2008年4月4日-5日

E型肝炎 英国
黄熱 リベリア

● E型肝炎 英国
PRO/EDR> Hepatitis E, world cruise - UK
Archive Number: 20080405.1249
 情報源:HPA, Health Protection Report 2008; 2(14): 4 Apr、4月4日
2008年1月7日から3月28日かけて世界一周したクルーズ船の、高齢男性客の中で、4例の E型肝炎 Hepatitis E 感染が報告されている。発症日は 3月12日から23日の間で、クルーズの期間中に、同じ場所で曝露した可能性が高いと考えられている。
寄港地は以下の通り:マデイラ Madeira, バルバドス Barbados,アカプルコ Acapulco, サンフランシスコ San Francisco, パゴパゴPago Pago (米領サモア Samoa), Nuku'Alofa (Tonga), オークランド Auckland, シドニー Sydney、香港 Hong Kong。
クルーズ船には、1800人の乗客と900人のスタッフが乗り込んでいたが、各港での乗降があるため、クルーズ中の累積乗船客数は3000人となる。英国からの乗船客が中心であるが、米国、豪、南ア、デンマーク、アイルランド人の乗客も含まれている。... 客船会社の乗客への対応、E型肝炎についての説明、注意、疑い患者を診察した医療機関から当局への検体提出要請など。 

● ヒトメタニューモウイルス カナダ
PRO/EDR> Human metapneumovirus - Canada (BC)
Archive Number: 20080405.1247
 情報源:CBS News online、4月4日
老人ホームの 4人の高齢者の死亡した原因が,変異 mutation した感冒かもしれないと、Vancouver Island の保健当局者が述べた。
2008年1月前半、Vancouver Island 衛生局は、ヒトメタニューモウイルス human metapneumovirus が、Nanaimo の高齢者施設で流行していると宣言した。150人中60人以上の施設居住者が感染し、4人が死亡した。死亡の直接の原因であるかはわからない。流行は約 6週間つづき、このような施設でいろいろな流行が発生するのは普通のことだと述べた。
ヒトメタニューモウイルスが初めてヒトの呼吸器感染の原因として確認されたのは2001年ことである。上気道および下気道のいずれにも感染し、若年者、免疫不全状態、慢性疾患の人では、重症化する可能性がある。 
[Mod.CP-冒頭の文章は誤解を招く。すなわち、感染流行の原因は Human metapneumovirus であると特定されているにもかかわらず、普通感冒のウイルスの変異種による流行であるとしている。2つのウイルスは、分類学上無関係である。普通感冒ウイルスcommon cold viruses とは、エンベロープを持たないライノウイルス属 _Rhinovirus_ (ピコルナウイルス科_Picornaviridae_) を指すのに対し、Human metapneumovirus は、エンベロープを持つ_Pneumovirus_ (パラミクソウイルス科 _Paramyxoviridae_) に分類されている。メタニューモウイルスが発見されたのは、つい最近だが、診断技術の向上により、重要なヒトの呼吸器感染源であることが判ってきた。... 以下、ロッテルダム Rotterdam の Erasmus Medical Center のスタッフにより 2001年に発見された同ウイルスについての解説] 

● 黄熱 リベリア
PRO/AH/EDR> Yellow fever - Africa: Liberia
Archive Number: 20080405.1246
 情報源:Star Radio、4月3日。
リベリア保健省は、黄熱 Yellow fever の感染流行発生の報告を行なっている。Nimba 郡で死亡した 32歳の男性が黄熱と診断された。リベリアと,セネガルのダカール Darkar での検査で、男性からの検体が陽性となった。黄熱では、感染が確定されるまでに数人に感染が拡大しているものとみなされるため、1人でも黄熱感染があれば流行として扱われる。保健省は国際保健規則に則り、この症例を WHO に報告した。また、感染に関連性のある Grand Gedeh および Nimba の両郡に、サーベイランスの担当者を派遣した。同担当者は、この症例が初発であるか、また他者への感染が成立していないかの調査を行なう。以下、ワクチンの配布、蚊族対策、WHO の対応など。 
[Mod.TY-... 黄熱ワクチン接種は重要であり、ウイルスのヒト-ヒト感染伝播と流行発生の防止も急がなければならない。なぜ黄熱感染症例の関与が、Grand Gedeh and Nimba Counties の両郡にまたがっているのかが記載されていない。一般的な衛生状態が良くても、住居周辺の水溜りでネッタイシマカは発生する] 
地図 Liberia

