2010年7月18日

鳥インフルエンザ、ヒト インドネシア
ペスト、肺ペスト ペルー

● 日本脳炎 ネパール
PRO/AH/EDR> Japanese encephalitis - Nepal 
Archive Number: 20100718.2415
 情報源: The Himalayian 、2010年7月17日。
Mahottari で16日、Japanese encephalitis [JE 日本脳炎] により幼児1名が死亡した。患児は、Dhamaura VDC-1 の5才の男児であった。ダーラン Dharan の医療施設での治療中に死亡した。同じ村の29才の女性1名も日本脳炎に罹患した。
[Mod.TY- 検査により JE virus 感染が確認されたかが記載されていない。the Ganga River plain の北部にあるこの地域は、今も JE ウイルスの常在地域と考えられる。以前、ネパールの 24の地域が endemic とされていた(20060831.2475)。1978年に初めて感染流行が報告されたあと、散発的な流行が続いている。]
地図 Dhamaura, Nepal 

● クリミア・コンゴ出血熱 ロシア
PRO/AH/EDR> Crimean-Congo hem. fever - Russia (02): (SL, AN, VD, RV) 20100718.2406
[1] CCHF in Stavropol
 情報源: Yugo News agency [in Russian] 2010年7月14日
the Stavropol oblast では、 Crimean-Congo hemorrhagic fever (CCHF クリミア・コンゴ出血熱) の流行シーズンが続いている。2010年の域内の累積患者数は25人で、第1例目の患者はウシから素手でダニを除去していた男性であった。the Stavropol oblast では、11か所の地域で CCHF が確認されており、最も多かったのは the Ipatovski and Neftekumski regions であった。
[2] CCHF in Astrakhan
 情報源: Interfax-Russia News Agency [In Russian]、2010年7月9日
保健当局の責任者は、死者1名を含む6人の CCHF 患者の詳細について発表した。the Privoljskoe region [rayon] で死者 1人を含む3人、Astrakhan, Narimanovskoe and Chernoyarskoe rayons でも各 1人ずつの患者が確認されている。
[3] CCHF in Volgograd
 情報源: Rodnoi Gorod [in Russian,]、2010年7月13日
the Volgograd oblast において、2010年に合計725人がダニの刺咬のため医療機関を受診したが、CCHF ウイルスに感染していたものは3人のみだった。
[4] CCHF in Rostov
 情報源:Yushnyi Region [in Russian]、2010年7月8日
ロシア連邦のthe South Federal Okrug の疫学責任者は、域内の Crimean-Congo hemorrhagic fever [CCHF] のピークは 6-7月にあり、合計11例の患者が Rostov で報告されていると述べた。CCHF は、the Krasnodar Kra を除く、ロシア連邦南部全域に常在している...感染が確定診断されているのは11人である。
[Mod.CP- 最初に CCHF が確認されたのは 1944年のクリミア Crimia であったが、現在では、アフリカ、欧州、アジアの多くの国々で常在していることが確認されている。疾患の分布範囲は、ベクターのダニの分布に依存する。多くの種のダニに感染するが、最も重要な役割を果たしているのは、the genus _Hyalomma_.のダニである。]

● レジオネラ症 スペイン
PRO/EDR> Legionellosis - Spain (03): Barcelona 20100718.2405
 情報源:ABC.es [in Spanish]、2010年7月16日。
合計43人の Vallgorguina の住民が Pontiac fever に感染したと、市長が発表した

● 鳥インフルエンザ、ヒト インドネシア 
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (45): Indonesia (SH) 20100718.2404
 情報源: Antara New 、2010年7月18日。
Sukoharjo district の衛生当局者が、14才女児が数週間前に鳥インフルエンザ [H5N1 ウイルス感染] により死亡したことが確認されたと述べた。17日に発表された。女学生の体液がジャカルタ Jakarta の保健省の検査機関に送付されていたが、16日になってやっと鳥インフルエンザウイルス検査が陽性との検査結果が Sukoharjo に届いた。 この女子学生は Menjing village の住民で、死亡したニワトリとの接触があった
[Mod.CP- WHO に確認されれば、インドネシアでの H5N1型鳥インフルエンザの患者数は 167人となり、死者は 138人に増える。2010年のインドネシアでは 5人目の患者で 4人目の死者ということになる。]

