2008年3月27日-4月1日

黄熱 アルゼンチン ペルー
原因不明の疾患 インド、スリランカ、インドネシア

● 黄熱 アルゼンチン,ペルー
PRO/AH/EDR> Yellow fever - South America (20): Argentina, Peru
Archive Number: 20080401.1206
[1] アルゼンチン Argentina (Misiones)
 情報源 EID Updates: Emerging and Reemerging Infectious Diseases, Region of
the Americas 2008; 5(11) 3月31日
3月26日現在,アルゼンチン保健省 the Ministry of Health (Ministerio de Salud de la Nacion / MSAL) of Argentina は,1例の死亡例を含む5例の黄熱 cases of jungle yellow fever (JYF) in the country, including 1 death を確認している。患者はすべて Misiones Province (3 from department of Guarana, 1 from San Pedro, and 1 from El Dorado) で確認された。ワクチン接種活動に関しては、黄熱ワクチン1 415 895 接種回分がすでに全国に配布され、その内の470 000接種回分は Misiones 州に配布された。住民と感染伝播地区から戻った個人を対象とした能動的症候群サーベイランスが実施されている。感染伝播リスクのある地区内では、動物間流行サーベイランスも実施されている。さらに政府、州および自治体の各ベクター駆除チームが対策を講じている。
地図 Argentina showing Misiones province
[2] ペルー Peru
ペルー国内で、森林型黄熱の可能性患者1名が報告された。
 情報源 Bol Epidemiol (Lima) 2008; 17(11) [in Spanish] 3月15日
In epidemiological week (EW) 11 [09-15 Mar 2008], the Regional Directorate
of Health (DIRESA) reported a probable case of sylvatic YF in Peru, in a 24
year old unvaccinated woman who became ill this week. 
患者は 24歳のワクチン未接種の女性で、今週発病した。この女性患者は San Martin department 内の Picota 地区出身である。疫学第 10~11週の間に、黄熱確定患者 2名、可能性患者 4名および死者 3名が報告されている。確定患者2名は死亡した。1例目の22歳女性(ワクチン接種を受けていた)は、Amazonas 州 Nueva 地区 Aguaruna "Nueva Esperanza" 区出身で、第3週に発病した。2例目は San Martin 州 Picota 地区出身の 29歳男性で、第6週に発病した。
[Mod.TY-黄熱ワクチンを接種されていた女性が感染して死亡したことに疑問を抱くだろう。彼女が接種されたワクチンが効力を失っていたか、接種歴が間違っていたとの推測が成り立つ]

● 原因不明の疾患 インド、スリランカ、インドネシア(3件)
インド
PRO/AH/EDR> Undiagnosed fatal illness - India (Uttar Pradesh): RFI
Archive Number: 20080331.1194
 情報源:DDI news India、4月1日
西部 Uttar Pradesh 州で、2日間で合計32名の小児の原因不明の死亡が発生した。ほか多数の入院患者が発生している。100人以上が、ひどい頭痛、発熱、嘔吐を訴え、Meerut, Baghpat, Muzaffarnagar and Garhmukteshwar 各地区の医療施設に運ばれている。Khekra town(Baghpat distric)で14人, Muzaffarnagar で8人、Saharanpur で10人が死亡した。脳炎、髄膜炎、あるいはコレラ感染に似た症状を示している

スリランカ
PRO/AH/EDR> Undiagnosed deaths - Sri Lanka (North Central): RFI
Archive Number: 20080328.1154
 情報源:The Mirror、3月27日
原因不明の病気で4人が死亡
2007年3月17日の週、4人が原因不明のまま病院で死亡した。Anuradhapura 病院関係者は、ウイルス性疾患に対する検査を行なっていることを明らかにした。Welioya, Maradankadawala および Galnewa からの、男性3人と女性1人が、連続した3日間に多臓器不全のため死亡した。兵士数人が同じ病院に入院し、医師らは同じ疾患によるとの疑いを持っている。検査のため、死亡した患者の肺や心臓の検体が採取されている。 
[Mod.MP- Anuradhapura Teaching Hospita lは the North Central の主要病院であり、スリランカで3番目に大きい病院である。周辺地域を含め130万人以上が暮らし、周囲の医療設備はやや貧弱である。... 2005年にスリランカ・ウバ Uva 州 Badulla and Monaragala 地区の、原因不明の心筋症/心筋炎が ProMED に相次いで報告された。のちにデング熱の心臓症状であることが判明した]

