クリプコトッカス症 カナダ、米国
ヒトメタニューモウイルス カナダ
◎ インフルエンザウイルス 透過性決定因子
● クリプコトッカス症 カナダ、米国
PRO/AH/EDR> Cryptococcus gattii, human, animal - Canada, USA (02): BC
Archive Number: 20080220.0693
情報源:BC Local News 、2月19日東部バンクーバー島にはじめて土着感染した(colonized)致死性の熱帯の真菌が、Lower Mainland に感染を拡大していると見られている。Greater Vancouver と the lower Fraser Valley のヒトや動物の感染例数から、クリプトコッカス菌 _Cryptococcus gattii_ が Georgia Strait(海峡)を越えたものと考えられる。
1999年以来、合計217人のブリティッシュコロンビア British Columbia (BC) 州の住民らが、ヒトや動物が真菌の出す空気中の芽胞を吸入しておこる肺感染症のクリプトコッカス症に感染し、8人が死亡した。
カナダ本土の患者数の増加が見られると、BC州の疾病管理センターの疫学担当者が述べた。これまでは自宅周辺ではなく、バンクーバー島や熱帯を旅行してこの真菌に感染したと考えられていた。しかし2004年から2006年に、どこへも旅行したことのない6人の患者の、この真菌の感染が確認された。1人は Sunshine Coast, 2人は Greater Vancouver, 3人は the Fraser Valley の住民であった。間違いなく、本土で曝露したと、当局者は説明した。...
ほとんどの Lower Mainland の検体の検査結果は陰性であったが、北部 Langley と南部 Chilliwack で一時的に陽性の結果となったことは、一過性ながら存在していたことを示している。...
発生地域の住民は、野外活動などにおいても、特別な注意を払う必要はないと説明されている。イヌ、ネコ、家畜や海洋のほ乳類も、C.gattii に感染する可能性があるため、ヒトへの感染の前兆となる可能性がある、動物の感染に対する注意が、獣医師にも求められる。...主に南米、アフリカ、東南アジアで見られ、温帯地域で土着感染したのは、BCが初めてとなる。
関連項目
Cryptococcus gattii, human, animal - Canada, USA 20080103.0021
● ヒトメタニューモウイルス カナダ
PRO/AH/EDR> Human metapneumovirus - Canada: SK
Archive Number: 20080220.0692
情報源:The Southwest Booster 、2月20日
入手した情報によると、パリサー Palliser 地域ケアセンター (PRCC) とショーナボン Shaunavon 医療センター (SHCC)において感染流行が発生した。現在、この両施設への訪問は禁止されている。
PRCC における起因病原体は、ヒトメタニューモウイルス human metapneumovirus (HMPV) であることが判明している。ワクチンによる予防はなく、比較的新しい病原体である。発病した入所者らは、隔離されている。SHCC の症例の原因については、まだ判明していない。..施設の職員、入所者、患者への感染防止対策(面会制限、早期受診)など。
[Mod.CP- Human metapneumovirus (HMPV) は、2001年、オランダにおいて初めて、新たなヒトの呼吸器疾患の病原体として発見された。血清学的研究により、オランダにおいては、5才までに事実上全ての小児が HMPV に曝露していることと、少なくとも50年以上前からヒトの間でウイルスの感染循環があったと結論されている。_Human metapneumovirus_は、現在、ウイルス学的データ、遺伝子配列の相同性、遺伝子組成に基づき、genus(属) _Metapneumovirus_ of the sub-family(亜科) _Pneumovirinae_ of the family(科) _Paramyxoviridae_に分類されている。同属の標準種type speciesは、家禽の病原体である_Avian metapneumovirus_であり、HMPV は、米国(種は不明)やフランスのカモで見つかっている、鳥メタニューモウイルスのサブグループCと近縁の関係にある。生物学的には、HMPV は、ずっと遠縁になるヒトRSウイルスに類似しているが、頻度は少ない。HMPV もまた、小児における上気道炎から重症気管支炎や肺炎までのあらゆる臨床症状に関係している。いずれのウイルスも重篤な呼吸器疾患の感染流行の原因となり、高齢者では非常に重篤となることがある。このことは、老人介護ユニットの Palliser Centre と一般病院である Shaunavon centre で感染流行が発生しているサスカチュワン Saskatchewan 州の状況を反映している。北半球では11月から3月がこの種の感染症のピーク期にあたる]
