2007年6月16日

鳥インフルエンザ、ヒト インドネシア、ベトナム
C型肝炎 米国

● 鳥インフルエンザ、ヒト インドネシア、ベトナム
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (99): Indonesia, Viet Nam 20070616.1966
[1] インドネシア保健省は、新たなH5N1型鳥インフルエンザ感染患者の発生を発表した。
 情報源 WHO Epidemic and Pandemic Alert and Response(URL 情報なし)、2007年6月15日
イ ンドネシア保健省は、新たなH5N1型鳥インフルエンザ Avian influenza 感染患者の発生を発表した。Riau州の26才男性で、2007年6月3日に発症し、同6日に入院 した後、6月12日に死亡した。彼の感染源の調査により、発病したり死亡したりした家禽との接触があったことが示されている。インドネシアで確定された 100人の患者のうち、80人が死亡している。
[2] ベトナムの Ha Tay 省の20才男性の死亡が、鳥インフルエンザ感染によるものと疑われている。
 情報源 Reuters、2007年6月16日
鳥インフルエンザの感染により、20才のベトナム人男性が死亡し、2005年後半以来の死者が発生したと、2007年6月16日に政府系テレビ放送が報じ た。この男性は、ハノイHanoi近郊の北部Ha Tay 省で先週死亡したとの、保健副大臣の発言を引用して伝えた。テレビ放送では、この患者のH5N1型ウイルスの感染経路は伝えていない。ベトナム政府 による、家禽のワクチン接種やその他の対策は、海外の衛生専門家から、H5N1型ウイルスを水際で食い止める(寄せ付けない keep at bay)モデルと称されていたが、ウイルスは国内全体のカモやニワトリに感染が拡大していた。2007年6月16日の報告により、2007年5月以降の衛 生当局から発表された患者の数は5人となり、初めての死者となった。2003年後半以来のベトナムでの死者は43人になった。WHOはこの最新の患者につ いて確認していない。WHO広報担当者はハノイで、感染の疑いのある患者数は把握しているが、WHOの検査室での結果が得られるまで、何も確認できない。」と説明した。2005年10月に、ニワトリを食べた35才の男性がハノイで死亡し、後に当局がH5N1型ウイルスに感染していたことを確認した。こ の年、H5N1に61人が感染し、うち19人が死亡している。ベトナムの当局は今週初めに、カモやニワトリの鳥インフルエンザ発生が、全64省のおよそ 1/3の省と市に拡大していると警告していた。Ha Tay 省は感染区域には数えられていなかったが、首都在住の300万人に対しての家禽の最大の供給源となっている。患者らのうち、5月24日に感染が報告 されていた30才男性は、6月4日にハノイの病院から退院した。6月12日、衛生当局は、北部Thanh Hoa および Ha Nam省の、28才および29才の女性2人が、H5N1型ウイルスに感染していたことを明らかにした。この女性2名と、処分場の従業員の患者が、このハノ イの病院で治療を受けている。以下、世界の鳥インフルエンザ感染発生状況、ベトナムの獣医学当局による動物における感染状況など。6月15日は、中国広西 荘族自治区との国境の、Cao Bang省の養鶏場1カ所で、カモとニワトリに鳥インフルエンザ感染が発生したと発表されている。
[Mod.TY- この記事においても(20070613.1929の)28歳と29歳の女性を含めて、H5N1型ウイルス感染が検査室で確定されたか否かが明らかにされていない。]
地図 ベトナム

