2008年10月29日-30日

黄熱 中央アフリカ共和国

● 風疹 南北アメリカ、2003-2008年
PRO/EDR> Rubella, 2003-2008 - The Americas
Archive Number: 20081030.3424
 情報源:MMWR Weekly 2008/57(43);1176-1179 、2008年10月31日。
風疹と先天性風疹症候群根絶への歩み 南北アメリカ、2003-2008
Progress Toward Elimination of Rubella and Congenital Rubella Syndrome
2003年、the Pan American Health Organization (PAHO 汎米保健機関) は、2010年までに南北アメリカから風疹 Rubella と先天性風疹症候群 congenital rubella syndrome (CRS) を根絶するとの目標を採択した。根絶とは、北米、中米、南米およびカリブ海の全ての国での風疹ウイルスの地方病感染循環を 12ヶ月以上に渡って途絶させ、かつ、地域内感染による CRS を発生させないことと定義された。
このため PAHO は、
1) 風疹を含むワクチン rubella-containing vaccine (RCV) を全ての国の生後 12ヶ月での定期接種に導入し、全ての自治体で 95%以上の達成率とする、
2) 青年と成人に対しては臨時の一斉接種を行い、5才以下の小児には周期的な追加接種キャンペーンを実施する、
3)麻疹と同時に風疹についても集中サーベイランスを行い、CRS のサーベイランスを開始する、
を rubella and CRS elimination strategy として展開した。1998-2006年の期間中に、南北アメリカの風疹症例は 98%減少(13万5千から 2998人)したが、2007年、3カ国(アルゼンチン、ブラジル、チリ)で、主に以前にワクチンを接種されていない男性、合計 13014人の患者の風疹感染流行が発生した。今回の報告は、2010年に向けての根絶に向けた動向についての報告である。アルゼンチン、ブラジル、ハイチではキャンペーンが完了し、2008年末までに全ての国が PAHO の計画を達成することとなっている。

● 黄熱 中央アフリカ共和国
PRO/AH/EDR> Yellow fever - Africa (11): Central African Republic, conf.
Archive Number: 20081030.3423
 情報源:WHO Disease Outbreak News 、2008年10月30日
8月22日、中央アフリカ共和国 the Central African Republic [CAR] の保健省は、検査で確定診断された黄熱 Yellow fever 患者を報告した。これは 2008年に中央アフリカ共和国から報告された 2回目の黄熱感染事例である。 ダカールのパスツール研究所 Institut Pasteur, Dakar で黄熱と確定診断された。
初発患者は Ngotto 村(sub-prefecture of Boda, Prefecture of La Lobaye)の 32才男性で、発熱と黄疸の症状が認められた。男性は現在も生存しており、回復しつつある。全国黄熱サーベイランスシステムにより確認された。感染流行の調査チームは Boda 亜県の 34人の接触者の評価を行った。このうち 4人に発熱と黄疸の症状があり、残る 30人は無症状であった。感染流行状況の調査に基づき、La Lobaye 県内の4つの亜県 (Mbaiki, Mongoumba, Boda and Bogonda)と隣の La Sangha 県(Bambio 亜県) において、183992人分の黄熱ウイルスに対するワクチン接種が行われることが決定した。La Lobaye 県は黄熱ウイルスの地方病感染地域ではなかった。2008年3月に中央アフリカ共和国は北西部における複数の黄熱患者を報告し、この地域での黄熱ワクチン接種が行われ成果を上げた。この感染流行の発生に対して保健省は、予防接種キャンペーン用の黄熱ワクチンとその事業費を International Coordinating Group on Vaccine Provision for Yellow Fever Control (YF-ICG) の運営する International Coordinating Group on Vaccine Provision for Yellow Fever Control (YF-ICG)に対し要請した。 
[Mod.TY-すでに報告(20081010.3214)されている CAR で発生した黄熱感染症例が確定された。CAR における輸送や通信の困難さを考慮すると、この地域内に他にまだ確認されていない症例がいる可能性もある。20081010.3214 では sylvan (jungle ジャングル), bridge (intermediate 中間) and urban (都市型)の黄熱ウイルス伝播サイクルについても記載されていた。もし上記の YF ウイルス感染患者が地方病感染地域でない場所で発生したのなら、最も近い侵淫地がどこであるかに興味が持たれる] 
[Mod.MPP- 20081010.3214 にあるように、 Boda は首都バンギ Bangui から南西 100 km の位置にある。100km というとそれほど遠くないようだが、地図で見ると道路がまばらで、通信・交通は困難とみられる]

