2009年9月7日-8日

クリミア・コンゴ出血熱 イラン、と畜の方法
デング熱 タイ、平均年齢の上昇 PLoS Med

● クリミア・コンゴ出血熱 イラン、と畜の方法(3件)
PRO/AH/EDR> Crimean-Congo hem. fever - Iran (03): update 
Archive Number: 20090908.3172
 情報源:Badablog 、2009年9月7日
Crimean-Congo haemorrhagic fever proves deadly in Iran
イランでは Crimean-Congo haemorrhagic fever (CCHF クリミア・コンゴ出血熱) により 2009年は少なくとも 63人の感染者が発生し 8人が死亡したと、保健省人獣共通感染症局長が述べた。
ダニ刺咬、家畜の処分、自宅内での家畜の飼育、家畜との接触がある場合は、感染の疑いがあるものとして検査が必要と述べた。2008年の CCHF 患者数は 120人で、うち 19人が死亡している。アルボウイルス性疾患である CCHF 患者がイラン各地で報告され始めたのは 1999年夏である。当局は感染伝播や疫学の調査に取り組んでいる。
[Mod.CP- Crimean-Congo haemorrhagic fever (CCHF) は、the Nairovirus group によるウイルス性の出血熱である。基本的には人獣共通感染症であるが、ヒトだけに散発性または流行性に発生することもある。アフリカ、欧州、アジアの多くの国々で地方感染しており、2001年には Kosovo, Albania, Iran, Pakistan, and South Africa でも確認されている。1944年に初めてクリミア Crimea で確認されたことから,Crimean haemorrhagic fever と命名されたが、1969年に、1956年に Congo で発生した疾患が同じ病原体によるものであることが判明し、現在の疾患名となった。ヒトでは致死率の高い重症疾患である。動物では頻繁に感染が発生しているが、幸いにして、ヒトでの発生はそれほど多くない]

PRO/AH> Crimean-Congo hem. fever - Iran (02): (KV) abattoir workers 20090908.3166
 投稿者:米・ Merritt Clifton、2009年9月7日
20090907.3149 に関するコメント:イスラム法に則ったと畜方法の問題
モデレータは、"感染のあった家畜の血液やその他の臓器との直接接触、もしくはダニ刺咬によりウイルスに感染した" と述べているが、独特な halal slaughter (Islamic law に従った食肉処理法) のいくつかが感染経路となった可能性がある。このような感染が繰り返し起こることへの反省として、食肉処理の前後の手順を変更する必要がある。The halal slaughter method では、従来の西洋方式と比べ、どうしても多くの血液が飛び散ることは避けられないし、多くの作業者が作業中、身体を使って動物を押さえていなければならないため、処理される家畜のダニは近くにいる宿主であるヒトに飛び移るし、作業員は血液にも触れることになる。地域性や宗教上の理由で halal slaughter method そのものを変更することは容易ではないが、家畜を処理する前に適切な溶液 (水) に浸し、作業員は防護服を着用し、重力による廃液以外の方法をとっていない処理区域内で、何らかの血液の貯留を減少させるような方法を用いれば、感染リスクは相当減らせると思われる。たくさんの水をかけることがもっともよい対応策であることは間違いないが、必要な水が手に入らないイランやアフガニスタンのような乾燥気候は例外である。水に浸けたり、水をかけたりすることは、乾燥地帯では難しいが、同じ水槽内を多くの動物をくぐらせることは可能であり、ダニやダニの死骸をすくい取って、水をきれいに保てばよい

PRO/AH/EDR> Crimean-Congo hem. fever - Iran: (KV) abattoir workers 20090907.3149
 情報源:shooresh1917.blogspot.com, Revolutionary Road report 、2009年9月5日
[Abattoir] workers diagnosed with Crimean-Congo haemorrhagic fever
マシュハド Mashhad にある "Tappe Salam" の処分作業員 6人は、Crimean-Congo haemorrhagic fever CCHF クリミア・コンゴ出血熱ウイルスに感染したため、現在入院中である。 ILNA [Iranian Labour News Agency] によると、アフガニスタンからの家畜の輸入後に発生した。この作業員らは、高熱と全身の強い筋肉痛、頭痛、吐き気を訴え受診し、CCHFと診断された。以前、CCHF に感染した家畜動物がイランに違法に輸入された。

