2009年6月10日-11日

チクングニア マダガスカル,タイ
◎ コクシジオイデス症 台湾,米国から

● チクングニア マダガスカル,タイ(2件)
PRO/EDR> Chikungunya (21): Madagascar, SE Asia
Archive Number: 20090611.2156
[1] マダガスカル
 投稿者:仏・Institut Pasteur、Marc Grandadam、2009年6月11日
2004年後半の東アフリカからコモロ・モーリシャス・メイヨット・レユニオンにかけての感染流行拡大のあと、インド洋地域では chikungunya virus (CHIKV チクングニアウイルス)  に対する社会的関心が高まった。2006年6月の La Reunion での感染流行終息以後、現地当局や輸入ウイルス疾患のネットワークからの新たな感染報告はない。
マダガスカルでは 2006年に Toamasina (Tamatave) において CHIKVと 1型デング熱ウイルスを原因とする大規模流行が発生した。その後 2007年2月に the Sava region (North-East coast)、同年 3月にAntsiranana (Northern Coast) そして同年 5月に Mahajanga (North-West coast) での CHIKV 感染流行が確認されている。2009年 3月からは Malagasy の保健当局がチクングニア感染患者の情報を受けている。Toamasina で発生した。
[2] 東南アジア Southeast Asia 
Chikungunya: short epidemiological update, Southeast Asia -- [as of] 9 Jun 2009 
 情報源: European Centre for Disease Prevention and Control (ECDC) 2009年6月10日
タイ:2009年に入り 36県で 24029人の患者が発生しているが、死者は報告されていない。3月にプーケット Phuket でも初めての感染が確認された。深刻な発生状況にあるのは南部(Songula (36.3%), Narathiwat (28.6), Pattani (14.2), Yala (8.6)) である。
マレーシア:合計2504人の患者が報告されている。最悪の感染状況となっているのは Kedah (27.3%), then Selangor, Kelantan, Perak, and Sarawak 

タイ
PRO/EDR> Chikungunya (20): Thailand (PU)
Archive Number: 20090610.2142
 情報源:Phuket Gazette 、2009年6月10日
県内のチクングニア Chikungunya ウイルス感染が増加しており、島内公式記録では確定患者は 694人となっている。恐らく実体はもっと多いだろう。Phuket Provincial Health Office (PPHO プーケット衛生当局者) は 669人のタイ人がチクングニアによる治療を受けており、さらに外国人 25人も治療中であることを明らかにした: ビルマ人17人、オーストラリア人・スウェーデン人各2人、韓国人・ニュージーランド人・フィリピン人・スコットランド人各1人。最も危険な地区は Thalang District で、Kathu District と Phuket City がこれに続く。
当局は死者はいない点を強調し、PPHO 当局による封じ込めに自信を持っている。プーケットの感染は収まりつつあり 3ヶ月以内に収拾できるだろうと述べた。受診せずに治癒する患者がいるため、実数はさらに多いと見られている。当局が何度も自宅周囲の消毒作業をしているが、家族全員が感染したと不満を漏らす Thalang の女性が地元ケーブルテレビに映された。今も治療中の報道スタッフも、その病状(40度以上の高熱、膝と腰のの激しい痛み、嘔吐)について語っている。3週間経っても腰と膝の痛みは残っていて、医師はあと1ヶ月は続くと説明していると述べた。 
地図 Thailand showing the geographic regions 