インドネシア
PRO> Undiagnosed respiratory disease - Indonesia (02): (Papua)
Archive Number: 20080327.1148
 投稿者:インドネシア、Michael J. Bangs, PhD 、3月27日
20080326.1129 に対して。
インドネシア・パプア Papua Province (旧イリアンジャヤ Irian Jaya) 州の高地、Pegunungan Bintang ("Star Mountains") regency はかなり辺鄙な場所であるため、死亡を伴う下痢や呼吸器疾患の断片的・詳細不明な報告が届くことは珍しいことではない。通常と異なる点は、全国的なメディアが報じたことである。... 現地の状況の解説。

● ウイルス性結膜炎 ケイマン諸島
PRO/EDR> Viral conjunctivitis - Cayman Islands
Archive Number: 20080401.1208
 情報源 Cayman Net News 4月1日
公衆衛生当局は、ケイマン Cayman Islands で "pink eye" と呼ばれる疾患の流行の拡大を防止するための勧告を出した。Pink eye、すなわちウイルス性結膜炎 Viral conjunctivitis は、非常に感染力の強い疾患で、アデノウイルス adenovirus が原因である。ケイマン諸島に土着感染し、ときに流行のレベルとなることもある。.. 感染は、咳、くしゃみなどの飛沫感染や、涙液や粘液などに直接触れても成立する。
[Mod.CP- ウイルス性結膜炎は世界中どこででも散発的に発生するが、東半球や熱帯・亜熱帯地域で、主に1年の後半に発生することが多い。(気候その他の)流行発生に寄与する要因はわかっていない。ウイルス性結膜炎の原因については以前の投稿で議論されている。流行性角結膜炎や流行性出血性結膜炎は自然治癒傾向があり、enterovirus 70, coxsackievirus A24, and human adenovirus types 8, 11, 19, and 37 など複数の種類の異なるウイルスによって発症する。急性出血性結膜炎は adenovirus 11と特異的に関連する。ケイマン諸島の感染流行はアデノウイルスによるものとされているが、確認が必要である]

● 麻疹 米国、フランス(2件)
米国
PRO/EDR> Measles - USA (02): (AZ)
Archive Number: 20080401.1207
 情報源 KAVO Tucson News 4 3月31日
Confirmed cases of measles in Pima County

Pima 郡の衛生当局が域内で9人の活動性の麻疹症例を確認したことにより、麻疹感染流行に対する不安は続いている。感染伝播は地域や病院などの医療の場でも拡がる可能性があると当局は見ている。このため、もし麻疹に感染したと思ったら、受診する前に医師に相談すべきである。さもなくば、あなた自身が感染のリスクを拡げることになってしまうからである。麻疹感染の合併症は、耳の感染から脳炎まで幅広く、麻疹に感染した小児 1000人のうち 1-2人が死亡する。麻疹を発症した妊婦は、流早産や低出生体重児を出産するリスクが増す。
[Mod.CP-この感染流行は、2008年2月12および13日に救急受診した、スイスへの旅行者に端を発した以前の症例に関連がある。2例目の患者は同じ救急室にいて、後に麻疹と診断された。この報告は、医療機関で感染した可能性のある7例が確認されたことを示している。この感染流行の速さは、過去の麻疹ワクチンの効果が減弱した人の数を表しており、現在、麻疹感染のリスクが存在する]

フランス
PRO/EDR> Measles - France: (Marne)
Archive Number: 20080328.1165
2008年1-3月、ランスReims地方の麻疹感染流行
 情報源:Eurosurveillance edition 2008 > Volume 13 / Issue13、3月27日

