2008年2月6日

進行性炎症神経障害 米国
コレラ ハイブリッド株
黄熱 パラグアイ

● 進行性炎症神経障害 米国
PRO/AH/EDR> Progr infl neuropathy, pork plant workers - USA (03): (MN)
Archive Number: 20080206.0493 
 情報源:Duluth (MN) News Tribune 、2月6日
新たに精肉作業員1人が、他の12人の作業員らに認められ全国的な調査も開始されている神経症状を発症した。
しかし、他の患者と異なり、この Quality Pork Processors (QPP) の作業員は、脳組織を除去するための高圧エアコンプレッサー装置付近にはいなかった。そうではなく、この作業員は、Hormel Foods と同じ QPP の工場の地下で、溶解作業中(rendering operation)に脳組織に曝露していた。現在この新たな症例についての調査中であると、州疫学担当者が述べた。
QPP には 1300人の労働者が雇用されており、工場の脇でブタの処分を行っている。反対側の脇では、Hormer の1400人の従業員らが、肉をベーコンなどの製品に加工している。Hormel も自社の rendering operation を所有している。初発の12例は、Hormel から1989年に独立した QP Pの、"head table"と呼ばれる部署の作業員に発生した。
QPP は、2007年12月に調査が開始されるとすぐに、この圧縮空気システムによる脳組織の除去作業を中止した。2008年2月4日に工場内の従業員宛に出された通知によると、この最新の疑義症例の発生により、調査は Hormel の rendering operation および周辺作業の従業員に拡大して行われる事になった。オースチン Austin と、インディアナ IN 州の工場の精肉業者らは、さまざまな程度の、手足の倦怠感、しびれ、疼痛などを訴えている。中には、ひどい障害となっている人も、治療を受けて職場に復帰した人もある。
州および合衆国の衛生当局は、圧縮空気システムによって除去され空中に飛散するブタの脳組織が、曝露した従業員らに、何らかの神経障害をもたらせた可能性について調査を行っている。調査担当者らは、ブタの脳のタンパクまたはその他の物質が、作業員らの免疫システムに作動し、誤って自身の神経組織を攻撃したとの説を唱えている。脳は冷凍され、米国南部やアジアに向けて出荷され、食品として売られている。先週、当局は、QPP部門の調査対象を、強力な圧縮空気システムが初めて工場に導入された10年前にさかのぼり、以前の従業員にも広げると述べた。 

