2010年10月20日-21日

慢性疲労症候群 murine retrovirus link? Medscape

● 慢性疲労症候群 murine retrovirus link?
PRO/AH/EDR> Chronic fatigue syndrome (02): murine retrovirus link? 20101021.3807
 情報源: Medscape Infectious Diseases, Medical News 、2010年10月20日
More studies find no XMRV in chronic fatigue syndrome, HIV, or hepatitis C
米国で行われた最新の研究では、chronic fatigue syndrome (CFS 慢性疲労症候群) などの免疫不全症候群の患者の血液中に(CFS との関連性がある、との意見もある)xenotropic murine leukemia virus-related virus (XMRV) は確認されず、別の欧州の研究でも no evidence of this retrovirus in patients infected with HIV [human immunodeficiency virus] or hepatitis C virus という結果であった。これらの研究結果は、11日にオンラインで発表され、11月15日付の the Journal of Infectious Diseases 誌に掲載される

● コレラ ハイチ
PRO/EDR> Cholera - Haiti: suspected, RFI
Archive Number: 20101021.3818
[1] Cholera outbreak behind Haiti deaths: health official
 情報源:AFP 、2010年10月21日
ハイチで最近死亡した数十人は、コレラ Cholera 感染流行が発生したことが原因ではないかと見られている
[2] Cholera blamed in deaths of more than 100 in Haiti
 情報源:Miami Herald 、2010年10月21日
ハイチ政府当局者は、急性の下痢症と脱水により100人以上が死亡したのは、コレラ感染流行が発生したことによると見ている

● リステリア症 米国
PRO/EDR> Listeriosis, fatal - USA (02): (TX), recall 20101021.3813
[1] 感染源は刻みセロリ
 情報源: Foodpoisonjournal.com 、2010年10月20日
20日、the Texas Department of State Health Services (DSHS テキサス州衛生局) は、州内で発生したリステリア菌による食中毒 _Listeria_ food poisoning outbreak の原因が chopped celery セロリであることが同定されたと発表した。細菌のリステリア菌 _Listeria [monocytogenes]_ を摂取することで起きるこの病気により、8か月間に10人が発病し、うち5人が死亡した。この間に行われた調査により Sangar Fresh Cut Produce(San Antonio)が販売したセロリのみじん切りが原因であることが判明した。10人のうち6人が、このみじん切りセロリーを摂取していたことが確認されている。食中毒が発生したのは、Bexar, Travis and Hidalgo counties の各郡で、患者はいずれも重大な健康上の問題を有していた
[2] 情報源: MySanAntonio.com 、2010年10月20日

● インフルエンザ オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール
PRO/EDR> Influenza (09): Australia, New Zealand, Singapore 20101021.3812
 情報源: Eurosurveillance, Volume 15, Issue 42 、2010年10月21日
A new pandemic influenza A(H1N1) genetic variant predominated in the winter 2010 influenza season in Australia, New Zealand and Singapore
要約
Pandemic H1N1 influenza virus は、現在 2010年の南半球の冬期に感染循環する、the predominant influenza virus subtype となっている。同ウイルスは、2009年の新興以来、ほとんど変化していないが、今回 the pandemic H1N1 influenza virus に見られる、識別可能な複数の遺伝学的変化について報告する。このような variants は、2010年前半にシンガポールで確認された後、オーストラリアやニュージーランドにも拡大した。これらの変化は、今のところ(インフルエンザウイルスの)the haemagglutinin and neuraminidase proteins に対して、インフルエンザワクチンの効果に影響を及ぼすような、有意の抗原性変化をもたらせることはなかったが、北半球でのシーズンを間近に控え、注意深く adaptive mutations への観察を続ける必要があると考えられる ... 

● セントルイス脳炎 米国
PRO/AH/EDR> St. Louis encephalitis - USA (02): (TX) 20101021.3811
 情報源:Corpus Christi Caller Times, Corpus Christi-Nueces County Public Health District, Mayo Clinic report 、2010年10月20日
Nueces County [Texas テキサス州] の男性は、West Nile virus [感染症] と考えられていたが、実際は、よりまれな蚊族媒介性疾患である St. Louis encephalitis [ウイルス感染症] であったことが判明した。すでに回復しているが、2010年の州内で第2例目の患者となったと、州当局者が説明した。1990年以降、テキサス Texas 州では74人が、St. Louis encephalitis [virus infection] の検査で陽性となっている。一方、 West Nile virus [infection] は、州内で初めて確認された2003年以降、758人に上っている。West Nile virus と異なり St. Louis encephalitis は、まとまって発生した後、何年間もヒトでの感染者が発生していなかった。最後に州内で死者が発生したのは1995年のことである
Human cases of St. Louis encephalitis
Year / No. [cases]
1990-94 / 0
1995 / 22
1996-2001 / 0-4
2002 / 18
2003 / 17
2004-09 / 0-4
2010 / 2 [to date]
Total cases: 74
Source: Texas Department of State Health Services