● デング熱/デング出血熱
PRO/EDR> Dengue/DHF update 2008 (13)
Archive Number: 20080401.1198
[1] マレーシア Malaysia (Selangor)
 情報源:Malaysia Star、3月31日
Selangor 州では、毎日平均してデング熱 Dengue 患者40名以上が報告されている。同州では年初から3月29日までに、デング熱患者3743名が報告された。内193名はデング出血熱患者であった。同感染症が原因と疑われる死者数は10名となっている。
[2] マレーシア (全国)
 情報源:NST Online、3月26日
3月16~22日にかけて、デング熱による死者3名が記録された。一方、政府当局者は3月第3週(573名)は、第2週(643名)に比較して報告患者数が減少したとしている。全国から報告された患者3318名中55.3%が6州/地域 (Selangor, Kelantan, Malacca, Negri Sembilan, Terengganu and the federal territory of Labuan) から報告された。
[3] フィリピン (Ilocos)
 情報源:ABS CBN、3月26日
Ilocos Norte 地区で今年これまでに記録されたデング熱患者数は、死者2名を含めすでに90名に達した。これは2007年第一四半期に記録された患者数の3倍である。Batac 市が最も多くの患者数27名を報告し、患者12名の Laoag 市がそれに次いでいる。
[4] スリランカ
 情報源:Sunday Times Onlie、3月30日
政府当局は、豪雨とそれによる洪水のために、北部戦闘地域でデング熱およびチクングニア熱が兵士の間に流行していると発表した。
[Mod.TY- 感染流行の原因ウイルスは、"ほぼチクングニア” となっている。おそらくデングウイルスを指すものと思われる。同じヤブカ Aedes の蚊族によって伝播されるため、同じ場所で同時にチクングニアとデングの両ウイルスが伝播していると考えられる。確定情報の提供を期待する。20080328.1154 では、2008年3月17日の週にこの地域で4人が死亡したと伝えている。同時に死亡に関係しない感染流行が、現地の兵士間で発生していた。死因は特定されていないが、2005年にも同地域のデング感染流行で、心臓の症状によるデング熱患者の死亡の報告がなされている]
関連項目 20080330.1185
地図 Sri Lanka 
[5] ドイツ、モルジブからの輸入例
 投稿者:独・Gerhard Dobler、3月26日
モルジブに10日間滞在後ドイツに帰国した49歳男性旅行者が、帰国した翌日に (3月21日)、発熱39.7℃、頭痛、筋肉痛を発症した。患者は救急外来を受診しオセルタミビルで治療されたが、歯肉出血、白血球減少症、血小板減少症を呈したため、3月25日にミュンヘン大学熱帯医学科に照会された。Bundeswehr Institute of Microbiology でのリアルタイム RT-PCR検査で、デングウイルス陽性、チクングニアウイルス陰性となった。デングウイルスの亜型分類が進行中である。
地図 Maldives in the Indian Ocean
[6] ニューカレドニア
 情報源:Pacific Magazine、3月31日
同地域政府は3月28日に、年初以来のデング熱患者数が少なくとも263名となり、同感染症の状況は現在も増悪していると発表した。現地メディアは、デング熱発生は 2008年2月に公式に宣言された。報告された患者の大部分は首都ヌーメア Noumea とその広域圏に集中している。今回の流行が2月初旬に発生して以来、患者数は着実に増加している;3月初旬に72名であったものが、中旬には165名に、3月20日には215名を上回った。ニューカレドニアでの前回の流行は2003年に発生し、死者20名が発生した。
地図 Oceania showing the location of New Caledonia
[7] ペルー
 情報源:Bol. Epidemiol. (Lima) 17 (11), 2008[in Spanish]、3月9日
ペルー国内のデング熱疫学情報、疫学第11週。 当局 (DIRESA) は疫学第11週中に、デング熱患者216名を報告した。その内の 85%は Loreto (49 percent) Lambayeque (16 percent), Ucayali (8 percent), Amazon (7 percent).および Luciano Castillo (5 percent) から報告された。これまでに 14保健区当局が、デング熱確定患者を報告している。
地図 Peru
[8] ブラジル (Amazonas)
 情報源:Portal Amazon [in Portuguese]、3月14日
2008年これまでに、デング出血熱による小児2名が死亡した。詳細は調査中である。(情報源は、Foundation for Surveillance in Health (SVM) の議長である)。これは2007年の年間死者数と同数である。
[Mod.JW-マナウス Manaus において、4型デングウイルス (DEN-4) が感染循環しているとの報告に対して、ブラジルのウイルス学者が以下のようなコメントを寄せている:DEN-4 ウイルスに対する免疫が全くない集団で、このウイルスが大流行を起こしていないことや、2007年10月以降新たな感染が確認されていないことは極めて不可解である。加えて、国立委託検査機関である the Institute Evandro Chagas and Fiocruz [Oswaldo Cruz Foundation] において、検査された検体において、DEN-4 が確認されたこともない]
[Mod.TY-ブラジル保健省サーベイランス当局者は、3月28日、公式に、ブラジルへの DEN-4 ウイルス導入との報告を否定した。懸案のウイルスは DEN-3であって、DEN-4ではなかった。しかし、ベネズエラ、エクアドル、ホンジュラスなどの隣国での感染循環のある DEN-4 の、ブラジルへの侵入は不可避であると捉えているとも述べている。] 
地図 Brazil showing the states including Amazonas
[9] ブラジル (Rio de Janeiro)
 情報源:Globo.com [in Portuguese]、3月29日
7歳小児が、Rio de Janeiro 州での55例目のデング熱死亡患者となった可能性がある。死亡患者は3月29日に発生した。今回の流行は、2007年半ばに発生して以来続いている。
[10] ブラジル (national)
 情報源:EER Noticias [in Spanish]、3月26日
2008年1月1日から現在までに、ブラジル保健当局は、死者34名を含むデング出血熱患者406名を報告した。2007年同期と比較して、複数の州でデング熱患者数が著名に増加している、すなわち、Amazonas (9.8 倍増), Rondonia (5.3倍増), Sergipe (4.7倍増), Bahia (3.4倍増), Rio Grande do Norte (2.8倍増), Para (2.5倍増) および Rio de Janeiro (2.2倍増)。Rio de Janeiro 州は全国のデング熱患者総数の38%に相当する32,615名を報告した。その内245名がデング出血熱患者であった。245名がデング出血熱患者であった。死亡患者については、小児が占める割合が高い (50%以上)。