● デング熱
PRO/EDR> Dengue/DHF update 2009 (36) 20090907.3144
ブラジル
[1] Brazil (Bahia)
 情報源:A Tarde On Line [in Portuguese]、2009年9月1日
2009年1月1日から 8月22日までの期間中に、バイア Bahia 州で記録されたデング熱 Dengue 患者の数は、2008年の同じ期間中に記録された患者数の3倍に達した。同州で初めてデング熱が流行したとされる、1995年以来最悪の数字となった。
当初の 8ヶ月間で 10万3788人のデング熱患者が発生したが、2008年の同期間中の患者数は 34125人だった。
バイア州の 417市のうち、402の市でデング熱が発生しており、Itabuna, Jequie, Salvador, Feira de Santana, Irece, and Ilheus の各市で患者数の41%が発生している。最重症型の患者については、バイア州の 120市で 1028例が記録されていて、60例がデング熱による死亡であることが確定された。患者数増加の要因は、政策の都市間における不連続性(不一致)とされている。
地図 Brazil showing the states 
[2] Brazil (Mato Grosso)
 情報源: Jornal Circuito Mato Grosso [in Portuguese]、2009年9月2日
2日に発行されたマトグロッソ州のデング熱患者に関する新たな冊子の中によると、1月から9月2日までに記録されたデング熱患者数は36339人で、最重症型の患者数は 1095人であった。デング熱ウイルス感染による死者数については、28例が確定されており、6例については現在調査中である。Cuiba だけで 10841例のデング熱感染患者が報告されており、うち420例が重症例であり、322例については感染が確定されている。Cuiba で死亡した患者のうち、8例は重症型感染で、5例は調査中となっている。Vareza では 3825例の報告があり、440例が重症型で、274例の感染が確定されている。2008年 (10453例) と比較して、マトグロッソ州の患者数は 248%の増加であった。
プエルトリコ
 情報源:Ponte al Dia, Agencia EFE report [in Spanish]、2009年8月28日
上院議員が保健相に対し、デング熱ウイルス感染伝播防止のために全島で噴霧消毒を行うよう要求した。最新の報告により、先週新たに合計 150例のデング熱感染が疑われる患者が発生し、プエルトリコ国内での2009年の患者数が3256人となったことが明らかにされたことを受けての要求であった。インフルエンザ A(H1N1)だけに注目している場合ではないとした。
28日、島の中心部にある Cidra 在住の 9才の生徒が、デング熱により死亡した疑いがあると報告されている。
米国 CDCは 2009年4月、プエルトリコでは 2009年初の、カグアス Caguas area の 8才女児 1名の、デング熱による死者が発生したことを確認した。
[Mod.TY- 殺虫剤による fumigation (fogging) は劇的で可視的な効果があるため、市民からの何かして欲しいとの欲求に答えるべく当局は好んで行うが、ベクターの蚊族の減少は一時的であり、住宅などの建物付近のヤブカ属の繁殖場所である水たまりを排除していくことに比べて、長期的な有効性は劣る]
地図 Puerto Rico 
タイ
 情報源:Big Medicine 、2009年9月2日
今週の PLoS Medicine 誌の新たな論文によると、タイにおける出生率と死亡率の減少によって、dengue hemorrhagic fever (DHF デング出血熱) の発生年齢分布の変化が説明可能とされた。タイの 72の県のデータを解析したところ、国内の DHF 患者の平均年齢が上昇していることが明らかになった。
米・ボルチモア Baltimore にある Johns Hopkins University  の研究者らは、出生率減少と人口構成比の変化によって、患者の年齢分布の変化、感染影響力(force of infection;感染感受性のある個人の感染率)の衰退、DHF 感染流行周期の延長を説明できることを見いだした。著者は、タイにおけるデング熱患者の年齢上昇が続いた場合の影響を考慮した、臨床ガイドラインが必要だと述べた。
(研究に参加していない) ベトナム・ホーチミン市 Ho Chi Minh City の the Oxford University Clinical Research Unit の研究者らはコメントの中で、ベトナム政府当局は、デング熱感染の疫学パターンの変化を検討し、治療やワクチンに活かしていると述べた。小児におけるデング熱の治療は成人と異なっているため、混在するデング熱患者の中の成人の割合が増えれば、医師にとって困難な問題が生じてくる。そこで、タイでのこの研究結果の確証を行うことが先決であり、東南アジアや中南米などの他のデング熱の発生国でも、同じような人口統計とデング熱疫学の関係が見られるか、なぜそうなのかを解明する必要があると、主張している。
原著 The Impact of the Demographic Transition on Dengue in Thailand: Insights from a Statistical Analysis and Mathematical Modeling. PLoS Med 6(9): e1000139. doi:10.1371/journal.pmed.1000139
スリランカ
 情報源:People's Daily Online, Xinhua News Agency report 、2009年9月1日
スリランカでこれまでに発生したデング熱患者は 2万4857人に達し、うち 245人が死亡したと、1日保健省疫学局が明らかにした。最新の統計によると、患者数が最も多かったのは 6月の 7048人であった
地図 Sri Lanka 
パキスタン (カラチ)
 情報源:The News International (Pakistan) 、2009年9月6日
カラチ Karachi の複数の病院から、500人を超えるデング熱感染疑い患者が報告されている。しかし、デング熱に対応する部署は未だにフル稼働していない。正確な患者数は不明のままである。専門家らによると、デング熱患者が発生し始めたのはカラチで、ほとんどの患者は私立のクリニックや病院を受診しており、政府系病院を受診する患者はごくわずかである。最近の豪雨の後に、デング熱患者数が増加することが懸念されている。専門家らは、水の溜めないよう注意を促している。
地図 Pakistan showing the location of Karachi on the south coast 
全世界
蚊族の温帯への移動も感染拡大の要因である
 情報源:Reuters 、2009年9月1日
急激な都市開発 (密集化) により、世界中にデング熱が拡大し感染伝播が増加していると、1日に保健の専門家らが指摘した。現在感染のリスクがあるのは 30億人に達していると警告した。気候変動によってデング熱を伝播する蚊族が温帯に移動することも、感染拡大の要因の 1つと報告している。マニラ Manila で 3日間にわたり開催されたデング熱のシンポジウムの sidelines で、ハワイ大学の Duane Gubler は気候変動の影響は非常に小さいと述べた。科学者や保健の専門家らは、小児を中心に毎年 5000万人が感染し、数万人の死者が発生するデング熱対策についての意見交換を行った。気候変動が問題となるずっと以前の 1980年代からすでにデング熱はアジアの数カ国で流行域に達していた。急速な都市化、飛行機での旅行の増加、蚊族対策の欠如が、この疾患を拡大させた主な原動力となったと述べられた。マニラではじめてのデング熱感染流行が報告された1950年代に、東南アジアと南アジアでデング熱が問題化していたのはわずか10カ国に過ぎなかったが、飛行機による旅行が増えた結果、現在では太平洋の島々や、ラテンアメリカ、アフリカのおよそ 100カ国に感染が拡大した。世界中のおよそ 57 %の人々が都市に住んでいる。500万人以上が最も都市化された地域に住んでいる。1950年代に飛行機旅行する人は年間およそ5000万人程度であったが、その後の 60年間で約 20億人となり、感染の拡大を助長している。世界中で 2012年までの抗デング熱薬の開発と 5-7年以内のワクチン開発が争われている。

