2008年10月16日

Jamestown Canyon virus、ヒト-米国
A型肝炎-スロバキア
クロストリジウム菌感染-カナダ、院内感染 NICU

● チクングニア (45)-インドネシア、インド
PRO/EDR> Chikungunya (45): Indonesia (W. Sumatra), India (W. Bengal)
Archive Number: 20081016.3286
[1] インドネシア (West Sumatra) 
数十人の住民がチクングニアに感染した。 
 情報源: MetroTVNews.com [in Indonesian]、2008年10月15日。 
Pauh subdistrict(Kota Padang of West Sumatra)の数十人の住民がチクングニアに感染した。住民らは関節痛を訴え、動くことができない。... 
[Mod.TY-以前報告された同島のチクングニア感染流行 (20081014.3259) が、Sumatra 西側でも発生した。] 
[2] インド (West Bengal) 
およそ250人の血液検体からデングウイルスとチクングニアウイルスが確認された
 情報源: Sundh Today.net、2008年10月16日。 
"9日以降、およそ250人の血液検体からデングウイルスとチクングニアウイルスが確認された"と、South 24 Parganasの医療当局者が述べた。 
[Mod.TY-14日に 20081014.3248 で報告されたのとほぼ同じ地域での患者発生であり、チクングニア感染流行が継続していることが示唆される。何人のうちの250人がチクングニアウイルス陽性であったかは述べられていない] 

● Jamestown Canyon virus-米国、ヒト 
PRO/AH/EDR> Jamestown Canyon virus, human - USA (MS)
Archive Number: 20081016.3285
Lamar Countyで Jamestown Canyon virus (JCV) 感染患者が発生した
 情報源:Medical News Today 、2008年10月15日。 
15日、ミシシッピMississippi州保健当局は、Lamar County で 1人の Jamestown Canyon virus (JCV) 感染患者が発生したことを明らかにした。Jamestown Canyon virus 患者は、ときおり同州内で報告されている。JCV 感染の症状は、無症状のものから微熱、重症例では脳炎など幅がある。Jamestown Canyon virus はシカ・ウマ・その他の野生や家畜の大型ほ乳動物に、蚊族刺咬を通じて感染循環している。ヒトにも蚊族刺咬により伝播される。このウイルスは比較的まれであるが、the tree hole mosquito, _Ochlerotatus triseriatus_ などの、州内の複数の蚊族が伝播する可能性がある。LAC [*=La Crosse] を伝播するのと同じ蚊族で、木の穴、空き缶、タイヤその他の人工物で繁殖する
[実験的には LAC virus vector である_O. (Aedes) triseriatus_ は JCV に感染せず (refractory)、他の_A. hendersoni_ のようなヤブカ属は competent vectors であった。現在米国にも存在する Asian tiger mosquito, _Ae. albopictus_ は LAC も JC viruses にも感受性があり、2つのウイルスの再集合も実験上確かめられている]。 
[Mod.TY-Jamestown Canyon virus (JCV) は、米国内の the Rocky Mountains から東方に広く分布して地方病感染しており、散発性のヒトの有熱性疾患や脳炎の原因となる。 20040807.2171 で指摘されたとおり、JCV はヒトの病原体としてしばしば忘れ去られているとして、以下の文献が提示されている] 

● 病原性大腸菌O157-カナダ、レストラン
PRO/AH/EDR> E. coli O157, restaurant - Canada: (ON)
Archive Number: 20081016.3283
 情報源:The Globe and Mail、2008年10月16日。 
Ontario Harvey's restaurant で食事をした 50人以上が発病した可能性のある大腸菌感染流行は、近日中にさらに拡がる可能性があると、15日当局が警告した。現在感染源と、ほかにリスクのある人がないか調査を行なっている。14人が North Bay Harvey's franchise での食事後に _E. coli_ O157:H7 に感染し発病したことが確認されている。ほかに 38人の同じレストランに関連する患者があり、現在大腸菌感染との因果関係が調査されている ... 11-12日に始まったこの感染流行で、合計 19人が入院となり、9人は15日現在も入院中であるが、集中治療室に収容されている患者はいない。

● 麻疹-英国 (03): ウェールズ、学童
PRO/EDR> Measles, school children - UK (03): (Wales)
Archive Number: 20081016.3280
 情報源:News Wales、2008年10月15日。 
Newcastle Emlyn Comprehensive School の職員および生徒 13人と、関連のある Cardiffの 2例の麻疹患者が発生したため、Wales の The National Public Health Service [NPHS 国立公衆衛生局] が現在調査中である。ほか、未接種者に MMRワクチンが接種されていることなど... 