● コレラ
PRO/EDR> Cholera, diarrhea & dysentery update 2008 (09)
Archive Number: 20080206.0486
ベトナム(北部)  
 投稿者:日・長崎大学、Masahiko Ehara, MD, DMSc、2月6日 
最近、ベトナム北部でコレラ Cholera 感染流行が発生している。2006年以降、北部Thai Binh および Hai Phong省の環境中の地表水中の vibriophages についての調査を行い、コレラ感染流行予測に必要な情報を収集している。2007年、5月、6月、そして特に9月に、20地点から数種の vibriophages を分離(確認)することができた。しかし、2007年11月のコレラ感染流行開始時期には、vibriophages をほとんど確認できなくなった。代わって驚くべき事実に直面した。
すなわち、すべてのコレラ菌_Vibrio cholerae_ が filamentous phage fs2に感染し、一部は filamentous phage fs1 に感染していたのである。古典型バイオタイプ biotype の一部の特徴を有する、_V. cholerae_ O1 biotype El Tor の Matlab 株およびモザンビーク株の報告以来、ハイブリッドの菌株によるコレラ感染流行が、インド・オリッサ Orissa 州で発生し、150人が死亡した(20071213.4015)。
ベトナム北部における感染流行の原因となっている菌株の遺伝子を解析したところ、驚いたことに、全ての菌株は、小さな染色体の1つの中に filamentous phage CTXf (classical type) を2コピー、大きな染色体の1つの中に1コピー(El Tor type)を持っていることが判明した。
このことから、流行株はハイブリッド株に移行しつつあることが示唆された。このハイブリッド株は、これまでのところ、エルトール株と比較して、かなりの強毒性を示している。 
[Mod.LL-バングラデシュの国際下痢症研究センターの Nair らが、コレラ菌のハイブリッドあるいは変異株が、Matlab病院のコレラ患者から検出されたと発表したため、しばしば Matlab variants と呼ばれることが多い。これまで、古典型とエルトール型の2つのバイオタイプに分けられ、ヒツジ赤血球の溶血、ニワトリ赤血球凝集、Voges-Proskauer 反応、ポリミキシンや biotype-specific viral bacteriophages に対する感受性などによって、鑑別可能であった。Nadirらは、Matlab の3つのタイプを、表現型の特色の混成に基づいて記述した。モザンビークにおいても、Matlab 株との遺伝学的関連性を有するハイブリッド株が見つかっている。重要なこととして、Matlab 変異株は、パンデミックの引き金となるのに必要な遺伝子を全て備えていることがある。古典型のバイオタイプでは、エルトール型と比較して、より臨床症状が顕著な傾向が見られる。この解析の中で、ハイブリッド株の臨床症状の程度は明らか担っていないが、中程度intermediateなのかも知れない。また、ベトナムの株と、Matlab の変異株との関連性の有無もはっきりとは示されていない。参考文献の紹介] 
ソマリア(Middle Shabelle) ,急性水様性下痢症
 情報源:Garowe Online、2月4日
ソマリア南部 Middle Shabelle 地方で、汚染された飲料水により、少なくとも8人のこどもが死亡したことが、2008年2月4日、関係者らによって明らかにされた。子供らが死亡した、州都 Jowhar の東にある Bal'ano 村では、深刻な水不足が続いている。子供らは、水様性下痢症によって死亡したものと見られている。
ナイジェリア(Delta州) 
 情報源:Vanguard Online 、2月5日
川沿いの町を中心にコレラ感染流行が発生し、Delta 州 Asaba 周辺の各病院には、数十人の子供らが入院している。2007年に発生した同じコレラ感染流行では、州内で10人以上が死亡した。2008年2月4日に感染流行を知った州情報担当者は、保健省から、Oshimili South 自治区各地において、コレラ感染流行が発生しているとの報告を受けたと述べた。 
ザンビア(Copperbelt) 
 情報源:AllAfrica.com, The Times of Zambia (Ndola) report 、2月5日
キトウェ Kitwe's Ipusukilo Township では、Nkana Water and Sewerage Company (NWSC) の飲料水販売所 water kiosks が、未払いを理由に閉鎖されたあとから、コレラと見られる感染流行が発生した。現在3人が入院して経過観察となっている。コレラに関する検査の結果はまだ出ていない。
コンゴ民主共和国(カタンガ州) 
 情報源:Reuters 、2月6日
2008年初めからのコンゴ民主共和国DR南東部のカタンガ Katanga 州において、コレラ感染流行により少なくとも76人が死亡し、3000人近い感染が発生したと、2008年2月6日に保健当局者が発表した。州の保健担当者は、2008年は最悪の状況で、鉱業会社の参入で人口上の爆発があり、人口が増加した上、飲料水不足と衛生状況の悪化が認められるとしている。カタンガで最も人口の多いルブンバシ Lubumbashi と、北西に90km離れた工業都市リカシ Likasi が、感染流行により、最も深刻な被害を受けている。コンゴ各地で、コレラ感染流行が発生している。しかし、ルブンバシのみで、2008年1月から18人の死者を含め1284人の患者が記録されたというような、大規模な流行は比較的まれである。 
ケニア(リフトバレー州)
 情報源:Kenya Broadcasting Corporation 、2月2日
Narok の国内難民キャンプ(IDP=internally displaced persons camp)では、コレラ感染流行警報が出されている。Narok North district のキャンプに滞在する1000人以上の IDP は、不衛生な状態であり、3ヶ所のトイレが満杯になっている。... Mandera District Hospital においても、死者1名と70人の患者が入院したと報告されている。国立公衆衛生研究所に送付された検体で、コレラの感染が確定された。 
タンザニア(アルーシャ市) 
 情報源:UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs (OCHA), ReliefWeb, The Arusha Times report 、2月1日
アルーシャ Arusha の住民に対し、2008年1月5日に発生し、1月21-27日の週までに54人が感染した、コレラ感染流行に対する注意を呼びかけるメッセージを出している。スラム街である、Sokoni I, Sombetini, Unga Limited, Themi, Ngarenaro, Sekei, Ilboru, Losunyai, Sanawari, and Sakina で、大きな被害が出ていると、市衛生当局者が述べた。...アルーシャやタンザニアの各地で長年に渡って、コレラ感染流行が発生と消失を繰り返している。今回の感染の中心地は、市南部の Sokon One で、市の中心部から雨水や汚水が集まる場所となっている。
アンゴラ(Kwanza Sul)
 情報源:Angola Press (ANGOP) 、2月2日
沿岸部の Kwanza Sul province にあるアンゴラ赤十字は、コレラについての周知活動を強化している。... 2008年1月の間、州内では 7例のコレラが確認されたが、死者は発生していない。

