2010年10月23日-25日

新種の肺炎関連アデノウイルス

● 新種の肺炎関連アデノウイルス
PRO/AH/EDR> Novel pneumonia-associated adenovirus, Titi monkey, human 20101023.3850
[1] Press report:New Virus 'Jumps' From Monkey to Scientist, Causing Serious Illness
 情報源: Bloomberg Businessweek, HealthDay News 、2010年10月22日
これまで知られていなかったウイルスが、米国の研究機関で飼育されていたサルの群れの1/3を死滅させ、研究者の1人にも種を超えて感染した可能性があると、研究者が報告した。このタイプのウイルスの動きは異例であり、今後も注意深く監視する必要があるとしながらも、現在は警戒する必要はない点を強調した。すでに回復しているこの1人の科学者から、さらにウイルス感染が広がっている兆候はなく、ヒトの間で感染が伝播した確かな証拠も見当たらない。しかしながら、the University of California San Francisco の准教授は、種を超えた感染伝播があったことを示唆する、かなり確実な証拠があり、市民が不安に思う必要はないが、公衆衛生当局は、outbreak の可能性のあるこのウイルスについての監視が必要と説明した。22日の the Infectious Diseases Society of America annual meeting in Vancouver, Canada で発表される...
[2] Meeting Abstract
Identification of a Novel Adenovirus Associated with a Deadly Outbreak in a Titi Monkey Colony
 情報源: IDSA Meeting, Abstract 196: Oral Abstract Session: Virology 、2010年10月22日
背景:
アデノウイルス Adenovirus はヒトにおいて、気道感染・胃腸炎・肝炎・結膜炎などの、さまざまな疾患の原因となる DNA ウイルスであるが、非常に種特異性が高い感染症と考えられている。
方法: 
conserved sequence homology(進化の過程で保存された遺伝子塩基配列の相同性) をもとに、すべての既知および新型ウイルスを検出することができるよう設計されたDNA microarray である The Virochip を用い、the California National Primate Research Center(国立カリフォルニア霊長類研究センター Davis, California)の Titi monkey の群れで発生した outbreak の原因を調査した。感染したサルは、上気道炎を発症後、急速に重症肺炎や肝炎に陥った。センターにいた60頭中23頭のサルが重症化し、積極的に治療を行ったが、19頭が死亡した (致死率83%) 
結果: 
Virochip により、組織やスワブ標本からアデノウイルスの痕跡が見つかった。Sequencing of the nearly complete 35k [base pair] genome により、最も近いものと比べても80-85%の核酸しか共有しない、新たなグループに属するアデノウイルスであることが判明した ... Outbreak 発生初期に Titi monkey と濃厚接触のあったセンターの研究員の1人が重症肺炎となり、6ヵ月後の回復期の血清でアデノウイルス抗体陽性であったことから、cross-species transmission event の発生が強く疑われた。
結語:...
[Mod.CP- 上記2つの記事はいずれもどの方向(ヒト>サル or サル>ヒト)に感染が伝播されたのかについては、明記されていない。the genus _Mastradenovirus_  あるいはこれまでに解析されている human and simian adenovirus species に分類されるのか、それとも、まったく新たな属を形成する a new adenovirus species に入るのかも示されていない]


● 結膜炎 エジプト
PRO/EDR> Conjunctivitis - Egypt: North
Archive Number: 20101025.3871
 情報源: Manila Bulletin, Xinhua report 、2010年10月25日
エジプト北部の一部地域で、2000人近い数の pinkeye [conjunctival] infections の流行が報告されていることが、24日の当局の報道で分かった。保健省は、pinkeyeと呼ばれる、このウイルス性結膜炎の患者が1831人であると発表した。(発生地の内訳は) 1703 in Daqahliya, 92 in Port Said and 36 in Damiettaとなっており、その多くが学生である...
[Mod.CP- ...The 3 most common types of conjunctivitis are viral, bacterial, and allergic. Currently, outbreaks are occurring throughout the world (パキスタン、メキシコ、中国、ウガンダ、ブータン、see ProMED-mail references below)]

