住血吸虫症 マダガスカル
● 住血吸虫症 マダガスカル
PRO/AH/EDR> Schistosomiasis - Madagascar (02): (Amoron'i Mania), comment
Archive Number: 20080529.1736
[1] 20080525.1717 に関して
投稿者:デンマーク・University of Copenhagen、A Lee Willingham III, DVM, PhD、2008年5月27日
神経学的症状は,日本住血吸虫 _Schistosoma japonicum_ 感染に関連するが、_S. haematobium_ or _S. mansoni_ 感染との関連性はないと思う。マダガスカルに深刻な土着感染をおこしている _Taenia solium_ cysticercosis 嚢尾虫症/neurocysticercosis が原因ではないか。4000人以上に抗体が検出され、アンボシトラ Ambositra の一般人口の 7-17%、痙攣患者の 21%に cysticercosis が認められたことから、1990年代後半にマダガスカルのパスツール研究所は、ヒトでの cysticercosis に関する全国的な血清学的調査を行った (Mahasolo, Mahajanga, Ambositra, Ihosy, and Tamatave/Antananarivoで実施) 。neurocysticercosis 対策が議論された 2003年の世界保健会議において、マダガスカルは、 cysticercosis が重大な問題であるとして、サーベイランス・予防・対応策に対する支援を求めた、唯一の風土病感染国であった。
[2] 投稿者:WHO・Dr Albis Francesco Gabrielli、2008年5月27日
マダガスカルは 2008年6月、住血吸虫症が土着感染する 21の地区において、プラジカンテル praziquantel の大規模な配布を実施する計画である。保健省は taeniosis/cysticercosis の共感染のリスクを認識しており、サーベイランスと治療後の起こりうる副反応検出を目的とした医薬品副反応調査を行う予定である。"Situation epidemiologique actuelle de la cysticercose a Madagascar." Arch Inst Pasteur de Madagascar 2003; 69: 46-51 についても、参照されたい。
[3] 投稿者:デンマーク・University of Copenhagen、Dr Pascal Magnussen MD, DTM&H、5月29日
_S. haematobium_ は、マラウイにおいて神経学的症状と関連している。オランダ・ライデン Leiden の住血吸虫の研究グループによると、下位脊髄の虫卵肉芽種 egg granulomas による症状 medullary symptoms である。"neurological problems" の語はあいまいではっきりしないため、すぐに "symptoms" with cysticercosis と結び付けてしまわないよう注意が必要である。この症状とは脳症状(てんかん epilepsy 相同など)であること、マダガスカル当局からの詳細な説明を得なければならない。
[Mod.EP-neurocysticercosis において、死亡したシストが脳内で局所炎症反応をおこし、局所の浮腫から限局性神経学的症状を発生するため、治療中に症状の増悪を見る可能性もある。この場合、ステロイドを用いて治療されることが多いが、一斉治療キャンペーンでは、事前の neurocysticercosis の検査は行われないまま、治療が行われている。このため、ここで述べられたような神経症状は、neurocysticercosis に対する praziquantel の薬効が原因である可能性もある]
地図 Amoron'i Mania(Madagascar 中央部, Fianarantsoa province の一地方)
● 手足口病 中国
● トリパノソーマ症 アンゴラ
● E型肝炎ウイルス ウガンダ
● ブルータング-英国、フランス
● トマトの病気,Tomato chlorosis virus -キューバ:初報告
PRO/EDR> Hand, foot & mouth disease - Asia (15): China (Anhui, Macao)
Archive Number: 20080530.1748
[1] 中国: マカオ Macao S.A.R. マカオ
情報源:China.org.cn, Xinhua News Agency report、2008年5月30日
