2008年5月5日

デング熱 ブラジル,インドネシア,香港
麻疹 ペルー、インドから 米国

● デング熱 ブラジル,インドネシア,香港
PRO/EDR> Dengue/DHF update 2008 (18)
Archive Number: 20080505.1542
ブラジル(リオデジャネイロ) 
 情報源:A Tarde [in Portuguese]、4月30日
2008年4月30日、リオデジャネイロ Rio de Janeiro 保健大臣は、今週さらに 10人がデング熱 Dengue で死亡したことを確認し、2008年1月1日以来のデング熱による死者の合計は 103人となった。これまでに 121586人のデング患者が記録されており、先週は 10879人以上が発生した。死者のうち 62人は首都で発生している。感染流行開始の頃ほどの患者数増加はないものの、116人のデング感染が疑われる死者の調査が続いている。2008年、Rio では史上最も死者の多いデング感染流行となっている。2002年は 92人のデングによる死者がでた。首都では 66942人のデング患者が報告されている。
インドネシア(ジャワ) 
 情報源:Antara News、5月1日
2008年4月、Sukoharjo District(Central Java province)で小児 2人がデング熱により死亡した。2008年第一四半期に、地区内で合計 160人のデング熱患者が発生し、7人が死亡した。2008年5月1日に当局者が説明した。患者の多くは小児で、重症化してからの入院のために死亡している。 
[Mod.TY-2008年の Central Java でのデング感染流行が続いている(20080324.1110)。興味深いことに、また不幸なことに、同地域では、チクングニア感染流行も発生している。いずれも同じベクターの蚊族により伝播される] 
香港 モルジブから
 情報源: Hong Kong Information Services Health & Community News 、4月30日
2008年の 11例目のデング熱患者が確認された。モルジブ Maldives への旅行後に発病した 30才男性である。2008年4月 5-13日にモルジブを旅行し、18日に発熱、咽頭痛、鼻漏、発疹が現れた。4日後に入院し、27日に退院した。2007年、香港では 58例のデング症例が報告されていて、すべて輸入感染例であった。 
[Mod.TY-モルジブでは、2006年に大きなチクングニア感染流行が発生した(20061224.3598)。チクングニアとデングウイルスは、同じヤブカ属によって伝播される。上記報告によると、モルジブには相当数のヤブカ属 _Aedes_ が存在し、現在デングウイルスの感染が続いている。モルジブにおいて、_Aedes aegypti_ ネッタイシマカ or _Aedes albopictus_ ヒトスジシマカの個体数減少のために、どのような対策が行われているのか、興味が持たれる] 
地図 Maldives

● 原因不明の死亡 ペルー、漁船乗組員
PRO/EDR> Undiagnosed deaths, Chinese fishermen - Peru (03): toxin susp.
Archive Number: 20080505.1540
 投稿者:ペルー・Cesar Carcamo, MD, MPH, PhD、5月5日
Peruvian National Institute of Health (INS): 検疫解除 
Chang An 168 の船員および接触のあったペルー人らの健康に問題は見られず、2008年4月28日、隔離が解かれた。船長によると、死亡した2人の乗組員の唯一の症状は発熱で、それぞれ死亡の 2および5時間前だったが、言語の壁があり詳しい状況は明らかではない [苦しい言い訳である。世界中の主要都市に中華レストランがあるではないか !]。
剖検では、肺炎と脳浮腫がが認められ、病理組織診断で toxic process (中毒?) の証拠が認められた。しかし、死体について検査された12種類のトキシンは陰性であった。
関連項目 
Undiagnosed deaths, Chinese fishermen - Peru (02): adenovirus susp.
20080422.1427

