りされているフレッシュハーブの通常監視検査で、2007年5月にサンプル採取されたフレッシュバジルに、 _S._ Senftenberg の混入が確認された。当局は細菌学および疫学の調査を開始した。...以下、分子微生物学、疫学、食品微生物学などに分けて報告

● コレラ、下痢症 イラク、インド、ソマリア
PRO/EDR> Cholera, diarrhea & dysentery update 2007 (22) 20070615.1959
[1] コレラ-イラク (ナジャフ Najaf)
 情報源 Los Angeles (CA) Times [edited]、6月13日
イラク政府は、過去3週間に小児5人のこれら患者を報告した。夏期の到来と戦禍による衛生設備の荒廃から不安材料となっている。患者らは全て、Najafの 12歳以下の小児で、死亡する可能性のある疾患の症状があると、2007年6月12日にUNICEF当局者へ報告されている。数は少ないものの、このような早い時期の発生は良くない徴候で、コレラ Cholera は例年、気温が華氏120度を超える7月まで発生しない。気温の上昇で、慢性的に電力不足のイラクでは、上下水 道処理のポンプの稼働が困難となる。コレラの症状でもある下痢症患者は、すでに例年の2倍となっている。首都バグダッド Baghdad だけで13万5千人 以上が給水車に依存している。数万人のイラク人は、自宅y事業所の外の地面に穴を掘って、ポンプで井戸水をくみ上げている。国連の推計では、稼働していな い処理施設があるため、汚水処理がなされているのは17%にすぎない。上水道同様、電気により作動する。汚水のほとんどがチグリスTigris川とユーフ ラテス Euphrates 川に流入している。
[2] コレラ、下痢症 -インド(カルナータカ Karnataka 州)
 情報源 The Hindu 、6月12日
季節風が止み、バンガロール Bangalore の気候が予想に反し好天であるため、水系感染症の患者数が増加している。市内の病院は、胃腸炎患者数の増加と、コレラの 発生を報告している。2007年5月末に市内で210名の胃腸炎患者が報告された。「2007年に入ってコレラは報告されていない。疑い例の報告があるも のの、細菌学検査によるものではない」と衛生当局者が説明した。しかし、病院側の説明は異なっており、コレラ患者5名が確認され、感染症(隔離)病院へ搬 送したが、死亡したものはないと病院当局は述べている。M.S. Ramaiah Hospitalでは、10例のコレラ患者の報告があり、Indira Gandhi Institute of Child Healthにおいても、連日1-2名の小児が胃腸炎の治療を受けている。これらの患者らは、軽症で外来で治療されるものがほとんどである。
[3] コレラ-ソマリア(Somaliland)
 情報源 International Save the Children Alliance 、6月6日
600人以上のコレラ患者と、このうちコレラによる死者8例が、Somaliland のTogheer 地方で過去2週間に発生した。Save the Children UK、保健省などが、致死率1%以下を目標に感染流行対策に取り組んでいる。当局者は、コレラの感染拡大は急速で、7万人以上が危険にさらされている。重 症の脱水が急速に進行し、治療が困難となる。Save the Children UK's emergency health adviserは、子供は特に脱水に対し脆弱で、治療が難しい。早期治療、監視、予防が重要であると述べた。アフリカの医療システムが十分であれば、これ ほどコレラの被害は拡がらない。医療機関へのアクセスを改善すべきであると訴えた。Somaliland は干ばつ、洪水、内戦で荒廃した。医療施設や衛生 環境は貧弱で、国際社会からも見放されていることが多い。Save the Childrenが7年にわたって、Togdheer 地方で保健活動を続けている。
[Mod.LL- Somaliland は、国際社会が 認めているソマリアの国土の中で、事実上独立した共和国をアフリカの角Horn of Africaに築いている。1991年5月18日、Somaliland 国民はソマリアからの独立を宣言した。しかし、いずれの他国や国際機関もこれを認 めていない。南部および西部はエチオピアと国境を接し、北西部はジブチ、北部はAden湾、東部はソマリアの自治領であるPuntlandに境されてい る。Somaliland の首都はハルゲイサHargeisaである]
地図 Somaliland 
[4] コレラ-世界各国
 情報源 World Health Organization (WHO) Weekly Epidemiological Record (WER)、6月15日
コレラ届出 from 9 to 14 Jun 2007
国名 / 期間 / 患者数 / 死者数
アフリカ
ギニア / 16 Apr-27 May 2007 / 77 / 6
スーダン / 21-27 May 2007/ 233 / 6
アメリカ
カナダ / 27 May 2007/ 1 (1i) / 0
オセアニア
オーストラリア / 29-29 Mar 2007 / 1 (1i) / 0
(i) = imported

