2009年9月9日

アナプラズマ症-米国
インフルエンザパンデミック (H1N1)2009 (43):小児の問題 

● アナプラズマ症-米国
PRO/AH/EDR> Anaplasmosis - USA: (WI) 20090909.3186
 情報源:LaCrossetribune.com 、2009年9月7日。 
ラクロス La Crosse area の衛生当局者らによると、ライム病 Lyme disease と同じ deer tick により感染伝播されるダニ媒介性感染症の、新たな症例が多数発生している。3年間、アナプラズマ症 anaplasmosis の監視を行ってきた研究者らは、同地域内で 50例の患者を報告してきた。この研究者らによって同疾患の検査法が開発され、Gundersen Lutheran Medical Foundation's microbiology laboratories at the La Crosse Health Science Center において血液検体による検査が行われている。研究者によると、この地域において、アナプラズマ症は新興しつつある感染症であり、採取されたダニの 10-15%で(感染が)確認されると述べた。わずか数年前に はthe La Crosse area においてアナプラズマ症はまれな疾患であった。同研究者によると、ライム病の初期症状(発熱、頭痛、身体痛)に類似している(ただしアナプラズマ症で発疹は生じない;後述)。かつて I-90 の南ではライム病のダニは見つからなかったが、現在ではたくさんのダニがいる。アナプラズマ症も同じだと説明した。基本的には皮膚の感染症で、血流に入り関節に広がるライム病とは異なり、アナプラズマ症は白血球の感染症であると説明した。近年増加傾向であったが、特に 2009年は著しく増えたと Gundersen Lutheran の感染症医が述べた。一般的な疾患の解説、固有遺伝子を検出する正確な分子学的検査、シカの個体数の増加とアナプラズマ症の定着による症例数増加への懸念など ... 
関連項目 20081120.3661

● インフルエンザパンデミック (H1N1)2009 (43):小児の問題
PRO> Influenza pandemic (H1N1) 2009 (43): pediatric questions 20090909.3185 
20090904.3118(MMWRの報告の内容)に関して 
 投稿者:マレーシア・Ipoh General Hospital、Dr Amar-Singh HSS 、2009年9月9日。 
1. 36例の死亡のうち、5歳以下は8例しかいない 
2.Neuraminidase inhibitors for treatment and prophylaxis ... BMJ 2009;339:b3172の紹介 
3.toxicity of oseltamivir (Oseltamivir adherence and side effects among children...の紹介) 
4.... 

● 馬ピロプラズマ症-アイルランド
PRO/AH/EDR> Equine piroplasmosis - Ireland 20090909.3183
 情報源: The Meath Chronicle, Ireland 、2009年9月8日。 
農業・漁業・食品局は、ミーズ Meath 郡の施設のサラブレッド多数の間での equine piroplasmosis の発生を確認した。the south Meath area では high profile stable とされている施設である。Piroplasmosis は、ダニが媒介するウマ・mules・ロバ・シマウマの寄生虫性疾患である。血液中の寄生虫 _Theleria equi_ や _Babesia caballi_ を原因とし、感染のあるウマに貧血や黄疸を発症させる。容易に感染する性質はなく、人獣共通感染も起こさないため、公衆衛生上の懸念は生じていない。アイルランドでは、2009年7月から届出が必要な疾患となったが、それまでは公式な報告は行われていなかった。ただし、以前から(国内で)発生があったことは知られている。現在、地中海諸国で発生しており、米国・カナダ・英国あるいは豪では発生が認められていない。問題の施設は移動制限があり、疫学調査による感染源や感染拡大範囲の解明が進められている

● 鳥インフルエンザ (51) (52) インドネシア,バングラデシュ
インドネシア
PRO/AH/EDR> Avian influenza (52): Indonesia (JT) susp, RFI  20090909.3181
 情報源:Bird Flu Information Corner (Japanese-Indonesian universities cooperation), Pikiran Rakyat report 、2009年9月8日。 
Kabupaten Banyumas, Central Java [中央ジャワ Jawa Tengah] 州の複数の農場の、数十万羽のレイヤーのニワトリが H5N1鳥インフルエンザ Avian influenza に感染した。感染したニワトリには鳥インフルエンザワクチンが接種されていた。この大規模な感染発生は、数週間のうちに Sumbang, Karanglewes, Kedungbanteng Serat, and Cilongok に等しく蔓延している。ある飼育業者が Desa Limpakuwus, Kecamatan Sumbang で飼育していた、感染のあった数千羽のニワトリには、ワクチンを接種していたと述べている。ワクチンをうってもニワトリには免疫が付くとは限らず、くり返しうたなければ感染は防げないと 8日に述べた。ワクチンを接種されたニワトリは、鳥インフルエンザに感染しても死なないが、卵の生産量が減少する。 
[Mod.AS- 上記の通りであるなら、本当に鳥インフルエンザウイルスで HPAI H5N1 なのか、検査結果に興味が持たれる。]

バングラデシュ 積極的疾患サーベイランス
PRO/AH> Avian influenza (51): Bangladesh, active disease surveillance 20090909.3180
 情報源:FAOAIDEnews Avian Influenza Disease Emergency Situation Update 60, 30 Jun 2009 [accessed 8 Sep 2009, edited]、2009年9月9日。 
バングラデシュ国内にある 487の sub-districts うち、150か所で active Highly Pathogenic Avian Influenza (HPAI) surveillance 積極的高病原性鳥インフルエンザサーベイランスが実施されている。動物衛生・獣医学・家畜関係者らはデータ収集と家禽の疾患発生・死亡に、Short Message Service (SMS ショートメッセージサービス) gateway (コンピュータと携帯電話間の SMS messages の送受信技術のこと)を使用している。2008年10月以来、全35件中21件の HPAIのアウトブレイクがこのサーベイランスプログラムを通じて感知されている。The SMS reporting structure(手順) は極めてシンプルである:その日の作業終了時に、各動物衛生の担当者は、調査した全ての家禽(ニワトリ、ダックなど)の合計数と健康状態(病鳥と死鳥の数)を記した SMS message を the SMS gateway system に送信するだけでよい。これらのデータを、A) 家禽の疾患発生・死亡の傾向を監視、B) 誰が働いていたか、の2つの目的に使用する。さらに、各担当者は症例定義に従って、アウトブレイクが疑われた場合には SMS で速報を打つ。システムは、自動的に同じ地域内の家畜担当者に SMS で連絡し、家畜担当者は獣医学関係者に連絡して調査を開始させるか、自ら調査に出向く。調査後、家畜および獣医学担当者は、the gateway server に調査結果(流行の否定、もしくは詳細な検査の必要性)を流す。これらのメッセージを受けるサーバーはダッカ Dhakaにある家畜局 the Department of Livestock Services にあり、現在はインターネットを使用している。専門のスタッフが、有病率や致死率の変化を監視し、発生中の HPAI アウトブレイクの空間的・時間的な解析を行い、感染疑い数および当局者の調査結果を監視している。この結果は、獣医学主任当局者に提示され、スタッフおよび農業関係者らに注意を促すための作業部会、ドナー会議、定期報告の場などで使用される。SMSを用いたリアルタイムの報告は、HPAI アウトブレイクへの対応に有効に機能しているが、その成功の鍵は、携帯電話という馴染みのある機器を用いた、シンプルかつ作業分担が明確であることである。