2007年12月18日

鳥インフルエンザ、ヒト インドネシア WHO,パキスタン 

● 鳥インフルエンザ、ヒト インドネシア,パキスタン(2件)
インドネシア
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (170): Indonesia, WHO
Archive Number: 20071218.4075
[1] インドネシア、鳥インフルエンザ感染疑い症例の調査中 
 情報源:Trend Capital News Agency. Agence France Presse report 、12月18日
インドネシアの鳥インフルエンザ関係の当局者は、2007年12月18日、感染した家禽との接触がないとされている、最近の複数の鳥インフルエンザによる 死亡患者について調査を行っていると話した。3-4ヶ月間に、インドネシアでは4人の患者が発生し、患者らの自宅付近には、ウイルスが確認されていない と、国立鳥インフルエンザ委員会の委員長が述べた。この患者の数は、われわれの調査を強化させるには十分であり、さらに正確な説明を行うことができるよう にしなければならないと述べた。2006年に発生した患者の20%ほどが、家禽との接触が確認できず、感染源の結論が出ていない。2007年には、その数 字が30%に上昇した。通常、ヒトへの感染は病鳥からおこる。... 
[2] インドネシア:鳥インフルエンザ感染状況 WHO 更新27 
 情報源: World Health Organisation, CSR, Disease Outbreak News、12月18日
2007年12月18日、インドネシア保健省は以前に診断が確定されていたH5N1型感染患者の死亡について発表した。この47歳の男性は、バンテン Banten州Tangerang地区出身で、2007年12月13日に死亡した。インドネシアで確認された115人の患者のうち、93人が死亡した。 [ModCP-WHOの、検査によって確定された、ヒトでのH5N1型鳥インフルエンザAウイルスの累積患者数は、世界中で合計340人であり、このう ち209人が死亡している。この患者には、ミャンマーで最近確定された1例が含まれているが、ここ数週間にパキスタンから報告されている8-9人の感染疑 い患者は含まれていない]

パキスタン
PRO/AH> Avian influenza, human (169): Pakistan
Archive Number: 20071218.4072
 情報源:Nature News、12月17日
WHO からの専門家チームは、パキスタン国内の北を目指し、アフガニスタン国境付近における、8人以上の鳥インフルエンザ患者の小集積について、調査を行う。疾患の拡大や、ヒト-ヒト感染の可能性についての解明に努める。インドネシアを中心に、世界中で鳥インフルエンザ感染患者の発生が続いており、北半球 で最も大きな被害が出ると考えられているのは、一年のうちの寒い時期である。しかし、この感染流行は、2006年5月に集団で8人が感染したインドネシア からの報告以来の、密接な関連性のある多数の集団発生である点で、懸念されている。「今のところ、これまでのH5N1型の感染流行の症例と何ら相違点はない」と、WHO 広報担当者が説明した。パキスタンでの患者発生の開始は2007年11月中旬またはそれ以前で、イスラマバード Islamabad の北のア ボッタバード Abbottabad で、家族のうち5人が発病した。兄弟のうち2人が死亡し、このうち1人はH5N1型検査が行われる前に埋葬された。 2007年12月、同じ地域で男性1名とその姪のH5N1型感染が確認された。初発となった家族が感染した、同じ農場で働いていたと見られている。さらに 1人の男性が、少し離れた近郊の町に住んでおり、H5N1型感染が判明した。もう1人感染が疑われているが、検査で確定されていない症例があり、これを含 めると、9人の集団発生となる。パキスタンでは過去2年間に家禽の鳥インフルエンザ感染流行がたびたび報告されてきた。WHOのチームは、追跡調査と、患 者と接触のあった人たちの治療と検査を行うことになっている。地域内の患者発見が、このウイルスの毒性が強まり、感染拡大の徴候が見られるかを解明する点 で重要である。同時に、パキスタン保健当局は、過去数ヶ月間に遡って、呼吸器疾患発生率の上昇が見られたかについて、病院の記録を調べている。、過去いく つもの事例で限られた状況において発生しているため、ヒト-ヒト感染は除外されていないと、当局者は述べた。患者と接触のあった40人の検査では、これま で全てが陰性という結果であった。遺伝的解析によって、感染伝播様式と、ウイルスの何らかの重要な遺伝学的変化の有無が、究明されるものと考えられる。パ キスタンの患者小集積は、WHOが感染拡大によってH5N1型のパンデミック株が出現することを阻止する際に直面している難題を浮かび上がらせた。この戦 略には、症例の早期発見が不可欠で、コントロール不能となる前に、抗ウイルス薬の blanket treatment 一斉投与により、新興パンデミックウイルスを制圧することが期待されている。コンピューターモデルは、この方法で成功するためには、 WHO は最大3週間の window 期間内に診断する必要があることを示した。しかし、初発患者が、最も遅くみても、2007年11月中旬には発生している にも関わらず、パキスタン政府が公式に WHO に報告したのは、メディアによる初報道の翌日の、2007年12月12日であった。WHO が症例を公表したの は、12月15日であった。2007年12月14日、WHO は、ミャンマーの初めての患者の報告も確認した;2007年11月に入院した、Shan 州 Kyaing Tone の町の、この7歳の少女1名は、その後回復した。WHO からのチームは、この患者との接触者やこの地域での感染の証拠を発見していない。 
[Mod.CP- 例の死亡した2人兄弟と、H5N1型陽性となった男性とそのH5N1型陽性のめいは、全員が同じまち(アボッタバード)に在住しており、 全員が同じ農場(Manseraにあった)で働いていたとの追加情報のついた、新たな解説である。状況は、ウイルスが、ヒト-ヒト感染ではなく、共通の感染源により感染したことに矛盾しない]