● プリオン病
PRO/AH/EDR> Prion disease update 2009 (08) 20090908.3170
[1] 英国: National CJD Surveillance Unit - monthly statistics as of 7 Sep 2009 -- new confirmed case of vCJD
 情報源: UK National CJD Surveillance Unit, monthly statistics 、2009年9月7日
エジンバラ Edinburgh で CJD サーベイランス担当局によって、新たなvCJD 症例が確認された。これにより vCJDによる確定もしくは感染の可能性のある死亡患者数は 165例となった。合計 4例の definite/probable patients が生存しているため、すべての vCJD症例は  169例となっている。この 1ヶ月間に新たな症例が 1例確認されたが、英国での vCJDアウトブレイクが減少傾向にあるとの見方に変化はない。1995年に初めての症例が報告され、2000年にピークの 28例が確認されたが、2001年 20例、2002年 17例、2003年 18例、2004年 9例、2005年-2007年各 5例、2008年は 1例で、2009年もこれまでのところ 1例である。
9月7日現在の 2009年の英国におけるすべての CJD症例数; 95 referrals (照会), 38 cases of sporadic CJD (散発性), one case of familial (家族性) CJD, one case of iatrogenic (医原性) CJD, 3 cases of GSS, and one case of vCJD.
[2] フランス: Institut de Veille Sanitaire - monthly statistics as of Tue 2 Sep 2009 -- new suspected case of vCJD
 情報源: IVS - Maladie de Creutzfeldt-Jakob et maladies apparentees [in French]、2009年9月2日
8月の更新の後、感染疑い例は確定され、さらに1例の感染が疑われている。2009年の当初8ヶ月間に、939例についての照会があり、散発性 CJD39例、家族性2例、医原性2例、vCJD1例が発生し、現在1名の vCJDが疑われている。1997年以降、フランス国内では合計25例のvCJDが確定または可能性例と診断されている。男女各12名の24名がすでに死亡した。年齢の中間地は 36歳 (19-58歳) で、6例がイルドフランス the Ile-de-France 、18例が各県在住者であった。いずれの患者も Met-Met homozygotes(ホモ接合体) であることが確認されている。リスクファクターとして確認されたものはない。患者のうちの1人は、頻繁に英国を訪れていた。
[3] 米国 US National Prion Disease Center - not updated (quarterly statistics as of 15 May 2009)
 情報源: US National Prion Disease Pathology Surveillance Center 、2009年9月6日
2009年5月15日以降、変更なし。1月から1166例について照会があり、66例がプリオン病に分類され、37例が散発性、14例が家族性、医原性とvCJDは発生していない(プリオン病の中には、未分類も含まれるが、vCJDは除外されている)。
[4] Proposed vCJD testing by coroners:Coroners reject plea over vCJD
 情報源: BBC Health News 、2009年8月19日
英国ではこれまでに 164例の vCJD 患者が発生している。検視官らは、政府当局が市民を守る事につながるとして求めていた、vCJDの原因となる感染の検査を拒否していることが BBC の取材で明らかになった。専門家らによると、死後剖検の検査でチェックが行われれば、気づかれずに感染して死亡した人がどれほどいるかの解明につながる可能性がある。また現在、輸血や手術を受ける際に行われている対策が十分であるかの検証にも役立つ。しかし、検視官らは、このような検査が彼らの中立性を脅かすになると主張している。vCJD は 1980年代に BSE [bovine spongiform encephalopathy 牛海面状脳症] 感染牛の肉を食べた結果、人々の間で発症し始め、その後 164人がこの病気で死亡したが、専門家らは無症状の感染者が、どれ程度いるかわからないとしている。これまでの患者は、特にこの病気に感染しやすい人が発病したのであって、これから先により多くの人が死亡する可能性も十分にある。この問題で大臣にアドバイスする立場にある団体の、Spongiform Encepalopathy Advisory Committee (SEAC) は、2年目に政府当局に対して、無症候性感染者の数を明らかにすることが重要との意見を行っている。その唯一の信頼性のある方法は、検視官が、剖検の際に若年者の脳と脾臓の検査し、プリオンと呼ばれる病原体の有無を確認することとしている ... 検視官の団体はコメントを拒否しているが、取材によると、彼らの仕事は、死亡の確認と死因の究明だけに限ると主張している。もし研究に携わる関係者からの総意に応えなければならないとすると、彼らの中立性が脅かされ、これまで築き上げてきた市民からの信頼を失うことになると述べている。さらに、もし団体としてこの要求に同意すれば、これはほんの一部であって、さらに研究を進めるための多大な要求を受けなければならなく可能性があるとも述べている...
[5] Sporadic CJD variants
 情報源: Arch Neurol. 2009;66(2):208-215、2009年8月15日
Title: Characteristics of Established and Proposed Sporadic Creutzfeldt-Jakob Disease Variants

