2010年11月14日

トリパノソーマ症- ベネズエラ
マラリア-フランス: 感染蚊族の輸入例

● トリパノソーマ症、食品由来-ベネズエラ
PRO/AH/EDR> Trypanosomiasis, foodborne - Venezuela (03): (TA)
Archive Number: 20101114.4141
 情報源: Google News Spain, Venezuelan News Agency (AVN) report [in Spanish]、2010年11月11日。
the Health Corporation [Corposalud] of Tachira 当局は、the Andean region Junin municipality [コロンビアとの国境付近] において、Chagas 病検査陽性の患者 6人 (1人死亡) の、 集団発生を確認した。7日に死亡した小児の関係者らに対して、健康監視と迅速検査の結果、感染陽性であることが判明した。患者らに刺し口や擦過傷などが見られないことから、寄生虫に汚染された食品を通じ、経口的に感染が広がったと見られている。5人の患者は、7日に死亡した 2歳児の親類で、居住地である Rubio 市の the suburban sector of La Palmita の調査が行われている ... 当局者の説明によると、寄生虫(_T. cruzi_) を持った "chipo" [_Rhodnius prolixus_ or "kissing bug"] が(ヒトを)刺咬する際に出した糞が、患者が皮膚を掻くことで血流に入り、発病するという。
地図 administrative map of Venezuela

● B型肝炎-米国 老人ホーム 背景
PRO> Hepatitis B, nosocomial, care home - USA (02): (NC) context 20101114.4140
 投稿者 Tel Aviv Medical Center ・ Steve Berger、2010年11月14日。
1990年から2009年までの期間中に、全米で18件の血糖測定装置に関係する B型肝炎のアウトブレイクが発生している。
関連項目 20101113.4129

● Dracunculiasis(メジナ虫症)-ナイジェリア: 2011年に根絶予測
PRO/EDR> Dracunculiasis - Nigeria: anticipated free 2011 20101114.4135
 情報源: All Africa 、2011年11月10日。
2011年ナイジェリアは、The World Health Organization (WHO) から guinea worm disease eradication の証明が与えられる予定である。保健省の当局者が 10日明らかにした。ナイジェリア国内では、最後の guinea worm [infestation] の発生が報告されてから2年が経過した。かつてナイジェリアは、世界中で最も患者が多い国で、1988年に 653 620 cases in 5879 villages が報告されていたが、2006年末までに 99.99% 減少させた ... 2008年に、Enugu and Ebonyi states の 5か村から、最後の 38例が報告された。

● マラリア-フランス: 感染蚊族の輸入例
PRO/EDR> Malaria - France: imported infected mosquitoes 20101114.4134
 情報源:DNA [in French]、2010年11月13日。
12日、マラリア Malaria の国内感染患者について the Regional Health Agency (LRA) Alsace に報告された。この患者はカメルーンから送られてきた食品の入った荷物から逃げ出した蚊族に、1ヶ月前に刺されていた。15日後に初発症状が現れ、診察を受けた the University Hospital of Strasbourg でマラリア感染と診断された。患者の状態は良好である。患者の居住地は Neudorf(Strasbourg)で、ポリゴン空港 the airfield of the Polygon に近い場所にある。ほかにも逃げ出した蚊族があり、リスクはきわめて低いものの患者の男性の自宅付近で他の人々を刺咬した可能性もある。このため LRA は、悪寒、頭痛、嘔吐; 倦怠感を伴う急激な体温上昇; 体温や疲労感の低下に伴う多量の発汗 の3段階の症状が見られる場合は、マラリア感染を診断の候補とするよう求めている。原因不明の発熱があり、特に Polygon 空港の地域の住民である場合、さらに厚層塗抹標本により診断を確定させる必要がある。
[Mod.SH- 今回の症例は "autochthonous malaria マラリア自所内感染例" とは呼べない。(自所内感染とするには)フランス国内のマラリア感染患者からマラリアに感染した「蚊族」が必要である。むしろ、いわゆる "airport malaria" と呼んで差し支えないだろう。これは、マラリア常在国内で感染した蚊族が、たとえば航空機あるいは今回のように荷物から escape し、近くにいるヒトを刺咬する場合を指す]

● 原因不明の死亡、ニホンザル-日本 SRV-4 疑い
PRO/AH> Undiagnosed deaths, macaque monkeys - Japan (07): SRV-4 susp 20101114.4139
ニホンザル: 50頭、ウイルスで死ぬ--京大霊長類研究所で01年以降
 情報源:The Mainichi Daily News (日本語) より、2010年11月12日。
京都大霊長類研究所で01年以降、ニホンザルが大量死する問題があり、11日、東南アジアのカニクイザルに自然感染している「サルレトロウイルス4型」(SRV-4)が原因とみられると発表した。ヒトに感染する恐れはほとんどなく、発症例もない...、鼻の粘膜などから出血する病気で、血小板が急激に減少する特徴があり、遺伝子解析で血中からSRV-4が見つかった...実験や治療のためニホンザルとカニクイザルを隣接したケージで飼育した際に、ニホンザルへ感染したとみている。
[Mod.CP- SRV-4 (Simian retrovirus type 4) は、日本のほか  California や Texas の cynomolgus monkeys (カニクイザル) でも確認されており、 the complete genome sequence も解析されている。世界各地で25年以上前から繰り返しカニクイザルの SRV-4 感染が発生していることから、この種が the natural host of SRV-4 であると考えられている (Zao CL, et al. The complete genome and genetic characteristics of SRV-4 isolated from cynomolgus monkeys (Macaca fascicularis). Virology 2010 Sep 30;405(2):390-6)。京大霊長類研のカニクイザルのコロニーで、同ウイルスがどの程度の病原性を示していたかについて、明らかにしてもらいたい]
関連項目 20100717.2387

● 鳥インフルエンザ (51)-ドイツ、LPNAI H5N2
PRO/AH> Avian influenza (51): Germany, LPNAI, H5N2, duck, goose 20101114.4136
 投稿者 独 ・ Friedrich-Loeffler-Institut、Dr Martin Beer、2010年11月13日。
低病原性鳥インフルエンザ Low pathogenic (LP) avian influenza H5N2 が、ドイツ北部で、free-range ducks and geese を混合飼育する中規模農場で確認された。定期監視活動の中で、H5 血清陽性ダックが検出された後、ウイルス感染の活動性が確認された。今回の outbreak の発生は、ドイツで例年、野生の anatids (ガンカモ) の間で、LP H5 亜型の感染が高率に蔓延する時期に起きた。2010年10月の早い時期から、全国の野生の渡り鳥の群れの間では、鳥インフルエンザウイルスとして、H3 亜型 の次に LP H5 亜型が多く見られている。遺伝学的に最も H5N2 virus に近いウイルスが、the Friedrich-Loeffler-Institut が the Baltic Sea coast で飼育する、歩哨用のダックsentinel mallard ducks でも確認されている。感染した家禽は、何ら臨床症状を示しておらず、野鳥や sentinel ducks にも、感染が関与した死亡は発生していない。これまで、 active wild bird monitoring の目的は、高病原性鳥インフルエンザの検出だけに限定されており、 passive monitoring measures がより適当とされていた (Globig et al., 2009)。しかし、現状を考慮すれば、野鳥に対する active monitoring が、報告すべき AIV subtypes (H5, H7) の発生状況や the risk of transmission to poultry のよい指標となりうることが示唆された。