● 黄熱 パラグアイ

PRO/AH/EDR> Yellow fever - Paraguay (02): (San Pedro) alert
Archive Number: 20080206.0475
[1] パラグアイ政府非常事態宣言、初の黄熱による死亡  
 情報源1:Chinaview、2月6日。 情報源2:Xinhua 、2月6日
2008年2月5日、パラグアイ政府保健当局は、アスンシオン Asuncion の病院で、国内ではおよそ1世紀ぶりとなる、蚊族媒介性肝腎疾患の黄熱 Yellow fever 感染による死者が確認されたことを受け、非常事態を宣言した。
死亡した男性は、中央部サンペドロ San Pedro 出身の24歳で、腎不全と肝不全により、アスンシオンの病院で死亡した。この病院の院長は、男性は、友人たちとサル狩りをした後、発病したことを明らかにした。2月5日の記者会見において、病院は生検および剖検を行って、確定診断を得たと説明した。同院長は、ほかに、外科医による片側の腎摘後もなお重篤な肝不全などの合併症が続き、集中治療中の22歳の男性が入院中であることについても言及した。近親者に勧められて入院したこの患者は、サンペドロ州都サンエスタニスラオ San Estanislao から7kmの、Calle 8000 村出身である。同じ記者会見場で、保健相は、国内に5人の黄熱感染が確定された患者がいることを明らかにした。パラグアイで最後に黄熱による死者が発生したのは1904年のことであり、感染患者については、974年に確認されたのが最後であった。 
[2] パラグアイで34年ぶりの黄熱患者報告 
 情報源:International Herald Tribune/AP 、2月5日
ブラジルとの国境からおよそ 240km 離れたサンペドロ州で(黄熱)患者が確認されたと、公衆衛生当局者が述べた。1歳から60歳までのサンペドロ州の住民らは、予防として、この蚊族が媒介する疾患に対するワクチンの接種を受けている。当局は、2008年1月に、国民の大多数が住む都市から遠く離れた農村部で8例[現在13例]の黄熱による死者が確認されているブラジルでの感染流行との関連性は、いまのところ知られていないと報告している。WHO によると、世界中で毎年およそ3万人が、このウイルス性疾患により死亡していると見られている。蚊族やワクチンの対策が知られるようになるまでは、壊滅的な流行が発生していた。症状としては、発熱、嘔吐、黄疸、口・鼻・目・胃などからの出血が知られている。

● 鳥インフルエンザ、ヒト インドネシア 20080206.0490
 情報源:World Health Organisation (WHO), EPR, Disease Outbreak News 、2月6日。 
 [*FORTH感染症速報・公式情報より] 
鳥インフルエンザ流行状況-インドネシア更新38 
インドネシア保健省は、新たなH5N1型鳥インフルエンザAウイルス感染患者2名を確定した。第一例目は、バンテン Banten 州タンゲラン Tangerang 市出身の29歳女性で、2008年1月22日に発症して、1月28日に入院したが、2月2日に死亡した。この患者の感染源に関する調査が進行中である。第二例目は、ジャカルタ州 West Jakarta 地区出身の38歳女性で、2008年124日に発症して、1月26日に入院し、現在も入院中であるが重体となっている。この患者の感染源に関する調査が進行中である。インドネシアでは、これまでに確定された患者126名中、103名が死亡している。

● 炭疽 インド 20080206.0489
 情報源:India eNews、2月6日。
高い感染力を持つ炭疽が、オリッサ Orissa 州の部族支配地域で、5人を死亡させた。さらに5人の感染患者が、アンドラプラデシ Andhra Pradesh 州で発生したことが報告されていると、保健当局者が述べた。オリッサ州 Koraput 地区で、炭疽感染により5人が死亡し、また、アンドラプラデシ州 Nellore から、5人の炭疽感染患者の報告を受けていると、2008年2月6日、国立感染症研究所長が説明した。...同所のチームは、オリッサ州に派遣され、状況を調査する予定である。いずれの地域も土着感染地域で、以前にも炭疽感染が報告されていると、述べた。オリッサの患者らは、感染した肉を食べて細菌に感染し、AP 州では、感染動物の取り扱ったためであると述べた。 
[Mod.MHJ-この報告は、発生地域からある程度離れたところからのもので、実際に発生した場所や死亡原因についてのコメントは、注意して聞かなければならない。NCIDの報告を待つことにしたい。以前の報告に腐った肉を食べたとされたが、オリッサ州の症例は腸炭疽により死亡したことになり、一方、AP州は皮膚炭疽と考えられる]

