C型肝炎 米国,看護師の関与
● C型肝炎 米国
PRO/EDR> Hepatitis C, nurse-associated - USA: (CO)
Archive Number: 20090707.2441
情報源:Las Vegas Sun, Associated Press report、2009年7月7日
デ ンバー Denver の病院は 6日、過去6ヶ月間に手術を受けた全ての患者に対し血液検査を受けるよう呼びかけている。以前にいた技師が鎮痛剤中毒を満たすため、最大で 6000人の患者を C型肝炎 [Hepatitis C ウイルス] に曝露させた疑いがある。この 26才の技師 [surgical scrub nurse 外科器材洗浄担当ナース?] は、患者用の鎮痛剤を自身に注射し、代わりに注射器内に生理食塩水を入れていた疑いが持たれている。彼女は3日逮捕された。この技師が勤務していた 2つの病院の数千人の患者が被害を受け 9人の C型肝炎検査が陽性となっている。検査を受けていない患者がどれほど残っているのかは分かっていない。この技師が Rose Medical Center で勤務し始めたのは 2008年10月21日で、当局の調査開始後の 2009年4月13日に停職となった。
調書によれば、鎮痛薬の Fentyl [Fentanyl?] が陽性となり解雇された。
● インフルエンザ A(H1N1):タミフル耐性(3件)
日本
PRO/AH/EDR> Influenza A (H1N1) - worldwide (85): Tamiflu resistance, Japan
Archive Number: 20090706.2429
情報源:The Japan Times online、2009年7月6日
日本で初めてのタミフル耐性豚インフルエンザ Influenza A ウイルスの遺伝学的変異について、大阪府が米国の医学誌に研究報告を投稿した。公表する約1週間前に投稿したが,意図的に manuscript(論文?) を優先させ発表を遅らせた訳ではないと府衛生当局の当局者が 5日説明した。後から考えると批判されるようなやり方であったことを反省していると述べた。このタミフル耐性 H1N1ウイルスは、発表の 2週間前の 2009年6月18日に大阪府の 40歳代の女性で見つかった。大阪府公衆衛生研究所でウイルス検体の解析が行われた。研究所の職員が解析結果を米国の雑誌に投稿したのは 6月24日のことであったが、7月5日時点で未掲載だと述べた。府当局は、雑誌投稿から1週間後の 7月1日に厚労省に報告し,同省からの勧告を受け翌日記者会見を開いた。府当局はウイルス変異の検査法の検証に手間取ったため、厚労省への報告が遅れたと釈明した。
[Mod.CP- The oseltamivir resistant influenza virus A(H1N1)v は 2週間以上前に日本で確認されていたようだ。情報発出の遅れについては理由がよくわからない]
香港
PRO/AH/EDR> Influenza A (H1N1) - worldwide (84): Tamiflu resistance, China (HK)
Archive Number: 20090706.2428
情報源:660News, All News Radio, The Canadian Press、2009年7月4日
すべてのタミフル耐性患者の発生は一様ではない。タミフル耐性豚インフルエンザ感染した 3人の患者が初めて報告されたのは先週のことであるが、インフルエンザの専門家らが恐れているのは、Number 1 の患者ではなく、Number 3の患者であった。香港の公衆衛生当局は3日、薬剤の服用歴のない女性のタミフル Tamiflu 耐性ウイルス感染例を確認したと発表した。すなわちこの女性は、多くの国々や会社にとっての主要なパンデミックの薬物兵器であるタミフルに対して、すでに耐性化していたウイルスに感染したことを意味する。これまでに報告されているデンマークと日本の症例は、タミフルを服用していた患者であった。
いずれにしてもありがたくないが、この種の耐性は季節性インフルエンザウイルスでも発生が確認されており、重要な抗インフルエンザ薬タミフルの長期的な有効性に対する不安は少ないと見られている。治療中の患者で耐性が確認されたことは全く不思議では ないが、治療を受けていない患者でも認められたことから、確かに不安は強まったと香港大学の専門家 Dr. Malik Peiris は述べた。
現在のところ Tamiflu-resistant viruses が広く蔓延している証拠はない。一部の専門家らは香港の症例を、今回のパンデミックにおけるタミフルの役割が,パンデミック計画の立案者が期待するほど長続きしないとの警鐘と捉えている。判断を下すのは早すぎるが、タミフルの備蓄や使用方法について検討する必要があるだろうと述べ た。WHO は抗ウイルス薬使用に関する国ごとのガイダンスを策定中であり、WHO は勧告するのであって指示するのではないが、治療薬の節減は十分意味があると Dr. Keiji Fukuda は述べた。
