2010年7月23日-24日

ポリオ タジキスタン・ロシア

● ポリオ タジキスタン・ロシア(2件)
タジキスタンロシア WHO
PRO/EDR> Poliomyelitis - worldwide (16): Tajikistan, Russia, WHO 20100724.2477
Polio in Tajikistan - Update 23 July 2010
 情報源: WHO Global Alert and Response 、2010年7月23日
 厚労省検疫所 FORTH
(抜粋)タジキスタン保健省は、2010年1月1日以降、野生型ポリオウイルス1型の輸入例に続いて発生した、2010年7月23日現在で430例のポリオ感染例について報告した。うち19例が死亡した。ウイルスはインド北部に由来していた。タジキスタンでは、2002年にポリオ清浄国と公認されて以来、初の大流行である。...ワクチン接種状況...6月12日発症の患者が最後で、新規の急性弛緩性麻痺症例数も急激に減少している。しかしながら...WHOによる他国への感染拡大のリスク評価では ‘ハイリスク’に据え置かれている。

ロシア 
PRO/EDR> Poliomyelitis - worldwide (15): Russia, RFI 20100723.2467
[1] ウズベキスタン女性がロシアに呼び寄せた5か月の女児のポリオ感染
 情報源: Itar-Tass News Agency 、2010年7月21日
30年ぶりとなるポリオ感染例が、Russia's Far Eastern Khabarovsk (極東ハバロフスク)Territory で報告されたことが、21日に当局の話として伝えられた。中央アジアの一家の生後5か月の女児が、ポリオ感染と診断された。この一家はウズベキスタン出身で、数年前よりハバロフスクに在住する母親によって、患児はハバロフスクに呼び寄せられた。大人と子どもをあわせて20人からなるこの一家は、小さな一室に暮らしていた。女児は入院となり、病院によると、症状は中等度とされている。当局は、患児との接触者すべての特定を急いでいる。すでに28人に予防接種を行った。検査結果は未到であり、最終的な検査結果を待って、感染封じ込めを宣言したいと述べた。医療機関は、この症例が輸入感染例に間違いないとしている。
[2] ポリオウイルス確認
 情報源:Med Portal, Med Novosti News [in Russian]、2010年7月22日
モスクワ Moscow の検査機関で、ハバロフスク在住のウズベキスタン人移民の子どもがポリオに感染していたことが確認された。2010年7月前半に、生後6か月の乳児1名が小児感染症病院に入院となった。医師はポリオ感染を疑い、モスクワの検査機関に検体を送付していた。ハバロフスク Khabarovsk の Rospotrebnadzor [Federal Service for Consumer Affairs and Human Welfare] 当局代表は、モスクワの専門家がポリオウイルスを確認したことと、接触のあった28人の子どもの検体も送付されていることを明らかにした ... 2010年4月、タジキスタンでポリオ感染流行が記録されており、600人以上にポリオ感染が疑われ、274人の感染が確認されている .. WHO によると(予防接種が行われた事により)6月12日以降新たなポリオウイルス感染例は発生していない。ロシア連邦内では、死亡した1人を含む、7人の中央アジア諸国からの移民のポリオ感染例が報告されている。さらに、10例の無症候性ポリオウイルスキャリアが、ロシアの医師により診断されている。
[Mod.MPP- 別のロシア語によるニュース記事では、患者が a 5-month-old girl とも伝えられているが、実際のところは a 6-month-old boy である。この additional newswire には、ハバロフスクで麻痺を発症した患者の接触者28人の中に、10歳の the wild poliovirus (WPV 野生ポリオウイルス) の無症候性キャリアがいたことが示唆されている。また、このポリオを発症した生後6か月の男児は、ロシア生まれであるにもかかわらず、ポリオワクチンを接種されておらず、ウズベキスタンからの訪問者らが、この患児と一緒に過ごしていると伝えられている。7月20日現在の the polio eradication website によると、タジキスタン国内の確定患者数は425例で、最後に発生した患者の発症日は6月12日である。注目すべきは、7月20日現在 ロシア連邦もウズベキスタン政府も WHOに対し1例も WPV によるポリオ患者を報告していないことである。WPV associated polio in Russia and Uzbekistan の信頼筋からの情報提供を期待したい]

● チクングニア熱 レユニオン島
PRO/EDR> Chikungunya (22): Reunion 
Archive Number: 20100724.2483
 情報源: Zinfos974.com [In French]、2010年7月22日
感染流行、鎮静化 (The outbreak of chikungunya in St. Paul, La Reunion, contained): 21日現在、136人のチクングニア熱の indigenous [地域内感染] cases が確認されており 103 confirmed と 33 probable [cases] がいる。3月の Reunion Island の域内感染流行は、the commune of Saint-Paul を中心とする流行であった
[Mod.TY- 2010年5月5日の52例から、103例に増加した]
地図 Reunion Island in the Indian Ocean

