原因不明の反応、ヘパリン ドイツ,米国
● 原因不明の反応、死亡 ドイツ,米国(2件)
ドイツ
PRO/EDR> Undiagnosed reactions, heparin - Europe: (Germany)
Archive Number: 20080307.0940
情報源:Houston (TX) Chronicle、3月7日
2008年3月7日、ドイツ医療当局は、80人の患者に副反応が発生した、中国からの汚染された成分に関連すると見られるドイツ国内で製造されたヘパリンの回収を発表した。
Federal Institute for Drugs and Medical Devices 当局の広報担当者は RotexMedica GmbH 社が製造するヘパリンを、5日に市場から引き上げると述べた。80人の患者で、息切れ、血圧低下、頻脈発作などが発生したことを受けての措置である。ドイツでこの薬剤を使用しで死亡した患者はいない。また、他社のヘパリン製剤との関連もない。... 患者の多くは透析患者であった。
ドイツの会社は、世界最大のヘパリン (の原材料) の輸出国である中国からの輸入成分が汚染されていたための合併症であると見ている。しかし、原因が何かは判明していない。ドイツ国内で問題となっているのは、安価で、純度の高くないヘパリンであり、(他の) 精密に製造されたヘパリンへの影響はいまのところないものと見られている。
米国で製造された他のヘパリン製品は、19例の死亡との関連が疑われており、FDA は、米国内の全ての製造業者のヘパリンについて、先端技術を用いた検査により、Baxter International Inc.'s USA が販売したヘパリン注射薬の関係する、数百種類のアレルギー反応の原因と考えられる汚染物質が、確実に除去されているか確認作業が行われている。
[Mod.LL-別の会社だが、同じ中国からのヘパリンであり、米国の症例と同じ汚染 (混入) に関連する反応と考えられる]
米国
PRO/EDR> Undiagnosed reactions, fatal, heparin - USA (06): contaminant
Archive Number: 20080307.0939
情報源:New York Times、3月6日
連邦薬品監視当局は、2008年3月5日、19人以上の死亡に関連する、中国産の原材料による、血液凝固阻止剤 blood thinner が、本来の薬効成分ではない偽薬の成分が含有されている疑いがあると発表した。通常の検査では、ヘパリンというこの薬剤中に異物(汚染物質)は発見されなかった。精密な MRI 検査により初めて、製品中の有効成分の 20%までが、本物のヘパリンに混ぜられたヘパリンの偽薬 mimic であることが判明した。汚染物質が何かは分かっていない。「事故なのか故意なのか不明である」としている。
PRO/AH/EDR> Progr infl neuropathy, pork plant workers - USA (05): (NE)
Archive Number: 20080307.0941
情報源:Minneapolis-St. Paul (MN) Star Tribune、3月6日
ネブラスカ Nebraska 州の元精肉業者 meatpacker の 1人が、2007年11月に、ミネソタ Minnesota 州とインディアナ Indiana 州の精肉工場の従業員らに発生し、全国的な調査が行われている神経障害と同じ症状を発症した。この最新の患者の発生により、患者数は 14人となった。当局は、これら 3つの工場全てで過去に働いたことのあるヒトの調査が続けられるにつれ、患者数はさらに増えるものと見られている。患者らは、全身倦怠、手足のさまざまな程度のしびれ・疼痛などを訴えている。仕事に復帰できた人もいれば、重度の障害が残った人もある。公式には、進行性炎症性神経障害 progressive inflammatory neuropathy, or PIN と呼ばれている。
● 黄熱 パラグアイ
PRO/AH/EDR> Yellow fever - South America (14): Paraguay
Archive Number: 20080307.0936
情報源:World Health Organization (WHO) Epidemic and Pandemic Alert and Response (EPR) disease outbreak news、3月7日
[*FORTH感染症情報/公式情報から]
パラグアイ:黄熱-WHO 更新2
パラグアイ Paraguay では、黄熱 Yellow fever ワクチン接種者数が 127万人に達する。パラグアイ公衆衛生社会福祉省(MSPBS) は18県(departments)で 127万人以上が黄熱ワクチンの接種を受けたと報告した。今回のワクチン接種キャンペーンの果、首都アスンシオンでの接種率は 83%に、Central 県の接種率は 75%に達した。
同省の発表によれば、黄熱確定患者数は、新規患者6名が増加したため、現在死者 6名を含め 22名となっている。地区別では、San Pedro 県で患者 11名、 Laurelty 県で 9名、その他の地区で 2名が発生している。別の疑い患者 12名が、調査されている。