● ボツリヌス食中毒 米国
PRO/AH> Botulism - USA (02): dried seafood, risk, recall 20101025.3870
 情報源: US Food and Drug Administration (FDA) press release 、2010年10月21日
Foremost Foods, International, Inc. 社(Pomona, California カリフォルニア州) は、商品名 Tomi の数種の dried seafood products に生命の危険のある細菌  _Clostridium botulinum_ による汚染の疑いがあるとして、自主回収を発表した ... この製品は、ベトナムの Kien Long Seafood Company Ltd. 社が製造している ...
商品名は以下のとおり
00000070187/Tomi Dried Baby Squid/40/8 oz
79598107170/Tomi Dried Golden Threadfin Beam/40/8 OZ
79598107166/Tomi Dried Indian Mackeral/40/8 OZ
79598107164/Tomi Dried Trevally/40/8 OZ
00000079922/Tomi Dried Shrimp Fry/40/4 OZ
79598107175/Tomi Dried Tuyo Herring/40/4 OZ
893509680073/Dried Anchovy (Kien Long)/40/3.5 OZ
79598107173/Tomi Dried Round Scad/40/8 OZ
79598107179/Tomi Dried Mullet Kapak/40/8 OZ

● コレラ、下痢症 世界各国,ハイチ(2件)
PRO/EDR> Cholera, diarrhea & dysentery update 2010 (25) 20101025.3869
[1] コレラ-ナイジェリア
 情報源:The Washington Post, Associated Press (AP) report 、2010年10月25日
ナイジェリアの国連関係者が、2010年のコレラ Cholera 感染による死者が1500人を超えたことを確認した。政府発表値の2倍にあたる。ジュネーブに本部を置く UNICEF の報道官は25日、20日現在の2010年のナイジェリア国内でのコレラによる死者は1555人で、感染者は38173人に達していると述べた。WHO は、今回の感染流行は、1991年に7654人が死亡した流行以来の、深刻な感染流行であると述べた。
[2] コレラ-ベニン
 情報源: AllAfrica, RFI report 、2010年10月21日
アフリカのベニンは、国土の2/3が underwater(浸水した状態)となり、少なくとも43人が死亡し、10万人近い人々が家を失った。10月はじめからの豪雨により、the Oueme and Mono rivers の両河川は、まもなくあふれた。米や野菜の農地も水浸しになっている。UNICEF は、800 cases of cholera を報告している。
[3] コレラ-ウガンダ (Nakapiripirit)
 情報源: The Daily Monitor (Uganda) 、2010年10月20日
コレラ感染流行の発生により、これまでに7人が死亡し、Bokora Health Centre IV and Nakapiripirit Health Centre II には20人が入院となっている。保健当局者によると、5日前から、Nakapiripirit Town Council, Nabunet, Lobulyo, Katanga, and Nangoronit parish でコレラが発生し始めた。2008年、ウガンダ東部ではコレラ感染によりおよそ33人が死亡している。
[4] コレラ-カメルーン (Douala)
 情報源: La Nouvelle Expression [in French]、2010年10月18日
沿岸部で、流行レベルのコレラ感染発生が報告されている。当局には、New Bell Douala 2 地域で16人が、コレラ菌の検査で陽性となったと報告されている。
地図 Cameroon
[5] コレラ-ナイジェリア(Sokoto)
 情報源: Nigerian Tribune 、2010年10月21日
Lugu village(Wurno Local Government Area of Sokoto State)で7日に発生したコレラ感染流行により、9人が死亡した
[6] コレラ- Central Africa: WHO
 情報源: WHO Global Alert and Response (GAR) Disease Outbreak News 、2010年10月8日 厚労省 FORTH
2010年10月3日の時点で、1879の死亡例を含む40468症例が4つの国(カメルーン、チャド、ニジェール、ナイジェリア)で報告されている
カメルーン:515の死亡例を含む7869症例(症例死亡率-CFR 6.5%)が、6つの地域(Centre, Extreme Nord, Littoral, Nord, Ouest, Sud Ouest)で、5月6日から10月3日にかけて報告された。ほとんどの症例(97%)はExtreme Nord(極北地域)からの報告である...
チャド:111例の死亡例を含む2508の症例(CFR 4.4%)が、6つの地域の12の保健区域で、7月13日から10月3日にかけて報告された...
ニジェール:62例の死亡例を含む976症例(CFR 6.4%)が、Diffa, Maradi, Tahoua, Zinder地域で、7月3日から10月1日にかけて報告された...
ナイジェリア:1191例の死亡例を含む29,115の症例が(CFR 4.1%)、7月4日から10月3日にかけて、ナイジェリア連邦首都地域(FCT)を含む15の州の144の地方行政地域(LGA)で報告された。このアウトブレイクは現在も持続しており、今まで感染がみられなかった地方にも広がっており、大規模な水害と多数の人々の移動が、事態を悪化させている
[7] 下痢症-南アフリカ (Free State)
 情報源: Times Live, South African Press Association (SAPA) report、2010年10月21日
保健当局は、the Moqhaka Local 市の下痢症患者が多く発生していることを懸念している。 the Kroonstad region.を重点調査している..当局者によると、the Kroonstad, Steynsrus, and Viljoenskroon areas で300人以上の下痢症患者が発生している。
[8] コレラ-パプアニューギニア (Central)
 情報源: The National 、2010年10月4日
Central's West Hiri district でコレラ感染と見られる多数の患者が発生している。現地から戻った同地区保健当局者は3日、Papaの重症患者8人が the Papa clinic に入院となったとのべ、Lealeaからの患者は3人のみであったことを明らかにした。患者らの状態は悪化しつつ
[9] コレラ-インド (Kashmir)
 情報源: The Daily Rising Kashmir 、2010年9月25日
2010年9月25日、the remote village of Hallan in Verinag of south Kashmir's Islamabad district で発生したコレラ感染流行により1人が死亡し、ほか15人が入院となった。患者らは、the Public Health Engineering [PHE] Department が設置したタンクの水を摂取した2日後に発病したと住民は訴えている。しかし当局はこの発言を否定している。この住民らは、豪雨で汚染されていた泉からの水を飲んでいたのであって、当局のタンクは壁で隔離されており、タンクの水はまったく安全だと主張している。
地図 India
[10] コレラ、死亡-ドイツ(Hesse Land) パキスタンから
 情報源:Monsters and Critics, Deutsche Presse-Agentur (DPA) report 、2010年10月24日
ドイツで赤ん坊1名が死亡し、両親と滞在中のパキスタンでコレラに感染したと見られることが、24日当局から発表された。ドイツでのコレラ感染流行は1世紀前のことであり、事実上国内から根絶され、年間の発生数 [? the annual case rate ] は3例程度である。フランクフルト Frankfurt の病院で死亡した、この生後9か月の乳児と接触のあった6人は、現在監視されているが特に症状は見られていない。