新型インフルエンザ A(H1N1)ウイルスは当初より、旧世代の amantadine and rimantadine の 2薬剤には耐性であった。残る oseltamivir (Tamiflu) と zanamivir (Relenza) だけが残された治療薬と予防薬の選択肢だった。予防に薬剤を使用することにはリスクを伴う。もし感染したが発症していない段階で予防薬を処方されると、保有するウイルスを死滅させるには十分でない薬剤を体内に取り入れることになり、生き延びたウイルスに耐性が生まれる。デンマークと日本の耐性ウイルス確認はこのことによると考えられる。いずれの女性も、接触後にタミフルが予防投与されたが豚インフルエンザを発症した。
しかし香港の症例は異なっている。サンフランシスコ San Francisco を旅行した 16才の少女が,2009年6月中旬に発熱感知装置稼働中の香港の空港で停止させられた。彼女は病院に移送され、豚インフルエンザと診断された。抗ウイルス薬を服用しておらず、この薬剤による治療を拒んでいた。回復するまで隔離病棟に入っていた。Relenza の開発に当たったチームのメンバーであるオーストラリアのインフルエンザの専門家 Dr. Jennifer McKimm-Breschkin は、今回の症例は耐性の豚インフルエンザウイルスの感染が拡大していることの現れと説明した。
これまで薬剤耐性ウイ ルスは散発性(crippled) のものでほかへは伝播しないと考えられていた。しかしこの考えは 2008年に薬剤耐性の季節性 H1N1インフルエン ザウイルスが瞬く間に世界中で発生したことにより打ち砕かれた。その後、タミフルに感受性の季節性インフルエンザウイルスは駆逐されたも同然となった。
今回の患者はサンフランシスコから香港に帰国した治療されていない患者であって、そのことは患者がサンフランシスコで耐性ウイルスに感染したことを意味すると、メルボルン Melbourne の the Commonwealth Science and Research Organization -- known as CSIRO -- のウイルス学責任者が述べた。それは治療を受けたと考えられる誰かからウイルスをもらったことになり、ウイルスは感染伝播する形に適応していると考えられ、治療中の患者で耐性が見つかったということにとどまらない懸念が生じていると述べた。
専門家らは季節性 H1N1ウイルスと豚インフルエンザ H1N1ウイルスとの間で遺伝子の再集合や交換(交雑)がおきることを心配している。もし豚インフルエンザが、インフルエンザの名前にある Nで表される ノイラミニダーゼ遺伝子を季節性 H1N1ウイルスから獲得したとすると、季節性インフルエンザの近縁株 cousin に生じた薬剤耐性も身につけることにな る。香港当局から WHO への報告はまだ行われていないが、香港で見つかった耐性が再集合によるものであれ、一部の豚インフルエンザウイルスが耐性を獲得 した結果であれ、注意深く監視する必要があると WHO の Fukuda は述べた。抗ウイルス薬耐性が発見された場合、それが単独事例か、大きな事例の一部であるかが最も大きな問題であるとした上で、できる限り注意深く監視する必要があると述べた。
[Mod.CP- Hong Kong (S.A.R.) で米国から帰国した患者 1名が Tamiflu-resistant A (H1N1) pandemic influenza virus に感染していたことが確認され、以前にタミフルの治療を受けたことがなかったことは、気がかりではあるが一部の国で無節操な indiscriminate 抗ウイルス薬使用が散見されることから予想されていたできごとである。タミフル耐性ウイルスがタミフル感受性ウイルスに比べて感染効率が良いのか悪いのかについては、しばらく観察が必要である。いつかは広い範囲で Tamiflu が the A (H1N1) pandemic virus の治療に無効となるだろう。今後 Tamiflu の使用制限を考慮すべきである。経口で服用する錠剤である Tamiflu と違い、もう1つのノイ ラミニダーゼの Zanamivir (Relenza) は特別な吸入器を使って 1日2回の吸入が必要な粉末タイプで、最大 5日間連続で使用される。制限のないこの薬剤の使用を減らすメリットはあると思われる。Relenza はインフルエンザ Aまたは B感染が判明もしくは疑われる 12歳以上の患者に使用可能である]
正式名称 official nomenclature
