2010年8月11日-12日

インフルエンザパンデミック(H1N1) 終息

● インフルエンザパンデミック(H1N1) 
PRO/AH/EDR> Influenza pandemic (H1N1) (64): WHO, pandemic over 20100811.2753
 情報源: CIDRAP (Center for Infectious Disease Research & Policy) News 、2010年8月10日 FORTH より。
WHO says H1N1 pandemic is over
(抜粋) インフルエンザパンデミックの警戒水準はフェーズ6から、現在はポストパンデミック期へと移行した。新型 H1N1ウイルスはほぼパンデミックとしての流行過程を終えた。本日、電話回線による会議に召集された緊急委員会のメンバーにより、WHOの見解が得られた。過去のパンデミックの経験から、H1N1 ウイルスは季節性インフルエンザのような振る舞いをし、今後の数年間にわたって流行することが予想される。ニュージーランドそしてインドの保健当局の行動は、ポストパンデミック期直後にどのような対応を国がとるべきかというモデルになるだろう。最近発表された複数の研究では、地域によっては人口の 20から40% が H1N1 ウイルスによる感染を受け、ある程度の防御免疫を集団レベルで持っていることが示されている。多くの国では特に危険性の高いグループに対して、十分なワクチン接種が行われており、接種率の高さによってさらに集団レベルでの免疫が高まっている。過去のパンデミックについて、利用可能なエビデンスや経験に基づくと、低年齢のグループで、少なくともポストパンデミック期早期に、ウイルスによる重篤な病状が引き続き起こることが予想される。パンデミック期に疾患が重症化したり、致死的になるとされたグループでは、症例数は減少することが期待できるものの、おそらく引き続き高いリスクがあると考えられる。加えて、通常の季節性インフルエンザでは典型的ではない、若年者や健康だった人などの重症のウイルス性肺炎のパターンには、ポストパンデミック期にも警戒を続ける必要がある。このウイルスは、パンデミック期の間に、さらに致死性の高いタイプに変異することはなく、オセルタミビルに対する耐性が拡大することもなかった。製造されたワクチンは流行しているウイルスに対して適したものであることが分かり、非常に安全であることが示された ...

● 鳥インフルエンザ、ヒト エジプト
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (51): Egypt, 111th case, WHO
Archive Number 20100812.2768
 情報源: World Health Organization (WHO), CSR, Disease Outbreak News、2010年8月12日
Avian influenza situation in Egypt - WHO update 36
エジプト保健省は、新たにA(H5N1)鳥インフルエンザに感染した患者1名について発表した。この患者は、カイロ Cairo の Elsalam 地区の2歳の女児で、2日に発症し、同日入院となり、オセルタミビルによる治療が行われた。現在も入院治療中である。感染源の調査で、この患者に病死した家禽との接触が認められた... エジプトではこれまでに111例の鳥インフルエンザ A(H5N1)感染が確定診断されており、35例が死亡している。

● インフルエンザBウイルス インド
PRO/EDR> Influenza B virus - India: (Mumbai)
Archive Number 20100812.2766
 情報源: Times of India 、2010年8月11日
Mumbai under attack of 3 influenza viruses
[H1N1 が、パンデミックインフルエンザか季節性インフルエンザかが不明瞭だが、H3N2については、はっきりしている]

● 日本脳炎 インド
PRO/EDR> Japanese encephalitis & other - India (11): (UP) 
Archive Number: 20100811.2755
 情報源:Yahoo News, Press Trust of India (PTI) report 、2010年8月11日
[Gorakhpur で] Japanese encephalitis [JE 日本脳炎] により2人の子どもが命を落とし、2010年の the district の死者の数が 149人になったと、11日に当局が発表した。100人を超える acute encephalitis syndrome の患者が Gorakhpur division [Uttar Pradesh (UP)] で治療を受けている。Bihar [state] and Nepal の患者も含まれている。29 districts of eastern UP, some parts of Bihar and 隣国 Nepal は、このウイルスにより深刻な影響を受けている。水の関係する脳炎としては enterovirus に汚染された水による例もあるが、JE は蚊族媒介性で、ブタや鳥類がウイルスを保有し伝播する。..
[Mod.TY- よく分からない acute encephalitis syndrome の100人は、149人の JEウイルス感染患者に入っているのか、別なのか。Enterovirus についても書かれているが、原因であるとは書かれていない]