ハイチ
PRO/EDR> Cholera - Haiti (03): (AR) Port-au-Prince, O1 
Archive Number: 20101024.3856
[1] 死者200人超
 情報源: MSNBC 、2010年10月24日
ハイチ中部の農村地帯にある渓谷で発生したコレラ Cholera 感染流行が、首都に広がり、多数の地震の被災者の住む不潔で過密なキャンプ地への波及に対する懸念が強まった。23日、コレラ感染流行による死者が200人を超え、人口が密集し地震の被害を受けた 首都ポルトープランス Port-au-Prince 市内でも5人の患者が確認されていることから、感染拡大の不安が高まっている。国連関係者は、感染流行発生後、初めて首都で確認されたこれら5人の患者らは、感染流行の中心地である Artibonite(Port-au-Prince の北)で感染した後に、市内に移動し発病した患者である点を強調している ... 保健省は23日に会見を開き、the main outbreak zone である the Artibonite region で194人がコレラ感染により死亡し、 隣り合う Central Plateau でも刑務所などで14人が死亡したことを明らかにした;合計患者数は 2674人となっている。
[2] コレラ菌が cholera type O1 であることが明らかにされた
 情報源: Notisistema [in Spanish]、2010年10月23日
22日保健大臣は、コレラ菌が WHOによると最も危険で世界中の感染流行の原因となっているとされる cholera type O1 であることを明らかにした。
[Mod.LL- Port-au-Prince での感染伝播は起きていないようである。首都への波及は不可避で、壊滅的被害を与えるかもしれない。コレラ菌 O1 と報告されており、(コレラ菌のうち) O1 and O139 のみが epidemic spread of cholera の原因となりうる。 the strains' biotype and phenotype については pending となっている]