PRO/AH/EDR> Influenza A (H1N1) - worldwide (86): official nomenclature
Archive Number: 20090706.2430
投稿者:official source、2009年7月6日
20090705.2417 に関して
WHO, OIE & FAO は "pandemic (H1N1) 2009" および "pandemic (H1N1) 2009 virus" を公式に使用している。一部に旧名称が使用されており、順次変更される過程にある。
"(H1N1)v" は各分離ウイルスに対して使用される名称 (たとえばA/California/7/2009(H1N1)v) である。
● ノロウイルス 英国
PRO/EDR> Norovirus, cruise ship - UK: (Scotland)
Archive Number: 20090707.2437
情報源:BBC News, Scotland、2009年7月7日
クルーズ船 The Marco Polo 号の乗客 4人が,ノロウイルス Norovirus が疑われる感染流行発生のため入院して治療を受けている。この船は 8日まで Invergordon on the Cromarty Firth(湾)に停泊させられ、GPs(医師)による乗客・乗員の健康調査が行われることになっている。これまでに 380人が気分が悪いとして診察を受けたことを、NHS [National Health Service] Highland 当局が明らかにした。74才の男性が死亡し、心臓発作が原因と見られている。旅行の管理会社は、男性の死亡はウイルスとは無関係としながら、まだ確認されていないと述べた。4人の患者らは当初インバネス Inverness の病院を受診し、1人は再び船に戻り、他の1人は入院となった。Norfolk から乗船したと見られる死亡した男性については、死後剖検が行われる予定である。
● サバ科食中毒 米国
PRO/AH/EDR> Scombroid poisoning, tuna - USA: (New England)
Archive Number: 20090706.2427
情報源:Food and Drug Administration、2009年7月6日
North Coast Seafood 社は、New England の Shaw's, Star Market and Big Y Stores の各店舗で販売されていた Fresh Tuna Steaks (マグロ) の自主回収を行っている。回収商品が売られていたのは 2009年6月20-24日の期間中の New England 全域の小売店で、製品中のヒスタミン濃度の上昇により、摂食の数分後から1時間で症状をきたす可能性があるとして回収された。サバ科の中毒 Scombroid poisoning の症状には口内の疼痛や灼熱感、顔面や上半身の発疹、皮膚の掻痒感、嘔吐や下痢などがある。
消費者から3件の発生報告があった。
[Mod.LL- isoniazid (INH) 服用患者では、薬剤による消化管での histaminase 抑制作用による、より重篤な反応が見られるとの報告があることは注目に値する: An outbreak of histamine poisoning after ingestion of the ground saury paste in 8 patients taking isoniazid in tuberculous ward. Internal Medicine 2005; 44: 1133-6 ]
地図 New England is a region of the northeastern USA comprising Maine, New Hampshire, Vermont, Massachusetts, Rhode Island & Connecticut
● 髄膜炎、髄膜炎菌性 インド
PRO/EDR> Meningitis, meningococcal - India (06): (ML)
Archive Number: 20090706.2426
情報源:Times of India、2009年7月3日
2008年以降、Meghalaya において合計 257人が髄膜炎菌性髄膜炎 Meningitis, meningococcal により死亡したと 3日当局が発表した。2008年は 130人が髄膜炎菌により死亡した(確定は 10人)。2009年のこれまでに 127人が髄膜炎で死亡し(確定 4例)州内でこれまでに 2000例以上の患者が報告されている。当局は事態は収拾されつつあると述べた。WHO からのワクチンにより 3つの発生地域で無料ワクチン接種キャンペーンが行われている。.