● 麻疹 オーストリア
PRO/EDR> Measles - Austria
Archive Number: 20080404.1244
[1] ザルツブルグで 180人が感染
 投稿者:Adolf Polivka、4月4日
オーストリアのザルツブルグ Salzburg 市および周辺地域において、約 180人の麻疹 Measles 感染流行が発生している。(ドイツ Bavaria 地方および Upper Austria においても麻疹感染流行が報告されている)このザルツブルグの感染流行は、ほとんどの保護者があらゆる予防接種に反対しているある学校 (Waldorfschule 学校) で始まった。
[2] 当局がワクチン接種開始
 情報源:Federal Ministry of Health, Family and Youth, Press release [machine translation]、4月2日
ザルツブルグの保健当局責任者は、2008年4月2日、同地域で麻疹感染患者が増加していることに関し、適切な対応をしていると述べた。ワクチンは調達され、使用可能となっている。...現在の患者数は120人程度で心配することはないが、今後の流行を防止するためには、高いワクチン接種率が必要と当局者は説明した。
[3] Measles in Salzburg
 情報源: Federal Ministry of Health, Family and Youth, Press release [machine translation]、4月3日
ワクチン接種の重要性など伝える同内容の記事。

● 鳥インフルエンザ、ヒト インドネシア,パキスタン H5N1
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (41): Indonesia, Pakistan, WHO
Archive Number: 20080404.1235
 情報源:World Health Organization (WHO), EPR, Outbreak News、4月2日
インドネシア
インドネシア保健省は、新たな H5N1型鳥インフルエンザ Avian influenza 感染患者 3名を発表した。患者間に疫学的な関連はない。
第一例目は、西ジャワ West Java州 Subang 地区出身の 15歳の男子学生で、2008年3月19日に発症して、3月22日に入院したが、3月26日に死亡した。
第二例目は、西ジャワ West Java 州 Bekasi 市出身の 11歳女児で、2008年3月19日に発症して、3月23日に入院したが、3月28日に死亡した。
第三例目は、西スマトラ West Sumatra 州 Bekasi 市出身の 21カ月齢の歳女児で、2008年3月17日に発症して、3月22日に入院した。患児は入院先で回復中である。
患者 3名いずれの感染源も現在調査中である。インドネシアでは、これまでに確定された患者 132名中、107名が死亡している。
[Mod.CP -20080331.1193 で報告されていた、最新の 3症例と 107人目の死者に関する WHOの公式確認である]
パキスタン
血清学的検査により、新たに 2例の H5N1型感染が確認された。すでに報告されているペシャワール Peshawar の家族内発生に関して行なわれた、最終の H5N1型感染検査結果となる。エジプトの Cairo カイロにある、WHO の H5亜型委託検査機関と、米国アトランタ Atlanta のインフルエンザ委託研究センターで行なわれた これらの検査の結果は、下記の表に、家族内の確定/可能性例としてまとめられている。予備的なリスク評価では、継続的または地域におけるヒト-ヒト感染伝播の証拠は示されていない。感染患者の他の家族や医療従事者をふくめ、濃厚な接触が認められた全員が無症状であり、厳重な医療監視からはずされている。これらの検査結果は、2007年12月に発生した感染流行調査の疫学所見と、以前に報告されているいくつかのヒト-ヒト感染事例とも一致する、家族内の一部に限定されたヒト-ヒト感染が発生した可能性があるとの最終的なリスク評価を支持する。今回の感染流行では、地域への拡大は発生しなかった。また将来のヒトの感染リスクを減少させるような、適切な対策がとられた。