● 麻疹 ペルー、米国
PRO/EDR> Measles - Worldwide: Peru ex India, USA
Archive Number: 20080505.1539
[1] 麻疹 - ペルー インドから
 情報源:Peruvian General Direction of Epidemiology [trans.]、5月5日
2008年5月1日、San BorjaDistrict(in Lima)のクリニックから麻疹 Measles 感染が疑われるとの報告があった。患者はインドから来た 19歳男性で、4月19日にボンベイ Bombay  を出て、ロンドン London とマイアミ Miami 経由で、21日にグアヤキル Guayaquil に到着した。同日、 Puerto Bolivar に移動し、そこでタンカーの Berge Nantong に乗船した。28日に出航し、Callao には30日に到着した。28日に倦怠感、咳、咽頭痛で発症し、30日には発熱、5月1日には発疹が認められた。そこで、リマ Lima の個人医院に送られ、麻疹感染の可能性ありとされた。... 
[Mod.JGM、CP- 確定診断された輸入例の麻疹感染患者である。感染推定時期は、4月10-24日の間のいずれかの場所で、インド、ロンドンあるいはマイアミとなる。もっとも感染した可能性が高い場所は、インドである。この患者は、感染性がないとされるまで、あと1週間の隔離が必要である。船員らは、麻疹に対する免疫保有状態であり、調査中の隔離期間は終了されたと思われる。... 2006年、全国麻疹風疹予防接種キャンペーンが実施され、2-39歳のおよそ 2000万人が接種を受け、98.24% がカバーされたことが、WHO/PAHO により確認されていることを指摘しておかなければならない。したがって、ペルーにおいて麻疹感染流行が発生する可能性はきわめて低い(2歳以下の幼児をのぞいて)。なぜインドからラテンアメリカにやってきた若者を、危険を承知でタンカーに乗せたのかという疑問に対する答えとして、乗員がすべて、Puerto Bolivar で見つけることが難しい、英語を話すインド人であり、高度にコンピューター化された近代タンカーで、彼が特殊技能を有していた可能性があるとの情報がある] 
[2] 麻疹 - 家族内小集積, 米国
 情報源:Seattlepi.com, Associated Press report 、5月3日
Grant County(Eastern Washington)における 9例目の麻疹患者が確認され、King 郡にも暴露したものがいる可能性がある。この最新の患者は、Moses Lake Christian Academy の女学生で、感染リスクの評価がでるまで、学校は閉鎖されている。この学生は、2008年4月29日に、遠足でワシントン西部を訪れている。そのときには、感染性があったものと見られている。ほか8人の症例は、3月に "Generation Church Conference" (in Kirkland)に参加した、Grant 郡の一家で、その後に発病した。麻疹についての説明など。 
[3] 麻疹 米国, CDC statement 
 情報源:WZZM13 News mymitten.com 、5月5日
2000年、 the Centers For Disease Control (CDC) は、米国の麻疹排除を宣言したが、2008年、これまでに 9つの州から 64例の麻疹感染患者を報告している。7年間で最も多いとしている。1人を除くすべての患者はワクチンを受けていなかった。患者数が多かったのは、Wisconsin, Arizona, Michigan and New York の各州である。さらに感染流行が増えるようであれば、保護者はこどもたちを麻疹から守るためにワクチンを接種するよう、呼びかけている。麻疹は最も感染性の強い疾患の一つである。CDC 職員によると、もし 1人のこどもが麻疹に感染し、待合室にいたとすると、そのこどもが帰ってから 2時間経っても、医院の中に麻疹ウイルスがいる。麻疹により、肺炎、脳障害、さらには死亡も起こりうる。 
[Mod.CP- これらの報告は、免疫状態を保有し続けるよう忠告するための、公共サービスの一環として出された。ワクチンの接種を受けていない、もしくは不完全な接種となっている、あるいは免疫不全の状態にある人は、麻疹感染のリスクがある。米国のように麻疹を排除した国でさえ、海外旅行の副産物として、麻疹ウイルス感染への曝露のリスクが増加している。ワシントン州の一家8人の患者発生は、リスク増大を示唆する。The MMWR Early Release document (MMWR 1 May 2008/57(Early release);1-4) entitled "Measles - United States, January 1 to April 25 2008" には、米国内の最新状況についての情報が提供されている]

