ツツガムシ病 台湾
原因不明の呼吸器疾患 インドネシア
● ツツガムシ病 台湾
PRO/AH/EDR> Scrub typhus, fatal - Taiwan
Archive Number: 20080326.1133
情報源:The China Post 、3月26日
2008年、台湾では 61例のツツガムシ病 Scrub typhus の報告があり、うち1例は死亡したと、2008年3月25日に保健省当局者が発表した。台湾 CDC 副部長は、2008年は4月4日にあたる、墓掃除のために農村部を訪れる Tombsweeping Day の期間は、特に注意するよう呼びかけている。デング熱、腸チフス、赤痢などの感染症が増えており、毎年300-400人の[おそらくツツガムシの]確定患者が報告されているが、一般にはあまり関心が持たれていない。...
死亡したのは台湾南部在住の36才の男性で、典型的なツツガムシ病の症状を示しておらず、アウトドア活動もせず、職場にネズミもいなかった。ネズミはツツガムシ病の保有宿主である。2008年2月24日にこの男性は発病し、3月1日に受診したが、11日に多臓器不全により死亡した。
2008年には、このほかにもツツガムシ病の集団発生があり、1月の南部高雄郡 Shanmin 村の外国学校の生徒と保護者の例も含まれている。現地では、7例の感染疑い例の報告があり、このうち5例が後にツツガムシ病と確定診断された。ツツガムシ病は、heavy scrub 地域に多い、数種のダニの1種の chiggers ツツガムシの刺咬により感染伝播される。症状として、発熱、頭痛、筋肉痛、咳、胃腸障害などがある。より病原性の強い株では、出血や血管内凝固が起こることもある。
● 原因不明の呼吸器疾患 インドネシア
PRO/EDR> Undiagnosed respiratory disease - Indonesia (Papua): RFI
Archive Number: 20080326.1129
情報源:The Jakarta Post、3月26日
2008年1月以来、Pegunungan Bintang regency (Papua) の 4つの村で、少なくとも23人が急性呼吸器感染により死亡したと、現地医療当局が報告した。3月24日、当局の責任者は、異常事態ではなく、4つの村の医療スタッフにより医療が提供されていると説明した。発生しているのは、Okteneng, Kaeb, Kokiabakon and Bakonaib (Kiwirok district) で、パプア州中央部山岳地帯において、呼吸器病は主な健康上の問題となっている。その理由の1つとして、寒さのため、人々は焚き火近くの "honai" 住居で眠ることがあり、煙にさらされる事になる [honai は木や棒とわらで作る小屋のこと]。...
[Mod.CP-患者状態や年齢などの詳細状況がなく、住民らに発生した急性呼吸器疾患の候補を挙げることは困難である。住環境の悪さ、寒い夜、煙の吸入などは、様々な呼吸器感染源への感染の可能性を高め、H5N1型鳥インフルエンザも例外ではない]
● 日本脳炎 米国、ベトナム/カンボジアから
PRO/AH/EDR> Japanese encephalitis - USA ex Viet Nam/Cambodia
Archive Number: 20080326.1126
情報源:The Olympian Online、3月23日
2008年1月、父や兄とともにベトナムとカンボジアを旅行した9歳の少年は、WNV に似た日本脳炎 Japanese encephalitis [JE] に感染していた蚊族の刺咬をうけ、2週間後に食欲不振と高熱を発症したと、シアトル Seattle に住む父親が説明した。会話不能、振戦、起座不能が見られたが、現在回復している。...
CDC は旅行者に対して、地域ごとに異なる感染伝播のシーズンに、農村部に1ヶ月以上滞在する場合、日本脳炎のワクチンを接種するよう勧めている。感染期のリスクは 5000対1である。父親は日本脳炎について知っていたが、ワクチンが高価であり、2ヶ月前から開始しなければならないが、旅行を計画したのは1ヶ月足らず前であった。少年はこのほかの3種類のワクチンを接種されていた。賭けだったと父親は述べた。少年は、回復に 6-12ヶ月を要し、しかも完全には元に戻らない。少年が発症したとき、家族はタイの病院まで空路で緊急移送した。先週、看護師と医師に付き添われ、ワシントン Washington 州に戻った。タイでの6週間の入院費用は4万米ドルで、半額は旅行保険でカバーされた。
[Mod.TY-JEウイルスは、セントルイス脳炎やウエストナイルウイルスなどと類縁のフラビウイルス flavivirus の1種で、アジアの脳炎の主要病因となっていて、年間 1-5万例が報告されている。蚊族の _Culex tritaeniorhynchus_ や野鳥により、東南アジアに土着感染している。Ardeid wading birds やブタは、増殖性の脊椎動物の宿主である。風土病感染地域におけるヒトでの発生は、人口10万対1-10例である。15歳以下の小児は、最大の脳炎のリスクをもつ。米国など西側諸国からの旅行者が感染して脳炎を発症することはまれである。1981年以来、米国民11人と西側諸国の国民 13人が JEウイルスによる脳炎を発症した]
● 黄熱 パラグアイ
PRO/AH/EDR> Yellow fever - South America (19): Paraguay
Archive Number: 20080326.1136
情報源 Relief Web 2008年3月19日
3月6日,調査中の複数の発熱患者の中に 4例の黄熱が疑われる患者 4 suspected [yellow fever, YF] cases が含まれていると,地域当局 the department of Neembucu が the Centre of Inter-institutional Operations (Centro de Operaciones Interinstitucionales - COI) に報告した
● ノロウイルス 米国、英国
PRO/EDR> Norovirus: USA (NY), UK (Scotland), susp.