一方、Port Iguazu で開催された最近の会議で、ブラジル、ポルトガル、ウルグアイ、ベネズエラ、ボリビアおよびペルーからの当局者らは、汎アメリカ保健機(PAHO)の協力を得て、国境地区の住民について、黄熱ワクチン接種を調整し、進捗状況を監視することで合意した。同当局者らはまた、都市型黄熱の発生を予防する主要な対策は、地域全体からネッタイシマカの発生場所を削減することであると合意した。
[Mod.TY-この報告により、パラグアイの黄熱患者数の合計は1例増えた。黄熱ワクチンの集団接種は、たとえ発生しても新規患者がほとんどなくなるまでのカバー率を達成した]
地図 Paraguay
● チクングニア スリランカ
PRO/EDR> Chikungunya (08): Sri Lanka
Archive Number: 20080307.0926
情報源:Daily Mirror、3月7日
Kuruwita-Erathna area [Sabaragamuwa province] におけるチクングニア Chikungunya は、勢いよく広まっている。地区衛生当局者は、地域内でおよそ150人の患者がチクングニアと診断されたと述べた。コロンボ Colombo 医学研究所に送付された血液検体中にチクングニアウイルスが確認されたと説明した。チクングニア対策が実施され、蚊族の繁殖する場所を撤去するよう、住民らにも勧告されている。
[Mod.TY-スリランカで、2008年のチクングニアウイルスの国内伝播が公式に報告されたのは、これが初めてであるが、2008年1月にスリランカから香港へのチクングニア感染輸入例の報告 (20080201.0398) があったことから、スリランカ国内では感染伝播が継続されていた]
地図 the province Kuruwita
● デング熱 トリニダード,ブラジル,ペルー,ニューカレドニア,フィリピン,ベトナム,
PRO/EDR> Dengue/DHF update 2008 (09)
Archive Number: 20080306.0920
トリニダード
2008年開始以来7週間に、108例のデング熱確定患者が発生した
情報源:Trinidad and Tobago's Newsday 、2月26日
2008年2月25日、主席医療担当官は、2008年開始以来7週間に、108例のデング熱確定患者が発生したと報告した。患者は全国でまんべんなく発生し、衛生状態の悪化がウイルスの拡大につながったと説明した。... Freeman Road では4例の確定患者が確認されている。
ブラジル
ブラジル
[1] ブラジル (Para)
ベレン Belem では、15387例のデング感染症例が記録された。
情報源:Agencia Brasil [in Portuguese]、2月28日
2007年、パラ州の大都市ベレン Belem では、15387例のデング感染症例が記録された。このうち 56例はデング出血熱 DHF であった。2008年、およそ 48380の患者がすでに報告されている。16例が DHF であり、6例の死亡が確認されている。
[2] ブラジル (Bahia 州)
バイア州はおよそ110%に近い増加を記録している。
情報源: G1 [in Portuguese]、3月1日
現在、州内の13カ所(市)でデング感染流行が発生している。州都の患者の報告は実際より少ないと当局者が述べた。ブラジル国内のデング患者数は、2007年同期に比べ、2008年の当初の2ヶ月は、39.7%の減少となっているが、バイア州はおよそ110%に近い増加を記録している。2008年1月1日から2月25日の間に、3263例のデング患者の届け出があった。2007年の患者数は1563例であった。サルバドール Salvador では、およそ 60%の減少があり、州全体の傾向に一致しなかった。
[3] ブラジル (Ceara 州)
2008年のデング大流行を予想
情報源:Jornal O Povo [in Portuguese]、2月29日
建造物などの調査から、2008年のデング大流行を予想。
[4] ブラジル (Rio de Janeiro)
リオデジャネイロ州ではすでに14例のデングによる死者を記録している。
情報源: O Globo [in Portuguese]、2月25日
2008年になり、リオデジャネイロ州ではすでに14例のデングによる死者を記録している。このうち、12例は首都で発生した。ドゥケデカシアス Duque de CaxiasのBaixada Fluminense と、カンポス Campos で各1例となっている。... 2002年以来、最も一般的となっている 3型デングウイルスに感染し、今回は2型ウイルスに感染した患者が、重症となる可能性が高い。2008年に DHF で死亡した小児のうち、4人は、デング感染流行が発生し、人口10万人あたり300人以上が感染した同じ地域の住民であった。
[Mod.TY-3月3日発行の Terra には、デングで死亡した別の小児についての記載があり、デング熱患者の 30%が小児であることを印象づけている。6027例のデング患者のうち、1800人が15歳以下の小児であった。その多くは5-9才である。都市部で死亡した14例のうち、12例はこの年齢層である]
[5] ブラジル (全国)
保健省が把握している重症型デングによる死者の数は 225人だが、そのほかにも 101人の死亡があった
情報源: O Estado de Sao Paulo [in Portuguese]、3月1日
ペルー