● A型肝炎-スロバキア
PRO/EDR> Hepatitis A - Slovakia: (PV), RFI
Archive Number: 20081016.3278
 情報源:China View, Xinhua News Agency report 、2008年10月16日。 
Slovakia 東部 [プレショフ Presov 地方] の he Stara Lubovna area において、肝炎流行のため非常事態が宣言された。15日、地域公衆衛生当局が発表した。Romany children (ジプシーの子供たち) 200人以上が、肝炎に感染している。臨時の医療センターが設置され、ポプラト Poprad とプレショフ Presov の各病院は、感染症病棟のベッド数を増やした。16日に新たなに 20人の患者が記録されたが、まだピークを過ぎたか判らないとされている。Lomnicka village には 2100人のジプシーが住んでおり、170人の小児らが発病した。初発患者確認後、この地域の小児の多くが肝炎のワクチンを受けた。ワクチンが接種される前に肝炎に感染した可能性があり、流行はつづくと見られている。 
[Mod.CP-A型肝炎ウイルスの感染流行と見られる。現在、チェコとラトビアで A型肝炎が流行している。the Stara Lubovna districtはCentral Bohemia (Czech Republic の感染流行発生地域) に近くはないが、中欧でのジプシーの移動は、関連性があることを示唆する。] 

● クロストリジウム菌感染-カナダ、院内感染 NICU
PRO/EDR> Clostridium difficile, nosocomial, neonatal ICU - Canada: (SK)
Archive Number: 20081016.3275
 情報源:Leader-Post 、2008年10月15日。 
クロストリジウム菌 _Clostridium difficile_ 感染流行発生のあと、The Regina Qu'Appelle Health Region 当局は、10月16日までに the Regina General Hospital の the neo-natal intensive care unit (NICU 新生児集中治療室) に対する clean bill of health(清浄証明) 授与を望んでいる。"合計 9名の新生児が、[_C. difficile_] 検査で陽性となった。初発症例が確認されたのは10月2日であり、9人の新生児のうち 5人の治療が終了し、症状は全く見られなくなった" と、病院関係者は述べた。のこる 4人の治療も最終段階にあり、48時間以上症状は見られていない。.. 他の下痢症の新生児は、検査で陰性であったこと、非常に治療しやすい菌株であったこと、15-63% の新生児に _C. difficile_ が見られるが多くは無症候性であること、院内感染と関連性があることなど ... 長文。

● 小反芻獣疫-モロッコ (07):OIE、PPRV lineage IV
PRO/AH/EDR> Peste des petits ruminants - Morocco (07): OIE, PPRV lineage IV
Archive Number: 20081016.3282
 情報源: OIE's WAHID interface, Peste des petits ruminants, Morocco, (Follow-up report No. 9) 、2008年10月16日。 
感染開始時期 2008年6月12日、初報告 
原因ウイルス  
感染流行の要約 
Total outbreaks: 12 
感染種/頭数/感染/死亡/廃棄/処分 
ヤギ / 175 / 62 / 7 / - / - 
ヒツジ / 917 / 76 / 32 / - / - 
OIE の rinderpest and peste des petits ruminants [PPR] に関する基準検査機関である、The CIRAD (French Agricultural Research Centre for International Development) において、lineage IV of the PPR virus によるものであることが確認された。

● リス痘-英国: アカリス、免疫学的側面
PRO/AH> Squirrel pox, red squirrel - UK: prospects of immunity
Archive Number: 20081016.3279
 情報源:BBC News、2008年10月15日。 
英国の最も象徴的で絶滅が危惧されている動物の1つに、一縷の望みが与えられた。red squirrels の一部に、個体数を激減させた疾患に対する免疫が保有されていることが、研究者らによって確認された。grey squirrels ハイイロリスが伝播するこの pox 疾患 は、ハイイロリスには何ら影響を及ぼさない代わりに、アカリスがこのウイルスに感染すると、数週間で死亡してしまう。EcoHealth に掲載された報告によると、ワクチンによってアカリスを絶滅から救える可能性が出てきた。ハイイロリスは 19世紀に北米から英国に持ち込まれた。その生息領域の拡大に伴ってアカリスの個体数は減少し、現在では the British Isles 周辺の数ヶ所だけで生き延びている。