● 鳥インフルエンザ、ヒト インドネシア
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (40): Indonesia
Archive Number: 20080331.1193
 情報源:Reuters Nes 、3月31日
インドネシア人 2名が鳥インフルエンザ Avian influenza により死亡したと、2008年3月31日に保健省が発表し、国内でのウイルス感染が確認された死者は 107人となった。
Subang(West Java)の 15才の少年は、2008年3月26日に死亡した。地域ではニワトリの死亡が発生していた。
Bekasi(Jakarta の東) の11歳の少女は、28日に死亡し、同じく鳥インフルエンザウイルスが陽性となった。少年の自宅付近ではニワトリの死亡があったが、少女に関しては明らかではない。
少年の兄弟も最近死亡しており、家族内にさらに鳥インフルエンザ感染が発生している可能性がある。Subang では小集積は発生していないと当局者は述べ、兄弟の死亡はデング熱によるものと説明している。24日、Sumatra's Bukit Tinggi の22歳の女性の鳥インフルエンザの検査が陽性となり、庭先養鶏について調査が行われている。女性の容態は改善していると説明された。
この最新の死亡例を含め、インドネシア国内では132例の鳥インフルエンザウイルス感染が確定されている。
[Mod.CP-これら3例の新たな H5N1型鳥インフルエンザ感染症例により、インドネシア国内の患者は合計 132例となり、死者107例である。新たな3例はいずれも関連性がない。各々 Subang (West Java), the Jakarta area and in Sumatra で発生している。患者の1人の兄弟の死亡は、デング熱によるものと確認されており、小集積の可能性は否定されている]

● サルモネラ感染症 米国
PRO/AH/EDR> Salmonellosis, municipal water supply - USA (03): (CO)
Archive Number: 20080331.1192
[1] 2008年3月31日より、学校再開
 情報源:KJCT 8、3月30日
[2] 上水道を汚染した同じ菌が、鳥類、シカなどで確認された
 情報源:Associated Press、3月28日

