2010年11月26日-28日

ポリオ コンゴ共和国 Eurosurveillance

● ポリオ コンゴ共和国
PRO/EDR> Poliomyelitis - worldwide (28): Rep of Congo, Asia, Russia 20101126.4272
[1] Eurosurveillance: WPV1 and putative enterovirus 109
Type 1 wild poliovirus and putative enterovirus 109 in an outbreak of acute flaccid paralysis in Congo, Oct-Nov 2010
 情報源: Eurosurveillance edition 2010; 15(47)、2010年11月25日 FORTHより
成人の急性弛緩性麻痺症候群のアウトブレイクがコンゴで続いており、便、咽頭、および、脳脊髄のサンプルの遺伝子解析で、野生型ポリオウイルス (WPV)1 型とエンテロウイルス 109関連の、エンテロウイルス C株が原因として特定された。11月22日の時点で、累積症例数は 409例で、その中の169例 (41.3%) が死亡した。これまでの野生型ポリオウイルス 1型の大規模なアウトブレイク報告の中で、著しく高い致死率を示したものの1つである ... 以下、背景 ・ 今回のアウトブレイク (2010年11月5日に、コンゴの保健省は、ポワントノワールを中心に、ポリオウイルスのアウトブレイクが生じたと宣言。アウトブレイク開始は、おそらく2010年 10月中旬で、ほとんどの症例は、ポワントノワールとカビンダ州のいくつかの町で発症した ... ほとんどの入院患者は、足にAFPがみられ始める 4~7日前に、インフルエンザ様症状を発症し、その後、足から急速 (1日以内に) に上行し、しばしば心停止や呼吸不全によって死に至った。 重症例が多く致死率が高いのは、以前の WPV のアウトブレイクとは著しく対照的であり、これまで未知であったウイルス・ホスト間の特性があるか、背景に大規模な軽症で報告されない症例があることなど)・検査による調査(ウイルスの詳細な特徴) に分けて解説。
結論
このアウトブレイクが異常に高い致死率を示していること、患者年齢が比較的高いことを説明するために、疫学的血清学的な研究を更に進める必要があるが、解釈の1つとして、1)重症例だけが報告された可能性、2)ワクチン接種キャンペーンが成功し、地域住民が免疫学的に抵抗力が低く、非常に感染を受けやすい... より毒性の強いウイルスや、他のウイルスが潜在的にかかわっている可能性もあることなど。
[2] Central Asia and North Caucasus Federal Region, Russian Federation
 情報源: WHO 、2010年11月13日 FORTHより。
2010年11月13日--中央アジアおよびロシア連邦北カフカス地域で現在みられているポリオのアウトブレイクは、さらに国際的に拡大するリスクが高い状態が続いている。
中央アジアでは、2010年8月12日にカザフスタンで麻痺が生じた小児から分離されたポリオウイルスの遺伝子配列から、このウイルスは、タジキスタンのアウトブレイクを引き起こし、その後、ロシア連邦、トルクメニスタン、そしておそらくウズベキスタンでのアウトブレイクを引き起こした、流行中のウイルスであると確認された。
ロシア連邦では、ダゲスタン共和国(the Republic of Dagestan)で、9月25日発症の症例が検出され、北カフカス地域で流行が進行していることが確認されている。
中央アジアでのアウトブレイクの震源となったタジキスタン(11月3日の時点で458例のWPV1(野生型ポリオ1型)症例)では、5回の経口ポリオウイルスワクチン(OPV)の大規模接種キャンペーンの後、2010年7月4日以来、新たなポリオ症例は報告されていない...
ロシア連邦の14番目の症例(9月25日に麻痺発症)によって、北カフカス地域の症例総数は、ダゲスタンとチェチェン(Dagestan, Chechnya)の6例(各3例)となった.. ロシアの他の8症例は、それぞれが輸入例として感染したもので、最後の症例は2010年7月2日に生じた ... ロシア連邦は、流行地域で11月1日に大規模OPVワクチンの初回接種を開始し、2回目の接種が11月の下旬に計画されている。 この二回の接種は6カ月~15歳までのすべての小児を対象としている。
ウズベキスタンでは、ポリオ症例が確認されていないが、WHO公認の検査機関で検査されていないため、ポリオ流行に気づかれていない可能性を除外することはできない。トルクメニスタン、カザフスタン、およびタジキスタンの国境地域それぞれに、ポリオ症例の報告がみられている。少なくとも1人のウズベキスタン国籍者が、ロシア到着後すぐに麻痺症状を呈しており、潜伏期から、ウズベキスタン出国前に感染に罹患していた可能性があることが示唆されている。
[3] Polio eradication initiative cumulative case count as of 25 Nov 2010
 情報源: Polio Eradication Website、2010年11月25日。
全世界: 767 (Year-to-date 2010 )/ 1337(Year-to-date 2009)
- in endemic countries: 180 / 1051
- in non-endemic countries: 587 / 286
国別(多い国のみ抜粋)
パキスタン: 111 / 76 / 89(2009年総数) / 22 Oct 2010(最新症例)
ナイジェリア*: 10 / 383 / 388 / 5 Oct 2010
セネガル: 18 / 0 / 0 / 30 Apr 2010
インド: 39 / 499 / 741 / 16 Sep 2010
ロシア連邦**: 14 / 0 / 0 / 25 Sep 2010
カザフスタン: 1 / 0 / 0 / 12 Aug 2010
タジキスタン: 458 / 0 / 0 / 4 Jul 2010
トルクメニスタン: 3 / 0 / 0 / 28 Jun 2010
ネパール: 6 / 0 / 0 / 30 Aug 2010
昨年数十例が発生した他のアフリカ諸国は 2010年はほとんど0~数例
Total: 767 / 1337 / 1604
Total in endemic countries: 180 / 1051 / 1256
Total outbreak: 587 / 286 / 348
Data in WHO as of 24 November 2009 for 2009 data and 23 November 2010 for 2010 data.
*1 W1W3 case included in W1 data for Pakistan and India; 2 W1W3 cases included in W1 data for Nigeria.
**Some cases may be attributed to other countries following full investigation.
***In 2009, 3 cases reported in Mali were later allocated to Guinea; 1 case reported in Cote d'Ivoire was later found to be sabin.

