2009年6月27日-29日

出血熱 コンゴ(民)
クロモバクテリウム感染症 米国

● 出血熱 コンゴ(民)
PRO/AH/EDR> Hemorrhagic fever - Congo DR: (Equateur), RFI
Archive Number: 20090629.2357
 情報源 Relief Web / Radio Okapi [trans.] 2009年6月26日
DR Congo/Equateur: 4 dead, assessment of an epidemic of haemorrhagic fever
in Djolu
the Djolu health area において 5月以降,8例の出血熱患者 cases of haemorrhagic fever が報告されている。保健当局者 the provincial medical inspector of Equateur によると,治療中の患者のうち 4人の死亡が確認されていると報じられている。患者らには同じ症状がみられており: 鼻孔と肛門からの出血および吐血を伴う発熱。しかしながら,ウイルス学的検索は行われていない。Kisangani の国境なき医師団により 6月4日? に採血が行われ,同日航空機で Kinshasa に送付された。the provincial branch of WHO / Equateur から医薬品が提供されている。
参考項目
Undiagnosed fatalities - Congo DR: (BC), hem fever susp, RFI 20090626.2326

● クロモバクテリウム感染症 米国
PRO/EDR> Chromobacterium violaceum infection - USA: (NC)
Archive Number: 20090629.2346
 情報源:WWAY News Channel 3 (North Carolina), Associated Press (AP) report、2009年6月26日
ノー スカロライナ North Carolina 州の 14才の少年が、地元の湖での遊泳後まれな感染症に罹患し、鼻の一部と5本の歯をを欠損して入院している。チャペルヒル Chapel Hill にある UNC [University of North Carolina] 病院の医師らは、この男の子に対して、Hope Mills Lake (湖) から検出された_Chromobacterium violaceum_(クロモバクテリウム)菌による感染症の治療を行っている。CDCによると、1927年以降に世界中で報告されたこの感染症の患者は 150人足らずである。患者の父親によると、彼の息子は重症であるが抗生物質により血液中の感染が徐々に排除されつつある。医師らは、少年の鼻の左側と口蓋を除去しなければならず、5本の歯を失ったと父親が述べている。感染症が治癒するまで再建術は予定されていない。 
[Mod.LL− _Chromobacterium violaceum_ 感染症は、典型的には熱帯地域で発生し、1905年に Wooley により初めてフィリピンの水牛の死亡原因となった感染症として報告された。1927年、初めてのヒトでの感染がマレーシアから報告された。ほとんどの患者が夏期に報告されており、この投稿のように水の曝露に関係して いる。免疫不全、特に慢性肉芽腫症の患者で発生しやすい。多くの場合、多発性の皮膚および内臓膿瘍を伴い、敗血症性ショックを合併することもある。熱帯環境で水との接触によるという患者の発生状況から、類鼻疽 melioidosis (_Burkholderia pseudomallei_ infection) 感染の可能性も示唆される。この若年患者の重篤な病状から、病原体による壊死性軟部組織感染が発生したと見られる。ノースカロライナの湖との関連が疑われている、以前の C. violaceum_ 感染例が壊死性皮膚感染を起こしていることが注目される。]

● 赤痢 ノルウェー,デンマーク
PRO> Shigellosis, imported sugar peas - Norway, Denmark (02)
Archive Number: 20090629.2356
 情報源 GIDEON (Global Infectious Disease & Epidemiology Network)

● Q熱 オランダ
PRO/AH/EDR> Q fever - Netherlands (05)
Archive Number: 20090629.2355
 投稿者 蘭・Rijksinstituut voor Volksgezondheid en Milieu (RIVM),Jim van Steenbergen 2009年6月27日
ベルギーとドイツでは Q熱の発生があるが,控えめに言ってもかつてはオランダでも時々より軽症のアウトブレイクの発生は確認されていた程度である。その違いは,オランダではオープンのコンクリートの壁の飼育小屋で5000匹のヤギを飼育する方法で,毎日少しのわらを足しては,2年に2,3回は,胎盤ののこりを含めてすべて取り除いている。オープンとなっていることが,風で菌が吹き飛ばされるのに役立っている ... 
関連
Q fever - Netherlands (04): fatalities 20090626.2330