[Mod.ML− 20090217.0661 では 2009年開始後わずか 1ヶ月間に Meghalaya で 165人の死者が発生したと報告された; ところが今回の報告では、上半期全体の Meghalaya の死者は 127人となっている。2009年2月中旬、周辺地域のインドの Tripura と Mizoram 州、お よび隣接するバングラデシュ Chittagong Hill Tracts でも感染流行が発生し、Meningococcal serogroup A が起因菌とされている。当時 ProMED-mail ではワクチン接種活動が実行されていると報告しているが、今回の報告から判断すると今も実行中のままのようである。Meghalaya 州はインド山岳地帯にあり、バングラデシュとインドの Assam 州と接している]
地図 the Chittagong Hill Tracts that borders the Indian state of Mizoram
● デング熱
PRO/EDR> Dengue/DHF update 2009 (27) 20090706.2425
カンボジア
情報源:Xinhua News Agency、2009年7月1日
カンボジア Cambodia のデング熱 Dengue は、ほとんどの感染が小児で起きていて、小児の深刻な問題となっていると 1日保健省当局者が述べた。2009年のこれまでにデング熱に感染して治療を受けた小児は 3333人であり、ほか 10人のデング出血熱による死者も出ていると同省デング熱対策部長が述べた。小児の合計患者数が 1811人・死者 23人であった 2008年と比較して急増していると説明した。.
ベトナム
情報源:China View、2009年7月2日
ベトナム Vietnam 保健省は、2009年上半期のデング熱患者 2万7000人と 26人の死亡を確認した。2日地元紙が伝えた。前年比で 32%増加した。Ho Chi Minh City, Kien Giang, Soc Trang, Ben Tre and Dong Nai などの国内南部が主な発生地域である。
台湾
台湾
情報源:The China Post 、2009年7月2日
台湾 CDC は 2日、東南アジアへの旅行者に対してデング熱に警戒するよう呼びかける勧告を行った。2009年のこれまでに多数の台湾への輸入例が確認されていることを受けた措置である。90例の輸入デング患者が報告されていると CDC 広報担当者が述べた。輸入例のピークは 8月になると見られている。2008年同期には 64例であった輸入例が、今年(2009年)には 90例と大幅な増加が 認められていることが CDC の統計で明らかになった。
46例はインドネシア、22例はベトナム、6例がタイ、5例がカンボジア、4例がフィリピンからの 輸入患者で、ミャンマーとシンガポールは各2例であった [合計 87例で、おそらく 3例は感染国不明だと思われる]。
マレーシア
情報源:Bernama.com、2009年7月3日
デング熱対策として 'gotong-royong' (self-help 自助) 活動への社会参加のレベルは、未だに低い。21-27 Jun 2009 の Kuala Lumpur と Kelantan のデング熱患者は 749人で 1名の死者が発生した。Perlis (57 percent), Melaka (36 percent), Kuala Lumpur and Putrajaya (34 percent), Penang (30 percent) and Kedah (15 percent)," で患者数が急増している。
2009年の合計患者数は 2万4534例で死者は62例である。2008年同期の患者は20721例で、死者は45例であった。
フィリピン(セブ)
情報源:Sun Star、2009年7月4日
1日、3歳児が入院の翌日に死亡し、2009年の市内のデング熱による死者は 11人となった。Barangay Labangon では 3人目の死者であった。6月に Barangay Talamban で 4才の男児が死亡した 12日後のことであった。5月9日には 2009年の 9人目の死者である Sikatuna St. の 10才の少女が死亡した。2009年6月20日までのセブ Cebu 市内のデング熱感染者は 381人で、2008年同期の 653例より 41.5% 減少した。2009年の死者 11人だが、昨年の 29人と比較して 62%の減少となっている。
地図 Cebu City, the Philippines 2nd largest, is located on the east coast of Cebu Island and is the capital of Cebu province
米領サモア
情報源:SamoaObserver.ws 、2009年5月12日
豚インフルエンザに注目が集まっているが、地域内住民にとって依然としてデング熱が問題となっている。デング熱患者は、2009年1月に80人、2月85人であったが、4月に感染が確定されたのはわずか33人であった。
ブラジル(マトグロッソ)
ブラジル(マトグロッソ)
情報源:Expresso MT [in Portuguese]、2009年6月29日