● コレラ ハイチ
PRO/EDR> Cholera - Haiti (25): update 20101127.4279
[1] Haitian update
 情報源: Agence France-Presse (AFP) 、2010年11月26日
ハイチ国内のコレラ Cholera 感染流行による死者の数が、25日に 1603人に増えた。わずか 2日前は 1415人だったと、保健省が述べた。10月中旬に初めて確認された後、感染者数は 69776人に達している。
[2] 米国 (Florida) ex Haiti
 情報源: Miami (Florida) Herald 、2010年11月26日。
衛生当局は 25日、ハイチからフライトでマイアミ国際空港 Miami International Airport に到着した患者1名にコレラ感染の疑いがあることを明らかにした。この男性はハイチで患者の診療に当たっていた医師で、フライト中に不調を訴え、コレラ感染の疑いがあると自ら乗務員に申し出ていた。CDC および州衛生局は、コレラ感染について確認できていないとしている。もし確認されれば Miami-Dade County では初めて、the 3rd in Florida となる。11月のこれまでに、ハイチから帰国した Collier County の女性がコレラ感染と診断され、2人目の患者は感染が疑われていたが、公式には確認されていない。

● クリミア・コンゴ出血熱 イラン
PRO/AH/EDR> Crimean-Congo hem. fever - Iran 20101127.4275
 情報源: Eurosurveillance 2010; 15(47): article 5 、2010年11月25日
Phylogenetic analysis in a recent controlled outbreak of Crimean-Congo haemorrhagic fever in the south of Iran
要約: 
クリミア・コンゴ出血熱 Crimean-Congo haemorrhagic fever (CCHF) は、ヒトにおいて高い死亡率を伴う人獣共通感染症である。The CCHF virus は Ixodid ticks ダニの刺咬もしくは CCHF patients や感染動物の組織、血液との接触により、ヒトに感染する。
2009年 12月、イラン南部で CCHF の感染流行が発生した。急な発熱と出血のため入院となった患者5人が RT-PCR and serological assays で CCHF と確定診断され、1人が劇症の経過をたどり死亡した。感染源は家畜であることが確認されている:  問題となった家畜の半数以上が、血清抗体陽性だった positive for CCHFV 。今回の流行には、家畜との接触および院内感染の2つの感染経路が存在したことを証明した。この感染経路については系統発生学的解析が役立った。

● 麻疹 スペイン
PRO/EDR> Measles - Spain (03): (AN Andalsia)
Archive Number: 20101128.4281
 情報源: TelePrensa [in Spanish]、2010年11月25日
Granada で最近発生中の麻疹 Measles 感染流行に関連し、衛生当局は市民に対し次のような情報を提供している: 未接種児へのワクチン接種 (義務) など ... 25日現在、成人 8人を含む 46人の麻疹感染が確認されていることなど。
関連項目 20101110.4081