市保健当局によると、29日マカオ Macao 市内で新たに 10人のエンテロウイルス感染患者が確認され、合計の患者数は 283人となった。このエンテロウイルス感染患者は、手足口病 Hand, foot & mouth disease とヘルパンギーナ(口腔水疱症 mouth blisters) の患者からなるが、このうち 1人は重症となっている。新た な10人の患者のうちの 4人は、現地の保育所 creche の同じクラスであった。確認された患者のうち、29日までに 34人の EV71感染が確認されている。エンテロウイルスの患者の多くは、保育所や小学校の児童であった。 [Mod.CP-マカオの手足口病 hand-foot-mouth disease (HFMD) 患者数は、アジア全体の傾向を反映して、7日に報告された 79人から、現在は 283人に増えた。他地域と同様に、優位な病原体はヒトエンテロウイルス71と確認されている。21日の中国衛生省と WHO の声明では、今後 HFMD患者数は 1ヶ月単位で公表されることになっている。しかし、次の23日に出された新華社の報告では、最も深刻な感染が起こっている中国/安徽省の流行はピークを超えたらしい]
[2] 中国: 安徽省 安徽省の手足口病、下火に
情報源:China View, Xinhua News Agency report、2008年5月23日
HFMD の感染流行は、4月以来最も深刻なウイルス感染流行があった、中国・安徽省で衰退していると、23日に同省衛生当局が発表した。連日報告されている患者数は、ピークであった5月1日の 1160人から、21日の 153人まで減少し、12日間にわたり死者は発生していないと、広報で発表された。現在、安徽省では 734人が入院中で、このうち 10人は危険な状態にある。10696人は治療により回復したが、26人が流行中に死亡した。最悪の被害を受けた阜陽市では、事態は収拾されたとして 6月1日の子供の日に幼稚園が再開されることになっている。衛生省によれば HFMD は、腸管ウイルスの保菌者によって発生することもあるが、human enterovirus 71 (EV71) および coxsackievirus (Cox A16) によるものが最も多い。HFMDは通常微熱で発症し、その後に口腔内に水疱や潰瘍を生じ、手足には発疹が認められる。EV71感染では、時に重症化する。髄膜炎、脳炎、肺浮腫、麻痺をおこすこともある。ワクチンはない。
● トリパノソーマ症 アンゴラ
PRO/AH/EDR> Trypanosomiasis - Angola: (Cuanza Norte)
Archive Number: 20080530.1747
情報源:Angola Press Agency (Angop)、2008年5月30日
アンゴラ国立トリパノソーマ症対策管理研究所 [The Angolan National Institute for Combat and Control of Trypanosomiasis] (ICCT) は、北部 Kwanza Norte [Cuanza Norte] ProvinceのKambambe Municipality において、5ヶ月間で新たに 14例の睡眠病の患者を確認した。研究所の臨時代表は、2007年同時期の 16例から減少したのは、最も感染が深刻な地域の周辺での啓蒙活動の結果であると述べた。2007年、疾患の対策の長期戦略の中で、およそ275カ所にこの疾患のベクターであるツェツェバエを捉えるためのトラップを設置した。
[Mod.EP-Cuanze Norte province は、トリパノソーマの高度侵淫地である Uige province に接しているため、同疾患の発生があっても不思議はない]
● 鳥インフルエンザ、ヒト バングラデシュ WHO
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (50): Bangladesh, WHO
Archive Number: 20080529.1740
情報源:The World Health Organiastion (WHO), EPR, Disease Outbreak News、2008年5月28日
バングラデシュ Bangladesh 保健省は、国内初の H5N1型鳥インフルエンザ Avian influenza 感染症例を確認した。この患者はバングラデシュ・下痢性疾患研究国際センター the International Centre for Diarrhoeal Disease Research, Bangladesh (ICDDRB) が行っている季節サーベイランス活動の中で、過去に遡り確認された。患者は、ダッカ Dahka の Komalapur 出身の生後 16ヶ月の男児である。この男児は、2008年1月27日に発病し、その後に回復している。WHO・H5 亜型照会検査機関である、米国 CDC(Centers for Disease Control and Prevention)において、男児の A(H5N1)型の感染が確認された。患者には、自宅において、生きているニワトリや処分されたニワトリとの接触があった。患者の家族や近所の人々から、検体が採取されている。いずれも、これまでのところ健康である。