● 連鎖球菌、A群 米国 20080206.0484 
 情報源:KOAT.com (Albuquerque), Associated Press report、2月4日
衛生当局は、Bernalillo 郡の1病院で発生した、8例の連鎖球菌感染症の調査を行っている。病院の名前は明かされていない。病院側は調査に協力しており、2008年1月23日以降、新たな患者は発生していないという。当局は CDC の協力を得て、A群連鎖球菌感染を調査している。この調査は、新たな感染の防止策として、感染源の特定と病院への勧告のために行われている。 

● デング熱
PRO/EDR> Dengue/DHF update 2008 (05)
Archive Number: 20080206.0483
パラグアイ 
 情報源:BBC News、1月30日
2007年の感染流行の後遺症が懸念されている。新たなデング感染流行を防止する目的で、パラグアイには、衛生注意報が発令されたままになっている。衛生当局は、2008年、およそ150人の、この蚊族媒介性疾患の感染が疑われる患者を確認している。パラグアイの上級当局者は、となりのブラジルにはデング感染の増加と数十人の黄熱患者の発生があると述べた。2007年、パラグアイでデング熱により死亡した人の数は17人で、当局は初動の遅れを批判されている。...保健相は、最新の感染疑い患者らについては、現在検査が行われているとし、「初回検査により11人の感染が確認され、確定のため、第2回の検査が行われる」と、取材に答えていった。 
[Mod.TY-2008年1月29日のポルトガル語の記事によると、150人(うち確定11人)のデング患者のほとんどは、ブラジル国境のアルトパラナ Alto Paranaと、首都アスンシオンのとなりの Cantral からの報告である。] 
ブラジル 
 情報源:O Povo Online [In Portuguese]、1月30日
2007年、国内では、41例の神経学的デング感染例(neurological dengue cases)が報告されたことが、2008年1月29日の保健省からの数字で明らかになった。史上最悪のデング感染流行が発生したサンパウロ Sao Paulo 州では9人、以下、Para (6), Piaui (6) e Parana (4), Alagoas (3), Maranhao (2) and Rio Grande do Norte (2)の順となっている。Amazonas, Amapa, Paraiba, Pernambuco, Bahia, Espirito Santo, Minas, Rio de Janeiro and Mato Grosso do Sulの各州から、1名ずつ報告された。 
[Mod.TY-"neurologic dengue"という語は存在しない。デングには、脳炎、末梢神経障害などの、神経学的合併症が起こる可能性はある。ブラジルではデング感染の増加があり、合併症はより顕性化するため、神経学的合併症の報告は、決して例外的なことではない。] 
ペルー
 情報源:Bol. Epidemiol. (Lima) No. 2 [in Spanish]、1月
2008年1月第2週、全国で届出のあったデング患者の数は254人で、このうち6例が確定された。DIRESA Loreto 地方 (55 percent) および Ucayali 地方 (23 percent) での発生が認められた。Loreto DIRESA では引き続いてのデング感染流行の発生が認められたが、Jaen と Madre de Dios の流行は減少した。これまでのところ、デング出血熱の症例は発生していない。第2週までにデング患者を報告したのは、33の地域であった: Belem, Iquitos, San Juan Bautista and Punchana of the Loreto DIRESAなど。 
ニューカレドニア 
 情報源:Marianas Variety 、2月1日
ニューカレドニアの衛生当局は、2008年1月に入り、首都ヌーメア Noumea および近郊で、新たに15例の患者が発生している現在の状況は、プレ流行(流行前)状況にあると判断した。ヌーメアにあるパスツール研究所は、2007年の1年間の患者数が47人であったことから、2008年のこの数字を懸念している。新規に発生した患者の多くは、Greater Noumea 地域の郊外 Dumbea を中心に確認されたものである。... 
フィリピン(セブ島) 
 情報源:Wow Philippines 、1月31日
セブ Cebu 市内では、デング出血熱 DHF の高い死亡率が続いている。当局は、2008年2月にデングへの対策強化に乗り出す。Central Visayas で2007年に記録されたデング患者の総数は6640人で、148人が死亡し、致死率は2.2%であった。デング熱発生数が多い地域の上位10ヶ所のうち、7ヶ所がセブ州であった。セブ市は最もデングの発生率が高く、患者は1600例以上であり、次いでTagbilaran市、3位が患者355人、死者14人の Mandaue City である。 