● Q熱 オランダ
PRO/AH/EDR> Q fever - Netherlands (07) 20090908.3169
 情報源:NRC Handelsblad 、2009年9月2日
オランダですでに5人の死者が発生している Q熱 Q fever について、複数の専門家らは、国内の死者が 2人に留まっているパンデミックインフルエンザと比較して、十分な注意が向けられていないと指摘した。慢性の心臓障害を残すこともある Q熱に対する沈黙は間違っていると、専門家らは指摘している。農業や観光業を守るために、もみ消されているといわれても仕方がない"と、医学部名誉教授は述べた。HIV陽性者や化学療法中の患者など、特に抵抗性の低い患者らに対して、情報を明らかにすべきだと述べた。教授自身、南部 North Brabant 州への自転車旅行を取りやめたという。この地域には、当局が Q熱の感染源としている多数のヒツジやヤギが群れを成している。
この疾患は 2007年に初めて登場したが、農業省によると、2009年末までどの農場でも感染が発生する可能性がある (どの農場で発生するかは正確にはわからない) としている。豚コレラや口蹄疫のような方法で、農場内の全数処分を行うことは予定されていない。当局は感染が発生した農場名を公表しない代わりに、各農家に対して疾患清浄化対策を明らかにするよう求めることにしている。この細菌の芽胞は長期間生存可能であり、風で運ばれる。このような継続性を理由に、米 CDC は生物兵器やテロの手段として用いられる可能性があるとしている。これまで Q熱の発生の唯一の指標はヤギやヒツジの自然流産発生数の異常高値だけとされてきた。このような事態があればすかさず農場の調査が行われた。しかし、今は多くの農場で発生している。農場からのミルクに対する新しい細菌検査によって、さらに 100ヶ所以上の農場の感染発生が判明することが期待されている。保健省は、ワクチン接種の義務化、肥料の精製方法の監視、動物の移動のチェックなどによる対策に期待を寄せている。
[Mod.LL- この投稿の中で抜け落ちている大きな 1つのポイントは、インフルエンザはヒト-ヒト感染によって大流行するが、Q熱はヒトからヒトには感染しないという点である]