● メラミン混入、乳製品 中国
PRO/AH> Melamine contamination, milk products - China (07) 20101126.4266
 情報源: CriEnglish.com, Xinhua News Agency report 、2010年11月24日
Re-emergence of tainted dairy triggers alarm over food safety
中国中央部で再び乳製品へのメラミン混入があり、中国の乳製品生産業界を揺るがせた 2008年の dairy scandal の影響が残る中、食の安全がふたたび懸念されている。
15日の週、中央部 Hubei 湖北省 Xiangfan の市場監督局は、プラスティック製造に使用される有害化学物質のメラミンが混入された疑いがあるとして、地元企業に乳製品 corn-flavored dairy drink 50 パッケージの調査を依頼した。1パッケージは 15本入りとなっている。
サンプル検査の結果、最も高いものは4.8 milligram (mg) per kg のメラミンが飲料中から検出された。南隣の Hunan 湖南省の工場で製造されたもので、この製造メーカーの Xiangtan Yuanshan Dairy Industry Company は2010 年のこれまでに、以前から取引のある業者から乳飲料の原料として25 kg bag of Dongyuan-branded milk powder と2 kg samples を購入していた。原料メーカーが必要な品質報告書を提出していたことから、このメーカーは milk powder の検査を一切行っていなかった。しかし湖南省行政当局の品質監視検査で、国の基準をはるかに上回る濃度の melamine content 68 mg per kg が確認された

● インフルエンザ ジンバブエ,WHO(2件)
PRO/AH/EDR> Influenza (16): Zimbabwe (MV)
Archive Number: 20101126.4274
 情報源:The Herald, Zimbabwe 、2010年11月24日
Nearly 200 cases of swine flu reported
swine flu (H1N1) [influenza A/(H1N1) 2009] よると考えられる outbreak が Ngomahuru communal lands in Masvingo で発生し、3週間でおよそ200人の患者が出ている。当局者によると Gunikuni and Mushawasha West および Ngomahuru の小規模農場地域が、深刻な感染状況にある。

PRO/EDR> Influenza (15): WHO update
Archive Number: 20101124.4243
 情報源 WHO Global Alert and Response (GAR) 11月22日

● ハンタウイルス チリ
PRO/AH/EDR> Hantavirus update 2010 - Americas (38): Chile 20101124.4232
 情報源 Canaldenoticias.cl [in Spanish]、2010年11月23日
今週末に the Collipulli Hospital で死亡した若年患者について、ハンタウイルス Hantavirus 感染が疑われている。保健当局は、検査結果未到のため確認できないとしている。死亡したのは 23歳の女性で、Colipulli 近郊の the San Andres rural area に幼い 2人の子どもと暮らしていた。
[Mod.TY-この地域におけるハンタウイルス肺症候群の原因ウイルス the hantavirus responsible for HPS [hantavirus pulmonary syndrome] は Andes virus と考えられる]
地図 Collipulli is part of the Malleco Province in the Araucanía Region in southern Chile

● ブルータング 世界各国,スペイン(2件)
PRO/AH> Bluetongue - worldwide: update 20101127.4280
[1] International disease monitoring, July to September [2010]: Bluetongue
 情報源: International Disease Surveillance, Vet Rec. 2010; 167(18): 680-3 (subscription required)、2010年11月30日
27日の時点で、北欧のいずれの国からも、bluetongue virus (BTV) は報告されていない ... 以下、モロッコ (BTV-1 and BTV-4 初報告)、アルジェリア(BTV-1 初報告)、BTV-1,2,4,8 各論。
[2] Bluetongue in Europe - changes to post import testing requirements
 情報源:DEFRA - International trade: Customer Information Notes - AE/10/169、201年11月26日。
目的、背景、方法について .... 26日、post import testing が、英国入国後 5-7日目に、all BTV susceptible animals に single post import testing を行う従来の方法から、a risk-based regime as for other diseases whereby imports will be tested depending on the risk assessment of each susceptible consignment に変更される。BT のリスクの変化に対応して、100 percent testing for BT は中止され、 a risk based testing approachに移行する,
リスク評価の根拠:
- the BTV status of the country of origin;
- the level of midge (ブヨ) activity in the country of origin which would vary by season
- random tests prioritising animals perceived to be at higher