症例 1 (初発):発症日10月29日('07 )/ 完全回復 /病鳥・死鳥との直接接触/血清学的確定
症例 2 11月12日/ 死亡 (同19日) / 症例1との濃厚接触、家禽との接触なし/ 検体なし
症例 3 11月21日/ 死亡 (同28日) / 症例1,2との濃厚接触、家禽なし/ PCR確定
症例 4 11月21日/ 完全回復 / 症例1,2との濃厚接触、家禽なし/ 血清学的確定
[Mod.CP -20071213.4008 以来、紆余曲折と矛盾の多かった投稿の最終的な結論である。上記の表から、パキスタン ・ ペシャワールで、家族内の鳥インフルエンザウイルスのヒト-ヒト感染が発生したことは明らかである。しかし、それ以降のヒト-ヒト感染や、地域への感染拡大はなかった]

● コレラ,下痢症 ケニア,アンゴラ,ナミビア,エチオピア,ベトナム
PRO/EDR> Cholera, diarrhea & dysentery update 2008 (20)
Archive Number: 20080404.1240
ケニア (Nyanza) 
 情報源:AllAfrica, UN Integrated Regional Information Networks (IRIN) report、4月3日
コレラ Cholera 感染流行により、ケニア西部で 42人以上が死亡した。西部 Nyanza 州で 701人以上の症例が報告されていると、2008年4月2日に現地の医療当局者が述べた。2008年1月当初、Rongo, Siaya, and Subaで感染が報告されていたが、現在他の地区へ拡大している。最も被害が深刻な地域は、Bondo, Homa Bay, Kisumu, Migori, and Nyando で、Kisii and in the Bunyala area of Busia からも症例が報告されている。衛生状態のほか、隣国ウガンダでの感染流行多発も原因となっている。... 
2008年の1、2月には、Northeastern Province の Mandera Central, Mandera East, and Wajir の各地区からも、死者 12人と患者 448例が報告されている。エチオピアおよびソマリアでの感染流行につづいて発生した。
アンゴラ
 情報源:AllAfrica, UN Integrated Regional Information Networks (IRIN) report 、4月1日
アンゴラ南部の洪水の拡大によるコレラ発生による2008年の患者数は、死者 150人を含む 4500例である。アンゴラ保健省は、3月31日までの今週、新たに590人の患者を報告 した。先週の 503人から増加した。患者のおよそ半数は、洪水による甚大な被害が発生した南部の Cunene および Huila 州である。... WHO によると、2006年2月以降の 2年以上に及ぶコレラ感染流行により、7万人の患者と 3000人近い死者が報告されている。
[Mod.LL -この 2年間でほとんどすべての州からコレラ感染患者が報告されている]
ナミビア (Ohangwena) 
 情報源:AllAfrica, The Namibian (Windhoek) report、4月1日
Ohangwena Region から報告されているコレラ感染例数は、2008年2月23日以来、16例の確定患者を含め、858人とほぼ倍増したと、2008年3月31日に当局者が発表した。Eenhana  地区において、コレラ感染患者 1名が 3月30日までの週末に死亡し、Ohangwena 地域での死者は 4人となった。以下、Engela Health District (Oshikango and Okatope) などで死者が発生している。
地図 Namibia; 北部の the province of Ohangwena は、コレラ感染が流行しているアンゴラ Cunene 州と国境を接する 
エチオピア (Somali)
 情報源:UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs (OCHA), ReliefWeb 、3月31日
Suftu area (Dolo Ado woreda of Liben zone in Somali Region) から、死者 8名を含む 97例の急性水様性下痢症 acute watery diarrhea (AWD) 感染疑い患者が報告されている。2008年1月14日から3月15日にかけて、woreda [* 行政区分] に派遣されたチームにより報告された。Somali 地方に接するケニア保健当局からも AWD の報告がある。
*woreda(weredaとも)はエチオピアの行政区で、districtに当たり、複数のkebeleからなる。
地図 Somali region of Ethiopia
ベトナム
[1] コレラ、下痢症 - ベトナム (north)
 情報源:VietNamNet Bridge, VNE report、4月1日
急性下痢症がハノイ Hanoi, Ha Tay, and Hai Phong 省から他の 5つの省に拡大した。保健省によると、これらの地域でコレラ菌 _Vibrio cholerae_ が確認されている。Thanh Hoa City、および Hoang Hoa, Vinh Loc, and Hau Loc などの Thanh Hoa 省では、2008年3月24-30日の週に、コレラ菌陽性の 6人を含むおよそ 50人の急性下痢症患者が報告されている。保健省は、北部のその他の省(Nam Dinh, Phu Tho, Bac Ninh, and Bac Giang)において、急性下痢症患者を確認している。患者の多くは、生野菜や rare food( 珍味)、加工食品を摂取していた。当局は、水系への糞便混入により感染が拡大することを懸念している。
[2] コレラ、下痢-ベトナム
 情報源: VietNamNet Bridge, VNE report、4月3日
Ha Nam and Vinh Phuc の北部の2つの省が、新たに急性下痢症発生地域に加わり、合計 10省となった。2008年4月2日、保健省は、下痢症流行が再燃し、およそ 100人の患者でコレラ菌が陽性となったことを確認した。予防に当たる当局者は、最新の感染発生地域で各 1人のコレラ感染が確認されたことを明らかにした。現在コレラ感染患者は 85人で、このうち 44人がハノイ Hanoi で確認されている。ハノイの病院の急性下痢症患者数は、急増しており、2日には、およそ70人の患者を受け入れた。患者は、病院の廊下に寝かされている。5人の患者は重症の腎不全を発症した。ある病院関係者によると、2008年3月前半からの院内で治療された下痢症患者のうち、コレラ感染が確定されたのは 61人で、おもにハノイ とHa Tay 省からの患者であった。結婚式のシーズンと、夏が近づいていることから、感染流行はさらに勢いを増すと、当局は懸念している。中部 Thanh Hoa 省の 600人が出席したパーティーでは、2-3日前から料理が準備され、コレラ感染が確認された 6人を含む 40人が下痢症を発症した。Vinh Phuc 省で初めて確認されたコレラ感染患者も、結婚パーティーでの感染であった。コレラが発生している地域では、住民らはしばしば野菜に下肥をかけ、コレラ感染源となっている。