● 腸管出血性大腸菌 米国 牛肉
PRO/AH/EDR> E. coli O157 - USA (03): beef, recall
Archive Number: 20090629.2354
 情報源 Yahoo News, Reuters report 6月28日
18人の感染の調査で肉との関連が疑われ,_E. coli_ O157:H7 bacteria による汚染の可能性があるとして,コロラド州の精肉会社 Colorado meat company は範囲を拡げて牛肉の回収を行っている 

● デング熱 フィリピン、ベトナム、スリランカ、欧州
PRO/EDR> Dengue/DHF update 2009 (26)
Archive Number: 20090629.2353
フィリピン
 情報源:PhilStar.com 、2009年6月28日
イザベラ Isabela の Santiago City では、2009年1月以降のデング熱患者増加と、最近隣町の小学生 grade schooler 3人が死亡したことを受け、流行が宣言された。同じイザベラにある隣町の Ramon town でも 3日間私立小学校が閉鎖されている。Santiago City では 1月から 6月にかけて 181人のデング熱患者が報告され、いずれも少女の 2人の死亡も発生している。このうち 6月になって報告されたのは 67例で、5月にも 30例以上が発生した。2008年同期に比べ驚くほど高い数字であると保健当局者は述べた。 
地図 Santiago City, in the province of Isabela;州都 Ilagan から南に 73km、ルソン島 Luzon Island にある Metro Manila からは北に 326km離れた位置にある 

ベトナム
 情報源:Viet Nam News (VNS) 、2009年6月26日
現地の保健当局者によると、中央部の南の州ではデング熱患者数が急増している。Phu Yen Province では 24日までに 1000人以上のデング熱患者が確認されており、うち 2人が死亡した。この地域は the dengue "hotspot" for the central region とされている。中央部の Khanh Hoa province では、2009年のこれまでに 850人以上が同疾患によって入院しており、同じ central Ninh Thuan province でも 63 wards のうち 40地区で合計 200人の患者が出ている。パスツール研究所 the Nha Trang Pasteur Institute がこれらの地域の監視を始めた。全国ではおよそ 23000人のデング熱患者が発生し 22人が死亡している。2008年の同期に比べ、患者数は 40%増であり、死者も 27%増となっている。保健省は感染発生地域の消毒、啓蒙活動、汚水等の清掃や、対策への予算の割り振りを行っている。 
[Mod.TY - 20080625.1962 では、24日現在患者数の合計は 19859人で、Ho Chi Minh City に最も多く発生していると伝えた。2009年6月15日時点の、WPR 地域内の国別のデング熱・デング出血熱患者数;ベトナム 16655人、死者14人。記事中の当局者の話にある、感染発生地域 "infected areas" を消毒 "sterilized" しなければならないの発言は意味が分からない。デングウイルスは地域に感染するのではなく、その地域のヒトに感染す る。"sterilization" はベクターコントロールを指すのだろうか] 
地図 Viet Nam with provinces

スリランカ
 情報源:Spero News, Asia News report 、2009年6月23日
スリランカでデング熱が爆発的に発生し、146人が死亡し 1万人以上の感染者が出ている。死者の約 35%が主婦であり;22%が小児であった。コロンボ Colombo, カンディー Kandy, マタレ Matale, Gampaha, カルータラ Kalutara, ケガラ Kegalle の被害が深刻となっている。農村部の住民での流行対策を行う必要があると当局者が説明した。数ヶ月前からの対策にもかかわらず、死者数は 85人から増加すると見られる。
[Mod.TY− 湿地 swamps and marshlands などには、デング熱のベクター蚊族であるネッタイシマカ _Aedes aegypti_ は存在しない。間違った情報によってベクターである蚊族が棲んでいる居住地や建物のすぐ近くの水たまりが、ベクターコントロール計画の対象とならないことがないように願うばかりである。] 
地図 Sri Lanka