[Mod.CP- ProMED-mail (20080525.1718) で報告された、バングラデシュ初のH5N1型鳥インフルエンザ感染例についての WHOによる公式確認である。WHO のウェブサイト上でのこの新たな報告の中で、2008年1月後半に感染したこの H5N1型患者の確認が遅れた理由について説明されている。バングラデシュは、ヒトでの H5N1型ウイルス感染を報告した 15番目の国となった。他の 14カ国とは;アゼルバイジャン (8 cases, 5 deaths), カンボジア(7 cases, 7 deaths), 中国 (30 cases, 20 deaths), ジブチ (one case, no deaths), エジプト (50 cases, 22 deaths), インドネシア (133 cases, 108 deaths), イラク (3 cases, 2 deaths), ラオス民主共和国(2 cases, 2 deaths),ミャンマー (one case, no deaths), ナイジェリア(one case, one death), パキスタン (3 cases, one death), タイ (25 cases, 17 deaths), トルコ (12 cases, 4 deaths), ベトナム (106 cases, 52 deaths)である。世界全体では、患者383例、死者241例]
● E型肝炎ウイルス ウガンダ
PRO/EDR> Hepatitis E virus - Uganda (03): (Kitgum)
Archive Number: 20080529.1737
情報源:The New Vision 、2008年5月28日
Kitgum 地区で E型肝炎 Hepatitis E による死者の数は、先週の 31人から 35人に増えたと報じられた。死亡した患者は、妊娠女性が中心で、感染者の総数は 1797人である。「スーダン南部から持ち込まれたと考えられるこのウイルスは、Lamwo 郡で最初に確認された。Agoro, Mucwini, Paloga, Potika, Padibe, and Lukung sub-counties へと拡大し、現在、Kitgum town council において問題となっている」と、27日に当局者が述べた。「発熱のあるものは直ちに受診するよう呼びかけ、しばらく妊娠を控えるよう勧めている」と述べた。
[Mod.CP-スーダンとの国境地域で確認されたウガンダの E型肝炎感染流行の患者数は、当初の患者314人/死者11人から、現在の1797人/死者35人に増加した。E型肝炎は、E型肝炎ウイルスhepatitis E virus (HEV)による肝疾患で、他の腸管ウイルスとほとんど同じ経路で感染伝播する。HEV ウイルスは、HEV 感染患者や感染動物の糞便中に確認され、汚染された食品や水の摂取により感染が拡大する。ヒト-ヒト感染の可能性もある。近年、世界中で E型肝炎の大流行が発生しており、その頻度は増している。HEV 感染の兆候・症状としては、食欲低下、嘔気、嘔吐、尿の変色、黄疸、腹痛などがある。しかし、慢性 (長期) 感染は知られていない。E型肝炎は、妊娠女性のとくに第3期に重症化しやすい]
地図 Uganda北部;Kitgum
● レタスの病気 米国
PRO/PL> Tospoviruses, lettuce - USA: (CA)
Archive Number: 20080601.1758
情報源:Western Farm Press、2008年5月29日
カリフォルニア州のレタス lettuce 産業界にとって、最も必要のないものは病気であるが、2007年、Salinas Valley に、新種の病気である_Impatiens necrotic spot virus_ (INSV) が発生した。
● ブルータング-英国、フランス
PRO/AH/EDR> Bluetongue - Europe (28): BTV-8, UK, vaccination, France, update
Archive Number: 20080601.1756
[1] 英 ウエールズ Wales
情報源:The Veterinary Record 162:702, News & Reports [Subscription; edited]、2008年5月31日
6月2日、ウェールズにおいて、抗ブルータング・ワクチンの使用が開始される見通しである。この日、the Welsh Assembly Government(議会政府)は、同国南部に予防区域宣言を行なうこととしている。
[2] 英国 vector season と vaccination
情報源:Yorkshirepost、2008年5月30日
1年のうちのこの時期、ブヨの活動が活発となる。家畜農家にとって、ブヨは persona non grata (招かれざる客) であり、Public Enemy Number One である。ブヨにより媒介されるブルータングは、20年近くにわたり農業を苦しめてきた...
