2008年5月10日-11日

原因不明の疾患、列車 カナダ

● 原因不明の疾患、列車 カナダ
PRO/EDR> Undiagnosed illness, train - Canada (02): (AB, ON)
Archive Number: 20080510.1599
 情報源: Toronto globe and Mail online、5月10日
2008年5月9日朝、1人の乗客が呼吸困難を訴え始めたとき、The Canadian(カナダ鉄道のこと?)は Northern Ontario を駆け抜けていた。乗務員が彼女に酸素を投与し、同じ車内にいた英国からの引退した医師が彼女のそばについたときには、すでに意識不明の状態であった。アルバータ Alberta 州ジャスパー Jasper で2日前に the Via Rail train に乗車し、前夜まで元気だった、この 60代の女性は数分後に死亡した。さらに6人の乗客らがほとんど同時に発病し、264人の乗客と 30人の乗員を乗せたこの列車が隔離される、大変な 1日の幕開けとなった。カナダ中の衛生当局者は、感染症流行発生の恐れの中、高度の懸念を示し、救急隊とともに、計画されていた対応を開始した。... 
9日昼までに感染症ではないことが判明し、突然死した女性 1名と、最寄りの病院にヘリ搬送 airlifting されたもう 1人の患者と、インフルエンザ様症状で列車内に感染拡大予防のため隔離されていた、オーストラリアからの5人の旅行客らには関連性がないものと見られている。当局はこの7人の乗客に起こったことは、a series of unfortunate and unrelated health events(不幸な、関連性のない、一連の健康問題)だったと表現した。
関連項目 
Undiagnosed illness, train - Canada: (AB, ON), RFI 20080509.1587

● クリミア・コンゴ出血熱 トルコ
PRO/AH/EDR> Crimean-Congo hem. fever - Turkey (02)
Archive Number: 20080511.1610
 情報源:Today's Zaman 、5月11日
中央部アナトリア Anatolian 地方の Sivas 県出身の女性1名が、2008年5月8日、クリミア・コンゴ出血熱 Crimean-Congo hemorrhagic fever CCHF の治療を受けていたアンカラ Ankara の病院で死亡した。ダニの刺咬により感染する、死亡の可能性のあるウイルス性疾患である。
この女性は 10日前、所有するウシの放牧中に刺咬したダニを自ら除去したが、数日後に発病し、当初診察を受けていた Karabuk の病院から搬送された先のアンカラの病院で、8日死亡した。
同じ頃 Sivas 市では、2日間に 10人のこどもがダニ刺咬をうけ入院した。こどもについたダニは病院で職員によって取り除かれた。教師がこのうちの1人のこどもがダニに刺咬されているのに気付き、直ちに保護者に連絡した。その後 7日に、Sivas 市他の 6人が CCHF の症状で相次いで入院した。
病院当局者は、自分でダニを除去しようとせず、医療従事者に任せるよう繰り返し呼びかけている。過去 5年間にトルコ国内では 94人が CCHF により死亡した。
ダニに曝露した場合、その後10日間注意し、発熱、頭痛、吐き気、嘔吐、下痢症が見られた場合は医療期間を受診する必要がある。Turkish Clinical Microbiology and Infectious Disease Foundation (KLIMIK、トルコ臨床微生物感染症基金) の責任者によると、春と夏はダニの活動性が増すため、今の時期は予防が必要である。この地域では、世の中にあるものとして、ダニと付き合っていかなければならない。「今はダニの活動性が最も高まる時期である。ダニを完全になくすことはできないため、予防対策が必要である。春の繁殖が、ヒトとの接触の可能性を増加させる。夏までこの状態が続くと見ている」と、説明した。
近年、ダニ刺咬の患者が増加している理由について;地球温暖化と環境汚染が原因と見る向きもある。また、トルコに飛来する渡り鳥によってダニが運ばれてくるとも考えられているが、一般的に受け入れられている説明は、まだない。ダニ刺咬が頻繁に発生する地域では、医師らはこの疾患を知り、動物の世話をする人々は、ダニが皮膚に触れることができないような服を着るなど、ダニから身を守る術を学ぶ必要がある。... 
2008年6月にイスタンブールで、欧州の学会と協同で、米国、EU、イラン、ナイジェリア、南アフリカが参加する、ウイルス性出血熱全般に関する国際会議が開かれる予定である。 [Mod.CP-クリミア・コンゴ出血熱 Crimean-Congo hemorrhagic fever (CCHF) は、the genus _Nairovirus_ of the family _Bunyaviridae_ (ブニヤウイルス科ナイロウイルス属)に分類される、ダニ媒介性のウイルスの感染が原因となる。CCHF ウイルスは、東欧の、特に旧ソ連地域で確認されている。また、地中海や中国北西部、中央アジア、南欧、アフリカ、中東、インド亜大陸にも分布する。CCHF の範囲は、ベクターであるダニの生息範囲に一致している。Ixodid (hard) ticks のうちでも、特に _Hyalomma_属のダニは、CCHF ウイルスの宿主であり、ベクター(媒介者)でもある。ウシ、ヤギ、ヒツジ、ウサギなどの、多種類の野生動物および家畜動物が、ウイルスの増殖宿主となる。ヒトへの感染伝播は、感染動物の血液やダニとの接触による。病院内においても、医療機器の消毒が不十分であったり、注射針の再使用、医療材料の汚染などにより、CCHF の院内感染が発生する。_Hyalomma_ ticks の幼生 (nymphs 若虫 and larvae 幼虫) は、小型の哺乳類や鳥類から吸血し、成虫のダニは、大型の哺乳類、家畜、鳥類から吸血する。感染性のあるダニは、ウイルスのキャリアとなり、(ダニである)子孫にも、吸血の際には家畜・鳥類・ヒトにも、ウイルスを伝播させる。幸いダニは、ヒトよりも、動物や鳥類を好んで吸血する傾向がある]