Archive Number: 20080326.1130
[1] Waterpark - 米国 (NY), norovirus suspected
情報源:The Post-Star,PostStar.com、3月21日
週末の Great Escape Lodge & Indoor Waterpark で発生した胃腸炎感染流行の原因を、衛生当局は特定できていないが、患者の数は 200人近くに増加している。当局はノロウイルス norovirus が原因であると見ているが、検査の結果はでていない。
[2] Company HQ - 英国 (Scotland) - norovirus suspected
情報源:The Press and Journal online、3月22日
Marathon Oil UK 社は、100人が発病した原因不明の感染源の調査を行っている。2008年3月22日、この石油会社の社北東本部が閉鎖に追い込まれた原因が判明することになっている。
● マラリア ロシア
PRO/EDR> Malaria - Russia: (Moscow), RFI
Archive Number: 20080326.1127
情報源:IA Delocaya nedalya [trans.]、3月20日
2007年、モスクワの water bodies(水溶液、水質調査の検体) の 63%にマラリア Malaria 蚊族の幼生 (ボウフラ) が混入していた。Rospotrebnadzor 当局は、ボウフラに関する特別な記録を行っており、その結果によると、722の検体中541検体にボウフラが混入しており、461検体 (63%)はマラリアを媒介する蚊族のボウフラであった。
2007年上半期、モスクワでは17例のマラリア感染が報告され、ロシア国内最多であった。2006年は46例、2005年は60例であった。それまでとは異なり、2006年のマラリア感染症例の多く(52.4%)は熱帯型であった。ロシア国内全体で公式に登録されたマラリア患者数は143例で、2005年より28.5%少なかった。... モスクワでは毎年、温暖化の影響で、三日熱マラリアが発生している。...
主な蚊族対策は、水の清浄化とボウフラを食べる魚を放すことである。モスクワの熱帯熱マラリアは輸入例で、以前は外国人留学生により持ち込まれていたが、現在は多数のアゼルバイジャンやタジキスタンからの不法移民が、自国から熱帯熱マラリアを持ち込んでいる。
[Mod.EP-どのくらい感染があり、輸入例がどのくらいであるのかはっきりしないため、モスクワのマラリア報告患者数を解釈するのは困難である。WHOの欧州地域事務局からのデータによると、2006年、ロシア連邦では 11例の自国内発生があった。2005年は40例、2004年0例、2003年72例、2002年139例となっている。ロシア連邦の輸入マラリア感染例の報告数は、132in 2006, 165 in 2005, 382 in 2004, 461 in 2003 and 503 in 2002となっている。輸入感染患者からの熱帯熱マラリアの自国内での感染伝播の可能性はあるが、冬期の寒冷気候により、モスクワで熱帯熱マラリア _P. falciparum_ が土着感染することはない。三日熱 _P. vivax_ には、温帯型の変異株_P. vivax hibernans_ が存在し、潜伏期間が長いため、ヒトは秋に感染するが、翌春まで臨床症状を示さず、6-8ヵ月後になる。このタイプの三日熱マラリアは、北半球の温帯地方に多く、ロシア、シベリア、スカンジナビアなどが含まれる。pre-control times (対策実施前) のマラリア感染の拡大に関するデータについては、1900年のサンクトペテルブルグ St. Petersburg の 軍事施設 (6.6/1000) や同時期のモスクワ (31/1000) の報告がある。ロシア連邦のマラリアは、第二次世界大戦後、classical drainage(排水処理), 殺虫剤噴霧、化学療法の組み合わせにより封じ込められ、1960年に排除されたと見なされていた]
● アフリカ馬疫 南アフリカ
PRO/AH/EDR> African horse sickness - South Africa (East)(03)
Archive Number: 20080326.1135
[1] 情報源:The Herald Online, South Africa [abridged, edited]、3月21日
Eastern Cape で発生中の致死性アフリカ馬疫 African horse sickness AHS の感染流行は、Port Elizabeth にまで拡大し、Lovemore Park 近郊で今週2頭が死亡した。2008年1月以降、Eastern Cape で180頭以上の感染が報告されており、少なくとも130頭が死亡した。
[2] 投稿者:南アOIE、Truuske Gerdes、3月26日
E. Cape において、AHSV 6, 7 and 9 のいずれも発生しているが、type7 が優位となっている。以下、ワクチンの組成など。
● ヤムイモの病気、炭疽病 ナイジェリア
PRO/PL> Anthracnose, yam - Nigeria: (Anambra, Enugu)
Archive Number: 20080326.1128
情報源:The Guardian Nigeria、3月23日
Anambra 州と Enugu 州で、ヤムイモの病気が流行し、食の不安が広がる可能性が出ている。