● 手足口病 中国
PRO/EDR> Hand, foot & mouth disease - China (05): Beijing, provinces
Archive Number: 20080505.1537
[1] 中国 - 北京市 Beijing municipality 内で 15人の EV-71感染患者確認 
 情報源:Beijing Business today [in Chinese]、5月6日
2008年5月5日、北京の Centers for Disease Control and Prevention 当局は、同月 4日までの、手足口病 HFMD 感染に関する最新状況を発表した。それによると、年初からの HFMD 患者数は 1482人で、死亡の報告はない。
4月30日から 5月4日までの弧発例の HFMD 患者 57人について行われた通常検査により、このうち 15例が enterovirus 71 (EV71) 感染であることが判明した。 
 [2] 中国 - 各省 provinces 
6300人以上が発病し、新たに1人の小児が死亡して、死者は小児26人となった。 
 情報源:Breitbadt.com, Associated Press report、5月5日
中国国内のウイルス感染流行により、6300人以上が発病し、新たに 1人の小児が死亡して、死者は小児 26人となったと、当局が 5月5日に発表した。EV-71 による最新の犠牲者は、沿岸部の浙江省で発生した。同省内では、このほかに 1198人の小児が、ウイルスに感染した。隣接する安徽省 Anhui では、5151人の患者が報告されており、22人が死亡した。患者の多くは、この中国中央部にある省の農村部の中心地にある、発展目覚しい阜陽市周辺で発生した。広東省からも、3人の死亡が伝わっている。EV-71 は重症型の HFMD と関連があり、くしゃみや咳などで容易に感染が拡大する。患者は主に10歳以下の小児である。一部の症例では、マヒや脳浮腫による死亡を招く。家畜の病気である口蹄疫 foot and mouth disease とは関係がない。ワクチンや特異的な治療法はないが、ほとんどの場合、軽症型で速やかに治癒する。WHO によると、感染のピークは例年6-7月で、温暖な天候により、感染の増加が続く可能性がある。... 
[Mod.CP- EV-71関連の手足口病の感染流行は、中国国内に発生して悪化が続き、死者の数は 26人に達し、首都でも患者が報告されている。安徽省・阜陽市が最悪の事態であることに変化はない] 
[Mod.JW- Times Online of 5 May 2008によると、四川省 Sichuan および江蘇省 Jiangsu でも患者が報告されており、両省と北京の小児患者 8573人はすべて 6歳以下で、大半が 2歳以下である]

● チクングニア インドネシア
PRO/EDR> Chikungunya (17): Indonesia (Java)
Archive Number: 20080505.1531
 情報源:Antara News 、5月1日
2008年のはじめの4ヶ月間で、Sukoharjo District において、473人がチクングニア Chikungunya ウイルスに感染したと、現地衛生当局者が発表した。1-3月のチクングニア感染者数は 314人であったところ、4月に 159人の増加があったと説明した。チクングニア感染者は、9つの亜地区の27の村で発生した。Gatak Subdistrict で最多の 37人の患者が報告されている。
6月末まで続くと見られているラニーニャによる雨期の間、感染が発生しやすい状況が継続している。蚊族繁殖場所の除去を徹底するよう呼びかけられている。デング熱と同じく、チクングニアもネッタイシマカ _Aedes aegypti_ によって伝播され、高熱を特徴とする。しかし、1週間程度つづくひどい関節の痛みが、ときに6ヶ月以上も続くこともある点で、デングと異なっている。 

● 狂犬病、ネコ アルゼンチン(2件)
PRO/AH/EDR> Rabies, feline - Argentina (Buenos Aires) ex bat (02)
Archive Number: 20080505.1543
 情報源:LaNacion.com [in Spanish]、4月15日
4年前に Pasteur Institute for Zoonoses が行った調査によると、ブエノスアイレスのペットの数は 86万5984匹である。イヌが最も多く市内に 42万5978匹で、ネコ 20万6710匹の 2倍以上である。
同研究所の説明では、狂犬病 Rabies ウイルスの感染伝播には 2種類あり、主にコウモリの空での感染サイクル aerial cycle による感染と、イヌやネコあるいはヒトなどの陸生生物を感染させる場合である。1981年以降、陸生生物間での感染サイクルは見られなかったものの、狂犬病ウイルスに感染したコウモリによるヒトの咬傷については、報告されていた。
コウモリのおよそ 3%が狂犬病ウイルスに感染しているものと見られている。 
[Mod.TY- 20080505.1530 の追加報告。リオデジャネイロのイヌやネコのうち、どれくらいの割合で狂犬病の予防接種を受けているのかを知ることが重要である。もし、現地のコウモリが狂犬病に感染しているのであれば、イヌやネコ、そしてヒトも含めて、狂犬病への曝露のリスクは現実的である。常にイヌやネコの免疫状態を保持することが、強く勧められることとなる。狂犬病ウイルスに感染したコウモリの種に関心が持たれる。種により、発生や分布に大きな差が見られると考えられる]