州内で確認されているデング熱の患者数は、週あたりおよそ 2000人増加し、依然として懸念される状況にあると州衛生局は注意を呼びかけている。当局によると、デング熱により 36人が死亡した。記録された古典的デング熱患者は,先週の 27513例から 2824人増え、2万9977例が記録されたと当局が発表した。昨日(28日)の患者のうち、1152例は重症のデング熱であった。これまでの重症デング熱による死者は 36例と報告されている。
● プリオン病 英国、フランス、米国
PRO/AH/EDR> Prion disease update 2009 (06)
Archive Number: 20090706.2433
[1] 英国: National CJD Surveillance Unit - monthly statistics as of 6 Jul 2009
情報源: UK National CJD Surveillance Unit, monthly statistics、2009年7月6日
2009年上半期に vCJD の症例は報告されていない。
[2] フランス: Institut de Veille Sanitaire - monthly statistics as of 1 Jul 2009
情報源: IVS - Maladie de Creutzfeldt-Jakob et maladies apparentees [in French]、2009年7月1日
2009年上半期、731件の照会事例があり、弧発性 CJD29例、家族性 CJD5例、医原性 CJDなし。現在調査中の vCJD疑い例1例。
[3] 米国 US National Prion Disease Center - quarterly statistics as of 15 May 2009
情報源: US National Prion Disease Pathology Surveillance Center、2009年5月15日
2009年1月1日から5月29日までの期間中に、116件の照会事例があり、66例がプリオン病に分類され、37例が弧発性 CJD、14例が家族性 CJDで、医原性および変異型 CJDはなし。
[4] 血友病患者にみられた vCJD関連異常プリオン蛋白−最新状況
情報源: Health Protection Report Vol. 3 No. 23、2009年6月12日
血友病患者 1名の死後剖検で、variant Creutzfeldt-Jakob Disease (vCJD 変異型クロイツフェルトヤコブ病) の原因となる異常プリオン蛋白が確認され、この患者の想定される曝露経路のリスク評価について衛生当局が 発表した。vCJD関連異常プリオン蛋白が認められたのはこの患者の脾臓に限局していたが、血友病患者で確認された初めての事例である。これまで、血友病患者や出血傾向のある患者で vCJDが確認されたり vCJDを発症して死亡した例はない。4つの可能性のある感染経路として; 外科処置、摂食による BSEへの曝露、複数回(単位)の赤血球輸血、そして英国由来の大量の血液製剤による治療、などが考えられている。これには、後に vCJDを発症した供血者(ドナー)からの血漿中の plasma pools に由来する 2 batches の Factor VIII 8Y が含まれている。
● マラリア インド 抗マラリア薬有害事象
PRO/EDR> Malaria drug, adverse events - India: RFI
Archive Number: 20090706.2431
情報源:Yahoo News - India、2009年7月6日
Chiplun Taluk においてマラリア Malaria 感染のおそれのある地域の衛生当局により配られている薬剤による被害が発生し、当局自身により回収され政府研究機関で調査されている。5日、当局によって配布された抗マラリア薬の服用後 1人が死亡した。同じ地域ではほかにも 39人がこの錠剤を服用し、嘔吐やめまいのため医療センターに入院した; 6月の最後の週にこの地域の住民 2人がマラリア感染により死亡している。
当局は Akale, Kadwad, Tiware, Tiwadi, Rictoli, Kalkawanwali、Nandiwase の各地域を malaria-prone areas(マラリア感染のおそれのある地域)に指定し、chloroquine phosphate と primaquine の配布を始めていた。5日 Akaleキャンプでは 64人の患者がマラリア感染を疑われ、この薬剤が処方され,このうち 38人の患者が激しい嘔吐を訴え入院した。
[Mod.EP- クロロキン Chloroquine phosphate はよく知られた薬剤であり、服用後の吐き気や嘔吐が特に小児において認められることがあるが、めまいは有害事象として知られていない。従って予想されていなかったこの有害事象の原因は、薬剤の品質の問題である可能性がある。最近のインドの薬品の品質に関する研究では、デリー Dehli でサンプルされた薬剤の 12%、チェンナイ Chennai の薬剤の 5%に、品質上の問題があった (Bate R et al. Pilot study of essential drug quality in two major cities in India. PLoS One 2009 Jun 23;4(6):e6003).]