● レジオネラ症 スペイン
PRO/AH/EDR> Legionellosis - Spain (04): (VC Valensia) car wash 20101025.3868
 情報源: Informacion.es [in Spanish]、2010年10月23日
現地保健委員会は、2010年6月に16人が感染したレジオネラ症 the _Legionella_ outbreak の原因は、2か所の洗車施設であったことを確認した (agree)。6月から7月にかけて、新たに the Health Area 15 の 7人が発症し、いずれの患者の間にも関連性がないことが確かめられている。outbreak の原因は Alcoy 市内 [province of Alicante] の2か所のセルフサービスの洗車機で、いずれも現行の preventive protocols (感染防止策) に則り、それぞれ6月29日と7月3日に操業停止させられた。3台目の洗車施設も7月中に停止となり、この3機は現在も閉鎖されたままとなっている。
[Mod.LL- Legionellosis は通常 an infectious dose of aerosolized _Legionella_ の吸入により感染する。水道の貯水槽内の水温が25-40℃のとき、最も微生物濃度は高くなる。エアロゾル化 Aerosolization of the contaminated warm water が発生する可能性のある場所として、シャワー、スパ、食料品店でのスプレー、噴水、冷却塔 そして car washes などがあげられる]

● 炭疽 ハイチ,バングラデシュ(2件)
ハイチ
PRO/AH/EDR> Anthrax - Haiti: (OU) fatal 20101025.3867
 情報源: Marie-Carmel Charles reported to HealthMap Alerts 、2010年10月23日 Leogane においてハイチで初めての炭疽 anthrax ("charbon" in French) 感染による犠牲者が確認された。
[Mod.MHJ- 本報告は、ハイチにおける炭疽感染状況が変化したというよりは、医療関係者が現地に足を踏み入れるようになったことの表れである。ヒスパニオラ島 Hispaniola 西部のこの地域は、サントドミンゴ Santo Domingo だけは何とか免れているものの、深刻な炭疽感染の常在地域である。この10年間、報告されたことはほとんどない。OIE に対しては、家畜とヒトの感染が存在するとだけ報告している。しかし、20世紀中はほとんど常に多数の炭疽患者が確認されていた:1993 (more than 180), 1994 (622), 1995 (768), 1998 (183 human cases and 220 cattle cases), 1999 (176) -- ハイチ Haiti の人口がそれほど多くないことを考えれば、これは significant な数字である]

バングラデシュ
PRO/AH/EDR> Anthrax, human, bovine - Bangladesh (23) 20101025.3866
[1] Human: IEDCR update
 情報源: Bangladesh Institute of Epidemiology, Disease Control and Research (IEDCR 疫学・疾患対策研究所) 、2010年10月14日
皮膚炭疽患者数(8/18-10/25))
地区 / 合計数/ 増加数(10/14以降) / 24時間以内 / Upazilla [subdistrict] (cases)
1. Pabna / 69 / 0 / 0 / Bera (11), Santhia (35), Faridpur (23)
2. Sirajganj / 219 / 0 / 0 / Shadjadpur (56), Belkuchi (54), Kamarkhanda (99), Ullapara (10)
3. Kushtia / 49 / 0 / 0 / Daulotpur (46), Bheramara (3)
4. Tangail / 26 / 0 / 0 / Ghatail (14), Gopalpur (12)
5. Meherpur / 82 / 0 / 0 / Ganghi (81), Mujibnagar (1)
6. Manikganj / 8 / 0 / 0 / Shaturia (8)
7. Shatkhira / 1 / 0 / 0 / Sadar (1)
8. Lalmonirhat / 107 / 0 / 0 / Sadar (78), Aditmari (29)
9. Rajshahi / 8 / 0 / 0 / Chaghat (7), Tanore (1**)
10. Narayangonj / 12 / 0 / 0 / Araihajar (12)
11. Laxmipur / 25 / 0 / 0 / Kamalnagar (25)
12. Chittagong / 1 / 0 / 0 / City (1)
Total: 607 (0*)
[2] News report: Anthrax red alert goes
 情報源: The New Nation 、2010年10月24日
(政府の動きなど)...7月1日からの3か月間で、合計104頭のウシが炭疽に感染した。2008年(437頭)および2009年(449頭)は、さらに大きい数字であった...
[Mod.MHJ- 20101008.3655 で、10月7日に政府が the red alert を解除したことが、すでに伝えられている]