● 硫化水素 フランス、死亡 
PRO/EDR> Hydrogen sulfide, human fatality - France: (BT) 
Archive Number: 20090907.3158
 情報源:BBC news 、2009年9月7日
腐敗してガスが発生した藻類を運んだ運転手が死亡した
フランスの当局は、タンクローリーの運転手1名が、ブルターニュ Brittany の沿岸部を被う有毒海藻による初めての犠牲者である可能性について調査を行っている。
この運転手は,アオサ sea lettuce が腐敗し有毒ガスが発生していた海岸から、トラック 3台分のアオサを撤去した後の 7月に死亡した。当初、男性の死因は心臓発作とされていたが、検察当局はこの海藻との関連性に興味を示している

● 炭疽 ケニア
PRO/AH/EDR> Anthrax, human, bovine - Kenya (03): (CP), wildlife 20090907.3156
[1] 感染牛の肉を食べた男性、炭疽感染で死亡
 情報源: Kenyans United 、2009年9月4日
先週、感染牛の肉を食べたニエリ Nyeri の男性1名が、炭疽 Anthrax 感染で死亡した。Nairobi National Park のサイ2頭が炭疽感染で死亡している。The Kenya Wildlife Service (KWS) で感染が確認された。
[2] 1週間前にニエリで男性1名が炭疽感染により死亡
 情報源:East African Standard 、2009年9月5日
[3] 国立公園内に多数のウシが侵入している
 情報源:Wildlife Direct 、2009年8月24日
Nairobi National Park 管理者の会議で、干ばつの影響で、数万頭のウシが園内の草を食べていることが明らかになった。公園の南側には、たくさんのウシの遺体が散らばっており、コンドル、ハイエナ、ライオンなどが腹一杯食べている。

● 狂犬病 インドネシア
PRO/AH/EDR> Rabies, canine, human - Indonesia (09): Bali, susp. 20090907.3152
 情報源:The Jakarta Post、2009年9月7日
3日から狂犬病 Rabies の症状で Sanglah Central Hospital 病院で治療中であった若年女性 が 6日死亡した。
Buahan village, Tabanan Regency(Bali)在住の 21才で、2009年8月に同じ症状で死亡した男性患者の義理のであった。この男性患者は、狂犬病感染流行地域ではなかった Tabanan 初の、狂犬病による犠牲者であった。これまで公式に狂犬病の流行地域に指定されているのは Badung と Denpasar だけで、狂犬病対策もこの地域に対しては行われていた