● 手足口病 中国
PRO/EDR> Hand, foot & mouth disease - Asia (07): China
Archive Number: 20080510.1597
 情報源:China view, Xinhua News Agency 、5月9日
[20080509.1583 で安徽省では新たな死者が発生してないとした、Mod.のコメントは間違いであった]
2008年5月9日、衛生省当局は、東部・安徽省で、enterovirus 71 (EV71) による手足口病 hand, foot and mouth disease (HFMD) により、新たに2人の小児が死亡し、最悪の被害を受けている阜陽市における疾患発生は減少傾向にあるとした同省の発表にもかかわらず、全国での死者の数が 34人となった。安徽省北西部の亳州 Bozhou の生後14ヶ月の男児1名は、1日に発症し、症状の悪化した後、郡レベルの病院に搬送されたが、5日に死亡した。同省合肥 Hefei の18ヶ月の女児は、市第2人民病院に入院後、5日に状態が悪化し、7日に死亡した。9日、衛生省は、阜陽市および安徽省の HFMD の発生数は、初めて退院患者が入院患者を上回る、減少傾向にあると発表していた。ウェブサイトにおいては、重症患者の大半は回復し、ここから感染流行が始まり22人の死者が発生している阜陽市では、7日間連続して死者が発生していないとされている。... HFMD の病態に関する説明...8日現在、HFMD 患者数は中国本土において 24934人であり、このうち 34人が死亡した。死者が発生しているのは6つの省である:Anhui, 広東省 Guangdong, 広西荘族自治区 Guangxi, 海南省 Hainan, 湖南省 Hunan および浙江省 Zhejiang である。CDC 副中央センター長は、阜陽市で確認されている EV71 に遺伝学上の変異は起きていないと述べた。分離された EV71(ウイルス)9件の検体中、8検体の全遺伝子配列の解析が終了し、8つのウイルス株は 99.3-99.97%の割合で一致した (homologous)。また、阜陽市で検査された 8件のウイルスは、1999-2008年の間に、深セン Shenzhen, 上海 Shanghai, 重慶 Chongqing、山東 Shandong 各地の患者から分離された他の4 つのウイルスとも、高い比率で一致していた。