リマの4例が確定診断されているが、流行中の域外での感染症例であった。
情報源:Boletin Epidemiol (Lima) 17 (06), 2008 [in Spanish]、2月10日
疫学第6週(2008年2月10日の週)、1406例の古典型デングの症例が届け出られた。59%は Loreto health district からの報告である。16カ所の health directorates が、域内デング感染症例を報告している。リマ Lima からは 23例の報告があり、このうち 4例が確定診断されているが、これらの患者は、現在感染流行が発生中の域外での感染症例であった;Loreto (3 cases) and Ucayali (one case)。
地図 Peru
ニューカレドニア
ニューカレドニア
2008年開始以来、約104例の患者が発生している。
情報源:Marianas Variety 、3月5日
2008年2月にニューカレドニアで流行宣言が出されたデング熱は、2008年開始以来、約104例の患者が発生している。多くの患者は首都ヌーメア Noumea に集中しており、ほかに多くの感染が発生しているのは、北東部の島 Lifou(Loyalty 諸島と the Isle of Pines(首都Noumea の南)である。
フィリピン(Negros Oriental)
ネグロスオリエンタル州保健当局では、2008年に70%増の患者を記録している。
情報源:GMA News、2月29日
デング対策キャンペーンの強化にもかかわらず、ネグロスオリエンタル州保健当局では、2008年に70%増の患者を記録している。疫学サーベイランス局の記録によると、2008年1月1日-2月26日の間に報告された、デング患者数は174例で、2007年同期は101例であった。これらの患者数は、ドゥマゲテ Dumaguete 市の主要3病院で確定されたデング患者に基づいたものであり、2007年に2例発生したデングによる死者は、2008年には報告されていない。同州で最も多くのデング患者が発生したのは、1998,2001,2005年である。
ベトナム
2008年、約4000人がデング熱に感染し,半数が成人という異例の状況である。
情報源:Thanh Nien News.com、3月1日
2008年、およそ4000人がデング熱に感染した。2007年同期に比べ10%の増加になったと、保健省が発表した。_Anopheles_ mosquitoesによっておこる [間違い] デング熱は、最近では週あたり450例の患者が発生するようになり、南部の特にホーチミン市 Ho Chi Minh City や Tien Giang 省、Ben Tre 省で、特に被害が深刻になっている。患者の半数が成人であり、従来小児が罹患することの多かったこの病気としては、異例の現象である。当局は、2008年の感染流行による患者が10万人におよぶ可能性があると予測している。 [Mod.TY-デングが _Anopheles_ mosquitoes によって起こるとのコメントは誤りである。 Dengue の原因は、4種類のウイルスであり、_Aedes aegypti_ もしくは _Ae. albopictus_ の蚊族により伝播される]
地図 Viet Nam
● 鳥インフルエンザ、ヒト エジプト、WHO
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (34): Egypt, WHO
Archive Number: 20080306.0914
情報源:World Health Organization (WHO) Epidemic and Pandemic Alert and Response (EPR) disease outbreak news 、3月5日
[*FORTH感染症速報・公式情報より]
鳥インフルエンザ流行状況-エジプト更新6
エジプト保健人口省は、新たな H5N1型鳥インフルエンザ Avian influenza ウイルス感染患者1名を発表した。患者は Menofia 地域 Menof 地区出身の11歳の男児である。男児は、2008年2月26日に発症して入院し、3月4日に中央公衆衛生検査機関と NAMRU-3 によって診断確定された。患児は重体が続いている。患児の感染源についての調査の結果、病鳥や死亡した家禽との接触歴が判明した。 エジプトでは、これまでに確定された患者46名中、20名が死亡している。
● 牛肉回収 米国
PRO/AH> Beef recall - USA (06)
Archive Number: 20080306.0915
[1] 大規模施設でケガをしたウシの牛肉の廃棄は相当量に上るかもしれない。
投稿者:米・オクラホマ大学、Timothy Snider, DVM, PhD, DACVP、3月3日
20080229.0823に関して。
[2] 農業省は、2人の連邦食肉検査官(所)の業務を停止した
情報源:The New York Times, Associated Press report、3月1日
史上最大の牛肉回収のあと、農業省は、すくなくとも2人の連邦食肉検査官(所)の業務を停止したと、2008年2月28日に発表した。
● 狂犬病 フランス
PRO/AH/EDR> Rabies, canine - France: Alert
Archive Number: 20080307.0938
