● ポリオ コンゴ共和国,世界各国(2件)
Polio in Congo -- 4 Nov 2010
コンゴ共和国でポリオ Poliomyelitis の急激なアウトブレイクが起きており、120例の急性弛緩性麻痺と58例の死亡例が報告されている。症例の半数はここ10日間に報告されており、最初の症例は10月初頭に報告された。2症例で野生型ポリオウイルス1型が確認されており、現在も検査室診断が継続中である。ほとんどの症例が青年層で生じており、現時点で年齢のわかる43例の中で、33例が15歳~25歳であり、5歳未満の症例はわずか1例で、7歳~13歳の症例が3例、26歳~58歳の症例が5例だった..このアウトブレイクはポリオウイルスの輸入によって生じた。最後にコンゴで地域内感染によるポリオ発生がみられたのは、2000年のことであった。今回のウイルスの起源が何かを明確にするため、現在調査が行われている。ほとんどの症例が港湾都市であるPointe Noireからの報告で、2例がDolisieで、その他1例ずつが、Kayes、Bouenza、Brazzaville、Mvouitiで報告されている...WHO の「旅行者のための健康情報」のガイダンスに記載されているように、アンゴラおよびコンゴ共和国への旅行客や帰国者は、完全にワクチンによる予防を受けていなければならない。ナイジェリアでは、2010年のポリオ発生症例数が2009年の同時期に比べて98%減少している。このことを考慮すると、アンゴラでみられるような持続性の感染をただちに制御し、コンゴでみられるような新たなアウトブレイクを防止することに最大限の労力を割かなければなならない。
関連項目 20101102.3973
世界各国
情報源: Morbidity and Mortality Weekly Report (MMWR), 5 Nov 2010 / 59(43);1393-1399 、2010年11月4日
1988年に The Global Polio Eradication Initiative (GPEI) が開始され、2006年までに wild poliovirus (WPV 野生株ポリオウイルス) の国内感染伝播は、アフガニスタン、インド、ナイジェリア、パキスタンの4か国をのぞくすべての国々で断絶された。しかし、一旦は polio-free となっていた国に、WPV importations とそれに続くアウトブレイクが発生すると、再び排除されるまで感染リスクが継続する。The GPEI Strategic Plan for 2010--2012 (4) では、outbreak control に関して次の2つのゴールを設定している: 1) end outbreaks occurring in 2009 by mid-2010 and 2) end outbreaks occurring during 2010 to mid-2012 within 6 months of confirmation. 。
以下の報告は、 the World Health Organization (WHO) European Region で発生した、新たな oubereak と、updates previous reports on the status of outbreaks in Africa and Asia に関するものである...
European Region Importations, 2010
4月13日、タジキスタン政府当局は WHO に対し acute flaccid paralysis (AFP 急性弛緩性麻痺) 症例が急増したとの報告を行った。同20日、モスクワ Moscow の the designated WHO regional reference laboratory において,AFP の患者1名の便検体で WPV type 1 (WPV1) が検出された; この WPV1 は遺伝学的に Uttar Pradesh(インド、 August 2009)の WPV1 に最も近いものであった。11月1日現在、タジキスタンでは全国61州のうちの35州から458 laboratory-confirmed WPV1 cases [paralysis onset dates (麻痺の発症日) は 1 Feb--4 Jul 2010] が確認されている。患者のうち90 人(20 %) が1歳未満で、208 (45 %) aged 1--4 years, 107 (23 %) 5--14 years, and 53 (12 %) 15歳以上 であった。流行初期の患者の多くは5歳以下であったが; week 20以降, 78 %が5歳以上だった(Figure 1)。26 (5.7 %) 人が死亡した。今回の outbreak は3 other polio-free countries にも波及し、患者18人が確認されている (Figure 2)。 ロシアは別々に発生した5例の輸入患者に続いて発生した14 cases を報告している。トルクメニスタンは6月に3 cases、 カザフスタンは8月に1例 (confirmed [5 Oct 2010]、Table 1) 発生した。
● カンピロバクター感染症 英国
Cohort study of a campylobacteriosis outbreak associated with chicken liver parfait, UK, June 2010
カンピロバクター感染症 Campylobacteriosis は急性の細菌性消化器疾患 (感染症) で、 _Campylobacter_ の感染が原因である。主な症状は、下痢、腹痛、倦怠、発熱、嘔吐などで、1週間以上続くこともある。潜伏期間はおよそ2から5日間だが、10日に及ぶこともある。わずか 500 organisms の _Campylobacter_ の摂取でも感染が成立することが知られている。同感染症はイングランド England およびウェールズ Wales において報告される食中毒患者の原因として常に最も多いものとなっている(with 57 772 laboratory reports of cases received by the Health Protection Agency (HPA) in 2009)。しかしながら、1992年から2009年の間に the HPA 当局に報告された foodborne campylobacterosis outbreaks はわずか114件で、そのうち 25 件 (22 percent) が poultry liver dishes に関係していた。鶏レバー食品 Chicken liver foods は _Campylobacter_ 感染の高リスク因子である。というのも、chicken livers は内外側の組織のいずれも同菌に汚染されている可能性があり、加熱不十分であれば chicken liver 内に残存する可能性がある。poultry liver dishes と outbreaks of _Campylobacter_ infection の関連性の関する論文が、最近スコットランドから2件報告されている。7月5日、Northumberland County Council から campylobacteriosis が疑われる感染流行について the North East Health Protection Unit (HPU) に報告された。Northumberland の高級ホテルで6月5日に行われた結婚披露宴の出席者に発生した症例の報告で、このイベントの後、出席者の1人が campylobacteriosis により入院となった。パーティーで食事をした客の中の合計13人の検体で _Campylobacter_ 検査が陽性となった。イベントは wedding breakfast (afternoon meal) と evening buffet の構成であった。
