2010年10月27日

◎ E型肝炎 輸血
ポリオ ウガンダ

◎ E型肝炎 英国
PRO/AH> Hepatitis E, foodborne - UK (03): England 20101027.3901
[Mod.CP が  WHO Hepatitis E Fact sheet を引用し、輸血による E型肝炎ウイルス感染の事実はないとしたが、以下の2つの投稿により、間違いであることが判明した。]
[1] 少なくとも6編の、輸血による感染伝播の報告がある.
 投稿者:独・Priv.-Doz. Dr. med. habil. Gregor Caspari、2010年10月27日
E型肝炎ウイルス hepatitis E virus [HEV] にはいくつもの genotypes があり,Genotype 1 and 2 はヒトに感染し,genotype 3 は主にブタに感染する。ヒトでの E型肝炎ウイルス感染の発生分布とは無関係に、世界中のブタの間で genotype 3 の感染が発生している。生後4か月のブタの抗体陽性率は 50 to 90 percent に上る。血清中および便中の RNA prevalence は between 5 and 55 percent で,the age of 2 to 4 months で最も高い。This genotype 3 は so-called autochthonous transmissions(自所内感染)において検出される。ブタからヒトへの感染経路は分かっていない。フランスではブタを使った手術トレーニングを行った外科医が感染した。日本からもブタやシカの肉 uncooked or undercooked liver or meat from swine, boar or venison による感染が数件報告されている。hepatitis E virus infection にはウイルス血症の時期があり、血液によって感染する可能性がある。少なくとも6編の輸血による感染伝播の報告がある。ヒトでは genotype3 の感染を疑われることはなく、検査もなく、軽症であるため、見過ごされている可能性がある。
[2] 輸血後肝炎の報告がある
 投稿者:オーストリア・Baxter BioScience、Thomas R. Kreil, Ph.D.、2010年10月27日
日本を中心として、ドイツからも、hepatitis E virus (HEV) transfusion transmissions が報告されている
関連項目
Hepatitis E, foodborne - UK: (England) 20101023.3849

● ポリオ ウガンダ
PRO/EDR> Poliomyelitis - worldwide (23): Uganda 20101027.3900
[1] 清浄化宣言から1年でポリオが再興した
 情報源: The New Vision Uganda 、2010年10月26日
WHO による清浄化宣言からわずか1年しか経っていないウガンダに、ポリオが再興した。保健省と WHO は25日、患者1名が麻痺を発症した Bugiri district でのポリオ感染発生を確認した。南アフリカで行われた検体の検査により、このウイルスはケニア北西部の the Turkana area 由来であることが判明した。これを受けて当局と WHO は、ウガンダ東部、北東部および北部の48地区において、200万人の小児を対象とした 3-phase supplementary vaccination を実施すると発表した。ポリオには3病型あり、1つめはインフルエンザのような症状や下痢だけのため見逃されることもある The mild form or abortive polio 、2つめは無菌性髄膜炎を伴うより重症型の non-paralytic polio(ウイルス感染者のおよそ1-5%、光線過敏や頸部硬直などの神経症状あり)、3つめの severe type は debilitating(衰弱性)で、感染者の1-2%に発生する。後者は paralytic polio とよばれ、麻痺や死亡につながる可能性がある。ウイルスが、四肢や呼吸を司る筋肉をコントロールする神経を攻撃し、手足の麻痺や呼吸障害を引き起こす。予防接種により、予防可能である。
[2] 2歳女児の患者について
 情報源: Xinhua Net 、2010年10月27日
同じく、Wild Polio Virus Type 1 [WPCV-1] に感染した、the eastern Ugandan district of Bugiri の2才女児についての報告...
[Mod.JFW- ...The wild polio virus [WPV] isolated in Bugiri, Eastern Uganda は、遺伝学的に2009年2月に Turkana region, North West Kenya で分離されたウイルスと同じであり、このことは、North East and Eastern Uganda において、この21か月間、ウイルスの感染循環が続いていたことを意味する...]
[Mod.MPP- ウガンダもケニアも、非常に早くからポリオの封じ込めに成功しており、2009年も両国で発生した感染は限定的だった(ケニア18例、ウガンダ8例)... acute flaccid paralysis [AFP 急性弛緩性麻痺] cases を 探し出して non-paralytic cases にlaboratory surveillance を行い、また environmental(上下水道)sampling によって the WPV を検出することなど。this WPV-1 は Uganda だけなのか、レーダーをかいくぐり Kenya にも存在するのか]

