2008年2月21日

黄熱 パラグアイ、ブラジル
鳥インフルエンザ、ヒト 中国、インドネシア、ベトナム

● 黄熱 パラグアイ、ブラジル
PRO/AH/EDR> Yellow fever - South America (04): Paraguay, Brazil
Archive Number: 20080221.0711
パラグアイ
[1] パラグアイ(新規患者) 
 情報源:MEGA 24 [in Spanish]、2月20日
パラグアイ Paraguay で、黄熱 Yellow fever 感染流行により新たな死者が発生した。首都にある熱帯医学研究所からの情報によると、49才の男性1名が、2008年2月18日に黄熱の症状を呈して死亡した [検査による確認はまだ行われていないようである]。19日、この新たな死者の発生により、国民の間にはショックが拡がっている。...アルゼンチン保健省は、国内への感染伝播防止のため、国境地点にワクチンを配備した。アルゼンチン国内では、未だ黄熱患者が発生していない。 
地図 Paraguay
[2] Paraguay (WHO official summary) パラグアイで黄熱患者発生  
 情報源: World Health Organization Epidemic and Pandemic Alert and Response、2月20日 
 [*FORTH感染症速報・公式情報より] 
2008年2月20日時点で、パラグアイ保健省 (MoH) は、サン・ペドロ県出身の森林黄熱患者7名の診断確定を発表した。また、臨床的に黄熱と考えられる別の患者4名の小集積が、首都アスンシオンから 20km離れたサン・ローレンツォ市の都市部で発生している。これら患者4名の最終診断結果は未着である。保健省は、感染地区での黄熱封じ込め対策を強化している。総合的な制圧対策には、感染地区住民または旅行者への大規模ワクチン接種、ベクター駆除が含まれるが、その他に、現在感染地区住民での黄熱ワクチン接種率が低いことから、深刻な公衆衛生上の影響を避けるため、サーベイランス強化が図られている。疫学者、臨床医/ウイルス学者、リスク情報担当者、ワクチン接種顧問および非常事態管理専門家を含むPAHO (汎アメリカ地域保健機構) チームが、2月15日にパラグアイに配置された。IEC  (Instituto Evandro Chagas、ブラジル) からの検査専門家も、間もなくパラグアイの国立公衆衛生研究所に加わる予定である。黄熱ワクチン不足は、南アメリカ地域諸国の在庫を融通して、対処されている。加えて、MoHはWHO ICG (International Coordinating Group on Vaccine Provision) に、黄熱ワクチン200万回接種分の供与を要請している。 
[Mod.TY-国際的な専門家チームが派遣され、一見して都市型と見られる小集積では、パラグアイ保健省の封じ込めと黄熱感染流行対策に強力していることは、心強い。]
ブラジル(マトグロッソ Mato Grosso 州)
 情報源:Diario de Cuiaba [in Portuguese]、2月18日 
(Cuiaba から北へおよそ 700kmの)Nova Guarita 市で、2008年1月に死亡した7匹のサルについて、黄熱ウイルスの感染が原因である可能性の調査が行われている。保健省の疫学会報で報告されたが、まだ確定されていない。マトグロッソ州では、2007年1月以来となる、黄熱感染が疑われるサルの死亡である。18日までに、マトグロッソ州で12匹のサルが死亡したことが、保健省に報告されているが、黄熱ウイルス感染は疑われていない。これらのサルの死亡のうち、New Guarita [monkeys] のみが、黄熱感染による死亡であることが疑われている。2007年、州内で黄熱に感染したサルの死亡は1例のみであった。18日の週の初めには、マトグロッソ州初の森林型黄熱患者が報告されている。 