● デング熱
PRO/EDR> Dengue/DHF update 2007 (49)
Archive Number: 20071218.4074
ケイマン諸島 Cayman Islands  
 情報源:Cay Compass、12月17日 
ケイマン諸島 Cayman Islands で、デング熱感染が確認された患者の数は、2007年10月の8名のまま変わらないが、新たに1名がこの熱帯病に感染した疑いがあると、公 衆衛生局が報告した。しかし、当局者は、9人の患者は全て、最近デング熱の流行地域を旅行していることから、地域内では感染拡大が発生していないことに自信を持っている。診断が確定された8人と、感染が疑われる患者1名は、2007年10月はじめからデング熱の検査を受けた合計59人の中から発見された。 検査を受けた残りの人々は、検査陰性が確定されたか、またはデング熱に感染している可能性が低かった。
地域全体のデング熱患者数が減少する、雨期の終了時期にもかかわらず、公衆衛生局長はデング熱患者に対する警戒を強めたままである。この時期多くの人々がデング熱が発生する他の地域を訪れる。帰国後デング熱類似症状を発症した場合は、直ちに医療機関を受診するよう呼びかけていると、説明した。蚊族研究対策部長は、最近の乾燥した気候により、Grand Cayman では、デングのベクターとなるネッタイシマカを含め、蚊族の個体数の減少が認められていると話した。今後、通過する残りの低気圧による降雨量 によっては、Cayman での蚊族個体数増加の可能性がある。...つづく。 
[Mod.TY-ケイマン諸島保健当局は、輸入デング熱ウイルスに対して非常に効率的に対処しており、来る休暇時期の輸入のリスクも十分承知している。(20071112.3670)] 
ブラジル Brazil
2007年、デングウイルス感染者53万6千人;政府発表 
 情報源: Atarde [in Portuguese]、12月13日
2007年12月12日、保健省は 2007年の11月までの全国のデング熱患者が発表された。全国の登録患者数は、この期間で 536519人で、このうち 1275人は DHF 患者であった。136人が死亡した。2006年に比べ 20万人の増加となり、これは、Mato Grosso do Sul, Parana, Rio de Janeiro および Pernambuco の各州での発生によるものである。DHF の致死率が増加している点を指摘している。2007年は 10.7%となり、ブラジルで 大流行した 2002年の5.5%の、およそ2倍であった;この年、死者の数が多く(150人)、患者の 44%が人口10万人以下の都市で発生した。100 万人以上の大都市の患者は14%であった。地方、州、都市による国立デング対策計画の第2のパラメータによると、低発生率は、人口10万人あたり症例 100以下と定義されている。中等度発生とは 10万人対100-300例、ハイリスクは 300例以上とされている。最悪の被害が発生した地方は Central-West で、人口10万人あたり 811例を記録し、マトグロッソドスル州には届出患者の 68%が集中していた。..以下、各地方の発生状況の詳細。 
インドネシア(ジャワ Java 島)
ジャワ島 Jepara では、2000人以上のデング熱患者が報告されている 
 情報源:Surya Online [in Indonesian]、12月15日
[Mod.TY-20071217.4062 で伝えられているとおり、2007年1月から 12月10日までに、ジャワ島 Jepara では、2000人以上のデング熱患者が報告されている。チクングニアも同時に流行中である。]
シンガポール
建設現場の作業員合計13人がデング熱ウイルスに感染した。現場での集団発生は、2007年になって2回目である。
 情報源:Channel Asia 、12月18日
建設現場の作業員合計13人がデング熱ウイルスに感染した。East Coast Road と Lorong N Telok Kurau のジャンクションの現場で作業中であった。2007年、10人以上のデング患者が建設現場で発生したのは、これで2件目である。感染した作業員の中で、4人は現場近くに住んでいた。現場の作業員らは、同僚が病院に運ばれていたが、その後回復していると話した。また、彼らは、2日以内に仕事に復帰 すると述べた。環境省と保健省の当局者らが、現場の調査を行ったが、蚊族繁殖場所を確認できなかった。 