● 結核 パプアニューギニア
PRO/EDR> Tuberculosis, MDR - Papua New Guinea
Archive Number: 20080206.0478
 情報源:ABC News 、2月5日
最北部 クイーンズランド Queensland の結核 Tuberculosis の専門家らは、オーストラリアへの結核に波及を阻止するためには、パプアニューギニアPNGの保健サービスを、根本的に見直す必要があるとしている。Medical Journal of Australia [MJA] 誌の中で、PNG の抗生物質耐性結核菌 [_Mycobacterium tuberculosis_] の調査研究を行った医師が述べた。報告によると、多数の結核菌に感染した人々が、協約により地域を越えて自由に往来が許されている、Torres Strait Islands に行っている。報告した医師は、2007年、70人以上 [MJA の文献では、60人は Torres Straits Islands で治療されたことになっている] の結核患者が、ケアンズ Cairns での治療を受け、そのうち15人は薬剤耐性であったと報告した。今後も治療に訪れる患者は増えるものと考えられ、医療施設などの改善が行われなければ、状況は変わらないだろうし、薬剤耐性の結核の治療に用いられる薬剤の多くは、PNG ではほとんど入手できない、と述べられている。 

● 鳥インフルエンザ バングラデシュ、香港、トルコ
PRO/AH/EDR> Avian influenza (30): Turkey (Sakarya), Bangladesh, Hong Kong
Archive Number: 20080206.0488
[1] 首都ダッカ Dhaka と港湾都市チッタゴン Chittagong に拡大した。 
 情報源: Reuters 、2月6日
当局の拡大防止策にも関わらず、鳥インフルエンザ Avian influenza が、バングラデシュBangladesh の首都ダッカ Dhaka と港湾都市チッタゴン Chittagong に拡大したと、2008年2月6日に家畜当局が述べた。ダッカでは、2日間に数十羽のカラスの死体が発見され、H5N1型鳥インフルエンザの検査の結果陽性となった。市当局は、ダッカの市場における未調理のニワトリの販売を禁止した。チッタゴンでは、当局が複数の農場とおなじくカラスで、H5N1型の陽性を確認している。鳥インフルエンザウイルスは、全64地区のうち38地区に拡大し、全国で50万羽近くが処分された。バングラデシュでは、2007年3月に首都近郊の養鶏場で初めての鳥インフルエンザが確認されているが、これまでのところ、ヒトでの感染は確認されていない。2月6日、ダッカの新聞は、市内の Ramna Park で、マスクなしで素手で死亡したカラスを集める男性の写真を掲載した。感染した家禽を触ったり、食べたりすることにより、H5N1型ウイルスに感染する可能性がある。H5N1型ウイルスは、2003年後半から世界中で220人以上を死亡させている。 
[2] バングラデシュ南部で鳥インフルエンザが確認された。 
 情報源:Xinhuanet 、2月6日
Saralia村(南部 Bagerha 地方 Morelganj sub-district) で、鳥インフルエンザが確認されたことを受け、およそ3066羽の家禽、アヒル(カモ)、ハトの処分と、2385個のタマゴの廃棄が行われた。村内の養鶏場で死亡したニワトリでH5N1型ウイルスが確認されたことを受け、2008年2月5日夜、処分作業が行われた ... 種々の対策..2008年2月3日、養鶏場のニワトリ約900羽が死亡し、家畜当局は、死亡したニワトリの一部から検体を採取して、検査目的に送付した。同5日に鳥インフルエンザの検査の結果が報告され、直ちに2つの養鶏場と134軒での活動が実施された。2007年3月、ダッカの北西約30kmの Savar の養鶏場で、はじめての鳥インフルエンザウイルスが確認された。2008年1月、事態は悪化し、全国に鳥インフルエンザが拡大した。 
[3] 香港 - black-crowned night heron(サギ) 
 情報源: Macau Daily Times News 、2月3日
香港南部で死亡していた1羽の black-crowned night heron は、検査の結果H5N1型鳥インフルエンザウイルスが陽性であることが判明したと、2008年2月1日に当局が明らかにした。この死亡したサギは、香港の主要観光地の1つである Ocean Park で捕獲されたあと、一連の検査の結果、H5N1型ウイルス感染が確認された。1月31日、公園内で発見されたサギに H5亜型感染が疑われるとして、Ocean Park は21日間の閉鎖を発表した。black-crowned night heron は、common resident(よく見られる在来種)で、冬期間の訪問者であると、当局により説明された。... 
[4] トルコ(サカリヤ) 
サカリヤ県で数十羽のニワトリが死亡し、鳥インフルエンザが確認された。 
 情報源:AFP via en.apa.az/news 、2月6日
トルコ政府当局は、2008年2月5日、北西部の村 Yenicam(サカリヤ Sakarya県)で、数十羽のニワトリが死亡し、鳥インフルエンザが確認されたと発表した。高病原性H5N1型鳥インフルエンザについての確定検査が行われている。... 2006年1月、4人のティーンエイジャーが、イラン国境付近の農村部で、H5N1型鳥インフルエンザ感染流行により死亡している。当時、瞬く間に全81県の半数以上に感染が拡大した。この死亡患者は、アジア以外では初めての死者となった。2007年4月、トルコは鳥インフルエンザ清浄を宣言していた。 
[Mod.AS-2004年以降予測されている現象である、季節性の H5N1型感染拡大が始まった:黒海周辺地域は、おそらくは渡り鳥の移動とバイオセキュリティの欠如が合わさって、発生の中心地の1つとなっている。トルコでは2つの地方ですでに感染が発生している一方で、同じ黒海沿岸の他の国々、例えばルーマニアやウクライナ(クリミア Crimea)でも最近感染が発生したことが伝えられている。H5亜型の最終的な血清型の報告などが待たれる。]