● 炭疽 米国、カナダ(2件)
 PRO/AH/EDR> Anthrax, livestock, wildlife - USA (02): (TX) human susp
Archive Number 20100812.2764
[1] Kinney County: cervid
 投稿者: Martin Hugh-Jones 、2010年8月12日。
6日、the TVMDL [Texas Veterinary Medical Diagnostic Laboratories] at College Station で、Brackettville, Kinney County 近郊の農場の white tail deer1頭が、炭疽 Anthraxに感染していることが確認された...
[2] Edwards County: cervid, human, suspected
 投稿者:Mod.MHJ、2010年8月12日。
the Walmart parking lot in Dell Rio でドキシサイクリンの処方を待っている間、非常につらそうなカウボーイからの電話を受けた。彼は exotics ranch in Carta Valley で axis deer1頭を仕留め、皮を剥いでいた

PRO/AH> Anthrax, bison - Canada (09): (SK) 20100811.2756
[1] 飼育中の30頭が死亡した
 情報源: CBC (Canadian Broadcasting Corporation) News、2010年8月10日
サスカチュワンSaskatchewan 州南部のバイソンの1群のうち、1/3が炭疽感染で死亡した。10日に当局が確認した。Weyburn-area の1か所の farm で飼育されていた90頭のバイソンのうち、30頭が死亡した...
[2] Anthrax case in Saskatchewan
 情報源: Saskatoon Homepage 、2010年8月10日
[3] 投稿者:加・Disease Control, Canadian Food Inspection Agency、Dr Kim Knight-Picketts BSc(Agr), DVM、2010年8月10日

● ソラマメの病気,Halo blight スペイン
PRO/PL> Halo blight, broad bean - Spain: (AS)
Archive Number 20100812.2763
 情報源:El Comercio [in Spanish]、2010年8月4日
SERIDA (Regional Service for Agri-Food Research and Development 農作物研究開発局)から、豆類の halo blight 注意報が発令された。この細菌性疾患は、近年急速に発生し始め、アスツリアス Asturius では、特にソラマメ broad bean 栽培に影響が出ている。広い耕地でソラマメ栽培が行われている西部地域に最も発生が多い
[Mod.DHA- Halo blight (or grease spot) of beans は、細菌の_Pseudomonas syringae_ pv. _phaseolicola_ を原因とする疾患である]

● シカの大量死 スペイン
PRO/AH> Die-off, cervid - Spain (02): (CL) RFI 20100811.2754
[1] 79頭のシカの死亡原因不明
 情報源: La Opinion de Zamora [in Spanish],2010年8月10日
the Junta [provincial government] of Castile and Leon の責任者は9日、the Sierra de la Culebra でこれまでに79頭の red deer が死亡した原因を究明するための検査が行われていると述べた。ブルータング、伝染性出血性疾患などは除外されているが、結論は出ていない。
[2] 情報源: Leonoticias.com [in Spanish]、2010年8月10日

● ベネズエラ馬脳炎 コロンビア
PRO/AH> Venezuelan equine encephalitis, equine - Colombia (02): (CO) 20100811.2752
 情報源: El Meridiano de Cordoba [in Spanish]、2010年8月10日
Monteria and Puerto Esondido [department (state or province equivalent) of Cordoba] で、2例の Venezuelan equine encephalitis ベネズエラウマ脳炎感染例が確認された。政府農業研究所 ICA [Instituto Colombiano Agropecuario] で行われた動物のサンプル検査でわかった。the Todos Pensamos locality of the Nueva Esperanza settlement( Monteria 市)と the El Palmar locality( Puerto Escondido市)で確認された
地図 Cordoba department

● 小麦の病気,Karnal bunt 欧州
PRO/PL> Karnal bunt, wheat - Europe (02): risk assessment 20100811.2744
 投稿者:英・Consultant in Plant Health、David Jones、2010年8月7日
Karnal bunt -- a minor disease of wheat with major trade implications
Karnal bunt は、小麦の取引のあるほとんどの国々 most wheat trading nations に見られ、その疾患としての存在は大きいものではない minor disease of wheat が、発生したときの経済的な影響は非常に大きい。感染拡大防止と小麦輸出国に求められる基準を満たすため、小麦の取引が制限され、サーベイランス、機器の消毒、その他の検疫体制が必要となるからである。この疾患は、夏が扱った年の乾燥および半乾燥地域で、発生が報告されている。インドとメキシコの小麦生産を行うすべての地域で発生しているわけではない