● 鳥インフルエンザ ドイツ,ポーランド(2件)
ドイツ
PRO/AH/EDR> Avian influenza (190): Germany (Brandenburg), OIE
Archive Number: 20071218.4077
 情報源:OIE WAHID (World Animal Health Information Database) Disease Information 2007; 20(51) 、12月18日
感染開始時期 2007年12月14日 
前回流行時期 2007年9月10日 
原因ウイルス 高病原性鳥インフルエンザ、H5N1型 
新たな感染流行 
発生地(AI in poultry II) Altglobsow 12065A070007, Grosswoltersdorf, Oberhavel, BRANDENBURG;農場 感染個体数 11羽中10羽(死亡10羽) 
庭先飼育された、自家用の産卵用メンドリで、商取引はされていない 
[Mod.AS-20071217.4061として、Friedrich-Loeffler-Institut から投稿された貴重な情報の、OIE による公式報告である。全ての感染流行は、公式・非公式いずれかのリスク評価の機会を提供してくれる。私見であるが、非公式なものとして、庭先飼育の家禽は、リスクが混在する側面をもつ。このような庭先飼育の群れが、トリや会社全体の従業員らにまである程度のリスクを生じる、大規模・集約型の家禽産業の中に含まれることはないというのは正しい。しかし一方では、庭先養鶏における感染流行は、養鶏を行う農民らの知識、設備資産、管理技術、そしてその他多くの広い範囲にわたってのリスク要因の影響により、リスクの度合いは大きく変わる。ともかく、疫学および分子学的レベルからの新たな情報提供を歓迎する]

ポーランド
PRO/AH/EDR> Avian influenza (189): Poland (Mazowsze)
Archive Number: 20071218.4073
ポーランドでの感染流行、ニワトリ供給に不安
 情報源:Food Production Daily、12月17日
メンドリ養鶏場で鳥インフルエンザ Avian influenza の感染流行が確認されてから、ポーランドでは10万羽以上のトリが処分された。農業省は、この新たな感染流行により、国内養鶏業に深刻な影響が出るものと見ている。ポーランドは、欧州最大の家禽および家禽製品の生産国の1つである。鳥インフルエンザ発生の発表により、ポーランドのニワトリの卸価格は 30%以上暴落した。マゾフシュ Mazowsze Province の大規模メンドリ養鶏場で、H5N1型高病原性鳥インフルエンザの流行が確認された。経済的損失の正確な数字は計算されていないが、見通しはよくない。今回の感染流行は、2007年12月10-14日にポーランド中央部の3つのシチメンチョウ農場でウイルスが発見されて以来、5件目となる、ポーランドの獣医学当局に報告された事例である。...ハンガリーでは、2007年1月に鳥インフルエンザが発生した。ドイツ、チェコ、も、H5N1型感染流行の発生を報告している。
[Mod.AS-ポーランド政府は、2007年12月3日以来、OIEへの報告を行っている]

● BSE、ウシ カナダ
PRO/AH/EDR> BSE, bovine - Canada (AB) (03)
Archive Number: 20071218.4076
 情報源:Canadian Food Inspection Agency 、12月18日
カナダ食品監視局 Canadian Food Inspection Agency (CFIA) により、アルバータ州の13歳のウシ1頭の BSE の診断が確定された。このウシの死体は当局の管理下にあり、ヒトの食品および動物のエサとし て、(このウシの)いかなる部分も混入することはない