[Mod.JW- 不注意による toxic substance(有毒物質)の混入の可能性もある]
● ウシ結核 英国:badger(アナグマ)のワクチン接種
PRO/AH/EDR> Bovine tuberculosis - UK (04): badger vaccination
Archive Number: 20090707.2443
情報源:BBC NEWS 、2009年7月6日
デボン Devon 地方ティバートン Tiverton 近郊の 2つの地域で、アナグマへのワクチン接種による bovine tuberculosis (TB ウシ結核)感染予防の試みが開始された。多くの農業関係者から、アナグマはウシに感染するこの疾患の感染拡大の原因とされている。The South West, west of England and Wales の被害が深刻である。この試験的事業は 6つの地域で実施され、農家や獣医師から依頼された業者がアナグマを捕獲しワクチンを接種する。5年間にわたって続けられることになっており、来年の 2010年5月から開始される。
● 原因不明の大量死、ハクチョウ アイルランド
PRO/AH/EDR> Undiagnosed die-off, swans - Ireland: (CK), RFIArchive Number: 20090707.2439
情報源:The Irish News on-line、2009年7月6日
コー ク市 Cork city の The Lough [アイルランド語で "湖" の意味] area で、数日間に約 50羽のハクチョウが原因不明の病気で死亡した。市当局はこの問題がいつごろから続いていたか明らかにしていないが、数日間に渡って死亡したハクチョウの処理が続けられている。このウイルスは同地域内に飛来した渡りのダック ducks によって持ち込まれたものであることが確認されている。当局はこのウイルスが野生の禽類のみに感染するもので、ヒトへの影響はないとしている。
[Mod.AS− この出来事が "a mystery virus" と決めつけられた理由は不明である。従来から "mystery" はメディアが好んで用いるおいしい言葉ではあるから仕方がないが、"virus" の語を使うにはちゃんとした理由が必要である。もしウイルスであることがはっきりしているならば、検査機関による確定がすぐにも望まれる。HPAI が除外されるかどうかに、特別な関心が持たれる。また感染した the swan subgenus (ハクチョウの種類、亜属)の同定にも役立つと思われる]
● Texas cattle fever tick 米国
PRO/AH/EDR> Texas cattle fever tick - USA: (TX) quarantine expanded
Archive Number: 20090707.2435
情報源:Texas Animal Health Commission, news release 、2009年7月6日
テキサス Texas 州の衛生当局は、州南部における cattle fever 対策でさらに地域を拡大して取り組んでいる。The Texas Animal Health Commission (TAHC) は Starr and Hidalgo counties の広い地域を一時的に隔離している。Zapata County 付近の Zapata County で、fever-tick が発生した農場の周囲が検疫体制下にある。cattle fever tick は成牛を死亡させることもある血液中の寄生虫 _Babesia_ spp(バベシア属)を伝播する。ウシを最も好むが、ウマ、aoudad sheep、シカ、エルク、その他のシカ科の動物にもダニは寄生し感染伝播する。2008年10月以降、テキサス州南部の 8つの郡の 127か所の農場で fever tick の発生が確認され、隔離措置が行われた。
● 炭疽 イスラエル
PRO/AH/EDR> Anthrax, bovine - Israel: (HZ)
Archive Number: 20090706.2423
投稿者:イスラエル・Kimron Veterinary Institute、Prof. Daniel Elad、2009年7月6日
肉用牛およそ30頭のうちの1頭が、開口部から血を流して死んでいるのが発見された