[Mod.CP- Human metapneumovirus (HMPV) は、2001年、オランダにおいて初めて、新たなヒトの呼吸器疾患の病原体として発見された。血清学的研究により、オランダにおいては、5才までに事実上全ての小児が HMPV に曝露していることと、少なくとも50年以上前からヒトの間でウイルスの感染循環があったと結論されている。_Human metapneumovirus_は、現在、ウイルス学的データ、遺伝子配列の相同性、遺伝子組成に基づき、genus(属) _Metapneumovirus_ of the sub-family(亜科) _Pneumovirinae_ of the family(科) _Paramyxoviridae_に分類されている。同属の標準種type speciesは、家禽の病原体である_Avian metapneumovirus_であり、HMPV は、米国(種は不明)やフランスのカモで見つかっている、鳥メタニューモウイルスのサブグループCと近縁の関係にある。生物学的には、HMPV は、ずっと遠縁になるヒトRSウイルスに類似しているが、頻度は少ない。HMPV もまた、小児における上気道炎から重症気管支炎や肺炎までのあらゆる臨床症状に関係している。いずれのウイルスも重篤な呼吸器疾患の感染流行の原因となり、高齢者では非常に重篤となることがある。このことは、老人介護ユニットの Palliser Centre と一般病院である Shaunavon centre で感染流行が発生しているサスカチュワン Saskatchewan 州の状況を反映している。北半球では11月から3月がこの種の感染症のピーク期にあたる]
◎ インフルエンザウイルス 透過性決定因子
PRO/AH> Influenza virus, transmissibility determinants
Archive Number: 20080220.0689
情報源:Massachusetts Institute of Technology (MIT) News 、2月18日マサチューセッツ工科大学 MIT の研究者らは、H1N1鳥インフルエンザウイルス Influenza virus の2つの変異が、どのようにして1918年の大流行をおこし、5000万人以上を死亡させることになったかに対する説明を行った。この研究は、将来のヒトでの鳥インフルエンザ感染流行を検知し、封じ込めることに役立つ可能性がある。
研究チームは、1918年のインフルエンザウイルス株の HA(ヘマグルチニン)と呼ばれる表面分子に2つの変異があったことを明らかにした。この変異によって、ヒトの上気道のレセプターに強く結合できるようになった。
この新たな研究結果は、現在アジアで感染循環する H5N1型鳥インフルエンザウイルス株のHAの変異を監視する研究者らにとって、有用となる可能性がある。疫学者らは、このような変異が、鳥類からヒトへウイルスが飛び越えて感染する能力を与えるのではないかと懸念している -- 1918の大流行を超える死者が発生するきっかけとなるかも知れない。
[2008年2月18日発行の全米科学アカデミー会報 PNAS の 論文 の紹介:Quantitative biochemical rationale for differences in transmissibility of 1918 pandemic influenza A viruses. ]
2008年1月、Nature Biotechnology において著者らは、インフルエンザウイルスは、ヒトの上気道の細胞にある糖(glycan グリカン=多糖体)受容体の形状に合致しなければ、ヒトの上気道細胞には結合しないことを報告した。ヒトの呼吸器に見られるグリカン受容体は、アルファ2-6受容体と呼ばれ、2つの形状がある--1つは、傘を開いた形に似ていて、もう1つは、円錐状である。
MIT の研究チームは、鳥インフルエンザウイルスがヒトに感染するためには、傘型のアルファ2-6受容体への結合力を獲得する必要があることを見いだした。今回の研究において、同チームは、HAでの2つの変異が、インフルエンザウイルスに、傘型グリカン受容体と強力なあるいは高親和性の結合力を与えることを発見した。インフルエンザウイルスのHA部分と、グリカン受容体との親和性が、ウイルスの感染伝播の重要な決定因子であると考えられると、著者は説明した。研究チームは、ウイルスの感染伝播を引き起こす、ヘマグルチニンのグリカンへの結合の、生物化学的根拠を検討するモデルシステムとして、1918インフルエンザウイルスを用いた。
SC18 と呼ばれる1918大流行の原因ウイルスと、SC18 とは1つだけアミノ酸が異なるNY18と、2個のアミノ酸が違う AV18 と呼ばれるウイルスを比較した。
