2008年3月4日

チクングニア インド、超過死亡 2006 EID

● チクングニア インド
PRO> Chikungunya, 2006 - India, excess deaths
Archive Number: 20080304.0895
 情報源:Bloomberg News Agency、2月29日
以下の EID の論文の紹介
[Increased mortality rate associated with chikungunya epidemic, Ahmedabad, India. Emerg Infect Dis (serial on the Internet). 2008 Mar ]
 *FORTH感染症速報・公式情報より
要旨:
2005~2006年に、インド洋にあるレユニオン島当局は、チクングニア Chikungunya 患者約 26万6,000人を報告したが、その内の 254名が死亡した (致死率 0.1%)。
インド政府は、2006年にチクングニア患者 139万人を報告したが、死者は発生しなかった。インドの Ahmedabad 地区では、チクングニア疑い患者 60,777名が報告された。今回の流行の影響を評価するために、 Ahmedabad 地区 (人口380万人) での2006年の死亡率を 2000~2005年のそれと比較した。チクングニア流行期 (2006年8月~11月) には、それ以前 4年間の同期での平均死者数と比較して、合計で 2,944名の超過死亡が発生した。これらの超過死亡は今回の流行が原因の可能性がある。しかし、隠れたまたは説明不可能な死因の可能性もある。公衆衛生当局は、今回の流行に関連した死者数層化を徹底的に調査し、今後のチクングニア流行を予防する対策を講じるべきである。
トガウイルス科アルファウイルス属に属するチクングニアウイルスは、アフリカおよびアジアの熱帯地方由来である。このウイルスは媒介蚊によってヒトに伝播される。ネッタイシマカとヒトスジシマカが、この疾患を伝播する2種類の主なベクターである。
最初に報告されたチクングニア流行は、タンガニーカ (現タンザニア) で1952~1953年に発生した。「チクングニア chikungunya」という病名は、タンザニア南東部の Makonde 語に由来し「折り曲げるまたは苦痛でゆがむ」という意味であり、重度の関節痛のため患者がとる典型的な姿勢を示している。
チクングニアの症状には、突然の発熱、重症関節痛および斑状丘疹状発疹 (maculopapular rash) が含まれる。特異的な症状は、重症の動きが取れない関節痛であり、遷延化することが多く、長期に渡る障害となる。
チクングニアの大規模流行は、2005年から 2006年にかけてレユニオン島から報告された。2007年2月19日時点で、島の住民約 266,000人 (人口の 34.3%) がチクングニア熱に罹患した。この流行はレユニオン島からの輸入患者によりフランス本土にも拡大した。従来、チクングニア熱は時限的で致死的ではない疾患と考えられていた。しかし、レユニオン島の流行中にチクングニアによって直接的または間接的に死者 254名 (致死率 0.1%) が発生したことから、この見方が変更された。
インド政府は 2006年に規模の大きなチクングニア流行を報告した。チクングニアは 1973年以来インドで再興しており、その時の発病率は 37.5%であった。しかし、2006年の流行では、発病率は一部地区で 45%に上昇した。10州151地区に渡って患者 139万人以上が、この期間中に発生した。しかし、レユニオン島での流行とは異なり、チクングニア熱が直接原因とされた死者は報告されなかった。優勢なベクターは、レユニオン島ではヒトスジシマカであり、インドではネッタイシマカである。しかし、インドの Keraka (ケララ) 州ではヒトスジシマカも関係している。複数の研究により、最近のインド洋地方でのチクングニア流行は、東アフリカ株に関連したウイルス株によって開始されたことが判明している、流行株は進化しているが、その小進化歴が追跡可能である。この進化歴を解析すれば、今回のチクングニア流行の異常な規模と病原性の高さを理解するための情報が得られる可能性がある。
本研究の目的は、インドでのチクングニア流行と Ahmedabad 市での死亡率の関連を解析することである。こうした知見から、チクングニアウイルスの遺伝的変異と病原性の増加間の関連が示されるかもしれない。こうした情報は、流行を過少報告したり、誤って報告しがちな途上国の公衆衛生システムにとって貴重である。
[Mod.CP-以前考えられていたより、チクングニアウイルス感染による死亡率が高いことが示唆されたインドでの超過死亡は、説得力はあるものの、他の報告で論じられているいくつかの理由から結論することはできない。交絡因子としては、診断の正確性や症状が同じに見えるデング熱などの他の疾患の紛れ込みなどが挙げられる] 