◎ コクシジオイデス症 台湾,米国から
PRO/EDR> Coccidioidomycosis - Taiwan ex USA
Archive Number: 20090610.2140
 情報源:Central News Agency (CNA)、2009年6月6日
CDC [台 湾?] は 6日、2009年の台湾で初めてとなる valley fever [coccidioidomycosis] の患者を報告した。この病気が蔓延する米国から帰国した台湾国民であった。台湾でこの病気が報告されるのは、この患者が 3例目である。これ以前の 2例も輸入患者で、2005年と1991年に記録されている。
最新の患者は 2008年6月1日から 2009年5月1日まで米国に滞在していた 30才の女性である。3日血液検査により診断されたと CDC が公表した。
Valley fever は米国・メキシコ・中南米の砂漠地帯の土中に多い真菌_Coccidioides immitis_ を起因菌とする。大気中の真菌の芽胞を吸い込むことで感染する。ヒトからヒトへ感染することはない。感染した人の多くは発病しないが、一部が発熱、咳、悪寒、盗汗、頭痛、関節痛、共通、紅斑などを生じる。まれに肺炎、髄膜炎を起こし、死亡することもある。 
[Mod.ML- Coccidioidomycosis は the dimorphic(二形性) fungus _Coccidioides immitis_ を起因菌とし、米国南西部 the American Southwest (the central San Joaquin valley of California, Arizona, New Mexico, Nevada, and the western half of Texas) を中心とする西半球砂漠地帯の土壌に mycelia(菌糸体)の形で生息する。このほかのendemic areas としては、メキシコの米国南西部国境地域、グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグアの中米諸国、および、アルゼンチン、パラグアイ、ベネズエラなどの南米の砂漠地帯である。土壌の乾燥に伴って the septated hyphae(隔壁を有する菌糸)が arthroconidia となって単一の真菌細胞に分解され、風や掘り返しによって空中に散布される。Arthroconidia は 3-5ミクロンの大きさで、長期間生存可能である。arthroconidia は吸入されると、肺において endospores(内生胞子)で満たされた thick-walled spherules(小球)に変化する。各 endospore は放出されると新たな spherule に成長して感染を拡大させる。Coccidioidomycosis はヒトからヒトへは感染しない。感染リスクが最も高いのは乾燥した夏の期間であり、2番目にリスクが高い期間は冬の雨が降るまでの晩秋である。ホコリへの曝露が感染に重要な役割を果たす。実際 1994年1月の M6.7 の地震 Northridge California earthquake とその余震から、風下へ吹き飛ばされたホコリの雲によってコクシジオイデス症の感染流行が発生した (CDC. Coccidioidomycosis following the Northridge earthquake -- California, 1994. JAMA. Jun 8 1994; 271(22): 1735)。この感染症の潜伏期間は 1−4週間あるため、地方病感染地域への旅行中に感染しても帰国するまで発病しない可能性がある。同症の発生のない地域では、医師らはコクシジオイデス症の鑑別診断を検討しない可能性がある。感染した患者のおよそ 60%は無症候性である; 残りの患者は軽症もしくは中等症のインフルエンザ様症状から、肺炎までの様々な症状を呈し、特に女性では肺炎に結節性紅斑を伴うことがある。進行性の肺病変や一次気道病変から肺外への進展が見られることもある。およそ 5%以下の感染者で進行性肺感染症や肺外への播種病変が認められる。肺外への感染拡大は、臓器移植患者、高用量ステロイド治療、HIV感染、妊婦などの免疫不全宿主と、一部の人種 (persons of African, Asian, and, to a lesser extent, Hispanic descent) に多い。病変の部位として皮膚、頭蓋骨、髄膜などがある。急性のコクシジオイデス症の診断は、臨床検体の培養もしくは血清学的検査でなされる。抗免疫グロブリン (Ig) M抗体は発症から 3週間以内に発現するのに対し、IgG 抗体は発症の1−2ヶ月後に現れる。IgG抗体は IgM抗体よりも長期間出現し、慢性感染では持続して発現があり、その抗体価 titer の増減が病勢の指標となる。髄液中の IgG抗体確認は、髄膜炎の診断の上で重要である] 