以前(ヒトのインフルエンザウイルスに感受性のある)フェレットを使った研究で、SC18 ウイルスはフェレット間を効率よく感染伝播するが、NY18 ウイルスの感染伝播はわずかであり、AV18 ウイルスは全く伝播しないことが、研究者によって明らかにされた。これらの知見は、今回の PNAS の研究結果で示されたウイルスの傘型アルファ2-6グリカン受容体との結合能と一致した。わずかに感染伝播した NY18 は、傘型アルファ2-6受容体に結合するものの、高い感染力を持つSC18ほどではなかった。全くヒトに感染しなかったAV18は、傘型アルファ2-6グリカン受容体との親和性が全く見られず、アルファ2-3受容体だけに結合した。
もう1つのTX18株は、アルファ2-6にも2-3にも結合するが、傘型アルファ2-6グリカン受容体と高親和性に結合するため、NY18 よりもずっと感染性が高かった。2007年、CDC の研究者らは、これらのウイルス株の感染力に違いがあることを報告しているが、相違点の根拠となる生物化学的理由を正確に説明したのは、PNAS の研究結果の研究が最初である。PNAS の論文の共著者らの紹介。
[Mod.CP- 今回の研究は、インフルエンザAウイルスの一部の株に毒力の増加が見られる理由の解明の上で、重要な進歩を示した。また、将来のヒトの間での鳥インフルエンザ流行の検知・封じ込めを助けるだろう。同じ PNAS の論文の中で、Claudia Pappas らによって以下のように述べられている:"Single gene reassortants identify a critical role for PB1, HA, and NA in the high virulence of the 1918 pandemic influenza virus(1918パンデミックインフルエンザウイルスの高病原性には、1個の遺伝子再集合が、PB1,HA,NAにおける重要な役割を果たした)"。
[Mod.CP- 今回の研究は、インフルエンザAウイルスの一部の株に毒力の増加が見られる理由の解明の上で、重要な進歩を示した。また、将来のヒトの間での鳥インフルエンザ流行の検知・封じ込めを助けるだろう。同じ PNAS の論文の中で、Claudia Pappas らによって以下のように述べられている:"Single gene reassortants identify a critical role for PB1, HA, and NA in the high virulence of the 1918 pandemic influenza virus(1918パンデミックインフルエンザウイルスの高病原性には、1個の遺伝子再集合が、PB1,HA,NAにおける重要な役割を果たした)"。
要約:
1918年のインフルエンザパンデミックは、未曾有の災害となり、世界中で5000万人もの死者が発生した。われわれは、ウイルス遺伝子の中で、どの部分が1918インフルエンザウイルスの複製と毒性に寄与したかについて示す。1918ウイルスの遺伝子と現在のヒトH1N1ウイルス(Tx/91)を置き換えた、組み換えウイルスを作成した。1918インフルエンザウイルスのほとんどの遺伝子は、季節性H1N1ウイルス遺伝子と置き換えても、1918ウイルスの毒力は変化しなかった:しかし、HA、NA(ノイラミニダーゼ)、PBI(ポリメラーゼサブユニット)の遺伝子を置き換えると、マウスでのウイルス感染の重症化に大きく影響した。マウスにおける1918ウイルスの毒力は、1918組み換えウイルスの、ヒトの気道細胞における効率的な複製能力獲得と一致した。第2の実験系で、8種類の1918 1:7組み換えウイルスを作成した。すなわち、Tx/91ウイルスの遺伝子を、(1/8ずつ)1918ウイルスの対応する遺伝子と置き換えた。各1:7再集合ウイルスの、マウスの肺とヒト上気道細胞での複製能の評価を行ったところ、1918ウイルスのHA、NA、PB1の各遺伝子を含む1:7ウイルスで、高力価のウイルスが観察された。さらに、 1918 PB1:Tx/91 (1:7) virusは、1918PA:Tx/91 および1918 PB2:Tx/91 1:7の各再集合ウイルスのsmall plaque phenotype(小斑状形状)よりも、ずっと大型の表現型をとった。このことから、1918 HA, NA, and PB1 genesは、このパンデミック株の好適なウイルス増殖と毒性に重要であることが示された。これらの数々の研究論文によって、特定の鳥インフルエンザやヒトインフルエンザウイルスの毒性の規定因子について、その性質や複雑性がさらに解明され、新たなインフルエンザウイルスのパンデミックの可能性の予測に役立つだろう]
● 手足口病 台湾
PRO/EDR> Hand, foot & mouth disease - Taiwan: (Pingtung)
Archive Number: 20080220.0695
情報源:The China Post, CNA 、2月20日保健省は、2008年2月19日、Pingtung 郡の生後21ヶ月の幼児のエンテロウイルス71感染例を確認した。2008年に台湾で感染が確認された症例は14例となった。2月4日に全身の水疱を認めた患児の両親は、高雄の医療センターを受診させ、状態が改善したため翌日患児は退院した。しかし、6日、発熱と手足口病 Hand, foot & mouth disease の症状に加え、四肢のけいれんを起こした。再び同センターを受診し、直ちに小児集中治療ユニットに入院した。19日、検査の結果、エンテロウイルス71感染が疑われる症例であると、CDCに報告した。数日後、状態が改善したため退院した。