2009 年6月30日、イスラエル北部 the Megiddo (別名 Armageddon) area で放牧されている、肉用牛およそ 30頭のうちの1頭が、開口部から血を流して死んでいるのが発見された。このウシの脾臓が摘出され(勧告に反し)、the Kimron Veterinary Institute に提出された。約 2mの深さの穴を掘って埋められた。脾臓の鏡検、培養、PCRの検査により、炭疽 Anthrax 感染と診断された。これまでこの地域が炭疽菌に汚染されていることは知られていなかった。数十年来(放牧地として)使用されており、この群れは 2ヶ月前から放牧されていた。群れは農場から隔離されてワクチン接種を受け、発熱のあった 1頭には抗生物質による治療とワクチン接種が行われた。新たな炭疽感染は発生していない。20世紀半ばまでイスラエルでは炭疽感染が多く見られたが、(現在は)数年に1回感染例が確認されるだけの非常にまれな疾患となっている。今回の発生例をのぞくと、国内南部に1 か所だけ地方病感染地域が知られている。
● ブルータング イスラエル
PRO/AH/EDR> Bluetongue, bovine - Israel (03): BTV-24
Archive Number: 20090706.2422
投稿者:イスラエル・Kimron Veterinary Institute、Hagai Yadin, DVM、2009年7月6日
Kalya (north of the Dead Sea) の乳牛で臨床的に感染が疑われた症例からの合計 6検体と、Almog (4 km, or 2.5 miles, north of Kalya) で感染が疑われたウシ 1頭の血液検体 1件は、われわれの検査室の検査ですべてブルータング Bluetongue の PCR検査陽性であり、6月12日に血清型検査目的に Pirbright に送付した。6月15日に受領された。7件の検体全てが、指定検査機関の血清型検査で BTV-24 であることが確認された。
● バジルの病気,べと病 downy mildews 米国
PRO/PL> Downy mildews, cucurbits, basil - USA
Archive Number: 20090706.2421
[1] サフォークで、ウリ科植物のべと病報告
Cucurbits - multistate; Cucurbit downy mildew reported in Suffolk
情報源: Delmarva Now / The Daily Times 、2009年7月4日
Cucurbit downy mildew(ウリ科のべと病)が Suffolk [Virginia バージニア州] にある1か所の sentinel plot(歩哨区画)から今週[ 6月29日−7月3日] 報告された。Downy mildewは North Carolina, Georgia, Florida, Alabama, Louisiana and Texas の各州からも報告されている。
[2] バジル Basil - northeast region
情報源: Horticulture News, Cornell University 、2009年6月26日
比較的新しい病気である basil downy mildew が、北東部の菜園や農場で被害を発生させている。2008年、多くの農場に深刻な被害をもたらせた。主な症状である leaf yellowingが栄養不足のように見えるため見過ごされることも多い。綿毛のような芽胞 downy spore は、葉っぱの下の部分だけに見られる。
[Mod.DHA− 真菌の _Pseudoperonospora cubensis_ を原因とする Downy mildew は、世界中で報告されているウリ科に壊滅的被害を与える病気である。pathovars(異なる病原体)と宿主の関係があるようで、たとえばキュウリの病原菌がメロンには感染するとは限らない,_Peronospora lamii_ は basil (_Ocimum basilicum_) やミント、nettles、サルビア、ornamental coleus などその他の関連種のべと病の原因となる。いずれも、風、雨、機械的な伝播や感染した植物からの感染などで広がる。抗真菌剤、植物衛生手順、農業手法、耐性株の作付けなどの対策がとられる]