PRO/AH/EDR> Rabies, feline - Argentina (Buenos Aires) ex bat
Archive Number: 20080505.1530
[1] 27年ぶりにブエノスアイレス Buenos Aires 市内でネコが狂犬病と診断された。 
 情報源:La Nacion [in Spanish]、4月15日。
27年ぶりにブエノスアイレス Buenos Aires 市内で、1匹のネコが狂犬病 Rabies と診断された。2008年3月15日、ネコの飼い主である 15才の少年は、自分のネコと別の飼い猫が、自宅の屋根でコウモリと遊んでいるのを見ている。家の中に入れようとしたが聞かず、15日後にこの飼い猫が神経過敏となり、隠れるようになったのに気付いた。4月2日に獣医師を受診したが診断がつかず、獣医学病院に紹介され、そこで死亡した。このネコは、獣医や飼い主の少年と父親を咬んでいた。18日、国立動物研究所は、IF [immunofluorescence、免疫蛍光法] test および Webster test (6日間の innkyubation 後) が陽性となったことを確認し、抗原性の特徴から、variant 4-rabies virus の 1種であることが判明した。ネコが狂犬病に罹患すると理解されていなかったため、ネコにはワクチン接種は行われておらず、当局による、野良猫に対するワクチンキャンペーンが実施されている。咬傷を受けた 4人には、ワクチン接種が行われている。 
[2] ネコはコウモリから狂犬病に感染したものと考えられる。 
 投稿者:Oscar Larghi、4月13日
2008年4月12日および13日の新聞によると、ブエノスアイレス BA 市保健当局は、市内 Caballito district の1匹のネコの狂犬病を報告した。陸生生物としては、BA 市内で 27年ぶりの報告となった。BA にあるパスツール研究所 Pasteur Institute 所長は、このネコは3月15日にコウモリと遊んでおり、2週間後に発病し、4月8日に死亡したと報告した。脳の DIF (directimmunofluorescence) test が陽性で、マウスへの接種検査が進行中である。分離ウイルスのタイピングは、接種されたマウスの死亡後の脳組織で行われることになっている。 [ModTG-どんな哺乳動物も狂犬病に罹患する。もしペットを飼うのなら、狂犬病のワクチンを接種すべきである。アルゼンチンの獣医師や公衆衛生関係者らは、国民に対し、もっと啓蒙すべきである。狂犬病は予防可能である] 
地図 首都 Buenos Aires、Argentina

● ヤムイモの病気,Cucumber mosaic virus 西アフリカ
PRO/PL> Cucumber mosaic virus, yams - West Africa
Archive Number: 20080505.1533
 情報源:The American Phytopathological Society, Plant Disease 2008;92(5): 833、5月
[Reference: Eni AO et al: 1st report of _Cucumber mosaic virus_ in yams (_Dioscorea_ spp.) in Ghana, Togo, and Republic of Benin in West Africa. Plant Dis 2008; 92(5): 833; DOI: 10.1094/PDIS-92-5-0833B]
 
● 小麦の病気,原因不明 インド
PRO/PL> Undiagnosed disease, wheat - India: (UP), RFI
Archive Number: 20080505.1532
 情報源:Hindustan Times、5月2日
Indian Agricultural Research Institute インド農業研究所によると、数年間にわたり、農業および園芸におけるウイルス類の台頭に注意を要する状況が続いている。1939年には 89種類のウイルスが知られるのみであったが、1991年におよそ 700、2005年には 1200となっている。2007年、UP [Uttar Pradesh、ウッタルプラデシ州] 農村部の小麦の収量は減少している。