2008年2月22日

麻疹 ドイツ,スイス,中国
◎ 蝿蛆症 イエメン

● 麻疹 ドイツ,スイス,中国(3件)
ドイツ
PRO/EDR> Measles - Germany (south-west) ex Switzerland
Archive Number: 20080222.0725
 情報源:Eurosurveillance edition 2008 > Volume 13 / Issue 8 、2月21日
2008年1月以降、ドイツ南西部 Baden-Wurttemberg 州公衆衛生当局は、スイスにおいて発生中の麻疹 Measles 感染流行と疫学的関連のある、麻疹患者数の増加を確認している(2008年第1-7週の患者数16例:2007年同時期3例)。これまで、感染した患者は、ワクチンを接種されていない小児・青年・成人に限られている。感染流行の患者の一部は、スイス在住のドイツ人または、ドイツを往来するスイス国民との関連性が認められた。...患者別の症例報告(省略)など。 
[Mod.CP- 麻疹に国境はない。スイスは、強力な、欧州その他の国々の輸入麻疹の供給源となっている。ドイツ・Lower Bavaria、デンマーク、英国、米国での輸入例が報告されている。2008年には、スイスが、カリフォルニア州の12例の感染の原因となっている。いずれの事例も、ワクチン接種が行われていないか不十分な小児と若年成人がほとんどである。3価MMRワクチンの麻疹ウイルス成分に予防効果がないとの証拠はない]

スイス 
PRO/EDR> Measles - Switzerland
Archive Number: 20080222.0724
 情報源:Eurosurveillance edition 2008 > Volume 13 / Issue 8 、2月21日
 [*FORTH感染症速報・公式情報より] 
2006年11月以来、スイスは、1999年に同国で麻疹が届け出義務疾患となってから記録された中で最大の麻疹流行を経験している。今回の流行の最初の8カ月間については、すでに本ジャーナルで報告されている。2006年11月から2008年2月13日にかけて、麻疹患者1,405名がスイス国内の臨床医または検査機関から報告された (2007年分は  1,106名)。その内、患者976名 (69%)は、Lucerne (全体の29%), Basel-Land (16%), Zurich (11%) Bern (7%) および Aargau (7%) の各州で発生した。過去15カ月間について計算した全国、全年齢層での発生率は、人口10万人当たり19例(2007年については、人口10万人当たり15例)であった。Lucerne 州在住の16歳未満の小児については、発生率は10万人当たり500例であった。 
流行の概況:
Lucerne 州の就学期小児から始まった、患者 1,319名の 6%が麻疹ワクチン接種を受けており、85%がワクチン未接種であった。残りの 8%では接種歴が不明であった。患者6名 (0.5%) は脳炎または脳炎疑いと報告された。死亡患者は報告されなかった 
制圧対策:
議論:
スイスで現在進行中の麻疹流行は、長期間に渡ること (現時点で15カ月)、夏季にピークがあったこと、場所によって発生率が異なること、他のヨーロッパ諸国に比べ発生率が高いことなどが特徴である。流行では主に、ワクチン未接種の就学期小児が感染したが、やはりワクチン未接種の若年成人も感染した。感染伝播は、主に家庭内と学校で発生した。今回の流行が異常に長期化しているのは、おそらく人口中に感受性者の割合が高く、それが広く分布しているためと思われる。..全国的に見て、2歳時の1回目の麻疹ワクチン接種率が86%であり、2回目の接種率が 70% (1996年に導入された) である。さらに、1991年から1999年の間、麻疹ワクチン接種率が約 82%に留まったため、多数の感受性者が累積した結果となった。

中国(新疆維吾爾自治区) 
PRO/EDR> Measles - China: (Xinjiang Uygur)
Archive Number: 20080222.0721
 情報源:Shanghai Daily 、2月20日
2008年1月、新疆維吾爾自治区における麻疹感染流行により、10人が死亡したと、2月19日に報じられた。2008年1月、4365人が麻疹に感染し、2007年12月の 1149人(2人が死亡した)から一気に増加した。自治区では、無料の治療が提供されている。医療機関は、体温測定をするよう勧めている。患者らは隔離されている。 
[Mod.CP- この記事では、患者が小児なのか、ワクチン接種を受けていない成人なのか、判らない。中国・新疆維吾爾自治区への旅行者は、ワクチン接種を済ませておくことが必要である] 