● インフルエンザ A(H1N1) エジプト・レバノン,PCR(3件)
エジプト レバノン
PRO/AH/EDR> Influenza A (H1N1) - worldwide (62): Egypt, Lebanon
Archive Number: 20090611.2150
 情報源:The Peninsula (Qatar), Agence France-Presse (AFP) report、2009年6月10日
カイロ Cairo 大学の学生寮で 9日新たに 5人の外国人の豚インフルエンザ Influenza A 感染が確認されたとエジプト保健省が発表し、合計患者数は 7人となった。レバノンでも新たに 5人の豚インフルエンザ患者が確認されているが保健省は鎮静化したと述べており、合計患者数は 8人となっている。同省当局者はいずれも弧発例で接触者対策も実施されているとコメントした。この 5人は 2009年5月にトルコ経由で米国から、もしくはオーストラリアから UAE経由でレバノンに到着した。初めてインフルエンザ A(H1N1)が確認された 3人はスペインから帰国したレバノン人 1名とカナダ人旅行者 2人で、2009年 5月後半に診断された。2人のアメリカ人学生のインフルエンザ A(H1N1)感染が確認されたことを受け Zamalek の the upscale neighbourhood(高級住宅街)にある The American University of Cairo (AUC) 大学は 8日に隔離された。10カ国からの寮生 110人と 124人の教職員が住んでいた。新たな患者はアメリカ人で 20−26才の女性 1人と男性 4人であり、発端となった感染者と接触があった。発端の患者は、米国・ ニュージャージー New Jersey 州からニューヨーク New York とロンドン London を経由して来た女性 1名と、ニューヨークを経由してきたフロリダ Florida 州の男性 1名である。 
[Mod.FE− レバノンの患者について、エジプトの患者ほどの詳細は情報がないのは残念である。レバノンの患者は海外旅行との関連性があるようだ。これまでに確認されているカイロの AUC の学生の患者たちは全米各地から来ている。この学生寮で行われている社会との隔離措置が成功し、カイロで多数の H1N1患者が発生しないことを望む。20090608.2117 で述べられたように、Cairo のヒトと家きんのいずれにも H5N1同時発生しているため重要である。エ ジプトでは最近 79・80例目の H5N1患者が発生している。2008年には 119件の家禽の H5N1ウイルス感染流行が発生したが、残念ながら 2009年3月以降、エジプトの家禽での感染流行に関する公式データは得られていない]

PRO/AH/EDR> Influenza A (H1N1) - worldwide (63): case count, pandemic
Archive Number: 20090611.2166
[1] Worldwide - WHO 14:00 GMT+2 Influenza A(H1N1) - update 47; 11 Jun 2009 
[2] PAHO Regional Report 16:00 GMT-4 
[3] WHO declares Phase 6 Pandemic World now at the start of 2009 influenza pandemic 
[4] EU+3 review Preliminary analysis of influenza A(H1N1)v individual and aggregated case reports from EU and EFTA countries 
[5] News briefs: 10-11 Jun 2009

PRO/AH> Influenza A (H1N1) - worldwide (61): PCR test
Archive Number: 20090610.2139
 情報源:Sydney Morning Herald、2009年6月10日
死亡する可能性のあるヒトの豚インフルエンザ Influenza ウイルスの確認に用いられる検査の診断精度は、およそ 90%に過ぎないため、オーストラリア人で誤ってヒトの豚インフルエンザと診断される人がいる一方、結果が陰性であるため感染者が自宅に帰されることもある。これまで 1200人以上のオーストラリア人が豚インフルエンザの検査の結果陽性となった。NSW [New South Wales] Health でもインフルエンザ A(H1N1) ウイルスの確認に、polymerase chain reaction testing(the PCR testing と呼ばれる)を用いている。9日同局はそれ以上のコメントを控えた。米 FDA 協力の WHO の最新情報によると、新たに開発された rRT-PCR "rapid" testing method (迅速 RT-PCR 検査法) は、インフルエンザ(H1N1) に対して "presumptive positive (陽性が推定される)" という結果を与えるだけで "definitive positive(確実に陽性である)" というわけではない。このほか報告の中では、患者が実際はウイルスに感染しているのに "false negative 偽陰性" との結果が出る可能性も指摘している。PCR testing は世界中でウイルス確認のため使用されている WHO 公認の benchmark 基準である。2009年4月豚インフルエンザ感染流行で全米の検査機関が対応に追われる中、FDA は開発中で承認を得ていなかったにもかかわらず "rapid (迅速) " form のPCR 検査法に緊急使用認可を与えた。4月28日に発表された FDA の文書には rRT-PCR swine flu testing "may be effective(有効である可能性がある)" とだけ記載されている。この FDA 報告には、陽性結果はその患者が豚インフルエンザウイルスに感染していることが推定されることを示すが、the stage of infection(感染の事実?)を示すわけではないと書かれ、また陰性結果だけで豚インフルエンザウイルス感染の可能性が除外されるわけではな い、とも記載されている。WHO はこの新たな検査法の使用にあたってのプロトコール (手順) を世界の検査機関に通達した。この文書では、検査は豚インフルエンザの  "presumptive positive(感染が推定される陽性)" ことを示すに過ぎないとした上で、採取や送付、取り扱い上の問題などによって検体中に十分なウイルス量がなければ false negative [偽陰性=感染しているのに間違って陰性となる] 結果がでることもあるとしている。この The rRT-PCR testing は、世界的な大企業の製薬メーカーである Roche 社が開発した。この会社は 2種類の抗インフルエンザ薬の 1つ Tamiflu の製造権 も保有している。 Roche Diagnostics Australia 社の関係者は  the PCR testing method の診断精度は "about 90 percent accurate" と述べ、多くの理由から 100%の精度を期待するのは不可能だと説明した。その第1の理由は、ウイルスが変異して少しでも検査対象のウイルスの型から変化すれば、全く検査はできなくなることだと説明した。先週 (6月1日の週)、Roche 社は予想外の需要によりオーストラリア国内の Tamiflu の備蓄が品切れになったと発表している。豪国内の H1N1ウイルス感染患者数は 9日に 1207人から 1224人に増加した。保健相は豪でのウイルスは軽症であり入院はわずかに 10人前後と発表している。 
[Mod.TY− インフルエンザ A(H1N1)ウイルスの世界での感染拡大は急速であり、診断検査の開発への切迫感が生じるのも不思議ではない。理想的には、診断検査が対象となる病原体(この場合はインフルエンザ A(H1N1))に対する特異度が 100%であり、疑陽性例を出すことなく全ての感染者を検出できる感度があることが望まれる。また、多数の検体が安価に素早く処理される必要もある。しかし、かつてこのような理想の条件を満たす診断検査はなかった。そこで 90%の精度の検査が、患者に適切な時期に治療を受けさせることや、インフルエンザの時間や場所の追跡に有用であるかという点が問題となる。現時点では陽性の結果が推定(仮定)だとしても診断検査が全くないよりずっとまし、である]

