2010年8月9日

プリオン病 イタリア・2例目
ハンタウイルス ドイツ

● プリオン病
PRO/AH/EDR> Prion disease update 2010 (07) 
Archive Number: 20100809.2720
[1] 英国 UK: National CJD Surveillance Unit -- monthly statistics as of Mon 9 Aug 2010 -- no new vCJD cases
 情報源 UK National CJD Surveillance Unit, monthly statistics 、2010年8月9日
変化なし
[2] フランス France: Institut de Veille Sanitaire --monthly statistics as of 26 Jul 2010 -- no new vCJD cases
 情報源 IVS - Maladie de Creutzfeldt-Jakob et maladies apparentees [in French]、2010年7月26日
2010年の7ヶ月間 no cases of iatrogenic CJD or vCJD.
[3] 米国 USA -- not updated since 30 Apr 2010, no indigenous vCJD
 情報源 US National Prion Disease Pathology Surveillance Center、2010年4月30日
[4] vCJD statistical analysis, UK 1994-2009
Incidence of vCJD diagnoses and deaths in the UK: Jan 1994 -- Dec 2009
 情報源 Health Protection Agency, Statistical Unit、2010年6月22日。
[5] イタリア - 2nd case confirmed
Another human mad cow disease case reported in Italy
 情報源 Agence France-Presse 、2010年7月22日
42 歳のイタリア人女性が、国内2例目の狂牛病患者と診断され、重篤な状態で入院中である。数ヶ月前からミラノ Milan の病院に入院中だった、variant of the Creutzfeldt-Jakob disease (vCJD) と診断されたこの女性は、Livirno の病院に移され、こん睡状態となっている。感染の原因はわかっていない。2009年にイタリア保健省は、この女性を "likely variant of the CJD" と報告していた。これ以前にイタリア国内で vCJD と診断されたのは、2002年のシシリー Sicily 島の患者だけである。7月16日、EU は欧州では狂牛病はほぼ駆逐されたと発表している。2009年に確認された陽性例はわずか67例で、ずっと以前に感染した高齢の動物だった。
[6] イタリア: 2nd case confirmed
 情報源 NowItaly.com、2010年7月25日

● ハンタウイルス ドイツ
PRO/AH/EDR> Hantavirus update 2010 - Europe (05): Germany 20100809.2719
 情報源 Seismoblog, Wikinews report [in German]、2010年8月8日
Pforzheim で 7月末に死亡した若年女性の死因が Puumala hantavirus [PUU] 感染であったことが判明した。州保健当局から発表された。 
Enzkreis [a district (Kreis) in the north west of Baden-Wuerttemberg, Germany] 地方で近年、このウイルスの拡大が勢いを増している。2007年に報告された感染者は 28人であったが、2010年のこれまでに 52人が報告される結果となっている。しかし、たいていの患者の症状は軽いため、報告されていない感染例が多数あるとされる。腎不全に至る重症患者は、20人のうち 1人である。
透析治療が行われたこの女性の剖検所見で、肺塞栓による心臓発作が死因であったことが分かった。通常は、基礎疾患のある高齢者が死亡することが多く、1979年生まれのこの女性の死亡は異例であった。ドイツ国内で、PUUV 感染の発生が特に多い地域は the Swabian Alps, in Lower Franconia, Lower Bavaria, and the Eifel [mountain range] であり、オーストリアでは the states of Carinthia and Styria に多い ...
[Mod.TY- ドイツ国内では依然としてハンタウイルス感染が続いている。Puumala virus による感染で、ドイツ国内での宿主は The bank vole, _Myodes glareolus_とされている] 