● 黄熱 パラグアイ
PRO/AH/EDR> Yellow fever - South America (13): Paraguay
Archive Number: 20080304.0896
 情報源:La Voz, Argentina [in Spanish]、3月4日 
2008年3月4日、パラグアイ政府保健当局は、新たに4例の森林地帯での黄熱 Yellow fever 患者を確認し、2008年の患者数は20人となり、このうち10人が死亡している。大臣は、はじめに感染が再興したサンペドロ San Pedro 州で新たな感染が発生したと述べた。発生地は、首都アスンシオン Asuncion の北 220kmのジャングルで、蚊族での侵淫指数 mosquito infestation index が 40%を超えるとされるブラジルのマトグロッソ Mato Grosso からは 400kmの位置にある。ワクチン接種は、激しい頭痛、吐き気、高熱などに耐えられないとして、サンペドロの住民らが拒否している。当局は2面作戦をたて、ワクチンと、メスが 40日間に3度も卵を産む蚊族が繁殖する水溜りの除去を行っている。... 死亡した 10人のうち、家族の同意が得られなかったことから、剖検が行われたのは 4例のみである。...ワクチンの調達など。 

● E型肝炎ウイルス ウガンダ 
PRO/EDR> Hepatitis E virus - Uganda
Archive Number: 20080304.0894
 情報源:ReliefWeb, The International Federation of Red Cross And Red Crescent Societies 、3月3日
ウガンダ保健省と WHO ウガンダ事務所は、スーダン南部に接する、Madi Opei Sub-county (Lamwo County, 北部 Kitgum District) における E型肝炎 Hepatitis E の流行を確認した。2007年11月に流行は開始し、合計 314例のうち 11例が死亡した。患者の 75%が 15-44歳である。HEV 感染伝播の危険因子は、国内難民キャンプにおける、極端に低いトイレの普及率と生活用水の汚染、不衛生な習慣である。..以下、キャンプの様子など。 
[Mod.CP- E型肝炎は、hepatitis E virus (HEV) によって起こる肝疾患で、他の腸管ウイルスとほぼ同じ経路で感染伝播する。近年、世界中で感染流行が見られている。HEV感染の症状として、食欲低下、嘔気、嘔吐、変色尿、黄疸、腹痛などである。しかし、慢性肝炎はない。妊娠女性とりわけ第3期において、より重症化する。HEVは、E型肝炎患者および感染動物の糞便中に確認される。HEVは、汚染された食品や水の摂取により感染が拡大する。ヒト-ヒト感染の可能性もある] 

● エボラ出血熱 ウガンダ
PRO/AH/EDR> Ebola hemorrhagic fever - Uganda (05): (Bundibugyo), susp.
Archive Number: 20080304.0883 
 情報源:AllAfrica, New Vision (Kampala) report、3月3日
保健省は、Bundibugyo の 2例のエボラ Ebola hemorrhagic fever 感染によることが疑われる死亡について調査を開始した。エボラ排除宣言が出された1週間後のことである。Bwera(in Kasese) 在住であるが、Bundibugyo での仕事についているこの患者らは、先週死亡した。当局者は、「エボラであるかもしれないし、違うかもしれない。結果を待ってから行動する必要がある」と述べた。... Bundikeki Primary School の教師1名は、2008年2月26日に入院後、3月2日に死亡した。関節痛と頭痛を訴えていたと伝えられている。この男性は、1週間前に同じ症状を訴えたあと死亡した Bukangama Primary School の教師と同じベッドを使用していた。[この2人が冒頭の2例である]...2007年1月に Bundibugyo をエボラウイルスが襲い、40人以上が死亡している。 
[Mod.CP-エボラ出血熱の予備的診断の信頼性について、この乏しい情報だけでは判断できないが、WHO とウガンダ保健省によるエボラ出血熱終息宣言は時期尚早だった可能性もある。Bundibugyo で起こった感染流行の正確な数字や、最終的な死者の数については、未だ示されていない]