● ペスト、肺ペスト ペルー
PRO/AH/EDR> Plague, pneumonic - Peru: (TJ) 20100718.2402
 情報源: La Industria 、2010年7月16日。
Trujillo で、死亡率の高い伝染性疾患の肺ペスト Plague の流行が確認された。重体となっているレジデントの医師1人医学生1人など、3人の患者への治療が懸命に行われている。トルヒーヨから北へ40分の Mariposa Leyva sector, district Chocope (Ascope) の 29才女性が、肺ペストに感染した。両親がこの女性をトルヒーヨの病院に連れて行く 5日前から症状が現れていた。高熱、呼吸困難、腹痛などの重症肺炎の症状があり、肺炎とインフルエンザ A (H1N1) に対する治療である、抗生物質と抗ウイルス薬が使用されたが効果が無かった。肺ペストの迅速検査 [直接蛍光抗体法?] は陰性だった。重症となったこの女性の治療や気管内挿管を行った、32才のレジデントの医師が、女性と同じ症状を発症した....
[Mod.LL- ペルーの一部地域に、ペスト菌 _Yersinia pestis_ が常在している]

● 狂犬病 米国
PRO/AH/EDR> Rabies update - USA (06): July 2010 20100718.2411
[1] アライグマ in Georgia
 情報源: Natural Unseen Hazards 、2010年7月6日
飼い犬がアライグマを退治し、このアライグマの狂犬病感染が確認された。North Georgia ではここ数週間に3件の狂犬病が発生している。
[ModTG- この飼い犬は狂犬病のワクチンを接種されていたのだろうか]
[2] アライグマ in Florida
 情報源: The Ledger 、2010年7月9日
Polk County Sheriff's Animal Control の当局者に捕獲されたアライグマが、7日狂犬病検査で陽性となった。このアライグマと飼い犬がけんかになった、the Hallamwood Court 近郊の住民に注意を呼びかけた
[3] South Carolina man bitten by rabid raccoon(アライグマ)
 情報源: WLTX.com 、2010年7月9日
Rock Hill の男性が狂犬病に暴露した。the Department of Health and Environmental
Control (DHEC)によると、この男性はトラップに引っかかったアライグマを助けようとして噛まれてしまったという...
[4] 50 North Carolina church goes exposed to rabies
 情報源: Charlotte News 14、2010年7月10日
布教活動中にコウモリに襲われたため、50名近いThomasville church のメンバーに対して、狂犬病のワクチンが接種されている。この中には 34人の teenagers も含まれていた。この団体は、バージニア Virginia 州の恵まれない家庭の家の修理を手伝うため、移動中に宿泊した小学校のコウモリに襲われた。...
[5] Maryland tourist attraction has rabid cat
 情報源: WBAL TV 、2010年7月9日
Ocean City の当局者は、市内で発見された1匹のネコが、検査により狂犬病の感染が確認されたと発表した。このネコと子猫1匹は、the 11 800 block of Ocean Gateway (Route 50) near the Ocean City Animal Hospital and the WACS Center で6日に見つかった。親猫の様子がおかしいことから狂犬病の検査が行われ、8日に結果が判明した...
[6] Family in Nebraska exposed to rabid skunk(スカンク)
 情報源: The Lincoln Journal Star 、2010年7月10日。
スカンクから子猫を守ろうとした飼い猫が狂犬病に罹患したため、飼い主の一家3人にも予防接種が行われた
[7] People in Virginia exposed to rabies
 情報源: Hampton Roads.com 、2010年7月13日
7日に当局に通報のあった野良猫に、複数のヒトと1匹のイヌが暴露していたことが当局により明らかにされた。このオレンジ色で短毛の成ネコは、the 3200 block of Vimy Ridge Avenue.で発見された
[8] New Jersey raccoon(アライグマ)has rabies
 情報源: NJ Today 、2010年7月14日
The Woodbridge Township Department of Health & Human Services 当局は、衛生局から、10日に the Old Post Inn(at 750 Route 1 North in Avenel)のワナに捕獲されたアライグマの狂犬病検査が陽性になったとの報告を受けた...
[9] North Carolina rabid fox(キツネ)
 情報源: Salisbury Post、2010年7月14日
Gold Hill の女性が飼っていたイヌは、今週狂犬病のキツネを(戦って) 死亡させたため、安楽死させられた。2010年におきた Rowan County's 9th rabies case を思い起こさせる。このとき子狐を殺した飼い犬が、狂犬病の予防接種をきちんと受けていなかったため隔離され、この間にキツネの狂犬病が検査で確認された...
[ModTG- ペットにきちんとワクチンを接種しないと、安楽死させなければならなくなる]