● サイクロンの被災状況 ミャンマー
PRO/AH/EDR> Post cyclone situation - Myanmar: RFI
Archive Number: 20080510.1600
[Mod.MPP-ProMED-mail では、熱帯サイクロン Nargis 通過後のミャンマーの状況を監視しており、住民らの健康状態に関する信頼しうる報告を得るための努力を行ってきた。一方で、政治的な議論にとらわれないよう注意している。読者の方々もよくご存じの通り、大災害のあと情報の流れを隠そうとする政治的課題の危険性がしばしば発生し、その結果、誤報や噂があふれることとなる。..地域内からの正確な情報を読者と共有でき、災害後の死亡や疾病の発生を最小限とするための、適切な介入に資することを望んでいる。] 
[1] ミャンマー人道支援要請に関する記者会見
 情報源: United Nations Department of Public Information (DPI) - Press release、5月9日
先週ミャンマー Myanmar を襲った Cyclone Nargis の被災者支援のための緊急要請 flash appeal に応え、およそ 7700万米ドルの資金提供があったと、2008年5月9日、国連機関の当局者が発表した。現時点の主な資金提供は日本と英国で、各1000万米ドルを約束した。...援助に関する現況報告 ... 死者の数は、6万3千人から10万に上る可能性がある。6万3千人の数字は、公式発表の死者と行方不明者を足した数字である。6万3千人の数字は低く見積もられている可能性があり、さらに数字は大きくなるとの印象が強く持たれている。国連本部は、この数字に関する情報も完全な普遍的確認も行っていないが、6万3千人の見積もりは低いとすることに妥当性があると考えている。国連の期待している程ではないが、ミャンマーでの援助物資輸送への協力 rhythm は得られつつある(picking up)。ヤンゴン Yangon の空港までだけではなく、さらにイラワジのデルタ地域や必要とする人々まで援助物質を届けるのにも、相当の困難を伴っていた。問題の1つは、デルタまで大量の物資を移動するのに、サイクロンによりその 80%が壊れたり流されたりしてしまった、現地のボートによる流通路に頼らなければならないことがあった。ミャンマーの隣国は、援助活動に重要な役割を果たすことができる可能性があり、すでにそうなっている。国連本部は、ASEANとの協力を緊密にし、加盟各国に、物資搬入のための的確なロジスティックス確立ができるよう、調整を行っている。... 政府への失望、など...
[2] サイクロンを生き延びたこどもの5人に1人に下痢症 マラリア,コレラのおそれ
 情報源:Irrawaddy 、5月9日
Cyclone Nargis を生き延びたこどもの 5人に1人が、下痢症に苦しんでいると、[ヤンゴンYangon の] UNICEF事務所の、健康と栄養問題の代表である、國井修 Osamu Kunii 氏が、 AP 通信の取材に答え、この数字はさらに悪化する可能性があると述べた。バンコクの国境なき医師団MSF広報担当者は、この組織は"多数の"下痢症患者の治療に当たっていると話した。支援機でヤンゴンに到着したカタール Qatar からの緊急援助チームが引き返したあと、2008年5月9日に、ミャンマー政府は、海外からの援助物資を受ける用意はあるが、海外からの支援者は受け入れないことを、外務省が明らかにした。MSF は 35人のスタッフをもつ複数の移動式クリニックを準備した。食料と水と医療器具をのせた 2台のトラックが、最大の被害が発生している地域 Irrawaddy Delta に乗り入れた。サイクロンによって感染流行のすべての条件が整っているこのデルタ地域で、コレラとマラリアの発生が報告されている。Osamu Kunii は「ほとんどの地域が、汚れた水(泥水)に被われている。おびただしい数の死体があって、住民らは、安全な水や食料がほとんど、あるいは全く手に入れることができない状態である」と説明した。「どこもが洪水の被害にあったため、死体を埋葬することは困難。熟練した援助活動が必要。」とも言われている。World Food Program (WFP、世界食糧計画) は、8日、20トンのコメと4トンのカロリーの高いビスケットを積んだトラック2台が、イラワジデルタ地帯へ向け、ヤンゴンを出発したと発表した。合計156トンの防災用品が、デルタ地域およびその他の被災地に配給されている。同時に、シンガポールでの会議で、ASEANの政府高官は支援を約束した。出席者らは、ミャンマー政府当局は、国際社会および支援機関との協力体制を築き、被害と被災地の必要とするものの評価とともに、国内の人道支援物資の移送や、救助および医療従事者や器具の搬入と配置が可能となるだろう(期待する)と述べた。9日、ミャンマー政府は、海外からの現金と物資のみ受け入れ、海外からの援助隊(人)は受け入れないことを発表している。 
[Mod.MPP-[2] の記事の一部からも判るように、サイクロンが去ったあと、マラリアやコレラの増加が認められていると噂がある。これらの噂の信頼性ははっきりしない。洪水を伴う自然災害直後は、しばしば、ベクターが媒介する疾患、たとえばマラリアなどは、蚊族の繁殖場所も被害を受けるために減少するが、しばらくすると、たまった水が、再び地域内の蚊族の個体数回復に働く。下痢症の報告に関しては、サイクロンの生存者の小児の5人に1人  (20%) が下痢症であるとのコメントは、もしもサイクロン以前の下痢症の蔓延に比べて増えているのであれば、さらに深刻となる;発生地域でのコレラ感染患者数に関する特定の情報も同様である。信頼できる情報筋からのミャンマーの医療状況に関する、正確な情報や判断が提供されるなら、非常に感謝したい。Google.org の支援する NPO の、InSTEDD -- Innovative Support to Emergencies Diseases and Disasters は、活動計画に利用可能な、中央病院から農村部のクリニックまでの、WHO に登録されたミャンマー国内の全医療施設をリストアップしている。この情報は WHO のデータを利用しながら Direct Relief によって収集され、Google.orgがまとめたものである]

