2007年8月22日

マラリア ケニア、薬剤耐性の可能性
鳥インフルエンザ、ヒト インドネシア

● マラリア ケニア、薬剤耐性の可能性
PRO/EDR> Malaria, possibly resistant - Kenya (Kisumu)
Archive Number: 20070822.2754
 投稿者: イタリア、ビエラ Biella のトラベルクリニック、Giovanni Ara、8月22日
2007年5月に、ケニアの病院に 1ヶ月間ボランティアに出かける看護師に、予防内服薬としてマラロンを処方し、同看護師は 6月20日にイタリアを出発した。ビクトリア Victoria 湖岸の Kisumu に到着後数日して、咽頭痛と気管支炎を発症し、入院してアンピシリンによる治療を受けた。Nakuruでの 2日間の旅行中の 7月6日に、発熱、頭痛、悪寒、下痢、全身倦怠を生じ、Nakuru のクリニックで熱帯熱マラリア Malaria と診断された。看護師は、予防内服を続けていたことを正確に記憶していた。7月6日まで、下痢、嘔吐などもなかった。血液塗沫標本がないため、ケニアでの診断は確定できないが、ProMED を検索したところ、ケニアでのマラロン耐性マラリアのケースは報告されていなかった。
[Mod.EP- ケニアの農村部でのマラリアの診断は信頼できない。過去の感染歴のない患者の最近のマラリア感染なら、血液抗体検査が高値のはずで、そうでなければ、診断は怪しい。たとえマラリア感染であったとしても、マラロン耐性とは限らない (違うだろう)。アトバコン Atovaquone は脂溶性で、マラロンは脂肪の多い食事と共に服用することが勧められている。それができない場合、血中濃度が不十分となり、予防内服にもかかわらずマラリア感染 breakthroughs がおこる。マラロン服用中の旅行者におけるマラリア感染は、以前から報告されている。今回の事例についても、調査と報告が重要だと考えられるが、診断や服薬状況が確認されなければ、この症例のみで、ケニアのキスム地区のマラロン耐性を示唆することはできない]

● 鳥インフルエンザ、ヒト インドネシア
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (125): Indonesia (Bali)
Archive Number: 20070822.2752
 情報源: Reuters Foundation AlertNet 、8月22日
人気観光地であるバリ Bali 島のインドネシア人女性 1名が、鳥インフルエンザ Avian influenza により死亡したと、2007年8月22日に当局が発表し、同島における H5N1型ウイルスによる確定死亡患者は 2人目となった。ジャカルタの鳥インフルエンザセンター当局者は、この女性患者は、2007年8月21日にバリ島の首都デンパサール Danpasar の病院で死亡し、2回目の検査で H5N1型ウイルスの検査が陽性となったと説明した。この女性患者は、28歳家きん取引業者で、高熱と呼吸困難を発症し、バリ島南西部の、女性の居住地である Tanah Lot 村の近くの病院に、8月18日に入院した。Tanah Lotは、夕日の風景のはがきや海中に突き出た岩にある寺などで観光客らに人気の観光地である。
バリ島西部の 29歳のインドネシア人女性 1名が、1週間以上前に鳥インフルエンザにより死亡し、この観光地では初めての確定患者となっていた。イスラム教が多いインドネシアの中で、ヒンズー教が大勢を占めるバリ島では、2005年10月の 20人が死亡した自爆テロ事件から立ち直り始めていた。

● サルモネラ感染症 ルーマニア
PRO/AH> Salmonellosis, summer camp - Romania(03): E. coli co-etiology
Archive Number: 20070822.2744
 情報源: Eurosurveillance 、8月16日
2007年7月8-13日の間に、ルーマニアのキャンプ場において、117人の holiday-makersに発生した、急性胃腸炎集団発生が、Constanta District Public Health Authority (CDPHA) により調査された。

● 赤痢 カナダ
PRO/EDR> Shigellosis, Mexican baby carrots - Canada: alert, recall
Archive Number: 20070822.2741
[1] カルガリー Calgary cases
 情報源: Regina Leader-Post, CanWest News Service report 、8月21日
2007年8月20日、当局は、カルガリーの4人が、汚染されたベビーキャロットを食べたために発病したことを明らかにした。赤痢菌 Shigellosis に汚染されていたため、2007年8月17日に注意喚起が出された。...
[2] CFIA warning
 情報源: Canadian Food Inspection Agency 、8月20日
マニトバ州にも商品が出回っていた。

● ウエストナイルウイルス
PRO/AH/EDR> West Nile virus update 2007 - Western Hemisphere (19)
Archive Number: 20070822.2753
[1] カナダ: human surveillance
[2] カナダ: bird surveillance
[3] 米国: CDC/ArboNET
[4] 米国: USGS/CDC maps

● トマトの病気,Columnea latent & tomato chlorotic dwarf viroids  英国
PRO/PL> Columnea latent & tomato chlorotic dwarf viroids - UK: 1st rep.
Archive Number: 20070822.2742
[1] _Columnea latent viroid_ - 英国: 1st report
 情報源:North American Plant Protection Organization, Phytosanitary Alert System、2007年8月17日
[2] _Tomato chlorotic dwarf viroid_ - 英国: 1st report
 情報源:DEFRA (UK Department for Environment, Food, and Rural Affairs) 、5月4日