● コレラ、下痢症、赤痢
PRO/EDR> Cholera, diarrhea & dysentery update 2008 (19)
Archive Number: 20080331.1191
[1] コレラ- ナミビア Namibia (Ohangwena)
 情報源:AllAfrica & New Era (Windhoek) 3月31日
Engela State 病院でコレラ Cholera により3人が死亡し、ほか 727人の感染が疑われている。16人のコレラ感染が確定された。
地図 Namibia showing the province of Ohangwena in the north
[2] コレラ - ケニア Keniya (Nyanza, Western provinces)
 情報源:AllAfrica & The East African Standard (Nairobi)、3月31日
2008年1月以来、Nyanza 州で 39人がコレラにより死亡した。450人以上が受診したと報告されている。
[3] コレラ - ナイジェリア Nigeria (Benue)
 情報源:Agence France-Presse (AFP)、3月30日
中央部 Benue 州で、この数週間におよそ 50人がコレラのため死亡したと、2008年3月30日に保健当局者が述べた。
[4] コレラ - アンゴラ Angola (Huila)
 情報源:AllAfrica & Angola Press Agency (Luanda)、3月30日
首都 Lubango 市から45km離れた Chibia locality(Huila province 南部)で、2008年の第1四半期の間に、116人以上のコレラ感染患者が報告されている。死者は発生していない。
[5] コレラ - マラウイ Malawi (Blantyre)
 情報源:AllAfrica & Inter Press Service (Johannesburg)
2008年初から、マラウイ南部 Blantyre の周辺地域で、8人以上のコレラ感染流行による死者が発生している。3週間で291人の患者が報告された。
[6] コレラ- モザンビーク Mozanbiq (Nampula)
 情報源:Angola Press 、3月29日
2008年3月22日以来の、北部 Nampul 州の州都 Nampula 市のコレラ感染流行で、29人がコレラ感染と診断されているが、これまでのところ死亡の報告は受けていない。
[7] 下痢症, コレラ - ベトナム Vietnam (north)
 情報源:VietNamNet、3月27日
2008年3月27日、保健省は、新たに北部の2つの省(Bac Ninh and Bac Kan)の急性下痢症患者を報告し、発生地域は5カ所となった。生野菜、エビペースト、血のプディングの摂食によるものである。
[8] 赤痢 -パプアニューギニア (Morobe)
 情報源:Radio New Zealand International 、3月27日
PNG の辺境の Morobe Province で、赤痢により5人が死亡した。

● ムンプス オーストラリア、モルドバ(2件)
オーストラリア
PRO/EDR> Mumps - Australia: (WA)
Archive Number: 20080331.1190
 情報源:WA News thewest.com.au 、3月31日
ノーザンテリトリーのムンプス感染流行、西オーストラリア州に拡大
ムンプス感染流行は、Northern Territory (NT) から Western Australia (WA) へと拡大した。2008年のこれまでに、通常の 10倍の患者数が発生している。2007年の4例、2006年の6例と比較して、2008年の2月中旬までに46例の患者が発生している

モルドバ
PRO/EDR> Mumps - Moldova, Pridnestrovye (04)
Archive Number: 20080330.1183
 情報源:NR2 News Agency [trans.]、3月26日
Novokomissarovka 村(Dubosar district of Pridnestrovye)の学生らの間で、ムンプス Mumps 感染流行が報告されている。同時に3人の小児の感染が確認され、うち1人に合併症が発生している。潜伏期間は23日間とされているため、学校が閉鎖されている

PRO/EDR> Mumps - Moldova, Pridnestrovye (03)
Archive Number: 20080328.1167
 情報源:Eurosurveillance edition 2008 > Volume 13 / Issue13、3月27日
 [*FORTH感染症速報・公式情報より]
序論:モルドバ共和国は全国的なムンプス流行に見舞われており、2008年3月23日時点で、報告された患者数は19,550名に上っている。今回の流行は2007年10月に開始され、その一月中に患者105名が報告されたが、2007年1月から9月の月平均患者数は24名に過ぎなかった。2007年10月1日から12月31日の間には、患者1,524名が報告された。

● チクングニア スリランカ
PRO/EDR> Chikungunya (10): Sri Lanka
Archive Number: 20080330.1185
 情報源:Sunday Times Online、3月30日
北部の戦闘地域で、豪雨と洪水による、兵士におけるデングおよびチクングニア熱 Chikungunya 感染流行の可能性が発生している

● ウエストナイルウイルス 米国
PRO/AH/EDR> West Nile virus update 2008 - Western Hemisphere (03)
Archive Number: 20080329.1171
 情報源:Maricopa [Arizona] County Public Health news release、3月26日
2008年のアリゾナ Arizona 州のウエストナイルウイルス West Nile virus 感染の開始は、非常に早い時期からとなった。2008年3月26日に州当局は、Southeast Valley の 60代の男性1名が、Maricopa County では今シーズン初の WNV 感染患者であることを確認した。男性は現在回復している。
[Mod.TY- 2008年の全米初の WNV 感染患者の報告である。カリフォルニアの野鳥で感染伝播が報告されており、今回アリゾナ州からの報告となった。明らかに WNV の感染伝播は開始しており、48州のウマの所有者は速やかにワクチン接種を行なうべきである]