● 麻疹 フランス
PRO/EDR> Measles - France (02)
Archive Number: 20101027.3902
 情報源 Maxisciences online [in French] 2010年10月26日
フランスでは2008年以降の麻疹流行 the measles epidemic で5000例以上が確認されており,排除にはほど遠い状況にある。2005年以後,当局は麻疹が再興し届出疾患に戻ることは予想していなかった。2歳の時点で95%のワクチン接種率と,人口10万対0.1例未満とする排除計画が立てられていた
関連項目
Measles - France 20100701.2191

● コレラ ハイチ
PRO/EDR> Cholera - Haiti (05): (AR) 20101027.3899
[1] News report
 情報源: The Sydney Morning Herald, Agence France-Presse (AFP) report 、2010年10月26日
ハイチでは、新たに25人のコレラ感染による死亡が報告された。国連医療機関の当局者は、感染流行は続いており、依然として首都の難民キャンプに波及する恐れもがあると警告している。100年ぶりにハイチで発生した、コレラ感染流行は、このところやや落ち着いたように見えるが、26日に発表された新たな死者の数は、前日の6人から4倍以上にふくれあがった。全体的に見て、感染は着実に拡大しつつあり、保健省当局によると、医療機関で治療中の患者が、24時間で270人増え、3612人になったと説明した...
[2] 抗生物質耐性報告の訂正
Correction on antimicrobial sensitivity report
 情報源: Praecipio International 、2010年10月26日
Update and correction: resistance profile of the 01 cholera strain in Haiti not resistant to doxycycline.;sensitive to doxycycline, ciprofloxacin,and tetracycline but resistant to ampicillin and cotrimoxazole (trimethoprim sulfamethoxazole)
[Mod.LL- コレラ菌の the biotype and phenotype of the strain 同定の重要性について]

● 口蹄疫 モンゴル,ベトナム(2件)
モンゴル
PRO/AH/EDR> Foot & mouth disease - Mongolia (11): RFI 20101027.3904
 情報源: 21food 、2010年10月27日
スフバートル Sukhbaatar county [southeast Mongolia] の Foot and mouth disease [FMD 口蹄疫] の感染拡大は、留まることなく日々悪化している。同郡では8万頭の家畜のうちの5000頭以上がFMDに感染したとされている...主な原因は、薬品と獣医師の不足である。Sukhbaatar county の FMD が the Mongolian gazelle in Mata De County(Eastern Province of Mongolia)によって持ち込まれたと推測されている。
[Mod.AS- 26日に Mongolia's President, Elbegdorj Tsakhia が取材に答えて述べた以下の文が抜けている: ”The eastern Mongolian steppe は2か月間にわたり FMD による被害を受けている。命をかけて子牛、子馬、子羊、そして子どもを世話をしてきたモンゴルの牧民が愛するウシが多数死んでいる。しかし the follow-up report of 11 Sep 2010 以降は、 "no new outbreaks" との情報が示されている]

ベトナム
PRO/AH/EDR> Foot & mouth disease - Viet Nam (02): (Lao Cai) porcine, RFI 20101027.3898
 情報源: Radio The Voice of Viet Nam (VOV) News 、2010年10月24日
Bao Thang district(Pho Moi ward, Lao Cai province)の1世帯で24日、foot-and-mouth disease [FMD 口蹄疫] の新たな感染流行が確認された。20日の調査で約198頭のブタに、高熱と口と四肢の膿疱が確認された。他の地域から持ち込まれた家禽とウシが感染の原因である [FMD は家禽には感染しないが、飼料などを介した機械的曝露をさすと考えられる]

● 東部ウマ脳炎 米国
PRO/AH/EDR> Eastern equine encephalitis - USA (39): (NJ) 20101027.3903
 情報源: Examiner 、2010年10月26日
Monmouth County の2才馬が6日 eastern equine encephalitis 東部ウマ脳炎に感染し安楽死させられたことを、ニュージャージー州農業当局が明らかにした。

● ダイズの病気,Frogeye leaf spot 米国
PRO/PL> Frogeye leaf spot, soybean - USA: (TN) new strain 20101027.3897
 情報源: Delta Farm Press 、2010年10月22日
テネシー州の1か所のダイズ畑で見つかった Frogeye leaf spot(斑点病)は、strobilurin fungicides(抗真菌剤)耐性であることが分かった。分離された_Cercospora sojina_ の芽胞が、高濃度のazoxystrobin, pyraclostrobin, and trifloxystrobin の存在下に発芽した。専門家は、他の作物にも、すでにこの薬剤への耐性が広がっていることを懸念している。
[Mod.DHA- Frogeye leaf spot は、真菌の _Cercospora sojina_ を原因とする]