◎ 蝿蛆症 Screwworm、myiasis イエメン

PRO/AH/EDR> Screwworm myiasis, human, animal - Yemen, susp., RFI
Archive Number: 20080222.0722
 情報源:Big Medicine 、2月21日
3県の特別現地チームが、myiasis 蝿蛆症の拡大対策にあたっている。蝿蛆症は、ハエの幼虫(ウジ maggots) がヒトや動物に感染(infestation ,寄生?)するもので、つい最近まで、イエメンでは発生していなかった。2008年2月18日、イエメン農業省の当局者は、国連の地域情報ネットワークに対し、2007年12月の発生以来、al-Dhaher 村(サウジアラビアとの国境に近い Saada 州)において、約 1500頭の動物と 8人が罹患したと述べた。 
[Mod.AS-Screwworms は、生きた(動物の)肉を栄養源とするハエの幼虫(ウジ)である。これらの幼虫は、全てのほ乳類やまれに鳥類にも寄生する。screwworm myiasis 蝿蛆症の原因には、異なる2種類のハエがある:西半球の New World screwworms (_Cochliomyia hominivorax_, NWS) と、東半球の Old World screwworms (_Chrysomya bezziana_, OWS) である。いずれの種も、 _Chrysomyinae_亜科( _Calliphoridae_ (blowflies クロバエ) 科)に属する。"Screwworm myiasis" は、OIE への報告義務のある疾患である。...メスのハエは、傷口や粘膜にタマゴを産み付ける。孵化すると、ウジは体内に侵入し、成長して、エサをとり、成虫になる。ダニ刺咬ほどの小さいキズでも侵入できる。治療しないまま放置すると、infestations は致死的となる。Screwworms  は、米国南部など世界の一部地域では排除されたが、しばしば、screwworm-free(清浄)国に、感染動物が輸入されている。感染は、検知され直ちに対処されなければならない:キズにウジを残せば、サナギになり、その地域に自生する。低温(氷点下や長期間のそれに近い温度)には弱く、一部の地域では季節性に、寒冷気候帯でも夏の間は範囲が拡大する。くり返して生殖能力を除去したオスのハエを放散し、野生のメスとの交尾によって無精卵を生ませることで、地域内の screwworm を排除できる(放射線を浴びたメスとオスを分けるのは実際的でないため、通常、両性ともに放つ)。同時に、感染した動物の治療や、移動制限も行う。...以下、NWS と OWS の分布状況など。.. 清浄国でも時に感染流行が報告される。ヒトもウジの宿主となる。このイエメンの記事は、確定情報がないが、確定されたのであれば、OIE への報告が必要である]
地図 Saada (Sa'dah), Hajja (Hajjah), and al-Hudeidah (Al Hudaydah):Yemen  

● 牛肉回収 米国
PRO/AH> Beef recall - USA (02): (CA)
Archive Number: 20080222.0720
[1] 米国内の牛肉の検査体制などの説明 
 情報源: Associated Press (AP) 、2月21日
[2] 牛肉の不適切なパッキング 
 情報源:CattleNetwork.com 、2月20日
家畜研究所は、カリフォルニア California 州の放送会社のビデオで示された、不十分な牛肉の取り扱いを非難した。.. 
[3] 情報源:Outlook, Reuters report、2月21日
 米国史上最大の牛肉の回収騒動のあと、農業省長官は、カリフォルニア州の工場で不適合牛の処理が行われた理由を調査中であることと、この施設に限って発生した事例であると即断するのは早すぎるとの声明を出した。2008年2月17日、Hallmark/Westland Meat Packing Co社は、不適合 unfit 牛を処分場へ追いやる様を写したビデオテープにより、工場の従業員が逮捕されたことを受け、6500万kgにおよぶ牛肉の回収を行った。...
関連項目 
Beef recall - USA: (CA), food safety questions 20080218.0651

● 結核、ウシ 米国
PRO/AH/EDR> Tuberculosis, bovine - USA (03): (MN)
Archive Number: 20080222.0718
 情報源:The Grand Forks Herald 、2月22日
ミネソタ Minnesota 州北西部 Roseau ・Beltram 両郡の境界付近で、ウシ結核の感染流行が発生し、2008年2月22日、ND 州が上記措置をとることとなった。... 
[Mod.MHJ-この記事のポイントは、2007年10月以降、ミネソタ州北西部で、4つのウシの群れにおいて、ウシ結核感染が陽性となっている点にある。いずれも、TB 監視区域内での発生であった]