● 食中毒、セレウス菌 オーストラリア
PRO/EDR> Food poisoning, _Bacillus cereus_ - Australia: NSW (Sydney)
Archive Number: 20080328.1164
 情報源: The Sydney Morning Herald、3月27日
82歳の退役軍人が死亡したのは、本日の魚料理 the fish of the day が原因ではなく、シドニーの Pymble にある、高級レストラン Tables restaurant で妻とともに夕食をとった12時間後に死亡した。午後9時半に Pacific Highway restaurant を出てから、1時間以内にひどい嘔吐と下痢が始まった。
州当局の調査で、アスパラガスクリームからセレウス菌 _Bacillus cereus_ が検出され、the fish of the day(フエダイ snapper)を注文したのは、死亡した男性のほかに14人いた。

● ダイオキシン イタリア、モッツァレラチーズ
PRO/AH/EDR> Dioxin, buffalo mozzarella cheese - Italy: (Campania)
Archive Number: 20080327.1146
[1] イタリア産モッツァレラチーズ、警察が捜査開始
 情報源:Reuters Health / El Economista、3月21日
イタリア最大 (最上) のモッツァレラチーズ生産者は、2008年3月21日、警察によって、製品の一部が、発がん性のあるダイオキシン dioxin を含むミルクで作られていたことが判明し、対応に苦慮している。Naples 近郊の警察当局は、同チーズの最良の原料とされるバッファローに、与えられたエサの汚染の有無を調査している。違法なゴミ廃棄業に関与するギャングの仕業と見られている。...
[2] イタリア政府、モッツァレラ騒動で83の農場を封鎖
 情報源:The Guardian, Reuters report、3月26日
[3] イタリア政府、EUに汚染されたモッツァレラは輸出していないと報告
 情報源:Reuters 、3月27日。 原文参照願います。

● ダニ熱、ウシ ニューカレドニア,オーストラリア(3件)
 情報源:OIE WAHID (World Animal Health Information Database) Disease Information 2008; 21(14) 、3月31日

PRO/AH/EDR> Tick fever, bovine - Australia: (NSW), babesiosis
Archive Number: 20080401.1201
 情報源:ABC.net Australia、3月31日

PRO/AH/EDR> Tick fever, bovine - New Caledonia ex Australia (03)
Archive Number: 20080330.1184
 情報源:Pacific Magazine、3月21日
2008年3月20日、ニューカレドニアおよびオーストラリアの専門家らは、2007年11月にオーストラリア産のウシにより持ち込まれたダニ熱感染拡大防止に、共同で取り組むことで合意したと発表した

● 炭疽 英国, 紅茶
PRO/AH> Anthrax - UK: (Wales), tea
Archive Number: 20080401.1203
 情報源:Western Mail、3月14日

● Rabbit calicivirus,ウサギ ニュージーランド
PRO/AH/EDR> Rabbit calicivirus, domestic rabbits - New Zealand
Archive Number: 20080401.1202
 情報源:Feilding Herald、3月27日
Feilding petsにウサギの病気発生

● 原因不明の死亡、ウシ 米国
PRO/AH/EDR> Undiagnosed deaths, bovine - USA (WI): RFI
Archive Number: 20080401.1200
 情報源:Chippewa Herald、3月25日
Bloomer 農場でウシの病死発生

● 狂犬病、ウシ 米国
PRO/AH/EDR> Rabies, bovine - USA (WV)
Archive Number: 20080401.1199
 情報源:DailyMail.com、3月29日
Hampshire 郡で、2頭のウシの狂犬病 Rabies の検査が陽性となったことを受け、農場が隔離されている。合計6人も狂犬病感染予防の治療を受けている。3頭のウシが死亡しているが、1頭目は狂犬病の検査が行なわれていなかった。2008年3月28日、群れの残りの 85頭は狂犬病との関連が除外されるまで、出荷することが禁止された。