● 麻疹 ロシア,中国から
PRO/EDR> Measles - Russia (Primorsky) ex China 20070615.1955
 情報源 IA Regnum.ru [9 Jun 2007 trans. by Mod.NR, edited]、2007年6月9日
Primorsky 地方の第2期[?]麻疹感染流行対策が完了しなかったため、2007年に11例の麻疹患者の流行が発生した;成人10人 (from ウラジオストックVladivostok and Ussuriysk cities) および teenager 1人(Ussuriysk)である。初発の3例は中国から帰国した旅行者であることから、中国からの輸入例。

● 鳥インフルエンザ 英国 LPAI H7N2
PRO/AH/EDR> Avian influenza, LPAI H7N2 - UK (England)(02) 20070615.1958
[1] 低病原性鳥インフルエンザ(家禽)、英国
 情報源:OIE Disease Information, WAHID (World Animal Health Information Database) [edited]、6月15日
感染開始時期 2007年6月8日
前回流行時期 2006年8月4日
原因ウイルス 低病原性鳥インフルエンザ、H7N2型
新たな感染流行
発生地 ENGLAND (St. Helens, St. Helens, Merseyside)
感染種 トリ(34羽)、感染個体数不明
感染源 新たな生きた動物の持ち込み、合法的な動物の移動
疫学的コメント 今回の感染流行および端緒となったウェールズのLPAI H7N2感染流行とは、追跡調査によって、市場を通じた関連性が確立されている。最後にLPAI H7N3型が報告されたのは、2006年、イングランドNorfolkにおいてであった。
[Mod.AS- 弱毒性のH5またはH7亜型が、家禽の宿主内で変異により強毒性になるリスクがあるため、全てのH5およびH7亜型ウイルスは、OIE から届出義務のある鳥インフルエンザウイルスnotifiable avian influenza (NAI) virusesに指定されている。トリに対する毒性を決定するために使用されている方法は、近年、病原性の分子学的原理の理解が飛躍的に進歩したことにより改変されているが、依然、基本的な方法として、8羽以上のウイルスに被感染性の4-8週齢のヒヨコへの接種が行われている。OIE's Terrestrial animal health Code and Manual (chapter 2.7.12.)によれば、NAI は高病原性届出鳥インフルエンザ (HPNAI) と低病原性-(LPNAI)に分けられている。「HPNAI ウイルスは、6週齢のヒヨコに対する経静脈病原指数 Intravenous pathogenicity index (IVPI) が 1.2 以上、もしくは、経静脈的に感染させた 4-8 週齢のヒヨコの死亡率が 75% 以上であることとされている。IVPI1.2未満または致死率検査75%未満のH5またはH7亜型ウイルスは、遺伝子配列解析を行い、ヘマグルチニン分子の間隙部位cleavage site(HA0)に複数の塩基性アミノ酸が存在するか確認する必要がある; アミノ酸のモチーフamino acid motifが他の分離されたHPANIで見られるものに近い場合、分析中の分離株はHPNAIと見なされる。H5およびH7亜型の鳥インフルエンザA型ウイルスのうち、HPNAI ウイルスではないものが全てLPNAIである。」St.Helens の分離株が低病原性と決定された検査の詳細について知らされたい。]
[2] 2件目の鳥インフルエンザ感染流行、ニワトリが関与
 情報源 The Wilmslow Express [edited]、6月13日
Chelford Marketで購入されたとされる多数のニワトリが、2件目の鳥インフルエンザ感染流行に関与している。環境食品農務省Defra- the Department for Environment, Food and Rural Affairs -は、Merseyside のSt. Helens に近い小規模農場の家禽に対する低病原性鳥インフルエンザの検査結果が陽性となったことを確認した。....このニワトリは、2007年5月8日に例の市場で購入されたとされている。Defraは2007年5月のウェールズ北部の感染流行以降、広範囲の追跡調査を行っている。..感染が確認されたのは、この農場のみであるが、追跡調査は続いている。Defra はニワトリとカモの一時販売停止を解除し、6月11日より家禽市場を通常通り再開した。...Rhode Islandのメンドリ15羽が低病原性鳥インフルエンザに感染して死亡したConwyでは、合計30羽のニワトリが処分された。Llyn半島のもう1カ所の農場で行われた検査は陰性であった。ヒトへのリスクはなく、患者は報告されていない。[Mod.AS- Chelford Agricultural Centre は、Chelford marketと関連のある農場で、新たな感染が発生しなかったため、再開が可能となった。もし本当の初発感染源が確認できたとすれば、驚くべきことである;今後の疫学調査の推移を興味深く見守りたい。Conwy と St.Helens における2件の小規模のH7N2型感染流行を発見し、急場の排除が行われるきっかけとなったのは、英国や他の先進国に広まっているH5N1型の感染拡大を受けての高度警戒態勢によるものである。小規模農場における、限定的な低病原性鳥インフルエンザ感染流行は、過去にも英国やその他の先進国において、気づかぬうちに発生していたかも知れない]

● アフリカ豚コレラ(アフリカ豚熱) ジョージア
PRO/AH> African swine fever - Georgia (06) 20070615.1954
 投稿者 Roger Breeze、2007年6月15日
Georgia's diagnostic capability for ASF