2007年6月5日

サルモネラ感染症 欧州 バジル イスラエルから

● サルモネラ感染症 欧州,イスラエルから
PRO/EDR> Salmonellosis senftenberg, basil - Europe ex Israel: alert
Archive Number: 20070605.1819
[1] 情報源 Health Protection Agency report, UK [edited]、6月1日
2007年初めより、健康保護局HPA腸管病原体研究所 Laboratory of Enteric Pathogens (LEP) には、海外渡航歴のない患者からのサルモネラ菌_Salmonella [enterica_ serotype] Senftenbergの検体が45件提出されている。2006年のこの時期には 10件であった。2007年4月8日の第 15週には、全部で34件 (76 %) の検体が受理された。患者は、イングランド England およびウェールズ Wales の住民で、2007年4月8日以降に LEP に受理された、全ての薬剤感受性のある_S._ Senftenberg の分離株に感染したと確定された場合と定義した。海外渡航歴や胃腸炎患者との濃厚接触のあるものは除外された。...英国において、2007年5月から HPA および地元の当局により、フレッシュハーブの小売の細菌学的品質調査(研究)が開始され、イスラエルで生産、パック済みのフレッシュバジルからの 7検体の検査の結果、_Salmonella_ spp が陽性であった。このうち 4件で _S._ Senftenberg が確認されている。...
[2] 情報源 YNetNews.com 、6月5日
イスラエルの衛生農業省当局は、イスラエルで生産されたバジルの輸出品が、ヨーロッパにおける複数のサルモネラ菌感染症例の原因であるかの調査を開始した。...イスラエル側の当局は、輸出業者 3社に絞って、土壌および製品サンプルの検査を実施中で、6月6日に結果が判明する予定である。すすぎに使用された水の検査は終了し、異常は認められなかった。...
[Mod.LL-血清型 Senftenberg は、地域や院内で発生するサルモネラ感染症感染流行の原因とされ、元々は殺菌済み鶏卵胚から検出されたこの血清型の 1種 (775W) は、他のサルモネラ菌に比べ耐熱性がある。PFGE により、バジルと便検体のサルモネラ菌が一致したのであれば、イスラエルのバジルが関係しているのは明らかである]
写真 バジル(語源は、ギリシア語で王を意味する _basileus_で、St. Constantine and Helen が Holy Cross 山を発見した場所に生えていたとされている)

● マラリア フィリピン
PRO/EDR> Malaria - Philippines (Mindanao)
Archive Number: 20070605.1822
 情報源 Mindanews.com、6月5日
本来はデング熱対策に当たる South Cotabato 村衛生当局のスタッフらが、マラリア Malaria 感染拡大防止のための検疫を行っている。オンラインのニュースサイト MindaNews で、2007年6月5日、当局が、 80人以上のマラリア患者が発生したことを受け、Lake Sebuno 山岳地帯の村を隔離したことが伝えられた。以前よりマラリアの風土病感染地帯であったこの地域を、特に雨期開始時期であることから、感染流行対策としてまずは隔離したと、州保険当局者が述べた。Bacdulong 村(Lake Sebu 州)において、血液塗沫検査陽性の患者が最近増加しているため、マラリア感染流行発生の可能性を注意深く監視していたと説明した。Bacdulong以外にも、2年前にマラリア感染が流行した隣のNed村 (Sultan Kudarat 州) とも、マラリア隔離対策を強化していると話した。感染流行の原因は、Sultan Kudarat 州のマラリア風土病地区と判明し、周辺地域に蚊帳やマラリアの試薬を配布する予定になっている。...
[Mod.EP-検疫措置に続き、患者の発見とくにプリマキンにより症状の見られない生殖母体 gametocyte の保有患者の確定が必要である。無症候性の患者がほとんどいない、発生頻度の低い地域においては、この方法は最も有効successfulである。ミンダナオ島はマラリアの土着感染地区である。WPRO からのデータによる最新のマラリア状況は、2002年のもので、フィリピンでは 71人の死亡を含む 37005人のマラリア患者が報告されている。]

● 鳥インフルエンザ、ヒト インドネシア
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (92): Indonesia, serosurvey
Archive Number: 20070605.1821
 投稿者 A Japfa Comfeed Company、Dr Teguh Y Prajitno、6月5日
Avian influenza, human (91): veterinarians 20070604.1813に関して
鳥インフルエンザウイルスに暴露した家禽業者および獣医師らの状況に関してのコメントとして、2005年から 2006年にかけて、インドネシアにおいてH5N1型感染流行に暴露し、処分や廃棄作業に従事した、Jepfa Comfeed 社の社員および獣医師ら 1000人の一斉採血を行った。H5N1型鳥インフルエンザウイルスに簡単には感染しないと言ってきた。最も多い HI [haemagglutination inhibition 血液凝集阻止反応?] 検査は、偽陽性となりやすい。米国内で実施されている検査について明らかにされたい。
[Mod.CP-同氏の指摘どおり、検査法の違いにより調査結果は影響を受ける。米国の研究に用いられた検査法について、まだ Clinical Infectious Diseases 6月号が入手できていない]

● 口蹄疫、ウシ カザフスタン,アルメニア(2件)
PRO/AH> Foot & mouth disease, bovine - Kazakhstan (03)
Archive Number: 20070605.1820
 情報源 Itar-Tass News Agency 、6月5日
カザフスタン西部のロシア国境の地域で、口蹄疫感染流行が報告されていると、カザフスタン非常事態省が、2007年6月5日に報告した。隔離された地域は、Lubyanka村(Chingirlausky地区)である。当局によれば、村内の160頭の家畜は隔離措置を受け、残る7000頭に対するワクチン接種が行われている。農業省は、すでに家畜18000頭にはワクチン接種が行われたと報告している。また、ウシや動物製品の移動禁止が発動されていると述べられた。同地区で138頭の家畜が感染し、感染源は不明である。
[Mod.AS-2007年4月および5月、カザフスタンの 2ヶ所で発生した口蹄疫は、遠く離れていた。1件目はKaragandaで4月24日に報告されたが、血清型は不明 (20070522.1637)。2件目は、Atyrauからの報告であった。]
地図 Atyrau region

PRO/AH> Foot & mouth disease, bovine - Armenia (Syunik) (02): susp
Archive Number: 20070605.1818
 情報源 Newsarmenia.ru [in Russian ]、5月31日
2007年5月31日、アルメニア非常事態省 Emergency Services of Armenia (SSA) は、アルメニア Syunik 地方で発生したとされていた口蹄疫感染流行についての情報を否定した。2007年5月29日に SSA 広報により配布された情報は正しくなかったことを明らかにした。Novosti-Armenia の報道は、実際は、地域の獣医学当局による口蹄疫予防のためのワクチンに関連するものであった。5月29日の SSA の日報は、Syunik と Sisian 地方の3つの村における約120頭のウシの口蹄疫感染による死亡を伝えた。
[Mod.AS-20070530.1747では、4つの地区で182頭(100 in Sisian, 60 in Ahlatyan, 10 in Shamb, and 12 in Uyts)のウシが口蹄疫に感染したとされ、5月31日には、4つの地区の 120頭のウシについての情報が否定されたが、いずれが正しいかについては、判断できる立場にはない。OIEによると、アルメニアは、2005年から 2006年にかけて、口蹄疫が排除されたと報告している]
地図 Syunik 地方は、(口蹄疫の土着感染がある) イランおよびアゼルバイジャン国境にある