● 炭疽、ウシ インド
PRO/AH/EDR> Anthrax, bovine - India: (West Bengal)
Archive Number: 20080206.0485
[1] 3つの村で、合計14頭のウシが炭疽感染により死亡した。 
 情報源:Ananda Bazar Patrika [in Hindi]、2月5日
Mathabhanga(Cooch Behar 地区 in West Bengal 州)の3つの村で、合計14頭のウシが死亡した。血液検査の結果、炭疽 Anthrax 菌が検出された。ワクチン接種が行われたが、ミルクや牛肉などに関する制限は行われていない。 
[2] Mathabhanga 亜地区で死亡したウシにおいて炭疽菌が確認された 
 情報源:The Telegraph, Calcutta, India 、2月4日
[Cooch Behar, West Bengalの] 地方当局が、Mathabhanga 亜地区で死亡したウシにおいて炭疽菌が確認されたと発表したことから、 ベンガル地方には動物の疾患が拡がっているようである。
[3] 6頭のウシが死亡する炭疽感染流行が発生した。 
 情報源:Statesman News Service 、2月5日
炭疽ワクチン接種活動が、Bhojaner-chhara village under the Nishiganj-I gram panchayat in Mathabhanga-II block およびその周辺で展開されている。住民らには、炭疽感染で死亡したウシの肉を食べたり、皮を剥いだりしないよう呼びかけている。これまでにヒトでの感染は報告されていない。2008年2月1日に Bhojaner-chhara 村で、6頭のウシが死亡する炭疽感染流行が発生した。

● ポテトの病気 インド
PRO/PL> Potato diseases - India: (West Bengal)
Archive Number: 20080206.0477
 情報源:The Statesman 、2月1日
2008年、Birbhum 地区は天候不良によりポテトの収穫量に影響が出た。さらには、late blight, leafroll virus, and bacterial wilt なども、減少をもたらせる結果となっている。

● 口蹄疫 レバノン、イスラエル
PRO/AH/EDR> Foot & mouth disease, livestock - Lebanon, Israel, OIE
Archive Number: 20080206.0476
[1] 口蹄疫、レバノン 
 情報源:OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2008; 21(6) 、2月6日
感染開始時期 2008年2月2日 前回流行時期 2007年4月 原因ウイルス 口蹄疫ウイルス(血清型不明) 
新たな感染流行 発生地 Qusaibieh, Baabda, Jabal Lubnan 感染種 ウシ2頭(農場) 疫学情報 発病1週間前に地方の市場 (Bekkaa province) から連れてこられた
[2] 口蹄疫、イスラエル 
 情報源: OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2008; 21(6) 、2月6日
感染開始時期 2008年1月28日 前回流行時期 2007年6月 原因ウイルス 口蹄疫ウイルス(血清型不明) 
新たな感染流行 発生地 Snir, Hazafon 感染種 ウシ72頭中7頭(村内)