欧州
 情報源:Eurosurveillance edition 2009; 14(25)、2009年6月25日
2008年、欧州に輸入されたデング熱感染例のうち 43%が東南アジア諸国からの帰国者であり、14%がラテンアメリカ諸国、12%がインド亜大陸、11%がカ リブ海諸国、4%がアフリカからの帰国者であった。これらの地域分布は、2つの異なる側面を反映する;それは、世界全体のデング熱感染活動状況と、渡航先としての人気度である。タイ、ベトナム、インドネシアは、デングウイルスの高度侵淫地域であるだけでなく、欧州の旅行者にとって非常に人気のある旅行の目的地でもある。タイだけで、過去6年間にわれわれのネットワークで確認された渡航関連のデング熱患者全体のおよそ 30%を占める。現在の活動性は南米における感染流行が反映されており、ボリビアとアルゼンチンからの報告がかなり多くなっている。さらにエリトリア、ヨルダン、パキスタン、パプアニュー ギニア、南アフリカ、ドミニカ共和国、スリナムからも、unusually strong signals(異常な数の報告)が届いている。 

● 炭疽 インド
PRO/AH/EDR> Anthrax, human, bovine - India (05): (OR)
Archive Number: 20090629.2352
 情報源:The Hindu, Press Trust of India (PTI) report 、2009年6月27日
 Pindapathar village (Sundargarh district of Orissa オリッサ) において、生の牛肉を食べて 12人以上が炭疽 Anthrax に感染した。患者のうち、入院中の 4人は重症である。先週、死亡したウシを食べた後この村の住民らが発病した。政府からの医師らはこの地域内にキャンプを設営した。死亡した家畜の生の肉を食べないよう、戸別訪問により呼びかけている。 3ヶ月前にも、同地域の Kiralaga, Raipur, and Suidih の各村で 9人が感染した。 
地図 Orissa

● チクングニア熱 インド
PRO/EDR> Chikungunya (23) - India (KA)
Archive Number: 20090629.2351
 情報源:Sahil Online 、2009年6月27日
Sirsi, Siddapur, Yellapur, and Mundgod taluks [インドの行政区分] において、チクングニア Chikungunya 感染例が増加している。Sirsi の町ではほとんどの病院が患者であふれかえっている。医師らはこの地域でチクングニアと "viral fever (ウイルス熱)" が多数発生していると話した。Yellapur taluk では検査を受けた 11306人の患者のうち 176人がチクングニアに感染し、1人がデング熱の患者であった。チクングニアや viral fever 患者は Mundgod taluk でもほとんどの村で報告されている。患者の多くは衰弱のため病院を受診することすらできなくなっている。降雨の不足が、チクングニア、デング 熱、viral fever の増加を招いている。これらの病気により、全ての地域で農作業が影響を受けている。 
[Mod.TY− 検査された 11306人のうち、チクングニア感染と確定されたのがわずか 176人だとすると、あとは何が原因であったのだろう。最近報告されたカルナタカ Karnataka 州の投稿 (20090621.2282) と同じように "viral fever" という語が使用されているが、病原体に関する記載がない。また 1例のデング熱患者が確定診断されているが、おそらくほかのチクングニアではない患者にもデングウイルス感染の検査が行われたと考えられる] 

● ウイルス性胃腸炎 イタリア
PRO/EDR> Viral gastroenteritis - Italy (02): (BS) background
Archive Number: 20090627.2336
 情報源 GIDEON 