● コレラ コンゴ(民),ジンバブエ,ケニア,ソマリア,アンゴラ,ミャンマー
PRO/EDR> Cholera, diarrhea & dysentery update 2008 (14)
Archive Number: 20080304.0882
コンゴ民主共和国 (Katanga) 
 情報源:UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs (OCHA), ReliefWeb [in French]、3月3日 
2007年9月末以降、カタンガ州ではコレラ Cholera 感染が再燃している。2007年12月17日、コレラ発生の中心が、都市間交通の要所である Lisaka に及んだ。2008年の第1-7週、カタンガ州で 5483例がコレラと診断され、120人が死亡した(致死率2.18%)。第7週以降、Lubumbashi と Likasi の疫学曲線は、減少傾向にある。今日まで、コレラ感染対策は、2つの都市を中心に行われてきたが、感染の拡大が続いており、5つの保健区域(Fungurume, Kabondo-Dianda, Kapolowe, Manika, and Panda) では、感染流行の上昇傾向が見られている。 
ジンバブエ (Mashonaland East) 
 情報源:AllAfrica, The Herald (Harare) report 、3月4日
過去2週間にハラレ Harare において、14人以上の致死性のコレラ感染患者が報告されていると、保健小児福祉省の医師が述べた。Waterfalls Refugee Transit Camp から9例、Epworth から5例が報告されている。 Waterfalls camp の感染源の調査が行われている。難民の渡航経路を知る必要があると述べた。Epworth の5例については、Nyakuyo で7人が死亡した感染流行のあった Mudzi に由来していた。モザンビークを旅行した女性が、コレラを導入したものと見られている。2008年2月、このほか Kairezi および Chadereka 村(Mashonaland Central) から 9例の患者が報告され、1例が死亡している。 
ケニア
 情報源:UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs (OCHA), ReliefWeb, World Health Organization (WHO) report、3月2日 
Mandera (北東州 Northeastern province) では、コレラ感染が拡大し、難民や原住民らの脅威となっている。2008年2月27から28日にかけて、Mandera Triangle の 12例を含め、合計 392人のコレラ感染が疑われる患者と7人の死亡が報告されている。 
ソマリア(Gedo)急性水様性下痢症
 情報源:UN Integrated Regional Information Networks (IRIN) report 、2月29日
ソマリア南西部 Belet Hawo および周辺地域での急性水様性下痢症 acute watery diarrhea (AWD) の感染流行により、3週間で11人以上が死亡したと、2008年2月28日に医療当局筋から発表された。Belet Hawo 病院と周辺の村でこれまでに11人が死亡したと、医師が述べた。地区医院は、作業部会などの対策が実施されていると説明した。... 2008年1月末以降、263例の急性水様性下痢症患者が報告され、ピーク時は週あたり 80人の発生があったが、現在は減りつつあると述べた。今週は 15例のみとなっている。WHOは、2月28日の報告で、Belet Hawo (in Gedo region) の AWD が疑われる感染流行を確認したことを明らかにした。Belet Hawo は、ケニアとソマリアの国境付近にあり、ケニア北東部 Mandera の町からもほど近く、2つの町の間には頻繁に往き来がある。Mandera で最近発生したコレラが、Belet Hawo の感染流行の原因である可能性が指摘されている。この地域には深刻な水不足があり、住民は普段なら飲もうとしないような水を飲んでいる。ヒトや家畜が水を求めてこの地に集まっている。水や牧草が足りないため、家畜が餓死し始めている。 
アンゴラ(Cunene) 
 情報源:UN ReliefWeb, Int Fed of Red Cross & Red Crescent Societies report、2月29日
アンゴラ南部クネネ州で、コレラ感染が増加している。2008年1月に、豪雨による洪水のため、およそ12980人が Sangongo 村と州都 Ondgiva に避難して以来、連日 5-7例の新たなコレラ感染症例が報告されており、すでに 82人が死亡した。アンゴラ赤十字社のボランティアは、現地当局に協力し、対策に当たっている。..トイレ建設など..2008年の洪水は、東部 Moxico 州および北部 Uige 州にも被害をもたらせている。2007年にアンゴラは、Moxico 周辺のひどい洪水に見舞われているが、現在もっとも被害が深刻となっているのは、南部クネネ州周辺地域である。 
ミャンマー(Mon)、IDPs 
 情報源:The Irrawaddy、3月4日
これまでのところ、New Mon State Party (NMSP) の統治区域である、ミャンマー東部Ananbon 村のモン Mon 族の国内難民 61人がコレラに感染した。タイ Sangkhlaburi にある Mon の当局者によると、2008年3月4日にコレラ感染と診断されたモン人は45人で、その前の 2日間にも 16人が感染している。現地住民によると、村内では先週 2人が死亡した。村のクリニックには、歩いて 1時間の Jagatrao 村から大勢の患者が押しかけている。... 以下、診療の様子や支援団体の活動など。... Monの難民が初めてタイに流入したのは、ビルマ軍と NMSP の間で戦闘があった 1990年のことで、当初、タイ政府当局は、Mon 族の在留を許可していたが、その後国際援助団体の協力で自らの難民キャンプを Sangkhlaburi に設立した。NMSP は、1995年にビルマ政府との間で休戦合意に達した。2004年の報告では、約4万人の国内難民がビルマ国内の一時施設に身を寄せている。