● C型肝炎 米国
PRO/EDR> Hepatitis C, physician-associated cluster - USA (NY) 20070616.1965
 情報源 Silive.com 、6月15日
静脈麻酔との関連が疑われる、3人のC型肝炎ウイルス感染の報告。
当局は、1名の現地の麻酔科医師により治療を受けた4500人の患者に、肝炎の検査を受けるよう呼びかけている。この医師が麻酔を行った際に、3名の患者に対して、肝臓に障害を与える疾患に感染させた可能性があると説明している。ニューヨーク市保健精神衛生局は、2007年6月14日に、感染の危険のある全ての患者に封書を送付し、通常の接触では感染が拡大することはないことを知らせた。2006年8月にこの医師に治療を受けた合計3人が、2007年6月にC型肝炎 Hepatitis C に感染していると診断された。検査結果などから、外来治療で静脈麻酔薬を使用された際に、感染した疑いがあると、当局が示唆している。..1977年に医師免許を取得したこの医師に責任があると確定されたわけではなく、過去に感染させた経歴もない。当局は、同医師が2003年12月1日から2007年5月1日までに診療を行っていた、NY市内の10カ所の医療機関で治療を受けた全ての患者と連絡を取っているとしている。医療の現場での肝炎の感染伝播はまれであるが、念のため、暴露の可能性のある全ての患者と連絡を取っていると、述べた。...
[Mod.MPP- ニューヨーク市保健局の会見内容 さらなる特定情報を発表するまでに、医師に関連したものか、医療施設によるものかの調査が行われるだろう。医師の診療録を下に着手していることから、最も疑わしい感染経路が確定されれば、当局の連絡の取れない(応答のない)患者も特定できる。この報告により、医師は、新たにHCV感染が診断された患者に対して、外来手術歴があるかを尋ねるべきとの教訓を残した]

● 結核 ネパール、ゾウ
PRO/AH/EDR> Tuberculosis, elephants - Nepal 20070616.1962
 情報源 Reuters alertnet [edited]、2007年6月11日
ネパールの絶滅の危機にある250頭のゾウのうち、10頭が国立公園内で結核 Tuberculosis に感染し、ヒトや他の野生生物にも拡大する恐れがでている、と 11日に当局が述べた。ネパール南部のChitwan National Parkにはサイやトラなどの貴重な野生動物がおり、毎年大勢の観光客が訪れている。公園当局者は、Chitwan の100頭の国内のアジアゾウのうち、過去2年間に10頭以上の感染が確認されているという。結核の感染が確認され、治療を行っていると述べた。首都カト マンズKathmandu から80km南にあるChitwanからの電話で、獣医学当局者は、ヒトへの感染の可能性があり、問題は深刻であると語った。当 局者は、ヒマラヤにあるネパール国内で、ゾウが結核に感染したのは初めてであると述べた [他の情報 "Elephant TB Initiative - Nepal TB Research" から、この意見は賛成できない]。ネパールには野生のゾウ150 頭と、飼育されている厚皮動物pachyderms(=ゾウ?)100頭ほどが生息している。一部はプライベートホテルや政府管轄の国立公園がサファリ用 に使用している。ゾウはネパールの天然記念物protected speciesで、殺せば最高15年の禁固刑が下される。
[Mod.AS- 結核菌 Mycobacterium tuberculosis_は、檻で飼育されている世界中のゾウにとっての脅威となっている。アジアの人類で結核の発生率が高いことが、多くのゾウが結核 に感染させることにつながっている。感染したゾウが、今度はヒトに結核を感染させる。ネパールのゾウの症例は _M. tuberculosis_によるものと思われるが、ゾウはウシ結核菌 _M. bovis_にも感染するため、検査室レベルでの鑑別が必要である。USDA-APHIS によるゾウの結核対策ガイドラインには、抗結核薬による治療や抗結核薬の章も含まれている。] 

● カンキツグリーニング病 パキスタン, 米国
PRO/PL> Huanglongbing, citrus - Pakistan, US (FL FLORIDA) 20070616.1961
[1] パキスタンの huanglongbing 、分子生物学的に確認される
 情報源 Australasian Plant Disease Notes vol. 2 2007年3月29日
[2] 米国の柑橘類栽培業者が最もおそれる、上方の葉 greening top の疫病 canker
 情報源 TCPalm Business 、2007年6月9日