● 脳炎 ギリシャ
PRO/AH/EDR> Encephalitis - Greece (02): (MC CENTRAL MACEDONIA) WNV susp 20100809.2718
 情報源 Yahoo News, Associated Press (AP) report、2010年8月8日
8 月6日以降、3人の高齢者が脳炎により死亡し、その他数人が入院した。医師らは、the West Nile virus.の感染を疑っている。心臓病と糖尿病のある79歳の老人が8日、脳炎で死亡した。6日にも2人の高齢女性が死亡している。北部にある [Thessaloniki] 市の医師らは、6日以降、22人の患者の治療を行い、7人が今も入院中となっているが、2人については、ウエストナイル熱の疑いが極めて濃厚との見方を示 している。9日に検査結果が判明する...
[Mod.TY- これらの患者で、検査によりウエストナイル熱 West Nile virus infection が確定診断されたとすれば、相当注目すべきことである。この患者らが 20100806.2672 の脳炎患者と重複するのかはっきりしていない。Mod.TY が指摘したように 4ヶ月前から the Mediterranean Basin -- west of Greece in Italy and south east of Greece in Israel-- では、WNV transmission が発生している。一方で、東のギリシャでの発生報告はないが、欧州の脳炎の原因として増加傾向にある、Toscana virus infection についても検討されているのかに関心がもたれる。Toscana virus は _Phlebotomus_ spp sandflies によりヒトに感染する(20100802.2587)]

● コレラ,下痢症 ネパール、中国、PNG、フィリピン、インド、ベトナム、カンボジア
PRO/EDR> Cholera, diarrhea & dysentery update 2010 (14): Asia 20100809.2717
[1] コレラ-ネパール(Banke)
 情報源 The Himalayan Times 、2010年8月9日
Tulsipur 在住で Nepalgunj のホテル従業員であった 35歳の男性1名が、コレラ感染により治療中の病院で 9日死亡した。これでコレラによる死者は 8人となった。
- 議員団による現地(Nepalgunj)の感染発生状況調査
 情報源: Nepal News 、2010年8月8日
2週間で少なくとも6人が死亡、500人以上が感染している。
地図 Banke district in Nepal's Mid Western region 
[2] コレラ-中国 (香港)、域内感染
 情報源 Government of Hong Kong SAR Centre for Health Protection (CHP) 、2010年8月7日
The Centre for Health Protection (CHP) of the Department of Health 当局は、コレラ感染と確定診断された患者1例について調査中であり、市民に対し、香港であっても、海外旅行中であっても、食べ物や衛生に気をつけるよう呼 びかけている。このコレラ感染患者の66歳の女性は、5日に確認された発端患者と食事を分け合っていた(food collateral)。女性は2日に発病したが、1日で症状が治まったため、医療機関を受診しなかった。発端患者調査の中で、5日にこの女性の便検体も 採取され、7日になってコレラ菌_Vibrio cholerae_ が確認された。この女性は、5日に判明した発端となった患者と、潜伏期間中に4回食事をともにしていた(share)。いずれの患者の状態も落ち着いてい る。渡航歴や周囲のコレラ感染症状のある患者は確認されていない..2010年に香港で報告された5例目のコレラ感染である。2008年7例、2007年 3例、2006年1例、2005年5例となっている。
[3] コレラ-パプアニューギニア
 情報源 Radio New Zealand International 、2010年8月6日
パ プアニューギニア Papua New Guinea のコレラ感染流行が、発生開始から1年経過後も問題となっている。8月2日の週に、ポートモレスビー Port Moresby で新たに入院となった患者は8人だった。およそ1200人がこれまでに感染し、上水道の向上が重要である...
[4] コレラーフィリピン (サンボアンガ)
 情報源 Business Mirror 、2010年7月18日
The Zamboanga City Health Office (サンボアンガ市当局) は、同市から東に73km離れた Vitali 地区に、コレラ感染流行を宣言した。7月14日に 30人の患者が報告されている...
[5] コレラ-インド (マハラシュトラ)
 情報源 DNA India、2010年7月27日
Bhingar と付近にあるAhmednagar のキャンプ地で、コレラと見られる感染流行が発生し、約500人が感染していると、市立病院の関係者が述べた。52歳の男性1名が、入院中の病院で死亡した。
[6] コレラ、下痢-ベトナム
 - コレラ-ベトナム(Tay Ninh) ex Cambodia
 情報源 Viet Nam Ministry of Health [in Vietnamese]、2010年7月27日
Tay Ninh (タイニン省) Preventive Medicine Center は、7月24日から26日にかけて、3人の急性下痢症の患者が入院となったと報告した。このうち、2人の患者でコレラ菌_Vibrio cholerae_.が確認されている。3人はいずれもSvay Rieng. 在住のカンボジア人で、この病気の治療のためにベトナムを訪れていた。
 - 下痢- ベトナム (22): (southern provinces) cholera suspected
 情報源 Radio The Voice of Viet Nam (VOV) News 、210年7月24日
Cau Mau, An Giang, Ben Treの各省と Can Tho Cityを含む、南部地方の広い範囲に、急性下痢症の流行が広がっていることが、保健省により明らかにされた。患者の70%が軽症もしくは無症状であり、 医療機関を受診しないことから、患者数の把握が困難であると、当局は説明した。コレラ菌は、氷水、水路、犬肉からも検出されることがあると指摘した。発生 のない北部地域も注意が必要と述べた。
地図 Viet Nam with provinces 
[7] 下痢症-カンボジア (Prey Veng) cholera suspected
 情報源 The Phnom Penh Post 、2010年7月26日
Prey Veng provincial prison (収容所)で発生した急性水様性下痢症患者の集団発生により、63人の収容者が感染し、うち5人が重体となっている。25日に所長が明らかにした。19日 に、病院に搬送された収容者1人が死亡した。保健相は、大部分の患者は回復しつつあると説明した...