● 鳥インフルエンザ 韓国、ベトナム(2件)
PRO/AH/EDR> Avian influenza (56): South Korea, 2nd outbreak, duck
Archive Number: 20080405.1250
[1] 韓国南部で鳥インフルエンザ発生 
 情報源:Yonhap News Agency、4月5日
韓国南西部のカモ農場で鳥インフルエンザ Avian influenza 症例が確認された。同地域の養鶏場での感染流行発生後、わずか 3日目のことであると、2008年4月5日に当局は述べた。食糧農業森林漁業省当局は、ソウル Seoul の南西約250kmの Jeongeup の農場で、(3月30日からの) 週前半にこの農場で死亡したカモについての予備的検査を行ない、H5N1型鳥インフルエンザウイルスが陽性との結果を得たことを明らかにした。この農場の 1万羽のカモのうち、2008年3月31日以降、半数が死亡した。この農場は、同じ週に鳥インフルエンザの被害が発生していた養鶏場から 27km離れた場所にある。同省は、このウイルスが高病原性の鳥インフルエンザであるか、低病原性であるかについては、さらに詳しい検査が必要と述べている。検疫当局者は、農場で飼育されている残りのカモは処分して埋め立てられており、周囲の半径 10km圏内の農場は、移動禁止措置が布かれている。韓国で鳥インフルエンザが最後に発生したのは、2007年3月であった。数ヶ月間に複数の mild strains (低病原性) の症例が発生していた。 
[2] 韓国で鳥インフルエンザ感染流行確認 
 情報源:The Hankyoreh, Seoul、4月4日
2008年4月4日、韓国政府当局は、国内南西部沿岸地域の養鶏場で発生した鳥インフルエンザ感染流行の原因調査を行っている。当局は、ソウルの南 260kmの養鶏場で感染した鳥類と、中国・ベトナム・モンゴルからの11人の外国人労働者の血液検体を採取し、解析を行なっている。検疫当局者は、2007年後半に H5N1型の抗体を保有しているカモが発見された付近の河川の、渡り鳥からも血液検体を採取している。検査により、この産卵用養鶏場のニワトリを死亡させたH5N1型の正確なサブタイプが判明すると、獣医学担当者が述べた。Gimje の養鶏場で処分に関わっている検疫当局者らは、不注意による感染ではなかったかについても調査する予定をしている。「現在のところ、鳥類がどのようにして感染したかを明らかにすることはできていない」と述べ、鳥インフルエンザ感染流行の亜株を正確に知るのに数日を要すると説明した。2003-4年と、2006-7年の感染流行において、H5N1型ウイルスは northern strain であったことが確かめられている。ヒトでの死亡のほとんどは、東南アジアのもう 1つの病原性ウイルス株によって発生している。過去に発生した感染流行はすべて、11月から3月までの冬期間に発生していた。ソウル市は、動物保健機関への報告を済ませており、鶏肉の販売も差し止めたが、台湾や日本などは、鶏肉の ginseng soup の缶詰の輸入禁止を行なわないと聞いていると述べた。一方、検疫当局は、この農場の 15万1千羽のニワトリは、二次感染防止の目的に、処分して埋め立てが行われており、半径 500m圏内の農場の27万羽も、卵とともに処分されると述べた。
... 以下、政府補償があることによって迅速な報告(3月29日に少数の死亡発生が開始し、4月1日に大量死が報告された)が行なわれたこと、同じ North Jeolla Province で、Gimje の南にある Jeongeup のカモ農場のカモの突然死(31日から10万羽の半数が死亡)に関する調査が行なわれていること。