● 麻疹 英国
PRO/EDR> Measles - UK (04): (Wales)
Archive Number: 20090611.2165
 情報源:WalesOnline.co.uk、2009年6月10日
ウェールズ Wales で新たに 5人の麻疹 Measles 患者が報告された。The National Public Health Service [NPHS 公衆衛生局] for Wales によると、カーマゼンシャー Carmarthenshire, ペンブルックシャー Pembrokeshire, ニースポートタルボット Neath Port Talbot, レクサム Wrexham, マーサーティドビル Merthyr Tydfil の各1名である。Wales では現在 16の郡で麻疹が発生し、合計患者数は 206名となった。.
[Mod.CP- Wales の麻疹感染流行はほとんど全国的に拡大した。Wrexham と Merthyr Tydfil(今回初めて患者報告があった郡)を加え、全国の 22の郡のうち 16の郡で感染が発生している]

● ペスト 米国
PRO/AH/EDR> Plague, fatal - USA (02): (NM) risk, prevention
Archive Number: 20090611.2153
 投稿者:米・New Mexico Department of Health、Paul Ettestad DVM, MS、2009年6月10日
2009 年 New Mexico ニューメキシコ州で 3人目となるペスト plague (_Yersinia pestis_) 患者が確認された。最初の 2例の報告がらわずか 1週間後のことである。3人の患者はいずれも腺ペスト Plague, bubonic の症状が見られ、ノミの刺咬による感染である可能性が高い。最初の 2例については飼い犬が放し飼いになっており、ハントをした後、こどもと同じベッドで寝ていた。イヌのノミ対策も行っていなかった。げっ歯類のノミはより望ましい宿主である。げっ歯類が死んだ場合、一過性にイヌやネコなどの動物に付くことがある。ニューメキシコ州北中部では、比較的涼しく雨の多い遅い春がノミの生存期間の延長を助けた。