● 麻疹 英国
PRO/EDR> Measles - UK (04): (England)
Archive Number: 20081030.3421
 情報源: BBC News online、2008年10月29日
英国健康保護局 Health Protection Agency (HPA) は、チェシャー Cheshire 州で 1-12才の小児 22人が感染した麻疹 Measles 感染流行発生を受け、Northwest England での流行が予想されると述べた。2008年夏、Trafford [ランカシャー Lancashire] でも 8人の麻疹感染が確定されており、同州 Blackpool では 89人が麻疹と診断されている。MMR ワクチン接種が勧められている。 
[ModCP- 6月に HPA は、英国内全体でおよそ 10年間にわたり MMRワクチンのカバー率が十分でないため、国内には麻疹感染が持続するために十分な麻疹感受性のある小児がいることを明らかにした。14年間英国内での感染伝播が停止していたが、再び地方病感染 endemic となり、2008年には 2006年以来の死者も出ている。もはや麻疹感染の流行地域は the greater London area にとどまらず、全国に波及したと報告されている。.... 欧州の他の地域でも麻疹感染流行に直面しており、現在発生中のスイス、オーストリア、イタリアは、いずれも不十分なワクチンのカバー率の結果とされている。対照的に、高率のカバー率を維持しているポルトガルでは、現在も数年間にわたり麻疹感染流行清浄状態を保っている(20081018.3302)] 

● メラミン混入食品 (05):世界各国 中国から
PRO/AH/EDR> Melamine contaminated food products (05): worldwide ex China
Archive Number: 20081030.3425
[1] 中国、香港の状況 情報源:: BBC News Asia-Pacific、10月30日
[2] 山西省と湖北省のタマゴ 情報源:BizChinaUpdate, China 、10月31日
[3] 香港、浙江省・杭州のタマゴ 情報源: Shanghai Daily, China 、10月30日
[4] 中国から輸入された protein powder 情報源:Taipei Times, Taiwan 、10月29日
[5] [Malaysian] Julie biscuits 情報源: Malaysia Star, Malaysia 、10月30日
[6] 中国製 pumpkin steam buns 情報源: Daily Yomiuri, Japan 、10月31日
[7] 豪、Orion cake・Kirin tea  情報源: Bloomberg 、10月30日 
[8] カナダ、Sherwood Brand's Pirate's Gold Milk Chocolate Coins  情報源: Injury Board USA 、10月30日
[9] [8]と同じ、オンラインで米国内でも購入可能 情報源: KVAL、10月29日
[10] ハロウィーンに向け注意すべき中国製菓子 情報源: InjuryBoard.com、10月30日

● アフリカ豚コレラ(豚熱)ロシア 
PRO/AH/EDR> African swine fever - Russia (08): (STA), stamping out
Archive Number: 20081030.3418
 情報源:RIA (Russian News & Information Agency) Novosti、2008年10月27日
南部スタブロポリSTA州当局は、2週間前にはじめて確認されたアフリカ豚熱 African swine fever の感染拡大防止策として 7000頭のブタを処分する予定である。15日にはじめてこのウイルスが報告された Gorkaya Balka 村では、すでにおよそ 2500頭が処分された。117頭のブタが死亡し、検査により African swine fever virus [ASFV アフリカ豚熱ウイルス] が原因であることが判明した。27日に私営農場で新たに2件の感染流行が報告された地域に、非常事態宣言が出されている。... この感染力の強いウイルスが初めて報告されたのは 1903年の南アフリカで、この地域以外での流行はまれであるが、今夏には Russia's North Caucasus republic of North Ossetia 北オセチア共和国 で 5000頭が死亡または処分となった。ヒトに対する危険性はない。  

● トウモロコシの病気,原因不明の黒穂病 フランス
PRO/PL> Undiagnosed smut, maize - France (02): (Normandy), U. maydis
Archive Number: 20081030.3417
[1]  投稿者:米・Louisiana State University、M. Catherine Aime, Ph.D.、2008年10月9日
検体検査の結果、head smut (_Sphacelotheca_) ではなく、corn [boil] smut, _Ustilago maydis_と考えられる。
[2] 投稿者:仏・ノルマンディー、ProMED-mail Rapporteur、Susan Baekeland、2008年10月16日
[3] 投稿者:南ア・PANNAR Research Services (Pty) Ltd、Dr Frederik J Kloppers、2008年10月2日

● ココアの病気,Swollen shoot ガーナ
PRO/PL> Swollen shoot, cocoa - Ghana
Archive Number: 20081030.3416
 情報源:Reuters Africa 、2008年10月22日
ガーナ西部の深刻な swollen shoot disease 感染流行発生により、世界第2位のココア栽培国として、2010年までに100万トンの収穫という目標の達成が脅かされている。...
[Mod.DHA-Swollen shoot disease of cocoa (CSSVD) の原因は  _Cacao swollen shoot virus_ (CSSV; genus _Badnavirus_) であり、西アフリカ、スリランカ、カリブ海域の一部からの報告が続いている。cocoa (_Theobroma cacao_, _Sterculiaceae_) および近縁種に感染する]

● ブルータング フランス: BTV-8、BTV-1
PRO/AH/EDR> Bluetongue - Europe (68): BTV-8, BTV-1, France, update
Archive Number: 20081029.3412
 情報源:French Ministry of Agriculture [trans]、2008年10月27日
27日、仏・農業省のウェブサイト上で、the Department of Finistere において BTV-1 感染の症例が確認されたと発表された。... 2008年に確認された BTV-8 感染の症例は 21614例(2007年は 15696例)である。BTV-1 の症例は 3340例である。同じ集団内で BTV-1  と8 が確認されたのは 68件である。