● ムンプス 英国,イスラエル(2件)
英国
PRO/EDR> Mumps - UK: (England, Sussex)  20100724.2480
Brighton mumps outbreak will 'get worse'
 情報源: The Argus, Brighton News 、2010年7月23日
医学の第一人者が、ムンプスの感染流行は、夏休み期間中にさらに深刻化すると警告している。観光業者が書き入れ時に備える中、Brighton and Hove に多くの観光客が訪れることが予想されている...これまでにサセックス Sussex 郡内で確定診断された患者数は1120で、まもなく2009年の年間総数である139例を上回ると見られている。感染が最も深刻な地域は Brighton and Hove 地区で、これまでに52例の感染が確認されている 

イスラエル Yeshiva students(宗教学生)
Health Ministry unfazed by mumps
PRO/EDR> Mumps - Israel (04): Yeshiva students 20100723.2472
 情報源: The Jerusalem Post 、2010年7月23日
1月以降、3400人のムンプスの患者が報告されている。エルサレム Jerusalem area だけで2400人が感染した。例年、感染者は6から10人程度である

● インフルエンザ パンデミック (H1N1)
PRO/AH/EDR> Influenza pandemic (H1N1) (55): WHO update 110 20100724.2479
Pandemic (H1N1) 2009 - update 110
 情報源: World Health Organisation (WHO), GAR, Disease Outbreak News 、2010年7月23日 厚労省検疫所 FORTH
(抜粋)18日現在、世界の214以上の国と地域から18,366例以上の死亡例を含む新型インフルエンザの確定症例が報告されている。新型インフルエンザの活動性は世界的に低いままである。最もインフルエンザの活動性が高い地域は熱帯地域の主にアフリカ西部、中米、カリブ海諸国、南アジア、東南アジアだが、比較的狭い地域に限られている ... 南アフリカでは、6月末以降呼吸器疾患検体でインフルエンザ陽性となる割合が急増しているが、季節性のB型およびH3N2インフルエンザウイルスが多く、新型インフルエンザウイルスはごく少数である。オーストラリアおよびニュージーランドでは、新型インフルエンザのほうが季節性インフルエンザよりも多く見られている。ア ジアで新型インフルエンザの活動性がもっとも高い地域は、インド、カンボジア、シンガポール であり、インド南部のケーララ州と西部のマハーラシュートラ州で相当数の新型インフルエンザ感染が見られている。カンボジア、シンガポールでは、インフルエンザ様疾患と急性呼吸器感染症が前週よりも増加している。サハラ以南アフリカでの状況は、前回から大きな変化なし。中米および南米の一部地域(コスタリカ、ニカラグアとパナマ)を除き、新型および季節性インフルエンザの活動は全体的に低い。

● 炭疽 米国
PRO/AH/EDR> Anthrax, human - USA (09): (NH New Hampshire) 20100724.2476
Gastrointestinal Anthrax after Animal-Hide Drumming Event, 2009
 情報源: CDC MMWR Weekly / 59(28);872-877、2010年7月23日
2009年12月24日、ニューハンプシャー州の24歳の女性1名が、臨床症状から腸炭疽 gastrointestinal anthrax と診断され、血液培養で炭疽菌 _Bacillus anthracis_ が確認された。12月5日に発症し、発症の前日、何種類もの動物の皮を張り合わせたドラムをたたくイベントに参加していた

● クリプトコッカス症 カナダ、米国
PRO/AH/EDR> Cryptococcus gattii, human, animal - Canada, USA (03) 20100724.2475
[1] 過去6年間に15人が死亡
 情報源: Tampa Bay Online 、2010年7月22日
熱帯で発見されることの多い真菌が、the Pacific Northwest(北西太平洋地域)に根を下ろし、過去6年間にこの菌により15人が死亡したと、22日保健当局者が述べた。この真菌とは、_Cryptococcus gattii_ を指し、4つの州の少なくとも60人が感染した。樹木やその周囲に発生する。この菌の微少芽胞を吸入してから数か月後になって症状を現す。抗真菌剤により治療可能である。北米ではまれと考えられているが、医師らに注意するよう呼びかけている...1999年、カナダの British Columbia 州で発生し、南に米国まで感染が拡大した...
[2] _C. neoformans_との違い
 情報源 Morbidity and Mortality Weekly Report (MMWR) 2010; 59(28);865-868 、2010年7月23日
_Cryptococcus gattii_ が米国で新興しつつある。類似の _C. neoformans_ とは別の菌であり、(抗真菌剤への反応性が低く、cryptococcomas と呼ばれる腫瘤性病変を形成するなど) 臨床症状や ecologic niche も異なっている。加えて、_C. neoformans_ cryptococcosis は重篤な免疫低下が主なリスク (HIV infection などによる) であるのに対し、 米国内での risk factors for _C. gattii_ infection として、 免疫低下と environmental fungal colonization.への暴露があげられている