● 炭疽 インドネシア
PRO/AH/EDR> Anthrax, human, bovine - Indonesia (SE)
Archive Number: 20090610.2146
 情報源:The Jakarta Post、2009年6月10日
the South Sulawesi [Sulawesi Selatan スラウェシスラタン州] の町 Gowa の医療従事者らは、患者11人に対して炭疽 Anthrax 感染の疑いのある場合の特別の治療を行っている。地域の衛生当局者は 10日、Moncongleo 村の住民らが先週炭疽感染により死亡したウシ 19頭を保有していたことを明らかにした。発熱や嘔吐などの炭疽感染の症状が見られている。6日から医療当局の監視下に自宅で抗生物質による治療を受け徐々に回復しているが、血液検査の結果が判明するまで引き続き監視が必要と当局者は述べた。コミュニティの医療センターから、住民 349人に対して感染流行拡大予防のための抗生物質が配布された。炭疽感染に備え 24時間態勢となっている。家畜関連当局も周辺の地域に対して,炭疽感染拡大防止策として地域外のウシの検査およびワクチン接種を要請した。Gowa は首都マカッサル Makassar 郊外の炭疽の地方病感染地域である。 
[Mod.MHJ− 2006年の報告では South Sulawesi の獣医学インフラに深刻な問題があることが示唆されている。ワクチン接種が "outward bound 地域外" animals だけに行われ、発生した Moncongleo 村で行われず、この 19頭の感染ウシに曝露した今いる家畜に接種されていないことが明らかなら、 Gowa では感染流行が再発生しても全く不思議ではない。残念なことである。もし毎年強制ワクチン接種を行うとしたらその場所はここである] 

● 肝炎 パキスタン
PRO> Hepatitis, viral - Pakistan (02): prevalence
Archive Number: 20090610.2141
 情報源:GIDEON (Global Infectious Disease & Epidemiology Network) 、2009年6月9日
シンド Sindh 州の感染流行の報告については、いくつものウイルス肝炎の可能性がある。

● 狂犬病 アンゴラ,サル
PRO/AH> Rabies, canine - Angola (02): (LU), RFI
Archive Number: 20090611.2164
 投稿者:ProMED-mail Mod. Jack Woodall、2009年6月11日
この OIE 報告では ”ルアンダ Luanda では感染流行に対応したワクチン接種が行われている: ルアンダ県全市でネコ4457匹、同イヌ108531匹と "901匹の野生のサル" が接種を受けた。” となっている。
CDC は、サルからヒトへの狂犬病感染例はまれであるが,非常に長い潜伏期間(37.5ヶ月)の報告がある (Lancet 1975;2:1139-40) ことを紹介している。また 1987年のオーストラリアでインドの市場のサルに咬まれた後の死亡例も報告している  (CDC (1988) Imported Human Rabies -- Australia, 1987 Vol.37(22);351-3) が、その後報告されたことはない。インドネシア・バリ Bali 島では最近,イヌでの狂犬病感染流行の発生が報告されている。デンパサール Denpasar にあるバリ島の獣医学事務所は、観光客が野生のサルを観察する場所を警戒するよう現地当局に指示する一方で、インドやパキスタンなどの狂犬病発生国でサルの狂犬病は ”nevar(一度も)” 報告されたことはないとしている。インドやタイの旅行者や滞在者にはよく知られていることだが、これらの国々の寺院にはたくさんのサルがいて、feral macaques(野生のサル)とヒトへの狂犬病の主な感染源となっている stray dogs(野良犬)と混じり合っている。しかし、サルの狂犬病は報告されたことがない。
アンゴラのような場所についてはよく判らないが、1000頭近い野生のサルを捕獲してワクチンを接種することに相当な資金をつぎ込むことに対する、納得できる説明ができる人はいるのだろうか。
関連項目 
Rabies, canine - Angola: (LU) OIE 20090425.1553

● アフリカ豚コレラ(豚熱)ナイジェリア
PRO/AH/EDR> African swine fever - Nigeria: (DE)
Archive Number: 20090611.2163
 情報源: Next 、2009年6月10日
保健省は Delta stateの一部で African swine flu [sic:訳注 swine fever=豚熱の  typo]を確認した。

● イネの病気,Bacterial leaf blight インドネシア
PRO/PL> Bacterial leaf blight, rice - Indonesia (JT)
Archive Number: 20090610.2147
 情報源:The Jakarta Post 、2009年6月9日
南部の Central Java [Jawa Tengah ジャワトゥンガ州] では、1600ha 以上の水田に病気が発生し現地では大きな損失が出ている。Banyumas, Purbalingga, Cilacap, and Banjarnegara の農業従事者らに被害が出ている。最も大きな被害を発生させているのは、ネズミを原因とする細菌性 blight diseases である。残る原因は stemborer moths(ガ), rice ear(稲穂) bugs and mealy(粉)bugs である。 
[Mod.DHA- イネの Bacterial leaf blight (BLB) は  _Xanthomonas oryzae_ pv. _oryzae_ を原因とし、アジア、オーストラリア北部, アフリカ、米国などから報告されている]