PRO/AH> Bluetongue - Europe (06): Spain (AN Andalusia) st 8, susp, RFI 20101126.4267
 情報源: Terra Noticias [in Spanish]、2010年11月23日
Andalusia's provincial government confirms one case of bluetongue virus, serotype 8, in a sheep farm in Tarifa
農水産業省 ・ 動物衛生局は、Tarifa (Cadiz) 市内の大規模ヒツジ農場内で serotype 8 of bluetongue virus の感染循環が起きていることを確認した。しかし、ワクチン接種群においてもブルータングが検出されることもあり、同省は、現状に問題はないとしている。
[Mod.AS- ... スペイン国内では2010年 BTV serotypes 1 and 4 が発生しており、モロッコから再導入されているが、2009 年以降 BTV-8 は報告されていない。これはワクチンの一斉接種が実施されたことによる考えられている。南部で (live-active?) BTV-8 ウイルスの発生が疑われている一方で、北部やモロッコでは発生していない状況は不可解である]

● 口蹄疫 モンゴル
PRO/AH> Foot & mouth disease - Mongolia (14): (TO,GS), OIE 20101126.4273
 情報源: OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2010; 23(47) 25 Nov 、2010年11月25日
Foot and mouth disease, Mongolia
感染開始時期 2010年8月26日 follow-up report Number 4
前回流行時期 2009年
原因ウイルス foot and mouth disease virus Serotype: O
新たな感染流行
発生地1 Khangain ovoljoo, Bayan soum, Tuv 農場 ウシ、ヒツジ、ヤギ
発生地2 Sain hoot, Bayanjargalan soum, Tuv 農場 同上
発生地3 Muu Khoot, Sumber soum, Govi-Sumber 農場 同上
感染数合計 ウシ59頭、ヒツジ・ヤギ184頭 いずれも死亡

● ザリガニの疾患 イタリア OIE
PRO/AH> Crayfish plague - Italy: (VN Vento) OIE 20101126.4268
 情報源: OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2010; 23(48) 、2010年11月26日
Crayfish plague (_Aphanomyces astaci_), Italy
感染開始時期 2010年10月18日 初報告
病原体 _Aphanomyces astaci_
新たな感染流行
発生地  Rio di Ron, Treviso, Voldobbiadene, Veneto 河川の野生種
感染した種 European freshwater crayfish (_Austropotamobius_) / 有病率 100 per cent / 致死率100 per cent / - / 感染数 1 / 死亡数 1
[Mod.AS- crayfish plague の病原体は _Aphanomyces astaci_ で、 一般に the water moulds (水生菌) と呼ばれるものの1種で,長らく真菌とされていたが 所属するグループの the Oomycetida は現在 protists (原生動物) として the Stramenopiles or Chromista と呼ばれるグループ内の diatoms (珪藻) and brown algae(褐藻)に分類されている]

● ブルセラ症、ウシ 米国
PRO/AH> Brucellosis, bovine - USA (03): (WY) 20101126.4261
 情報源: Star Tribune 、2010年11月25日
Park County では、2つめの群れとなるブルセラ症 Brucellosis の感染流行が確認されたと、24日ワイオミング Wyomoing 州家畜衛生当局者が報告した。前回の感染流行の終息が確認されてから、わずか数日後のことである。

● 鳥インフルエンザ カナダ LPNAI H5N2, 家禽か渡り鳥か(2件)
PRO/AH> Avian influenza (53): Canada (MB) LPNAI H5N2, turkey 20101126.4260
[1] News report
 情報源: Toronto Sun, QMI (Quebec Media, Inc) Agency report、2010年11月24日
マニトバ Manitoba 州の1か所の農場が、複数のシチメンチョウの鳥インフルエンザ Avian influenza の検査が陽性となったことを受け、当局により閉鎖されている。ウィニペグ Winnipeg の北に位置する農村部の Rockwood 市にあるこの農場は、およそ 8200羽を飼育しているが、感染拡大を防止する目的で、全数を処分しなければならない。24日、アジアの H5N1ウイルスである可能性はなく、H5 亜型であることは確認されているが、詳しい検査結果を待たなければならないと説明されている。
[2] OIE report
 情報源:OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2010; 23(47) 、2010年11月24日
感染開始時期 2010年11月17日
前回流行時期 2009年3月11日
原因ウイルス  low pathogenic avian influenza virus Serotype: H5N2
新たな感染流行
発生地 Rockwood municipality, Manitoba 農場
感染した種 Birds
Susceptible: 7400 Cases: 3000 Deaths: 0 Destroyed: 0 Slaughtered: 0
Affected population: turkey breeders farm