PRO/AH/EDR> Avian influenza (55): South Korea, Viet Nam, OIE
Archive Number: 20080404.1239
韓国
[1] 韓国 高病原性鳥インフルエンザ
 情報源:OIE, World Animal Health Information Database, weekly disease information 2008; 21(15)、4月4日
感染開始時期 2008年4月1日
前回流行時期 2007年6月
原因ウイルス 高病原性鳥インフルエンザウイルス HPAI、H5N1型
対策 ワクチンは禁止されている
[Mod.AS -感染流行に関する詳細な情報は、緊急報告を参照のこと
その中に以下の疫学情報がある:感染が疑われている農場のニワトリは、食欲低下と嗜眠が見られた後、2008年3月29日から徐々に死亡する個体数が増加した。4月1日、約 1000羽のニワトリの死亡が確認され、現地獣医学局に通報された。1日、国立獣医学研究検疫局で予備的検査が行なわれ、H5亜型鳥インフルエンザウイルスの RNA が確認された。のちに H5N1型 HPAI であることが確認された]
[2] 致死性鳥インフルエンザウイルス、初の 4月発生
 情報源 The Chosun Ilbo (Seoul)、4月4日
Gimje(North Jeolla Province) の農場 1ヶ所で、鳥インフルエンザが確認され、H5N1型であったことが、食糧農業森林漁業省によって明らかになった。これまでに、高病原性鳥インフルエンザが、1年のうちこれほど遅くに確認されることはなかった。韓国において、これまでに高病原性鳥インフルエンザが報告されたのは、11月から 2月にかけての期間に限られており、当局は気候変動の影響で、遅い時期の感染流行が発生したと見ている。致死性のH5N1型ウイルス株は、感染した鳥類との接触によって、ヒトにも感染し死亡することもある。当局は、感染が発生した農場の周囲 500 mにある、7カ所の農場の30万8千羽のニワトリと卵を廃棄処分とした。韓国ではじめての鳥インフルエンザが報告されたのは、2003年である。これまでヒトでの感染は報告されていない。2003年から2008年3月までの間に、中国、ベトナム、インドネシア、カンボジア、フィリピン、タイで、372人が感染し、235人が死亡している。
ベトナム
[1] ベトナム (Quang Nam)
 情報源:Thanh Nien News 、4月2日
中央部 Quang Nam 省の各地で、鳥インフルエンザ感染流行が発生し、家きんでの発病により当局は 26660羽のトリの処分を行なった。2008年3月31日、H5N1型ウイルス感染によることが示唆され、カモ 1250羽と 7000個の卵が処分された。4つの地区--Nui Thanh, Thang Binh, Dai Loc, and Tien Phuoc--の7つの集落で、流行が発生した。
[2] ベトナム ジャコウネコ
 情報源:OIE, World Animal Health Information Database, weekly disease information 2008; 21(15)、4月4日
感染開始時期 2008年3月2日
流行終了時期 2008年4月4日
原因ウイルス 高病原性鳥インフルエンザウイルス、H5N1型
[Mod.AS -2008年4月1日、ベトナム政府は、OIE に対して、動物における感染継続に関して、2006年12月6日以降続いているフォローアップ報告第 18報を提出している。地図のついた第18報では、以下の結論が出されている:15件の感染流行が発生しており、現在も収拾されていないと報告されている。各感染流行が封じ込められるまで、resolved (解決) 宣言を出すことはできない; 2005年のベトナムの civet の H5N1型感染については、20050826.2527 で報告されている。20080316.1035 に、当事者からの詳細な情報が報告されている]