● トリパノソーマ症 ウガンダ、動物宿主
PRO/AH/EDR> Trypanosomiasis - Uganda: animal reservoir
Archive Number: 20080511.1604
 情報源:AllAfrica 、5月10日
研究者らは、全国の睡眠病や nagana disease をおこす寄生虫の宿主を確かめる目的で、 クロコダイル crocodiles, monitor-lizards(トカゲ), ヘビ snakes 、その他の、は虫類の調査を始めた。これは、家畜が睡眠病の宿主であることが、新たな研究で明らかになったためである。研究結果をもとに、この獣医師らは政府に対して、すべてのヤギ、ブタ、ウシ、ヒツジに対してワクチン接種を行うよう勧告している。
睡眠病はヒトに感染し、nagana(ナガナ病)は動物の病気である。は虫類を調査することは、これらの動物が、自身は発病しないにもかかわらず、睡眠病の寄生虫をもっているという理解に基づいている。しかし、この疾患は、ツェツェバエ tsetse fly の刺咬によりヒトに感染する。... 
自然界で、は虫類はツェツェバエに給血している。は虫類の体内でこれらの寄生虫が生存できることは証明されていないが、そうではないかと考えていると、国立家畜研究所の睡眠病研究計画責任者が述べた。ほぼ全国的に、川や排水路に沿ってツェツェバエの個体数が急激に増加しており、River Nile, Kagera River Basin and Lake Kyoga から、過去 20年間発生のなかった地域にこの病気が広がるときに、は虫類が重要な役目を果たす可能性があると述べた。この研究は、国内でツェツェバエが相当数増加していることを受けて行われた。国内のおよそ 60%以上に土着感染している。このことは、これまでは報告のなかった地域での、睡眠病や nagana 病の急増を助長する。
研究者らによれば、Central Region, Northern and Eastern Uganda での睡眠病およびナガナ病は増加している。... East Africa の当局者は、Busoga region から、 Apac, Amuria, Kaheramaido, Tororo and parts of Soroti district に拡大したと述べた。川の生き物 Glossina f fuscipes とサバンナに適応した種 (Glossina morsitans, G. pallidipes) が広く蔓延している。これらは、cattle corridor(ウシ通る道?) の広大なサバンナの草原で広範囲に適応している。この corridor には、ウガンダの家畜や野生動物も生息している。ウガンダ南西部 Rakai district から Nakapiripirit in Karamoja region にまでつながっている。ウガンダの、北方に向かって傾斜のある台地という地理的条件も、この病気が発生しやすい条件となっている。川は国内を横切っており、この虫が広がりやすくなっている。 
[Mod.EP- トリパノソーマ症は、多くのほ乳類、鳥類、は虫類の宿主に感染するが、通常、は虫類のトリパノソーマ症は、ほ乳類には感染しない。これらの寄生虫は、顕微鏡では鑑別することができず、正確に識別するために、分子学的指紋によるタイプ分けが必要である。ベクターであるツェツェバエで発見されたトリパノソーマでは、特に(この検査が)行われている。
もし、は虫類の血液がツェツェバエの体内に発見されたとしても、それは、は虫類の血を吸ったと言うことであって、は虫類のトリパノソーマがウシあるいはヒトに感染伝播することにはならない]