● 原因不明の大量死、魚類 米国(2件)
PRO/AH/EDR> Undiagnosed die-off, fish - USA: (PA, ID Idaho) corr. 20100718.2409
20100716.2373
[ModTG注-間違ってアイダホ Idaho 州からの報告としたが、実際はワシントン Washington 州 Long Lake であった]

PRO/AH/EDR> Undiagnosed die-off, fish - USA (WA Washington) natural causes 20100718.2408
 情報源:Seattle Times、2010年7月15日
Washington state Ecology and Fish and Wildlife(ワシントン州魚類野生動物生態局)当局者が、ロング湖 Long Lake(スポーケン Spokane 近郊)で起きたコイの大量死は、自然環境によるものである可能性があると述べた。専門家により毒物の可能性が否定され、the Spokane River の 24-mile reservoir 貯留池の低酸素でもないとされた。コイが、spawning stress 産卵ストレスと水温の変化により死亡したとの見方を示した。解剖では死因は究明できなかったが、検査の結果はまだ出ていない。
[ModTG- 死骸がボツリヌス菌 Clostridium botulinum_ の格好の培地となってしまう。ハエがたかって卵を産めば、ボツリヌス毒素を持った蛆が発生し、それを食べた鳥類が死亡する。]

● ボツリヌス中毒、鳥類 米国
PRO/AH/EDR> Botulism, avian - USA (04): (OH) 20100718.2407
 情報源:The Columbus Dispatch 、2010年7月15日。
the Ohio Wildlife Center(オハイオ州野生動物センター)において、鳥類のボツリヌス中毒 Avian botulism により、この1週間で10羽以上のダックが、園内の2か所の池付近で死亡し、ほかの5羽も衰弱していた。野生動物のリハビリや教育の専門施設であるこのセンターは、弱ったダックを戻すための寄付を募っている。このダックは、温暖な環境中では、タンパク源を基に有毒性に変わる土壌中の細菌を食べて、鳥ボツリヌス症に感染した。専門家によると、ダックは、酸素濃度が低下した水を介し、もしくはわずか5個の毒性を有する蛆を摂取することで、中毒をおこし麻痺を生じる。死骸を適切に処理し、感染が拡大しないようアドバイスした。藻類の異常発生により、ダックの集まる池の酸素濃度は低下する。毎年7月から8月にかけて、数万羽の水禽が、Type C botulism により死亡している。California and other Western states でより多くの発生が認められると説明されている。この感染症は伝染性はなく、ヒトが感染することはまれである。ヒトにおいては、Type A がより一般的で、完全な処理がなされていない缶詰製品から A や C に感染する。

● 原因不明の死亡、ニホンザル 日本
PRO/AH> Undiagnosed deaths, macaque monkeys - Japan (06): etiology 20100718.2403
 投稿者: 米・University of Texas Medical Branch、C. J. Peters, MD、2010年7月17日。
アレナウイルスの1種 simian hemorrhagic fever [SHF] だと思う。米国やロシア連邦内で流行が発生した事がある...

● 野兎病、動物 米国
PRO/AH/EDR> Tularemia, animal - USA: (CO Colorado) feline 20100718.2401
 情報源:KRDO.com、2010年7月17日
Pueblo West の1匹のネコが、ヒトに感染する恐れのある野兎病 Tularemia の検査で陽性となった。衛生当局は、このネコは屋内外で飼育されており、飼い主の健康状態についても相談を受けていると説明した。野兎病は重症化する可能性のある細菌性疾患で、齧歯類、ウサギ、プレーリードッグなどの動物が保有する。感染のあるダニの刺咬、汚染された食品や水の摂取、菌の吸入などによって感染する。正しい抗生物質による治療が行われないと、死亡することもある。ペットに対し、放し飼いにしたり、動物の死体を食べたりさせないようにすることが、感染の予防策となる。