● Enzootic bovine leukosis,ウシ フィンランド、OIE
PRO/AH> Enzootic bovine leukosis - Finland: OIE
Archive Number: 20080404.1241
 情報源:OIE, World Animal Health Information Database, weekly disease information 2008; 21(14)、4月3日
感染開始時期 2008年1月3日
前回流行時期 1996年
原因ウイルス enzootic bovine leukosis virus
新たな感染流行
発生地 Muhos testing station, Oulu
感染種 ウシ(農場:27頭中1頭、生後13ヶ月の人工授精用のオス)

● ブルータング ワクチン接種(2件)
PRO/AH> Bluetongue - Europe (20): BTV-8, vaccination
Archive Number: 20080404.1238
[1] Vaccination, EU countries
Vaccination gets under way as Europe takes its 1st deliveries
 情報源 Farmers Guardian 4月3日
[2] Vaccination, The Netherlands
Bluetongue vaccination
 情報源 Ministry of Agriculture, The Netherlands, press release [in Dutch] 4月3日

PRO/AH> Bluetongue - Europe (19): BTV-8, vaccination
Archive Number: 20080404.1236
[1] UK Bluetongue vaccination roll out plan
 情報源 DEFRA website 4月2日
[2] 情報源 M&C News 3月31日
German officials said Monday [31 Mar 2008] they were bulldozing through plans to inoculate farm animals against bluetongue disease, which is common in Mediterranean countries and has been spreading north.

● 柑橘類の病気,Citrus tristeza virus アンゴラ、サントメプリンシペ
PRO/PL> Citrus tristeza virus - Angola, S Tome e Principe: 1st
Archive Number: 20080404.1237
 情報源: European Plant Protection Organisation (EPPO) Reporting Service 3/2008/061、3月
アンゴラとサントメプリンシペにおいて、_Citrus tristeza virus_ (_Closterovirus_, CTV - EPPO A2 List) が発生した可能性についての調査が行われている。サントメプリンシペでは、各地の20本の木々と、種々の柑橘類の若い小枝が集められ、アンゴラでは、Sumbe (the province of Kwanza Sul) の 7本の古いオレンジの木 (_Citrus sinensis_) からの検体が集められた。このうち複数の検体で、CTV (by Enzyme Linked Immuno-Sorbent Assay) の感染が確認された。両国における初めての感染報告である。

● 炭疽、ヤギ 米国
PRO/AH> Anthrax, caprine - USA (TX)
Archive Number: 20080404.1234
 情報源:Texas Animal Health Commission: news release、4月3日
Del Rio 近郊での炭疽 Anthrax 感染のシーズン到来が、今年はやや早めとなった。2008年3月31日、5才のオスのヤギ 1頭の感染が確認された。テキサス Texas 州動物衛生委員会は、地域内の所有者らに、家畜へのワクチン接種を行い、新たな死亡による損失を避けるよう勧告している。
[Mod.MHJ-...20-50年前には肉骨粉によリ、テキサス州では何度も炭疽感染流行が発生していたが、狂牛病の発生により、現在では厳しい規制が行なわれている。乱暴な憶測だが、所有者らはメキシコの goat pellet(ヤギのエサ)を購入していたのではないだろうか。一方、干草の汚染についても知られていないわけではない:およそ 5年ごとに干草に関連した感染流行が発生している]