● マラリア カナダ、ドミニカ共和国から
PRO> Malaria, falciparum - Canada ex Dominican Rep. (Punta Cana) (02)
Archive Number: 20080220.0690
情報源:Public Health Agency of Canada, Travel Health Advisory 、2月6日カナダの公衆衛生局は、渡航者に対し、ドミニカ共和国の一部地域を訪れる際に、抗マラリア薬の予防内服と個人の蚊族刺咬対策を行うことを推奨している。ドミニカ共和国の La Altagracia 州内のリゾート地区では、農村地帯の特にハイチとの国境地域と同じように、マラリア Malaria 感染のリスクが存在する。Punta Cana と Bavaro のリゾート観光地は、La Altagracia にある。.. 4種類のマラリアの説明、世界の発生状況、個人的予防対策(DEET など)、予防内服、健康監視について。
[Mod.MPP -..上記では、Punta Cana および Playa Bavaro のある Altagracia province のリゾート地への渡航者に予防内服を勧めている点が注目される。これまでは、ハイチとの国境付近の地域のみが、マラリア感染伝播の危険地域と見なされてきた。マラリア感染患者の渡航歴は、Altagracia のリゾートだけであったとの上記報告から、熱帯熱マラリアの自所感染伝播が発生していることは間違いない。おそらく、新たなリゾートや施設の建設現場に、多数の移動(移民)労働者が増えたことと関連している]
● ブルータング 欧州
PRO/AH/EDR> Bluetongue - Europe (10): BTV-8, UK (N. Ireland) ex Netherlands-Germany
Archive Number: 20080220.0696
情報源 Northern Ireland Executive web-site: Bluetongue Disease、Minister's Statement to Assembly 2008年2月19日
● 鳥インフルエンザ 中国、英国
PRO/AH/EDR> Avian influenza (37): China (Tibet), UK (England)
Archive Number: 20080220.0694
[1] 中国 China (チベットTibet)情報源: Xinhua News [trans. from Chinese]、2月18日
2008年2月18日農業部広報発表:2月6日、Sema Village(Naiqiong Township、Duilongdeqing 郡、ラサ Lhasa, チベット Tibet) において鳥インフルエンザと思われる感染流行が発生した。17日、国立鳥インフルエンザ委託検査機関は、高病原性H5N1型鳥インフルエンザと確認した。この感染流行で、合計132羽の家禽が死亡し、7698羽が処分された。流行は封じ込められた。流行発生後、チベット自治区人民政府農業部は、緊急時計画に則り、迅速な対応を行った。
[2] 中国(チベット)
情報源:Reuters、2月19日
中国西部は、ヒマラヤ地方で2週間で2件目となる、チベットでの家禽における鳥インフルエンザ感染流行について報告した。2008年2月6日に、ラサ Lhasa 郊外の村で発生した今回の流行により、132羽の家禽が死亡し、7698羽の処分につながった。国立鳥インフルエンザ委託検査機関が、17日にH5N1型ウイルスを確認したと、18日のウェブサイトで明らかにした。問題なく対処されたと述べられている。1月25日のチベットの Gongga 郡での H5N1感染流行では、1000羽のニワトリとアヒルが死亡した。13000羽以上が処分された。これとは別に、2月18日、衛生部は、湖南省の22才男性が1月24日にH5N1型鳥インフルエンザにより死亡し、国内の感染者が18人の死者を含め手28人になったことを発表した。全国の平均気温が21年ぶりの低温となった2007年12月以降、中国では3件の家禽での鳥インフルエンザ感染流行が発生した。当局は、国内の広い範囲での異常な厳冬の気候や吹雪と、(流行の)再燃を関連づけていない。鳥インフルエンザは、低温でより活動的になる傾向がある。世界最大の家禽の数と、庭先飼育を行う農家を抱え、中国は世界の鳥インフルエンザ対策で重要な位置を占めるものと見られている。
[3] 英国 UK(イングランド、ドーセット)、ハクチョウ
情報源:Defra website: Written Ministerial Statement by The Secretary of State for Environment, Food and Rural Affairs (Hilary Benn) - update on Avian Influenza 、2月19日