[3] フランス 最終フォローアップ報告(to the OIE)
情報源:OIE, WAHID interface、2008年5月21日
新たな感染流行 [This follow-up report No 34]
5月に発生した、新たな 5県(MAINE-ET-LOIRE, VENDEE, CORREZE, CREUSE and HAUTE-VIENNE)の感染流行 土着感染したと考えられるため、今後フォローアップ報告は行なわず、代わりに6ヶ月毎の報告に、ブルータングを含める事とする
PRO/AH> Animal health 2007-2008: OIE
Archive Number: 20080601.1755
the World Organisation for Animal Health (OIE) の第76回年次総会報告
情報源:OIE press release 、2008年5月30日
国際獣疫局 the World Organisation for Animal Health (OIE) の第76回年次総会に、172の加盟国と地域や、国際機関、地方や国家組織などから、およそ 600人が出席した。Official OIE sanitary status recognition of Members (加盟国の衛生状態のOIEによる公認;BSE (牛海綿状脳症), FMD (口蹄疫), CBPP (感染性牛胸膜肺炎), および rinderpest (牛疫) の 4つの優先疾患の1つ以上に関して、衛生状態 sanitary status の OIE による公認を行なった。BSE に関しては、現在 41の加盟国が a "controlled risk" もしくは a "negligible risk" status とされている。OIE は、BSE を含む特定の動物疾患の清浄状態を公式に認可できる、唯一の国際機関である。新たに 5カ国または地域が FMD 排除を認められた。新たに 13カ国が牛疫が排除されたと確認された。... 以下、食の安全、鳥インフルエンザに関する OIE と FAO の OFFLU ネットワーク、動物疾患の世界的な届出報告、政府獣医学当局、OIE 科学ネットワークと診断キット、陸生および水生動物衛生 Codes への追加...
[Mod.AS-BSE について、"negligible risk" とされる 10カ国は、20080529.1738 を参照されたい。31カ国が "controlled risk" とされている。他の 131の参加国は "undetermined BSE risk." となっている。]
● トマトの病気,Tomato chlorosis virus -キューバ:初報告
PRO/PL> Tomato chlorosis virus - Cuba: 1st report
Archive Number: 20080530.1741
情報源:The American Phytopathological Society, Plant Disease 2008; 92(5), 836 、2008年5月
[Ref: Y Martinez-Zubiaur et al: First report of _Tomato chlorosis virus_ infecting tomato in single and mixed infections with _Tomato yellow leaf curl virus_ in Cuba. Plant Dis 2008; 92(5), 836; DOI: 10.1094/PDIS-92-5-0836C]
コナジラミ Whitefly によって媒介されるウイルスが、キューバのトマト収穫に深刻な損害を与えている。2006および2007年、東部の温室トマトに高率に _Bemisia tabaci_ (B biotype) が感染していた。_Tomato yellow leaf curl virus_ (TYLCV-IL(CU)) とは異なる症状のトマトの31の検体のうち、TYLCV-specific primers を使用した PCRアッセイで陽性であったのは 12検体のみで、 同時に行われた _Tomato chlorosis virus_ (ToCV) の RT-PCR により、スペイン、米国フロリダ、レユニオン島で検出されているウイルス株と 97-98% 一致するウイルスが、キューバで初めて確認された...
● BSE 2008
PRO/AH/EDR> BSE update 2008 (02)
Archive Number: 20080529.1738
[1] フィンランド: OIE classification
情報源:YLE (Finnish Broadcasting Company)、2008年5月29日
OIE は、フィンランドが BSE(bovine spongiform encephalopathy 、牛海綿状脳症) の清浄国であると、27日に年次総会で発表した。フィンランド国内での、狂牛病のリスクは極めて小さい minuscule であることを意味する。... 2001年、フィンランドで、1例の狂牛病が確認された。現在、2.5歳以上の処分されるウシの全頭検査と、2歳以下で発病もしくは緊急に emergency situations 処分されたウシの検査が行われている。
[2] 韓国: safety standards
情報源:Chosun 、2008年5月29日
食料農業森林漁業省は 28日、次週はじめにも韓国牛肉に関する新たな強化安全基準を公表することを明らかにした。米国産牛肉輸入のための衛生条件を整える時期に合わせたものである。...
[3] オランダ: 85th case since 1997
情報源: AllHeadlinesNews (AHN) 、2008年5月21日
オランダ北部 Drenthe 州の 8才のウシ1頭で、5月に狂牛病感染が新たに確認された。ラジオ放送 Radio Netherlands Worldwide によると、歩行困難が見られたという。検査により、BSEの感染が確認された。3月に政府当局が、Overijssel province の Dinkelland 村の農場で、狂牛病が発見されたと発表したところだった。オランダにおいては、2008年の3例目の症例で、1997年以来85頭目となる。