● トマト,ポテトの病気,Late blight−米国
PRO/PL> Late blight, tomato, potato - USA
Archive Number: 20090629.2350
[1] Eastern USA Late blight - a serious disease killing tomatoes and potatoes this year [2009] 
2009年、トマトとポテトに重大な被害発生 
 情報源: Cornell Horticulture News, Cornell University、2009年6月26日
米国東部の家庭菜園や商業栽培地のトマトやポテトの木 (plants) に被害を与える、非常に感染力が強い破壊性の疾患である late blight に対して注意する必要がある。1840年代に同疾患によりアイルランドのポテト飢饉が発生している。米国でこれほど早い時期の広範囲の発生はかつてなかった。Petunias ペチュニア にも被害が発生する可能性がある。
[2] Maine Department of Agriculture warns of crop blight 
メーン州農業局、crop blightに対する注意喚起 
 情報源: WMTW, Portland News 、2009年6月26日
家庭菜園を営んでいる人々は、ポテトやトマトの一部を黒化し死滅させる植物の病気に注意が必要であると、メーン Maine 州農業当局と大学関係者が警告を行っている
[3] New York, Massachusetts, Maine, New Jersey, Pennsylvania Blight could be threat to tomatoes トマトに病気発生の恐れ 
 情報源: Daily Gazette 、2009年6月27日
州農業市場開発局は、Long Island における late blight の発生を確認し、Tompkins County のホームセンターなどで購入された植物からも発見されている。
[4] New York Destructive fungus hits local plants 
壊滅的な真菌が現地の植物を襲っている 
 情報源: WPTZ.com 、2009年6月27日
late blight と呼ばれる potentially destructive fungus 真菌 が、地域内のトマトを食い荒らしている。
[5] Pennsylvania Late blight confirmed in 5 Pennsylvania counties 
ペンシルベニア州内5つの郡で、Late blight 確認 
 情報源: The Morning Call 、2009年6月27
ペンシルベニア州の野菜病理学者によると、州内 5つの郡のトマトとポテトの木から late blight が確認されている。
[Mod.DHA− Late blight of tomato and potato は、真菌類似病原体 the fungus-like organism である _Phytophthora infestans_ を原因とし、ナスやトウガラシなどの他の solanaceous 作物にも、被害を発生させることがある]

● ウシ結核 米国
PRO/AH/EDR> Bovine tuberculosis - USA (08): (IN) cervid, bovine
Archive Number: 20090628.2343
 情報源:CattleNetwork, Indiana State Board of Animal Health (BOAH) press release、2009年6月26日
 イ ンディアナ Indiana州 では 2か所目となる、シカ科動物牧場のメスの成エルク cow elk 1頭の結核 _Mycobacterium bovis_ 検査が陽性となった。5月の陽性例に関するシカ科動物の追跡調査の中で、州動物衛生委員会が行った検査で判明した。Wayne County にある多種動物飼育の中で見つかった、この最新の群れは、現在隔離されている。

● 原因不明の死亡、ヤギ ネパール
PRO/AH/EDR> Undiagnosed deaths, caprine - Nepal: RFI
Archive Number: 20090628.2342
 情報源:The Himalayan Times、2009年6月24日。
Khotang's Khidima Village Development Committee の地域内で 130頭以上のヤギが病死した。疥癬や咳の症状を伴うこの疾患は、ここ 2週間で Wards No 4, 5, and 6 of Khidimaに拡大した。 
[Mod.AS− 肺 "coughing"? と皮膚 "scabies"? の症状を伴う致死性(致死率の記載なし)のヤギの感染症としては、まず、ネパールで地方 病感染にあるヤギ/ヒツジ痘の可能性がある。ほかに検討すべき疾患として;PPR (peste des petits ruminants 小反芻獣疫) やpasteurellosis パスツレラ症 (いずれもネパールで endemic だが皮膚病変なし) や、CCPP (contagious caprine pleuropneumonia 伝染性ヤギ胸膜肺炎; 同じく皮膚病変なし; "2008年は報告なし" 以外のネパールにおける発生状況は不明). 

● 鳥インフルエンザ インドネシア
PRO/AH/EDR> Avian influenza (47): Indonesia (Java)
Archive Number: 20090627.2340
 情報源 The Jakarta Post 6月26日
Authorities watchful after virus detected in 20 villages

● 狂犬病 アンゴラ イヌ
PRO/AH/EDR> Rabies, canine - Angola (03): (LU)
Archive Number: 20090627.2337
20090611.2164 に関して
 情報源 OIE, Animal Health Information & Angolan Veterinary Services 6月23日
"Monkeys have been vaccinated because they
were considered as pets. They live in houses in contact with humans
and dogs. After considering the risk of being a source of infection of
certain human cases in Luanda, the decision was to vaccinate this
species as well."

● 東部ウマ脳炎 米国 ウマ
PRO/AH/EDR> Eastern equine encephalitis, equine - USA: (LA)
Archive Number: 20090627.2332
EEE Confirmed in Rapides Parish
 情報源 KATC.com 6月25日