● White-nose syndrome, コウモリ 米国
PRO/AH/EDR> White-nose syndrome, bats - USA (06): (Northeast)
Archive Number: 20080331.1195
 情報源:The Day、3月29日

● トウモロコシ、豆類の病気,原因不明 アンゴラ
PRO/PL> Undiagnosed diseases, maize & bean - Angola: (BE), RFI
Archive Number: 20080331.1186
 情報源:Angola Press Agency、3月18日
5haの耕地、病気により壊滅的被害

● サトウキビの病気 インド
PRO/PL> Leaf scald, sugarcane - India
Archive Number: 20080331.1188
[1] Leaf scald, sugarcane - spread
 情報源:Coimbatore Live、3月25日
[2] Sugarcane diseases - need for resistant varieties
 情報源:Chennai Online、3月25日

● Myxozoa, 鳥類 米国
PRO/AH/EDR> Myxozoa, avian - USA (OR)
Archive Number: 20080330.1180
[1] 魚類の寄生虫、アヒルに蔓延
 情報源:Statesman Journal、3月24日
通常、魚類に感染する寄生虫である、Myxozoa (MIX-o-ZO-ah) には、whirling disease の原因となるものも含まれているが、事実上魚類だけに感染する寄生虫であったが、はじめて温血動物-特にアヒル-に感染し、しばしば死亡の原因となっていることが確認された。....
[2] 投稿者:Jerri Bartholomew、3月27日
(世界の他の地域でも発生があるのかとの問いに) 知りうる限りでは、現地のみであるが、各地に拡大している現状からすると、地域に限定されているとは考えにくいとの回答があった

● Murray Valley 脳炎ウイルス オーストラリア
PRO/AH/EDR> Murray Valley enceph. virus - Australia (02): (VIC), alert
Archive Number: 20080329.1173
 情報源:Herald Sun online、3月29日
蚊族が媒介する致死性疾患が、北部ビクトリア Victoria 州で30年ぶりに発見された。 Kerang の住民に対して、蚊族による刺咬を避けるよう、当局は呼びかけている。Murray Valley encephalitis virus が確認されたのは、同疾患の監視用に飼育されているニワトリで、ヒトでの疾患の可能性は低いとされている。
地図 Australia showing the location of Victoria

● トリコモナス症、ネコ スイス
PRO/AH/EDR> Trichomonosis, feline - Switzerland
Archive Number: 20080329.1172
 投稿者:スイス・Bruno Gottstein、3月26日
_Tritrichomonas foetus_ 感染症は、ウシにおいて、届出義務のある寄生虫感染症である。スイスでは、1997年の輸入されたウシ以来、過去10年間以上発生がなかった。ウシでは、交尾により感染が伝播し、不妊の原因となる。雄牛では無症状で感染は持続する。このため、人工授精のためのウシは、PCR法による検査などの検疫措置が必要となる。
ネコにおいて、_T. foetus_ は慢性下痢をおこすことが、米国や英国から報告された。2007年7月から2008年3月にかけて、獣医院とベルン大学は61匹の下痢のある国内のネコを調べたところ、12匹に_Tritrichomonas foetus_ が確認された。

● ブルータング イタリア
PRO/AH/EDR> Bluetongue - Europe (16): BTV-8, Italy, OIE
Archive Number: 20080328.1168
 情報源:OIE WAHID Weekly Disease Information 2008 21(14)、3月28日
感染開始時期 2008年3月11日、新たな株の発生
原因ウイルス Bluetongue virus、Serotype: 8
新たな感染流行
発生地 Verona, Isola della Scala, VENETO
感染種 ウシ(139頭中4頭、農場)

● 鳥インフルエンザ スイス、東南アジア(2件)
PRO/AH/EDR> Avian influenza (53): Switzerland
Archive Number: 20080328.1153
 情報源:IOL (Independent Online, South Africa)、3月27日
2008年3月27日、スイスから2年ぶりとなる鳥インフルエンザ Avian influenza が報告された。スイス政府獣医学当局は、やしのカモ1羽の H5N1ウイルスが診断されたと報告した。ルツェルン Lucerne 近郊の Lake Sempach の野ガモ1羽で、定期的なサンプル検査中にウイルスが確認された。このカモは症状を示しておらず、2007年の欧州のウイルス株とほぼ同じものであった