● チクングニア インド
PRO/EDR> Chikungunya (25) - India (KA Karnataka) 20100809.2716
 情報源 The Times of India, Times News Network (TNN)、2010年8月8日。
[Bijapur] district 内で 65人がチクングニア熱 Chikungunya と確定診断され、67人の感染が疑われているため、保健当局者が対策を指示した..
関連項目 20100505.1462

● 大腸菌 米国 O157
PRO/AH/EDR> E. coli O157 - USA (06): ground beef, alert, recall 20100809.2715
 情報源 USDA Food Safety and Inspection Service (FSIS 米農務省食品監視局) 、2010年8月6日
Valley Meat Company of Modesto(カリフォルニア California)社は、frozen ground beef patties (冷凍牛ひき肉パティ) と bulk ground beef products(バルクの牛ひき肉製品)に、病原大腸菌_Escherichia coli_ O157:H7 による感染の疑いがあるとして、約455トンの回収を開始した。農務省が発表した。これは FSIS が、 パルスフィールドゲル電気泳動によるサブタイピングで判明した、まれな型の _E. coli_ O157:H7 による患者の小集積が発生したと、7月15日に California Department of Public Health (CDPH カリフォルニア州公衆衛生局)から通報を受けたことにより明らかになった。4月8日から6月18日までに6人の患者が報告されていた。

● 麻疹 アルゼンチン 南アフリカから
PRO/EDR> Measles - Argentina: ex South Africa, susp 20100809.2714
 情報源  Diario C [in Spanish]、2010年8月6日
Travel-associated suspected cases of measles
政府保健省は 6日、Buenos Aires province の 3例の麻疹 Measles 感染が疑われる患者について報告を受けた。南アフリカへの渡航歴もしくは南アからの帰国者との接触歴のある患者であった。2002年を 持って、南北アメリカ地域では麻疹ウイルスの感染伝播が中断されている。2005年に、ブラジルで the Maldives Islands (Asia モルジブ) からの輸入例が、2006年と 2007年にはベネズエラでも数十例の感染が確認されている

● トマトの病気,原因不明の細菌性疾患 キプロス 
PRO/PL> Undiagnosed bacterial disease, tomato - Cyprus 20100809.2713
 情報源 Cyprus Mail、2010年8月5日
Tomato prices shoot up due to crop disease
この1か月あまりの間に発生した細菌性などの病気で、市場に持ち込まれるトマトの量が激減している..
[Mod.DHA- トマトに感染する病原細菌として、_Clavibacter michiganensis_ subsp. _michiganensis_ (bacterial canker), _Xanthomonas vesicatoria_ (bacterial leaf blight or leaf spot), several _Pseudomonas_ species, (bacterial speck, wilt, leaf spot and pith necrosis), and _Erwinia_ species (stem and fruit rots) などがあげられ、感染伝播の経路もさまざまである]