● 鳥インフルエンザ、ヒト 中国、インドネシア、ベトナム
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (29): China, Indonesia, Viet Nam, WHO
Archive Number: 20080221.0710
中国
[1] 中国-WHO、28例目の感染(18例目の死亡)の確認 
 情報源:World Health Organisation (WHO), EPR, Disease Outbreak News、2月20日。
 [*FORTH感染症速報・公式情報より] 
中国保健省(衛生部)は、新たな H5N1 型鳥インフルエンザウイルス感染患者1名を発表した。患者は湖南省永州市 Jianghua 地区出身の22歳男性である。男性は、1月16日に発症し、1月23日に入院したが、翌24日に死亡した。この患者は、2月17日に国立研究所により診断確定された。患者の感染源についての調査が進行中である。中国では、これまでに確定された患者28名中、18名が死亡している。 
[2] 中国-29例目の感染(19例目の死亡) 
 情報源:China View, Xinhua News Agency 、2月21日
2008年2月21日、衛生部により広西荘族自治区の男性1名の死亡が確認され、H5N1型鳥インフルエンザによる中国で死者は2人目となった。この南寧 Nanning 市の 41才の男性は、12日に発熱と頭痛の症状を発症し、あらゆる治療が試みられたが、20日に死亡した。中国CDCは、この男性の検査の結果、H5N1型が陽性であったことを明らかにした。2月18日、衛生部は、中央部湖南省の22才の男性1名が、H5N1型の検査で陽性であったことを確認している。男性は、1月24日に死亡している。 
[Mod.MPP-広西荘族自治区における鳥インフルエンザ感染の報告は、これが初めてである。H5N1型ウイルスの感染は、中央政府の検査機関で確定された。これまでに発生した多数のヒトでのH5N1型ウイルス感染と同様、ヒトでの感染例の確認が、ヒト感染の起こった地域での、家禽におけるH5N1型感染伝播の公式確認よりも前に行われた。] 
地図 中国 
インドネシア:World Health Organisation (WHO), EPR, Disease Outbreak News、2月21日
 [*FORTH感染症速報・公式情報より] 
鳥インフルエンザ流行状況-インドネシア更新40 インドネシアインドネシア保健省は、新たな H5N1型鳥インフルエンザ感染患者2名を発表した。第一例目は、Central Java 州 Sragen 地区出身の16歳男性で、2008年2月3日に発症して、2月7日に入院したが、2月10日に死亡した。発病前に、この患者は自宅で発病したり死亡した家禽に曝露されていた。彼は自宅で病鳥を屠殺していた。第二例目は、ジャカルタ州 South Jakarta 地区出身の 3歳男児で、2008年2月3日に発症して、2月10日に入院したが、2月15日に死亡した。調査チームは、患児の発症 2週間前に、近所で飼育されていたニワトリやペット用鳥類が死亡していたことを確認した。インドネシアでは、これまでに確定された患者129名中、105名が死亡している。
ベトナム:WHO、104例目の感染(50例目の死亡)確認 
 情報源:World Health Organisation (WHO), EPR, Disease Outbreak News、2月21日
 [*FORTH感染症速報・公式情報より] 
鳥インフルエンザ流行状況-ベトナム更新3 ベトナム保健省は新たな H5N1型鳥インフルエンザウイルス感染患者 1名を確認した。この患者は、国立衛生疫学研究所 (NIHE) により診断確定された。患者は、ニンビン Ninh Binh 省 Ninh Nhat 地区出身の27歳男性である。この男性は 2008年2月3日に発症し、2月12日に入院したが、2月14日に死亡した。患者は、自身の発病前に病鳥や死亡した家禽に接触していた。ベトナムでは、これまでに確定された患者 104名中、50名が死亡している。 

● ヒトメタニューモウイルス カナダ
PRO> Human metapneumovirus - Canada (02): SK, background
Archive Number: 20080221.0706
 情報源:GIDEON (Global Infectious Disease & Epidemiology Network) 、2月21日 
サスカチュワン Saskatchewan 州での最近発生した human metapneumovirus 感染流行に関し、カナダではこの比較的新しい呼吸器ウイルスに関する、多数の蔓延状況調査報告が出されている。 
Human metapneumovirus (HMPV) 
成人の市中肺炎の 4.1% (2005)、同・気道検体の 9.5%、感染流行の 25%-年齢の中央値は25ヶ月 (Calgary, 2007)、急性上気道感染の 14.8% (4 provinces, 2001 to 2002 influenza season) など。

● クリプトコッカス症 カナダ、米国
PRO/AH> Cryptococcus gattii, human, animal - Canada, USA (03): BC
Archive Number: 20080221.0712
以前の_Cryptococcus neoformans_ var. gattii に関する文献の紹介 
[1] 情報源: Lancet 、1990年10月13日
[2] 情報源: Lancet、1990年12月8日 
[上記記事に対して出された see: Bart Curtis et al, Lancet. 1990 Dec 8;336(8728):1442.] 
[3] インドのユーカリから_Cryptococcus neoformans_ var. gattii分離 
 情報源: J. Clinical Microbiology, 1997 Dec;35(12):3340-2.、1997年12月