ドーセット Dorset 州で発生した鳥インフルエンザの報告; ドーセット州 Chesil Beach 地区で死亡した3羽のコブハクチョウで、2008年1月10日にH5N1ウイルスが確認されたことを受け、Wild Bird Control Area と Monitoring Area の設置されている、移動制限も導入された。.. 最後の陽性症例を確認した後21日間が経過した、2月19日をもって制限区域を解除した。
● White-nose syndrome、コウモリ 米国
PRO/AH> White-nose syndrome, bats - USA (02): (Northeast)
投稿者:ノルウェー・Gunnar Hasle, MD、2月20日
20080219.0675に関して。
おそらく_Anaplasma_ (ehrlichiosis)が原因の急性無顆粒球症 acute agranulocytosis と考えられる。コウモリの集団内で、ダニが殖えている。ダニと死亡したコウモリで、_Anaplasma_ PCR 検査を行う必要がある。
[2] 洞窟探検家や研究者などが、ベクター(伝播者)となっている可能性。
投稿者:加・Monir Taha, MD, MHSc, CCFP, FCFP, FRCPC、2月20日
20080219.0675に関して。
bat white-nose syndrome の原因が、感染性病原体、とりわけ芽胞生成性のものだとすれば、洞窟探検家や研究者などのヒトこそが、ベクター(伝播者)となっている可能性はないだろうか。同じようなことは、カエルの疾患である chytridiomycosis(ツボカビ)に関しても、長い間、疑問に思っていた。とくに遠く離れた集団に発生した場合は、なおさらである。数年前に National Geographic 誌は、健康で希少な辺地のカエルを発見したと報告した翌年にツボカビで全滅していたことを伝えた。寄生性真菌の発生の原因は不明だが、研究者とその衣服や装備が犯人である可能性も十分ある。
[Mod.MHJ -もしまだコウモリの住む洞窟に入ったことがないのであれば、その止まっている場所の下の地面に堆積した guano フンの深さを知らないことは、幸せである。ずっと以前に、ニューメキシコ市近郊の、狂犬病をもつコウモリの洞窟を訪れたことがある。guano の深さは 3mであり、肥料として蓄えられていた。
Archive Number: 20080220.0687
[1] ダニ媒介性_Anaplasma_ (ehrlichiosis) が原因の急性無顆粒球症 acute agranulocytosis の可能性。投稿者:ノルウェー・Gunnar Hasle, MD、2月20日
20080219.0675に関して。
おそらく_Anaplasma_ (ehrlichiosis)が原因の急性無顆粒球症 acute agranulocytosis と考えられる。コウモリの集団内で、ダニが殖えている。ダニと死亡したコウモリで、_Anaplasma_ PCR 検査を行う必要がある。
[2] 洞窟探検家や研究者などが、ベクター(伝播者)となっている可能性。
投稿者:加・Monir Taha, MD, MHSc, CCFP, FCFP, FRCPC、2月20日
20080219.0675に関して。
bat white-nose syndrome の原因が、感染性病原体、とりわけ芽胞生成性のものだとすれば、洞窟探検家や研究者などのヒトこそが、ベクター(伝播者)となっている可能性はないだろうか。同じようなことは、カエルの疾患である chytridiomycosis(ツボカビ)に関しても、長い間、疑問に思っていた。とくに遠く離れた集団に発生した場合は、なおさらである。数年前に National Geographic 誌は、健康で希少な辺地のカエルを発見したと報告した翌年にツボカビで全滅していたことを伝えた。寄生性真菌の発生の原因は不明だが、研究者とその衣服や装備が犯人である可能性も十分ある。
[Mod.MHJ -もしまだコウモリの住む洞窟に入ったことがないのであれば、その止まっている場所の下の地面に堆積した guano フンの深さを知らないことは、幸せである。ずっと以前に、ニューメキシコ市近郊の、狂犬病をもつコウモリの洞窟を訪れたことがある。guano の深さは 3mであり、肥料として蓄えられていた。
1960年代の半ば、ニューオーリンズ New Orleans でコウモリの狂犬病が発生し、調査を行った時に、市内の French Quarter の古い奴隷街に、Mexican free-tail bat の集団を発見した;狂犬病とヒストプラズマの検査の結果は陽性であった。ものすごい臭いのコウモリの糞が大量に堆積する中を、地面(フン)を掘ってスペースを確保しながら進まざるを得なかった。従って、汚れたコウモリの愛好者なら、感染拡大の要因となるかも知れない。一方、コウモリは止まり木 roost を転々としている]