● 狂犬病 米国 (2件)
PRO/AH/EDR> Rabies, human, pet exposure - USA (03): (SC)
Archive Number: 20080511.1608
 情報源:SC Dept. of Health & Environmental Control 、5月8日
狂犬病のアライグマと接触のあった 16人は、このアライグマの狂犬病検査が陽性となったことを受け、現在治療中であると、2008年5月8日に州当局が発表した。「このアライグマの赤ん坊は、森の中で発見され、数週間に数人によって飼育されていた」と当局者が説明した。アライグマの世話をしたヒトは、動物の唾液に触っているため、多くの接触者が発生した。さらに接触の可能性のある人が7人調査中である。

PRO/AH/EDR> Rabies, human, pet exposure - USA (SC): RFI
Archive Number: 20080511.1606
 情報源:IslandPacket.com、5月8日
Hilton Head Island において、狂犬病のアライグマと接触のあった合計 16人が、このアライグマの狂犬病検査が陽性となったことを受け、治療を受けている。彼らのペット 20匹は、45日間の検疫となる。さらに 7人が治療を受ける可能性がある。Hilton Head Island においてこのアライグマは発見されたが、接触のあったすべてのヒトが Beaufort County の住人かどうかは判らない。接触者はいずれも無症状である。... 
[Mod.TG-これほどたくさんのヒトとペットが、どのような形で、どのくらいの期間に、たった1匹のアライグマと接触があったのかが、記載されていないまた、検疫となっているペットのワクチン接種状況も明かされていない。これほどのヒトやペットが曝露したのであれば、啓蒙活動が必要である。当局からの情報が寄せられれば幸いである] 

● 鳥インフルエンザ 日本,韓国,ベトナム,インド
PRO/AH/EDR> Avian influenza (68): Japan, S.Korea, Viet Nam, India
Archive Number: 20080511.1605
日本
 情報源:Reuters 、5月10日
日本の最北端・北海道で、新たなハクチョウの H5N1型鳥インフルエンザ Avian influenza ウイルスを確認したと、2008年5月10日、道当局がウェブサイトで明らかにした。この感染は、北海道東部・サロマ湖付近で5日前に死亡して発見されたハクチョウ1羽で確認された。同日、現地当局では、4月24日に道内の別の地域で死亡して発見されたハクチョウでも、同ウイルスが確認されたと発表した。最新の症例は、今年に入ってから、日本では3例目となる。2008年4月後半、本州の最北端に近い十和田湖岸で、数羽のハクチョウの H5N1型感染が確認されている。家畜衛生当局は、半径30km圏内の養鶏場の消毒を指示した。日本では、鳥インフルエンザによる死者の報告はない。
韓国、ソウル
 情報源:The Korea Times 、5月6日
韓国中を席巻している鳥インフルエンザ感染流行が、2008年5月6日に首都ソウルに及び、検疫当局は、消毒と付近の児童公園や屋外市場への立ち入り制限を行っている。当局は、4月後半から死亡し始めた4羽の鳥類の検査により、H5亜型鳥インフルエンザウイルスが検出されたと発表した。この鳥類鑑賞小屋 vivarium は、ソウル東部の Gwangjin 区役所にあり、57羽のニワトリ、アヒル、キジ、シチメンチョウを飼育していた。鳥インフルエンザがソウルで発生したのは、2008年4月1日に鳥類の死亡が検疫当局に報告されて以来、初めてのことである。
ベトナムCan Tho city
 情報源:Xinhua net 、5月8日
ベトナム南部 Can Tho city で、数日間に家禽の群れのトリが発生し、国内での発生は3カ所目となったと、2008年5月8日にベトナム動物衛生省が述べた。今回の鳥インフルエンザ感染流行により、同市内農村部の Phong Dien 地区の自宅で飼育されていた 1070羽のニワトリを含む、1131羽の家禽が死亡した。... 現在、ベトナムでは、北部 Son La province, 南部 Vinh Long province および南部の Can Tho city の 3カ所で、家禽の鳥インフルエンザが発生している。
インド
 情報源:Reuters alertnet、5月9日
2008年1月以来鳥インフルエンザウイルス対策に懸命の、インド東部西ベンガル West Bengal 州で、鳥インフルエンザ感染流行対策のため、数千羽の庭先飼育の家きんの処分が行われようとしている。この共産主義支配地域では、全19地区のうちの14地区で行われた、400万羽を超える処分により、一時的に流行が封じ込められていたが、間をおいて再び発生した。