● インフルエンザパンデミック (H1N1)2009  中国
PRO/AH> Influenza pandemic (H1N1) 2009 (42): China, pork consumption 20090907.3146
 情報源: PigProgress.net 、2009年9月4日
USMEF: Chinese consumers' reaction to H1N1
中国の消費者のおよそ 2/3 が、2009年の H1N1 感染流行発生早期には豚肉の消費を控えていた。この世界最大の豚肉市場の消費者の 5人に1人が、今でも豚肉を食べることでインフルエンザウイルスに感染すると信じている。the US Meat Export Federation (USMEF 米国食肉輸出協会) が 8月に行った中国の消費者1200人での調査で明らかになった。3日に中国・青島 Qingdao で行われた、第5回国際食肉事務局世界会議の席上で USMEF アジア太平洋事務局副局長は、世界最大の豚肉生産・消費国である中国において、H1N1ウイルスアウトブレイクの影響が以前の予想を上回る可能性があることを明らかにした。
8月6日-10日に Sinotrace Marketing Research Company が、中国の6都市:北京 Beijing, 上海 Shanghai, 重慶 Chongqing, 広洲 Guangzhou, 南京 Nanjing, and 瀋陽 Shenyang で 200人の消費者に行った調査によると、流行初期の段階で 64%の消費者が豚肉を買い控えていた。流行発生から数ヶ月が経過した現在でも、調査された人の 21.2%は、豚肉を食べることで H1N1ウイルスに感染すると信じていた。中国政府当局による消費者への豚肉の安全性周知の努力にもかかわらず、豚肉とインフルエンザウイルスとの関係を心配している人の  54.7%が、ウイルスの名前が "swine flu(豚インフルエンザ)" であるからと答えている
[Mod.AS- 国際機関の FAO、OIE、WHO は5月、豚肉の安全性に関する共同声明を行っている]

● チクングニア インド
PRO/EDR> Chikungunya (31): India (AP) 20090907.3145
 情報源:Desimeet.com 、2009年9月7日
Hyderabad の 2つの都市でチクングニア Chikungunya が発生したと6日当局が確認した。The Nallakunta Fever Hospital が受けた Amberpet からのチクングニア感染疑い患者は、検査の結果チクングニア陽性であることが判明した。Amberpet area に、ベクターである蚊族繁殖地探索のための医療チームを派遣したと当局は述べた。2006年、チクングニアとデング熱が州都などで大規模に発生したことが思い出される...
[Mod.TY- インド各地からチクングニアウイルス感染が報告されている。現在は中央インド Hyderabad である]

● 炭疽 オーストラリア(2)、インド(3件)
PRO/AH/EDR> Anthrax, bovine - Australia (03): (VI) 20090908.3173
 情報源:Country News 、2009年9月7日
新たな炭疽感染リスク
DPI [Victoria Department of Primary Industries ビクトリア州第一次産業局] は、1週間に 2頭目の炭疽 Anthrax 感染例が、診断がつかないまま Stanhope の knackery(処理場)で処分されてしまったことを受け、農業関係者らに 対して特別に注意を払うよう呼びかけている。当局は、感染した動物を移動させたことによる、ほかの農場やヒトへのリスク拡大を懸念している。気づかれないままに食肉処理に回された乳用牛と接触のあった 7体の遺体について、Stanhope knackery(処理業者)で行われた処分作業を当局が監視した。2008年に初めて導入された高温焼却炉によって、遺体が焼却された...1例目の感 染は、8月31日に報告され、9月1日に確定診断された。この死体は同日焼却処分となり、他のウシにはワクチンが接種された

PRO/AH/EDR> Anthrax, bovine - Australia (02): (VI) 20090907.3151
Another cow dies of anthrax
 情報源:ABC News (Australian Broadcasting Corporation) 、2009年9月7日。
ビクトリア Victoria's Goulburn Valley で 2頭目の炭疽 Anthrax 感染によるウシの死亡が発生した。一次産業局によると、このウシの死亡は、第1例の 4日後の 9月4日に発生した。この地域のウシにはワクチンが接種されている