● 原因不明の死亡 モーリタニア
PRO/AH/EDR> Undiagnosed fatalities - Mauritania: (AD) RFI 20101104.3992
[1] Adrar Health: the unknown fever in Amogjar continues to kill
情報源: FluTrackers, CRIDEM (Carrefour de la Republique Islamique de Mauritanie) report [in French]、2010年11月3日
3日、3人目の死亡患者が発生した。この男性は1日に particular fever で死亡した2人の姉妹の兄弟だった。2日と3日に the DRASS [Regional Directorate for Health and Social Action] 近くの Atar の病院に、新たな患者らが搬送された。関節痛、嘔吐、高熱を特徴とするこの発熱性の致死疾患は、突如、31日にAmogjar近郊のキャンプAmogjarで発生した。原因はわかっていない。
[2] 女性2人が、なぞの病気で死亡
Deaths of 2 women in Adrar, following a mysterious illness
情報源: FluTrackers, Le Quotidien de Nouakchott report [in French]、2010年11月2日
the wilaya [region] of Adrar の当局は複数の情報として、Agjett(the Tawaz commune、Atar town の東 45km) で、1日に女性2名が原因不明の病気により死亡したと報告した。同居家族も入院の上、経過観察されているが、状態は改善傾向にあると治療中の医師が述べた。この死亡発生の時期に一致して、同じ地域でラクダの死亡が発生している。獣医学当局は死因を特定できていない。汚染された肉の摂取によると見る住民もいる。
[Mod.MPP- 2つのニュース記事では、高熱、関節痛、嘔吐といった臨床症状が示されている。マラリアや、ラクダの死亡のうわさとその肉の摂取など、いくつもの病因が想定されている ... Crimean-Congo hemorrhagic fever and Rift Valley fever も鑑別診断に上がるかもしれないが、ラクダの死亡と関係しない可能性もある。the Adrar region (province、in the Saharan desert:the majority of the country is located in desert and semiarid regions) には、水源のそばに野営する移民らが存在し、このような野営地から発生したことが示唆されている。降水量はわずかであるが、大洪水 deluges が起きることもある。レプトスピラ症 leptospirosis も考えておかねばならない]
● スイッチグラスの病気,New Marafivirus 米国
PRO/PL> New Marafivirus, switchgrass - USA: (IL) 20101104.3997
情報源: Medical News Today 、2010年11月4日
University of Illinois [UofI イリノイ大学] の研究者らにより新種の可能性のある the genus _Marafivirus_ に属するウイルスが switchgrass, a biomass crop において初めて報告された。mosaic and yellow streak symptoms の症状に関係する。この種のウイルスは、メキシコや中南米のコーン生産量に被害を与える _Maize rayado fino virus_ (MRFV) などが知られている。今回 switchgrass で確認されたウイルスは、別種ではあるがコーンのthe MRFV に関係するものと見られるが、イリノイ Illinois 州では初めての報告となる。
[Mod.DHA- Viruses of the genus _Marafivirus_ (family _Tymoviridae_) は、leafhopper (_Cicadellidae_) vectors が感染伝播を担っている。Switchgrass (_Panicum virgatum_) は、the central North American tallgrass prairie の主力品種で、セルロースcellulose に富むことから、bioproduction of ethanol の原材料として注目されている]
写真 Switchgrass
情報源: Agriculture Corner 、2010年10月29日
パキスタン、オマーン、ブラジル、南アフリカ [このほかの国々でも] において、mango sudden death syndrome [MSDS マンゴー突然死症候群] による深刻な被害が発生している
[Mod.DHA- マンゴーMango (_Mangifera indica_) は、世界中で最も重要なフルーツの1つである。Sudden decline (or quick decline, sudden wilt) は深刻な経済的影響を与える。これまでに複数の地域で真菌の _Lasiodiplodia theobromae_ or/and _Ceratocystis fimbriata_ の関与が確認されている。さらに最近になって、オマーンとアラブ首長国連合 the United Arab Emirates から、新たに2種類の真菌が報告されている: _C. manginecans_ and _C. omanensis_ (20091214.4240)。nutrient deficiencies and environmental stress factors がマンゴーの病気への抵抗性に関わっている可能性も指摘されている。以前に Bark beetles (_Hypocryphalus mangiferae_) が _C. fimbriata_ and _L. theobromae_ を伝播することが示唆されている]
PRO/AH> Obituary: Margaret E Meyer 20101104.3993
情報源: The Sacramento Bee 、2010年10月24日
ブルセラ症研究の先駆者