● 鳥インフルエンザ、ヒト インドネシア
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (47): Indonesia (SH), WHO 20100723.2474
Avian influenza situation -- Indonesia, WHO update 2
 情報源: World Health Organisation (WHO), CSR, Disease Outbreak News 、2010年7月22日。厚労省検疫所 FORTH (関空検疫所) 
(抜粋)インドネシア保健省は、新たに鳥インフルエンザ(H5N1型)のヒト感染例を認めたと発表した。
中部ジャワ Java 州 スコハルジョ県 (Sukoharjo District)の13歳少女が6月16日に発症し、21日に入院したが、24日に死亡した。検査で H5N1 が確認され、発症前に近所で死亡した家禽類が感染源であると考えられている。インドネシアでは、鳥インフルエンザと確定した167人のうち138人が死亡している。
[Mod.CP- 2010年のインドネシアで、5人目の感染で4人目の死者となった]

● 日本脳炎など インド
PRO/EDR> Japanese encephalitis & other - India (08) : (ML Meghalaya) 20100723.2473
 情報源 NewKerala.com、2010年7月23日
Meghalaya 州保健当局は、2例の Japanese encephalitis [JE 日本脳炎] [virus] 感染が報告されたことから、23日に注意を呼びかけることになった。Eastern part の Ri-Bhoi and West Khasi Hills districts から、この蚊族媒介性疾患が報告されていた
地図 Meghalaya in northeastern India

● 結膜炎 ブータン
PRO/EDR> Conjunctivitis - Bhutan 20100723.2471
 情報源: Kuensel online (Bhutan)、2010年7月22日
"Red eye" outbreak
Phuentsholing で "red-eye" と呼ばれる結膜炎が発生している。1日あたり約 35人の患者が報告されており、ほとんどが学生か成人である。当局によると5月頃から報告されはじめたが、7月の報告数が最も多くなっている。伝染性で、濃厚接触により容易に感染が広がっていると言う。隣接するインド国内の Jaigaon で治療を受けるものが多い。
地図 Bhutan showing the location of Phuentsholing in the south of the country on the border with India 

● 東部ウマ脳炎 米国
PRO/AH/EDR> Eastern equine encephalitis - USA (09): (FL Florida) fatal 20100723.2469
 情報源:St. Petersburg Times, tampabay.com、2010年7月21日
ヒルズバラ Hillsborough の女性1名が、脳炎の原因となる、まれな蚊族媒介性疾患により死亡した。当局は20日、州内では2008年以来となる eastern equine encephalitis [EEE 東部ウマ脳炎] による死者が発生したことを報告した。毎年、全米でわずかに5-10名程度の患者が報告されている。Hillsborough では最近、4頭のウマの EEE 検査が陽性であったと当局者が述べた。ヒトへの感染リスクが上昇している
地図 Hillsborough County, Florida

● 口蹄疫 ロシア
PRO/AH/EDR> Foot & mouth disease, porcine - Russia: (RO Rostov), susp., RFI 20100724.2478
 情報源: RIA Novosti 、2010年7月22日
Foot-and-mouth outbreak confirmed in Russia's south
ロシア南部の養豚場1か所で、foot-and-mouth disease [FMD 口蹄疫] 感染流行が確認され 204頭が処分されたと、地域非常事態省広報が 22日に発表した。5月にこの地域で死亡して発見された野生のイノシシの FMD 感染が確認され、家畜への被害を防止する目的に、野生のイノシシの処分が行われた。21日に死亡したブタ2頭が、検査の結果、FMD と診断された。
地図 Rostov on Don in the Rostov oblast 

● イネ/パンプキンの病気,Blight diseases(葉枯れ病)米国
PRO/PL> Blight diseases, rice & pumpkin - USA 20100723.2468
[1] Panicle blight, rice - ルイジアナ Louisiana,  Texas
 情報源:: Delta Farm Press、2010年7月20日
ルイジアナ Louisiana 州最南部のイネ栽培農家に Panicle blight の被害が発生し、収穫が急がれていることが、州立大学の関係者の話でわかった
[2] Phytophthora blight, pumpkin - Illinois
 情報源: Journal Star、2010年7月19日
2010年の湿潤な春により、イリノイ Illinois pumpkin cropに対する blight の影響が懸念されている。全米のパンプキンの 95%が、イリノイ州中部と南部で栽培されているため、この地域での病気発生は大いに注目されていると専門家が説明した

● ブルータング、ヒツジ モロッコ
PRO/AH/EDR> Bluetongue, ovine - Morocco: BTV-4, BTV-1, OIE 20100723.2466
[1] BTV-4 Bluetongue, Morocco
 情報源: OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2010; 23(29)、2010年7月21日
感染開始時期 2010年7月10日前回流行時期 2009年12月
原因ウイルス Bluetongue virus Serotype 4
新たな感染流行 ヒツジ、16件
[2] BTV-1 Bluetongue, Morocco
 情報源: OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2010; 23(29)、2010年7月21日
感染開始時期 2010年7月10日前回流行時期 2009年12月
原因ウイルス Bluetongue virus Serotype 1
新たな感染流行 6件、ヒツジ