PRO/AH/EDR> Anthrax, elephant - India: (KL) 20090907.3150
 情報源:Express Buzz, Express News Service report 、2009年9月5日
Controversy over elephant's burial
3日に Perumbavoor で炭疽感染により死亡したとされる1頭のゾウの埋葬が論争を巻き起こしている。この厚皮動物 pachyderm の死体が Muvattupuzha 川の近くに埋葬されることで、地域の飲み水が汚染されるとの非科学的な疑惑や脅威論が浮上した

● 東部ウマ脳炎 米国
PRO/AH/EDR> Eastern equine encephalitis, equine - USA (11): (FL, VA) 20090907.3157
[1] Flagler County、今シーズン初の eastern equine encephalitis (EEE) が確認
 情報源: Central Florida News 、2009年9月6日
ヒトでの感染は確認されていないが、当局は注意を呼びかけている
[2] Virginia 州で初めて EEE ウイルス感染が確認
 情報源: Washington Post 、2009年9月6日
北部バージニア Virginia 州で初めて EEE ウイルス感染が確認され、当局者らはこれまでの感染域を超えて拡大する動きに警戒を強めている。8月に診断された初めての EEE ウイルス感染は、Middleburg (東部Loudoun County) の 28才のメスのウマ

● 小麦の病気,Wheat streak mosaic virus 米国 
PRO/PL> Wheat streak mosaic virus - USA: (ND) increase 20090907.3148
 情報源:KFGO Ag News, Associated Press (AP) report 、2009年9月4日
The North Dakota State University [NDSU ノースダコタ大学] Diagnostic Lab などの関係者らによって、2009年の wheat streak mosaic virus (WSMV) 発生増加が報告されている。州内の広い地域の冬小麦と春小麦およびデュラム麦で報告されており、影響は軽微なものから深刻なものまで様々である ...
[Mod.DHA-_Wheat streak mosaic virus_ (WSMV; genus _Tritimovirus_) は、北米、ロシア、東欧に広く蔓延し、オーストラリアやアルゼンチンからも報告されている。小麦、トウモロコシ、芝生、オーツ麦、大麦にも感染し、深刻な感染があれば全滅することもある。wheat curl mite(ダニ) _Aceria tulipae_ が感染伝播する]

● 住血線虫 英国 イヌ
PRO/AH/EDR> Angiostrongylus vasorum, canine - UK: (Scotland) 1st report 20090907.3147
 情報源: Dumfries & Galloway Standard 、2009年9月4日
Dumfries および Galloway では初めての、イヌの致死性疾患が確認された。ダンフリースのイヌの死亡を受け、獣医学センターの獣医師は、肺線虫lungworm の "angiostrongylosis(住血線虫)" 感染に注意するよう呼びかけている。"湿潤気候によりナメクジやカタツムリ(ときにカエル)が増殖したため、これを食べるイヌに重大なリスクが生じている” ”この地域内ではあまり知られていなかった angiostrongylosis  (住血線虫)の症状は多彩で診断が難しいが、獣医師は死亡に至る前に診断することが必要"
[Mod.AS-スコットランド原産のイヌでは初めての _Angiostrongylus vasorum_ 感染が、PCR 法により確定診断されたとの報告があったのは 2009年4月29日のことであった。これまで英国内の中で Northern England or Scotland で _A. vasorum_が確認されたことはなかったと筆者は述べている]

● 仁果類(ナシ属,リンゴ属)の病気,Fireblight ロシア
PRO/PL> Fireblight, pome fruit - Russia: (KN) 20090907.3143
 情報源:Yantarniy Krai [in Russian]、2009年9月1日
A plant quarantine disease has been detected in the Kaliningrad region
Rosselkhoznadzor [Russian Federal Service for Veterinary and Phytosanitary Surveillance] 当局は,the Nemanskiy 市において,植物の細菌性検疫疾患 fireblight が  fruit trees (_Erwinia amylovora_ (Burill.) Winslow et al) に発生したことを確認した
[Mod.DHA- Fireblight は細菌の _Erwinia amylovora_ を原因とし、世界中の pome fruit trees にとって最も深刻な被害を与える疾患と考えられている。多くの pear, quince, and apple の品種に感染するが、その程度は様々である。the _Rosaceae_ だけが感染し、その中でも _Maloideae_ (synonym _Pomoideae_) の感染が主であるが、栽培種の rose and bramble varieties にも感染し、その宿主は more than 140 species from 40 genera を数える]