● 百日咳 オーストラリア
PRO/EDR> Pertussis - Australia: (QL) 20101021.3809
 情報源: Gladstone Observer、2010年10月20日
the Gladstone region [Queensland クイーンズランド州] では現在も、百日咳 whooping cough (pertussis) outbreak が続いており、the Miriam Vale and Agnes Water communities で猛威を奮っている。2010年に Gladstone で確認された百日咳患者は65人に上っている。2009年同期には11人であったことから、警戒すべき増加である。生後6か月未満の乳児に深刻な合併症を起こす可能性があるため、現地当局は住民らに 再接種を受けるよう強く求めている。現地のある開業医は、同院だけで過去4か月に14人の患者があり、2010年の合計では18人になると話している

● 麻疹 ジンバブエ,スワジランド(2件)
ジンバブエ
PRO/EDR> Measles - Africa (29): Zimbabwe (MC) 20101021.3808
 情報源: Thomson Reuters Foundation AlertNet, International Medical Corps - USA report、2010年10月20日
ほぼ全国的に発生し500人以上の死者が出ている流行を受け、International Medical Corps (IMC) と国際協力機関は、Zimbabwe's Ministry of Health and Child Welfare (MOHCW) の予防接種キャンペーンなどの実施に支援を開始した。2009年9月に始まり、国内の62地区中59地区に瞬く間に広がった、度重なる麻疹感染流行対策として実施されるものである。 感染患者のおよそ10%が死亡したとされている。

スワジランド
PRO/EDR> Measles - Africa (28): Swaziland
Archive Number: 20101020.3799
 情報源: Swazi Observer、2010年10月20日
Measles outbreak: over 280 cases reported
[麻疹 Measles の] 感染流行発生以来、約281人の患者が報告されている。国内初の麻疹 Measles 感染流行であると、当局者は説明した。これまでにも患者発生はあったものの、outbreak となることはなかったと言う。しかし、死者は報告されていない ... 初めに the Hhohho region から oubreak の報告があり、その後全国に広がり、より深刻だったのは the Lubombo region であった。
[Mod.CP- The Kingdom of Swaziland は南アフリカの内陸国で、南北と西で南アフリカと国境を接し、東にモザンビークとの国境を有している。 Swaziland は、南北は200 km 足らず、東西は130kmで、人口は112万人あまりの小国である。人口の19%が HIV [human immunodeficiency virus] に感染しており、世界で最も感染率が高い。AIDS [acquired immunodeficiency syndrome] による unprecedented impact を受けている。60歳であった Life expectancy 平均余命は、世界最低の31歳に低下した。子どもの3人に1人が孤児または vulnerable (脆弱)な状態に置かれている]

● 東部ウマ脳炎 米国
PRO/AH/EDR> Eastern equine encephalitis - USA (37): (IN) equine 20101021.3816
 情報源: Jalexander Blogs 、2010年10月20日
6頭目となるeastern equine encephalitis [EEE 東部ウマ脳炎] によるウマの死亡が発生したと、Marion County Health Department当局が発表した。the Williston area のウマで、 Reddick and Dunnellon でも、ウマの死亡が発生している...
[Mod.TG- これから寒くなり、蚊族の活動も減少することから、インディアナ州で噴霧消毒作業が行われることはないだろう]

● 小麦の病気,Stripe rust トルコ、シリア
PRO/PL> Stripe rust, wheat - Turkey, Syria 20101021.3815
 情報源: Daily News/Bloomberg 、2010年10月20日
the United Nations' Food and Agriculture Organization (FAO) によると、中東最大の生産国トルコの2010年の小麦生産高は、真菌疾患と降雨のため、5.3%の減少になると予想されている。シリアやイラクとの国境地域を中心に、yellow rust が広く蔓延し、生産量に影響を与えた。一方、中部 Anatolia and Thrace では、デュラム麦を中心に、収穫前から収穫期にかけて多雨の影響を受けた。
[Mod.DHA- Stripe rust (also called yellow rust) of cereals は、真菌の _Puccinia striiformis_ var. _striiformis_. を原因とする]

● ウエストナイルウイルス スペイン、ウマ
PRO/AH/EDR> West Nile virus - Eurasia (10): Spain, equine 20101021.3814
 情報源:Diario Cordoba [in Spanish]、2010年10月21日
ウエストナイルウイルス West Nile virus [WNV] の感染が確認されていたウマ8頭が死亡した。カディス Cadiz Province で登録されているウマ3万頭のうち、34頭の感染が確認されている。