● 原因不明の致死性疾患 インド
PRO/EDR> Undiagnosed fatal illness - India (04): (UP Uttar Pradesh), RFI 20101024.3854
 情報源: Yahoo India [machine trans.]、2010年10月23日
23日、9人が息を引き取った。この病気で死亡した人の数は347人に達した。(今回)この発熱性疾患で死亡した人の年齢は、生後8ヶ月、2歳、12歳、35歳、45歳、50歳(2人)、60歳だった。村に医師は来ていない。この地域で、16日に病院を受診した発熱患者は167人だった。マラリアに感染していたことが判明した。12人の重症患者が運び込まれ [?recruited ]、治療が開始された
[Mod.TY- 10月4日の180人から、3週間で347人に増えている。村内に医療従事者がいないとされている。初めてマラリアの関与が示唆される内容が含まれているが、流行初期にマラリアの診断がつかなかったのは奇妙である。以前の報告ではウイルス性とされていた。今回のoutbreakも、前に報告されたのと同じ場所である(The cases in the above report are in the same area as the previous outbreak reports)]
地図1 Ramabal Nagar (also known as Kanpur Dehat) district in Uttar Pradesh 
地図2 Kanpur Dehat and Lucknow districts 

● E型肝炎 英国
PRO/AH/EDR> Hepatitis E, foodborne - UK: (England) 20101023.3849
 情報源: Daily Telegraph online 、2010年10月22日
Britons warned not to eat undercooked pork
Cornwall で、まれな肝疾患であるE型肝炎 Hepatitis E により3人死亡し、英国内で少なくとも55人が感染している。一般にE型肝炎は衛生状態の悪い状況で感染するもので、英国人は海外で感染するものと考えられていた。しかし消化器科の医師は、渡航歴がないばかりでなく、従来からのウイルス感染の年齢層以外の患者もいると話している。世界の他の地域では若年層に感染することが多いが、英国の患者は、中年や高齢者で特に男性に多いと説明した。この医師は、生の豚肉の摂取(暴露)が主な感染要因と見て、現在関連性の調査を行っている
地図 Cornwall and Devon can be located at the extreme south-west in the map of the counties of England

● 口蹄疫 モンゴル
PRO/AH/EDR> Foot & mouth disease - Mongolia (10): St. O, antelope, RFI 20101025.3873
 投稿者:加・Wildlife Conservation Society、Damien Joly、2010年10月25日
The Wildlife Conservation Society は、ドルノド県 Dornod Aimag (Province) Veterinary Laboratory と共同で、1998年以降、モンゴル東部草原 Mongolia's Eastern Steppe のモンゴルガゼル Mongolian gazelle と家畜の FMD(FOOT & MOUTH DISEASE 口蹄疫) の血清学的調査を行ってきた。血清学的検査単独では、モンゴルの FMD ウイルスの疫学状況を解明するには不十分ではあるが、他の文献とあわせ示唆される内容は以下のとおりである
-1931-1973年の期間中、モンゴル国内では周期的に FMD が発生していたが、その後2000年まで発生がなかった。1960年代に FMD により多数のガゼルが死亡したことが報告されている
-1998/99の東部草原の大人のガゼルの血清調査では、FMD 抗体は検出されなかったことから、もし FMD が存在していても、用成立は6%未満であることが示唆されている
-2000年に家畜で発生した outbreaks 後、モンゴルガゼル Mongolian gazelles は高率 (67 percent of 33) に FMD ウイルスに暴露した。
-2004年から現在に至るまで、the Eastern Steppe の家畜では、FMD-O は報告されていない。2005-2008年のガゼルと家畜の血清調査では、ガゼルの陽性率の低下が示唆されている...
以上の知見より、われわれはこのように推論した;
家畜の感染流行中、FMDに最も暴露するのはガゼルであるが、FMD の流行が消失するとガゼルの血清陽性率が低下することから、おそらくガゼルは、FMD の保有宿主ではなく、ガゼルの集団内のみでウイルスが保有されるのではなく、周期的な the Eastern Steppe へのウイルス導入が不可欠の要素だと考えられる。このことから、モンゴル国内の FMD 対策としては、感染感受性のあるすべての家畜へのワクチン接種と移動制限、感染経路の同定、家畜の処分といった、従来からの口蹄疫対策が最も効果的であると考えられる。