● リフトバレー熱 マダガスカル
PRO/AH/EDR> Rift Valley fever - Madagascar: FAO, preparedness Eastern Africa
Archive Number: 20080510.1591
 情報源:Business Daily (Nairobi) via AllAfrica - East Africa 、5月7日
およそ1年前の致死性のリフトバレー熱 Rift Valley fever [RVF] 感染流行により、ケニア Keniya 全体で約300万米ドルの家畜損失の被害を受けた。現在、専門家らは、ケニアおよび周辺諸国の RVF 再興を懸念している。
NASA アメリカ航空宇宙局と OIE 国際獣疫局の、この新たな懸念は、東アフリカ沖のマダガスカル Madagascar 島で急速に発生したウイルス感染(RVF)流行によるものである。マダガスカルにおける RVF の感染流行は、2ヶ月前に発生していた Avaradrano(アンタナナリボ Antananarivo)周辺の、RVF 関連症状を発症した 9頭の家畜のうち、2頭の RVF 検査が陽性となったことを受け、2008年4月9日になりようやく農業省から報告された。「マダガスカルでの RVF 感染状況は極めて深刻である。疾患の報告が 2ヶ月も遅れたことによって感染が拡大した可能性があり、その結果複数のヒトでの患者発生と死亡を招いた。このことは、今回の感染流行により、動物(家畜)において、RVF感染がしっかりと定着したことが示唆される。」と、FAO による緊急防止システム the emergency prevention system (EMPRES) 告の最新版の中で、専門家らが警告している。
NASA と OIE からの警告は、ケニアにも当てはまると評論家は述べている:[2006年12月から2007年5月にかけて]ケニアは感染流行に見舞われ、155人以上が死亡し、さらに 700人が感染した。最も多くの被害が出た(流行の最前線となった)North Eastern province では 333人の患者が発生した。 Rift Valley province では 141例、Coast and Central provinces では各々 14および 13例が発生した。.. 家畜でも大きな被害が出たこと .. 
マダガスカル保健省は、Alaotra, Mangoro, Analamanga, Itasy, Vakinakaratra and Anosy の周辺地域における、4月中旬までにすでに 17人の死者と 418人の感染が疑われる患者について報告を行なっている。特に中央アフリカの周囲の各地域で、今後数ヶ月間に例年を超える降雨量が予想されており、RVF の拡大に好適な条件であることから、専門家らは、マダガスカルの状況は、ケニアなどの周辺諸国にとっても直接的な脅威であると警告している。「2007年に、ケニア、タンザニア、スーダンで RVF 感染流行が報告され、現在は南アフリカで感染流行が発生していることを考えれば、アフリカ大陸東部全体で、サーベイランスをの強化し、対策計画を実施する必要がある。現在は発生していない国でも、サーベイランスが必要」と、報告の中で指摘された。

● ブルータング 英国
PRO/AH/EDR> Bluetongue - Europe (25): BTV-8, UK, epidemiology, vaccination
Archive Number: 20080510.1602
[1] ブルータング 最新状況:ワクチン接種拡大許可のため、制限区域拡大 
 情報源:Defra News Release Ref: 136/08 、5月8日。
[2] Report on the distribution of bluetongue infection in Great Britain (2008年3月15日時点)
 情報源:Defra's website, Bluetongue latest situation, 8 May 2008 、5月8日