● 蝿蛆症 イエメン
PRO/AH/EDR> Screwworm myiasis, animal - Yemen (02): susp., RFI
Archive Number: 20080304.0881
 情報源:UN Integrated Regional Information Networks (IRIN)、3月2日
イエメン農業省の動物資源局は、国内3つの州の8000頭以上が蝿蛆症 myiasis に感染していると警告した。蝿蛆症とは、ハエのウジがヒトや動物の体内で増殖する病気である。この死亡する可能性のある疾患は、イエメンで2007年12月に初めて発見されて以来、北西部の、Saada と Hajjah 州の838の村および al-Hudeidah 州の5つ以上の村で発生している。イエメンでは、1500万頭のヒツジ、140万頭のウシ、25万頭のラクダが飼育されている。
関連項目 
Screwworm myiasis, human, animal - Yemen, susp., RFI 20080222.0722

● White-nose syndrome, コウモリ 米国(2件)
PRO/AH> White-nose syndrome, bats - USA (05): (Northeast)
Archive Number: 20080304.0898
 投稿者:Washington & Jefferson College、Dr. Richard Dryden、3月4日
20080219.0675 に関して。 
Dorsetの洞窟でダニは発見されていないだろうか?もしそうであるなら、われわれの検査室は、Anaplasma の nested PCR 検査を精力的に行い、洞窟内の数十種のダニについて、_Anaplasma sp._ が感染しているか、直ちにスクリーン検査を行うことができる。死亡したコウモリにダニがいるならば、採取されたダニは検査に好適である。

PRO/AH/EDR> White-nose syndrome, bats - USA (04): (Northeast)
Archive Number: 20080304.0880
 情報源:US Geological Survey (USGS), National Wildlife Health Center official release 、2月26日
white-nose syndrome' と表現されているコウモリの様子に、人々が初めて気付いたのは、2007年2月のニューヨーク New York 州 Albany 周辺の複数の洞窟内の、死亡あるいは冬眠中のコウモリにおいてであった。2007年の晩冬から早秋にかけて、コウモリの鼻の上に白いものがのっているのに気付かれると同時に、1ヶ所の冬眠場所で、およそ 90%が死亡するという大量死も発生した。2007-2008年冬、コウモリが大量に死亡する事例は発生していないものの、コウモリ研究者らによって、New York, Vermont, Massachusetts 各州の冬眠地で、白い鼻のコウモリが見つかっている。...コウモリの皮膚や内臓の細菌学・真菌学的検査の結果には、一定の傾向がなく、湿度の高い洞窟内の常在細菌や真菌であった。ウイルス学的検査ではウイルスは分離されず、寄生虫学検査でも有意な所見はなかった。組織学的には、軽度の肺炎などが見つかった。

● 結核、シカ 米国
PRO/AH/EDR> Tuberculosis, cervid - USA (MI)
Archive Number: 20080304.0897
 情報源:Cheboygan Daily Tribune 、3月4日
Shiawasee County のシカ、ウシ結核に感染 

● 鳥インフルエンザ エジプト、イラク
PRO/AH/EDR> Avian influenza (40): Egypt, Iraq
Archive Number: 20080304.0891
[1] エジプト 
 情報源:Egypt State Information Service 、2月29日
2008年2月29日の鳥インフルエンザ Avian influenza 対策国家会議で検討された内容は、2008年に確認されている鳥インフルエンザ感染患者は、現在 Menya で治療の 1名のみであることが、2007年の 44例と比較して示された。農場における鳥類の感染についても、農場(養鶏場)で 5件、裏庭で 18件と減少傾向にあると報告された。2008年1月と2月に4000万羽のワクチン接種が完了し、合計で 87%にあたる 1億3000万羽がワクチンにより免疫が付与されたことになる。
[2] イラク 
 情報源: Kuwait News Agency (KUNA) 、3月2日
 2008年3月2日、イラク南部バスラ Basra で1件の鳥インフルエンザが確認された。イラク政府当局は、Al-Fedagiya 村 (Fao area) で新たに発見されたと述べた。今回の発生をうけ、すべての家禽や生きた鳥類の移動が禁止された。