● ショウガの病気,Rhizome rot ブータン
PRO/PL> Rhizome rot, ginger - Bhutan: (GE) 20101025.3865
 情報源:21 Food & Beverage Online 、2010年10月23日
rhizomes (地下茎)を侵す rot disease による、[Gelephu (Sarpang) district の] ginger 栽培農家への被害が予想されている。ある農家では、small white and yellowish worm が地下茎に寄生し、作物の40%がこの真菌疾患にやられたと話している...
[Mod.DHA- Rhizome (soft) rots of ginger は、複数の細菌 (_Ralstonia_ and _Erwinia_ species) や真菌 (including _Fusarium_ and _Pythium_ species) を原因とし、各地から報告されている]

● 狂犬病 米国
PRO/AH/EDR> Rabies, update - USA (20): October 2010 20101024.3862
[1] ネコ スカンク, human exposure、Connecticut
2 More Cases Of Rabies Confirmed In Cheshire
 情報源:Courant.com 、2010年10月20日
[2] ネコ, human exposure - North Carolina
Another confirmed case of rabies in Lenoir County
 情報源: Enc Today.com 、2010年10月20日
[3] イヌ、アライグマ、human exposure - Florida
Rabies Cases in Wildlife Increasing
 情報源: WCTV TV 、2010年10月18日
[4] イヌ、 West Virginia
Uncommon Rabies Case Reported in Greenbrier County
 情報源: WWNS TV 、2010年10月20日
狂暴にならず、ある朝ショック状態となった狂犬病のイヌの例
[5] イヌ- West Virginia
Rabies resurfaces in Greenbrier
 情報源: Register-Herald 、2010年10月20日
[6] ネコ, possible human exposure、 Massachusetts
Mascot Street cat tests positive for rabies.
 情報源: The Dorchester Reporter、2010年10月22日

● サンゴの病気、ヒトのセラチア菌関連
PRO/AH> Coral reef disease, link to human Serratia strains 20101024.3861
 情報源: Medical News Today 、2010年10月23日
Transmission of Human Pathogen to Coral Reefs to be Studied by UGA Researchers
以前より公衆衛生当局は、動物からヒトに移る病気に対しては、重大な関心を持っていたが、逆にヒトから野生動物へという流れにはどうだっただろうか。the University of Georgia (UGA) の研究チームは、ヒトの病原体が海洋の無脊椎動物 elkhorn coral に感染するという、"reverse zoonosis(逆人獣共通感染症)" の初めてのケースについて調査を開始した。White pox disease は、1966年以降に the Caribbean and Florida Keys で発生した the coral reef loss の主因と考えられている。 White pox disease の原因は、ヒトの腸管内常在菌である _Serratia marcescens_ で、院内感染のセラチア症の起因菌である ... 研究者らは、a new phenomenon of diseases jumping from humans to wildlife として懸念を示している

● BSE オランダ
PRO/AH/EDR> BSE - Netherlands (02): (NB), OIE 20101023.3843
 情報源:OIE WAHID (World Animal Health Information Database) Disease Information 2010; 23(36) 、2010年10月22日
感染開始時期 2010年10月6日
前回流行時期 2010年9月3日
病原体  Bovine spongiform encephalopathy (BSE) agent
新たな感染流行
発生地 Odiliapeel, Noord-Brabant 農場、Resolved
感染した種 ウシ 163頭中1頭 3頭処分
疫学的コメント 陽性となったウシは、2001年に the total feed ban が制定される前の、1997年に生まれた。rendering plant(動物飼料精製工場)でのサンプル調査で判明。この陽性ウシ以外の2頭も処分された。1頭は同じ群れで生まれたウシで、もう1頭はこのウシの子ども。