● エボラ出血熱 ウガンダ (04), WHO
PRO/AH/EDR> Ebola hemorrhagic fever - Uganda (04): (Bundibugyo), WHO
Archive Number: 20080221.0704
 情報源:World Health Organization (WHO) Epidemic and Pandemic Alert and Response (EPR) disease outbreak news 、2月20日
 [*FORTH感染症速報・公式情報より] 
ウガンダ保健省は、2月20日に、ブンディブギョ Bundibugyo 県でのエボラ出血熱 Ebola hemorrhagic fever 流行の終息を宣言した。エボラウイルスに感染した最後の患者は、2008年1月8日に退院した。現在すでに、エボラ出血熱最長潜伏期の 2倍の時間 (42日) が経過した。...合計で患者 77名が、2カ所の隔離病棟で治療された。.. CDC で実施された診断検査の結果、今回流行の原因ウイルスは、従来の3種類のアフリカエボラウイルス (すなわち、ザイール型、スーダン型およびコートジボワール型) とは異なっており、新種のエボラウイルスと考えられた。.. 
[Mod.CP-最終的に合計患者数は77人となった。この数字は、2月4日にウガンダの地区衛生局が発表した、エボラ患者は死者37人を含む149人とした数字と、大きな開きがある]

● White-nose syndrome、コウモリ 米国
PRO/AH> White-nose syndrome, bats - USA (03): 2004 Dorset bat colony gate
Archive Number: 20080221.0709
 情報源:The Nature Conservancy、2004年9月23日
[2004年9月23日に配信された以下の報道は、バーモント Vermont 州 DorsetのDorset Bat Cave の冬眠地を保護するため、ゲートが設置されたことに関する情報を提供している。] 
[Mod.MHJ-Dorset cave は、ニューイングランド New England 州の Indiana bat が冬眠するわずか 4ヶ所のうちの 1つで、コロニー(群落)を刺激することは、特に冬の間、すなわち今の時期には、新たな病気の蔓延の有無に関わらず、最小限にしなければならない。幸い、2004年にコウモリにやさしいゲートが設置されたようである]

● Pospiviroids 欧州
PRO/PL> Pospiviroids - Europe: 1st reps, new hosts
Archive Number: 20080221.0707
[1] _Potato spindle tuber viroid_ - イタリア: 1st report, new host 
Potato spindle tuber viroid_が装飾用_Solanaceae_で確認された 
 情報源: European Plant Protection Organisation (EPPO) Reporting Service 1/2008/008、1月
[2] _Potato spindle tuber viroid_ - オーストリア イタリアからの輸入: 1st report 
 情報源: European Plant Protection Organisation (EPPO) Reporting Service 1/2008/009、1月 
[3] _Citrus exocortis viroid_, _Potato spindle tuber viroid_, _Tomato apical stunt viroid_ - オランダ: 初報告, 新たな宿主 
pospiviroidsの新たな植物の宿主が確認された 
 情報源: European Plant Protection Organisation (EPPO) Reporting Service 1/2008/010、1月

● Iris yellow spot virus、種々の作物 英国、カナダ
PRO/PL> Iris yellow spot virus, multicrop - UK, Canada: 1st reps
Archive Number: 20080221.0698
[1] _Iris yellow spot virus_, lisianthus - 英国: 1st report, (Suffolk) 
2007年6月、サフォーク州の温室栽培で育てられている、通年作物である lisianthus (_Eustoma grandiflorum_) に壊死部分が見られ、症状の出ていない植物から、_Iris yellow spot virus_ (IYSV) が確認された。 
 情報源: British Society for Plant Pathology, New Disease Reports (NDR) vol. 16 、1月 
[出典: RA Mumford et al: _Iris yellow spot virus_ (IYSV) infecting lisianthus (_Eustoma grandiflorum_) in the UK: 1st finding and detection by real-time PCR. BSPP New Disease Reports, vol. 16] 
[2] _Iris yellow spot virus_, タマネギ - カナダ: 初報告 (Ontario) 
 情報源:The American Phytopathological Society, Plant Disease 2008; 92(2): 318、2月
[出典: CA Hoepting et al: 1st report of _Iris yellow spot virus_ on onion in Canada. Plant Dis 2008; 92(2): 318; DOI: 10.1094/PDIS-92-2-0318A]