● レプトスピラ症、イヌ 米国
PRO/AH/EDR> Leptospirosis, canine - USA: (OH) 20101021.3806
 情報源: The Independent 、2010年10月19日
Leptospirosis disease on the rise in pets
動物に感染すると死亡させることもある細菌感染症が増加しつつあり、獣医師らは注意を呼びかけている。ある獣医師は診療の中で、レプトスピラ症 leptospirosis のイヌが増加していることに気づいた。細菌感染症であるレプトスピラ症は、野生動物の尿から、動物にもヒトにも感染する。この獣医師は、25年間の獣医診療の中で、3年前までは、実際にレプトスピラ症の症例を診たことは一度もなかったという。この獣医院で治療を受けたイヌの半数は、感染により死亡した。以前はレプトスピラ症に罹るイヌの多くは、屋外犬やsport dogsであったが、この獣医師の症例は屋内犬だった。どのような動物でも感染するが、ネコには抵抗力があるようだとこの獣医師は話している...
[Mod.TG- Leptospirosis の原因は、various species of _Leptospira_ (a spirochete in the family Leptospiraceae, order Spirochaetales)である。この病原体の分類は複雑である ..(説明).. あらゆる動物が、少なくとも1種類の spesies に感受性を有するが、ネコではまれであり、ヒツジにも少ない...(感染動物と species の対応)... 一次保有宿主は、齧歯類を中心とする野生の哺乳動物で、家畜の保有種としては、ウシ、ブタ、ヒツジ、イヌなどがある]

● ポテトの病気,Potato spindle tuber viroid ロシア
PRO/PL> Potato spindle tuber viroid - Russia: update 20101020.3801
 情報源:European Plant Protection Organisation (EPPO) Reporting Service 9/2010/159 、2010年9月
_Potato spindle tuber viroid_ (PSTVd EPPO A2 List) がロシア国内に広く蔓延しており seed potato production 上の深刻な問題となっている。PSTVd と見られる兆候がはじめて報告されたのは、1930年代前半の European Russia であったが、当時は範囲が限定されており、経済的な影響も小さかった...この15年間に、39 PSTVd isolates がロシア領内の離れた地域 distant areas of Russia (Central Russia, Southern Russia, Far East) から、採取・解析が行われた [20070423.1323]。遺伝子塩基配列の解析により多様性は低いことが示されているが、Russian seed potatoes から 16 new PSTVd sequence variants が検出されている。
[Mod.DHA- _Potato spindle tuber viroid_ (PSTVd; type member of genus _Pospiviroid_) は、ポテト、トマト、トウガラシ、や観葉植物などのナス科植物 にとって、重要な病原体である...]

● 口蹄疫 モンゴル
PRO/AH/EDR> Foot & mouth disease - Mongolia (09): RFI 20101020.3800
 情報源: Xinhua via China Radio International (CRI) 、2010年10月20日
中国・内モンゴル自治区の牧民らは、モンゴル国内で猛威を振るっている口蹄疫 Foot & mouth disease FMD が、野生の Mongolian gazelle により持ち込まれ、家畜に感染することに不安を抱いている。毎年行われる越冬のための中国国内への移動で、10月にはおよそ10万頭のモンゴルガゼルが Hulun Buir Grasslands (on China's border with Mongolia) にある鉄柵を飛び越えて進入した ...
[Mod.AS- モンゴルの野生動物の FMD については、毎年何度も報告されており、The 2 main antelopes in Mongolia として、the zeren or white-tailed gazelle (_Procapra gutturosa_) と、the black-tailed gazelle (_Gazella subgutturosa_) がいる。南西部では、the Saiga or burhom (_Saiga tatarica_) の生息が報告されている]

● ナシの病気,Fireblight 英国、スペイン
PRO/PL> Fireblight, pome fruit - UK, Spain 20101020.3797
[1] 英国: Somerset, Lincolnshire, Cambridgeshire
Pest & disease alert: fireblight (_Erwinia amylovora_)
 情報源: Horticulture Week 、2010年10月14日
[2] Spain: Castile and Leon
New outbreaks of fireblight in Leon, Palencia, and Salamanca
 情報源: El Mundo [in Spanish]、2010年10月14日
[Mod.DHA- Fireblight の原因は、細菌の_Erwinia amylovora_ であり、 the most destructive disease of pome fruit trees worldwide と考えられている...]

● Coral reef bleaching カリブ海:水温の影響
PRO/AH/EDR> Coral reef bleaching - Caribbean: temperature related 20101020.3796
 情報源: ScienceNow、2010年10月14日
カリブ海のサンゴを調査中の科学者らによると、2010年はサンゴの死亡に関して、過去最悪の年となる可能性がある。6月以降の異常な水温が、水深の浅い部分と深い部分のサンゴに打撃を与え、カリブ海の東側で、80%のサンゴが白色化(Bleaching)し40%が死滅した、2005年を超える被害が発生すると見られている。白色化は、影響力のある微生物によって、サンゴがストレスに曝された時に発生する。海洋生物種の1/4以上のシェルターであるサンゴ礁が、長期化する温度上昇により、白色化し、死滅する場合もある。数週間、通常の水温よりわずかに上昇しただけでも、死滅につながる恐れがある。