PRO/AH> Avian influenza (52): South East Asia, epidemiology
Archive Number: 20080327.1149
[1] 情報源: Proceedings of the National Academy of Sciences (PNAS)、3月24日
[Reference: M Gilbert, Xiao X, DU Pfeiffer, et al: Mapping H5N1 highly pathogenic avian influenza risk in Southeast Asia. PNAS, 25 Mar 2008; 105(12): 4769-4774. Epub 24 Mar 2008]
[2] a less technical version (やや平易なバージョン)
 情報源: Agence France-Press 、3月26日

● ブドウの病気 米国:新たな株
PRO/PL> Mildews, grapevine - USA: new strains
Archive Number: 20080327.1152
[1] Mildews, grapevine - new strains
 情報源:News-Democrat & Leader、3月25日
ブドウのべと病 downy mildew やうどんこ病 powdery mildew の原因となる真菌が、strobilurin (抗真菌薬) に対し耐性を獲得していると報告された。"QoI (quinone outside inhibitors) resistance of _Plasmopara viticola_ and _Erysiphe necator_ in the mid-Atlantic United States." の題名で、オンラインの Plant Management Network (PMN) に掲載された。2005年と2006年の、Virginia, Maryland, Pennsylvania, and North Carolina のぶどう園から採取されたサンプルのうち、75%のべと病と 90%以上のうどんこ病が、strobilurin に耐性であった。...
[2] 論文の要約
 情報源:Plant Management Network、2月
[Reference: A Baudoin et al: QoI resistance of _Plasmopara viticola_ and _Erysiphe necator_ in the mid-Atlantic United States. Plant Health Progress, doi:10.1094/PHP-2008-0211-02-RS]

● 感染性サケ貧血 チリ 
PRO/AH/EDR> Infectious salmon anemia - Chile
Archive Number: 20080327.1151
 情報源:The New York Times、3月27日
感染性サケ貧血症 infectious salmon anemia, or ISA と呼ばれているウイルスの1種により、日本、ヨーロッパ、米国向けに輸出される予定の数百万匹のサケが死亡している。チリ第3の輸出産業を脅かしている。

● 炭疽 アルゼンチン,南アフリカ(2件)
PRO/AH/EDR> Anthrax, bovine - Argentina: (Cordoba)
Archive Number: 20080327.1150
 投稿者:アルゼンチン、Dr Ramon Noseda、3月26日
農村部の炭疽感染:Cordoba (Villa Maria, La Playosa)
感染があった群れは、200頭の乳牛からなり、2008年3月初めに時を変えて2頭が突然死亡した。23日にも新たに1頭がが死亡した。中手骨 metacarpus が骨髄培養のために検査機関に送付され、炭疽菌 _Bacillus anthracis_ が分離されている。

PRO/AH/EDR> Anthrax, livestock, wildlife - South Africa: (Northern Cape)
Archive Number: 20080327.1147
 情報源:IOL (Independent Online, South Africa), South African Press Association (Sapa) report、3月26日
Northern Cape の農業当局は、州内の炭疽感染流行対策のため、Kruger National Park からの専門家を招請したと、2008年3月26日に報じられた。Kimberley から 100km 離れた Campbell 地域の野生動物と家畜に感染が発生している

● ウエストナイルウイルス 米国、鳥類
PRO/AH/EDR> West Nile virus update 2008 - Western Hemisphere (02)
Archive Number: 20080327.1144
[1] 米国: California (San Diego County)
 情報源:KPBS、3月24日
サンディエゴ郡において、ウエストナイルウイルス WNV の感染により死亡する鳥類の数が増加している。かつてない早い時期の発生である。2008年1月に Escondidoでred-tailed hawk の WNV 感染が確認されて以来、少なくとも 5羽の鳥類の感染が確認されている。... 2007年、同郡では15人が WNV に感染している。2007年の州全体では、380人が感染し、20人が死亡した。
[2] 米国: California (Kearn County)
 情報源:The Bakersfield Californian、3月25日
Bakersfield において、1羽の鳥類が WNV に感染した。2007年に比べ 2ヶ月も早い感染発生である。

● ジステンパー、スカンク 米国
PRO/AH/EDR> Distemper, skunks - USA: (CA), susp.
Archive Number: 20080327.1138
 情報源:Redding.com、3月26日