PRO/AH> Avian influenza, poultry vs migratory birds (06): Asia 20101124.4231
 情報源 CIDRAP News, FAO、2010年11月22日
Satellite tracking suggests wild birds may spread H5N1 in Asia
衛星を使ってアジア地域の野鳥を追跡した結果、H5N1 鳥インフルエンザ Avian influenza は、春の北帰行の際にインドやチベットからモンゴルにもたらされることが示唆されることが、国連機関 the United Nations Food and Agriculture Organization (FAO) からの最近の報告により明らかになった。16日の FAO AIDE News において、2005年に 6000羽以上の野鳥が鳥インフルエンザにより死亡した、中国の青海湖 China's Qinghai Lake にたびたび現れる水きんを追跡した結果、この結論に至ったと述べられている。この大流行のあと、FAO と米国の地勢調査機関が、11か国で 525羽の水禽に GPS transmitters を装着し、その移動を追跡した。青海湖で死亡したトリの半数近くが、bar-headed geese であった。調査の結果、青海湖でタグをつけられた bar-headed geese のほとんどが、チベットのラサ the Lhasa region of Tibet もしくは インドで冬を過ごしていた。H5N1 のアウトブレイクが発生していたその地域で家禽と接触しており、ウイルスが家禽から野鳥に感染伝播したものと FAO は見ている。もしそうであるなら、中アジア飛行路 the Central Asian Flyway の東側にいる野生の水禽が、毎年春に the Qinghai-Tibetan plateau を北方及び東方に超えて、H5N1 高病原性鳥インフルエンザをモンゴルに運んでいたことになる、と記事に書かれている。最も興味深いのは、毎春、渡りの経路の北側の終着点で、野鳥のアウトブレイク発生が繰り返されるというパターンは、ほかの渡りの経路では見られない点で、このことが、野鳥が果たす鳥インフルエンザの疫学上の役割を理解することを難しくしている、とも説明されている。FAO の図によると、モンゴルで初めて H5N1のアウトブレイクが報告されたのは 2005年 8月のことであり、最新の流行は 2010年 5月に発生している。OIE は、2006年と 2009年にもモンゴルで H5N1が流行したと報告しており、いずれも野鳥での発生であった

● アフリカ豚熱(豚コレラ)ロシア
PRO/AH> African swine fever - Russia (09): (KD) 20101126.4259
 情報源 Itar-Tass 、2010年11月23日
Kuban において、新たな African swine fever [ASF アフリカ豚熱] の感染流行が発生したと、23日の地域非常事態委員会で報告された。the Krasnodar region の 5つの地域: Krasnoarmeiskaya, Temryuk, Starominskaya, Kurganinsk and Novopokrovskaya で発生が確認されている。地域全体に拡大する危険があり、地域内の 110万頭のすべてのブタが危機に瀕していると述べられている。

● 豚熱(豚コレラ)セルビア OIE
PRO/AH> Classical swine fever - Serbia: OIE 20101126.4258
 情報源: OIE WAHID weekly Disease Information 2010; 23(47) 、2011年11月25日
Classical swine fever, Serbia
感染開始時期 2010年11月17日
前回流行時期 2007年10月
原因ウイルス classical swine fever virus
新たな感染流行
発生地  Vojvodina (Veliki Radinci village, Sremska Mitrovica 市, Sremski county)
感染した種 Species / 頭数 / 感染数 / 死亡 / Destroyed / Slaughtered
ブタ/ 8196 / 201 / 155 / 0 / 0

● Fowl pox 鶏痘、鳥類-ニュージーランド: ペンギン
PRO/AH> Fowl pox, avian - New Zealand: penguin 20101124.4233
 情報源 Otago Daily Times、2010年11月24日
Avian diphtheria hits yellow-eyed penguins
Otago Peninsula 南部の yellow-eyed penguins に avian diphtheria の流行が発生している。ヒナが孵化したばかりの大事な時期に発生したもので、当局による保護が必要とされている。
[Mod.TG- Fowl pox (avian diphtheria, pox, canker) は、世界中のあらゆる年齢のあらゆる鳥類に発生する。 avian pox viruses の感染が原因である。Pox viruses は、single, linear, double stranded DNA viruses で all species and age の家禽の慢性疾患の原因となる。蚊族の刺咬や、キズ、目などへの機械的なウイルス伝播が主な感染経路で、野鳥がウイルスの保有宿主となっている。潜伏期間は 4-10日間で、2種類の病型が知られている; the cutaneous (dry) or diphtheritic (wet)]
写真 yellow-eyed penguins