情報源:HPA, Health Protection Report Vol. 2 No. 10、3月7日
2008年2月のパリ Paris 郊外で1頭のイヌが狂犬病 Rabies と診断されたことを受け、健康保護局は、(以下に示す) フランスの3つの地方で、最近数週間にイヌとの significant な接触があった人は全て、医療機関を受診し、暴露後接種 post-exposure prophylaxis (PEP) を受けるべきかどうかを相談するよう勧告した。危険地域のイヌに、ある期間 (以下に示す) 内に、咬まれたり、引っかかれたり、粘膜やキズのある皮膚をなめられた人には、低いながら、現在も狂犬病の危険が継続されている。また、当該地域で以前にイヌ咬傷のあった患者らの記録を調べ、PEP が必要であるかを再検討するよう、医療関係者に呼びかけている。現在危険があると考えられているのは、以下の期間と地域である。
- ジェール Gers (オーシュ Auch 市と周辺地域), from 1 Nov 2007
- グランピュイ Grandpuits, セーヌエマルヌ Seine-et-Marne (パリ Paris の南東約30マイル) from 15 Dec 2007
- カルバドス Calvados (リジューLisieux 市と Thury Harcourt 村およびその周辺), from 15 Dec 2007
2008年2月26日に、3頭のイヌの狂犬病がパスツール研究所で診断され、狂犬病ウイルスは、モロッコ由来の genotype 1, African 1 lineage であった。現地当局は、2007年10月25日から、別の 2頭のイヌの関係する、感染の連鎖によるものであることを明らかにした。..以下、3頭のイヌの種や由来など...。これまで、フランスは、陸棲生物において狂犬病清浄国とみなされてきた。フランス政府は、現在もこの状況を変更する予定はない。しかしながら、新たな情報が得られるまで、フランスの発生地域への旅行者は、動物との接触を避け、イヌによる咬傷、擦過傷、なめられる事例があれば、直ちに医療機関を受診するよう、勧告する。
英国・健康保護局 Rabies incidents update
[Mod.CP -...特定地域への旅行者は、注意喚起が解除されるまで、飼育および野良のネコやイヌ、その他の感染する可能性のある動物には近づかないようにすべきである。今回の事例によって、フランスの狂犬病清浄状況がどのように影響されるかに関心がもたれる]
● 小麦の病気、Wheat stem rust, strain Ug99 イラン
PRO/PL> Wheat stem rust, strain Ug99 - Iran: 1st rep, alert
Archive Number: 20080307.0925
[1] Wheat stem rust, strain Ug99 - Iran: 1st report, alert
情報源: United Nations Food and Agricultural Organisation (FAO) Newsroom、3月5日
[2] Wheat stem rust, strain Ug99 - multistate: alert
情報源:The Dawn、3月5日
● アフリカ豚熱(豚コレラ)タンザニア
PRO/AH/EDR> African swine fever - Tanzania
Archive Number: 20080307.0924
情報源:OIE WAHID (World Animal Health Information Database) weekly disease information 2008; 21(10)、3月6日
感染発生時期 2008年2月4日 前回流行時期 2005年1月
原因ウイルス African swine fever virus
新たな感染流行
発生地1 Madizini, Tuliani, Mvomero, Morogoro 感染種 ブタ(1217頭中120頭、死亡117頭)
発生地2 Mabibo, Mwananyamala, Ilala, Dar-Es-Salaam 感染種 ブタ(172頭中87頭、死亡22頭)
感染源 新たな生きた動物の持ち込み
● パンプキンの病気、Squash leaf curl China virus タイ
PRO/PL> Squash leaf curl China virus, pumpkin - Thailand: 1st rep.
Archive Number: 20080306.0921
情報源:British Society for Plant Pathology, New Disease Reports vol. 16 、1月
タイの Yellow leaf curl disease of pumpkin の原因は、_Squash leaf curl China virus_ であった
● ブルータング ヨーロッパ
PRO/AH> Bluetongue - Europe (13): BTV-8, fetal viremia
Archive Number: 20080306.0916
情報源:Institute for Animal Health (IAH), Pirbright, press release 、3月5日
ブルータングウイルスは、冬期間、胎児の中で生き延びている可能性がある