2010年12月16日

インフルエンザ 欧州、イスラエル、イエメン
リーシュマニア症 スーダン

● インフルエンザ 欧州、イスラエル、イエメン
PRO/EDR> Influenza (19): Europe, Israel, Yemen
Archive Number: 20101216.4454
[1] 欧州 ECDC
 情報源 Eurosurveillance, Volume 15, Issue 50 、2010年12月16日
The influenza season 2010-11 in Europe は11か国での感染増加を持って開始し、現時点で優位な circulating strains は、the 2009 pandemic influenza A(H1N1) と influenza B viruses であり、現行の季節性インフルエンザ 3価ワクチンがカバーするウイルス株である。最も感染が深刻な国は英国で、多くの感染流行が発生している。英国内の患者の大多数は軽症であるが、かなりの数の入院を要する重症例や、死亡例も確認されている。一部 [重症例?死亡例?] は、妊娠女性を含むリスクグループに属する患者であった。このような状況により、集中治療や extracorporeal membrane oxygenation (ECMO 体外膜型肺) などによる補助呼吸の需要が増加した。患者の大部分が、65歳未満である。過去、欧州内のインフルエンザ流行は、西から東に移動することが多かった。季節性インフルエンザの感染流行による有病率や致死率への影響を最小限にとどめるために、公衆衛生や医療上の介入を行うための時間は、わずかしかない。各国政府当局は、医療補助の増大に備えるとともに、インフルエンザ様疾患患者の検体の早期採取ならびに検査を積極的に行うことが望まれる。the 2010 trivalent seasonal influenza vaccine によるインフルエンザワクチン接種は、最も有効な予防手段であり、重症化しやすいリスクのある人々には、特に(接種が) 勧められている。the A(H1N1) component of the seasonal vaccine には、the pandemic influenza A(H1N1) virus 感染による influenza-like illness の予防に対して非常に有効であるとの、確実な (strong) 証拠がある。ワクチン接種から8日後にはすでに、十分な protection が形成される [5]。リスクグループに属する人々への、早期の抗ウイルス薬使用も、有用と考えられる(will be of value)。The currently circulating variant (現在感染循環中の型)は、 oseltamivir にも zanamivir にも感受性があると考えてよい。the pandemic strainにより、旧来の oseltamivir-resistant influenza A(H1N1) virus は駆逐され、耐性が報告されている株はごくわずかである [6]...
参考文献(6件)
[2] イスラエル
 情報源 The Jerusalem Post、2010年12月16日
the IDF's [Israel Defense Force] Officer Training School -- known as Bahd 1 -- の士官候補生50人が16日に swine flu [influenza A/(H1N1) virus infection] と診断された。
[3] イエメン
 情報源 Yemen Post、2010年12月14日
イエメン国内で、New influenza (H1N1) virus infection cases が確認されている。2010年に一旦終息した the pandemic が再び起きるのか、予断を許さない状況にある。私立病院関係者の話として、この病院の9人の入院患者らが、11月初旬に influenza (H1N1) virus infection と診断され、このうち 4人が死亡したと報じられたが、掲載された website に、病院名は記載されていない。The National H1N1 Monitoring and Surveillance Commission は、その患者に関して情報を得ているとした上で、"it did not confirm or deny H1N1 cases had been detected in the country." としている。
[Mod.CP- イエメンのアウトブレイクでは、the previously circulating seasonal H1N1 strain よりも、 the influenza A/(H1N1) 2009 pandemic strain が検出される可能性が高い...欧州や中東では、the predominant virus は the influenza (H1N1) 2009 strain である。毒性について判断するのは、時期的にまだ早いかもしれないが、いずれすぐに分かるだろう]

● リーシュマニア症 スーダン
PRO/AH/EDR> Leishmaniasis, visceral - Sudan (04): (SO) 20101216.4453
 情報源 Medecins Sans Frontieres (MSF) 、2010年12月16日
Southern Sudan では、8年ぶりの大きな kala azar outbreak が発生し、an abysmal lack of healthcare, chronic malnutrition, regular outbreaks of preventable diseases, and insecurity とともに、健康上の深刻な問題となっていると Medecins Sans Frontieres (MSF 国境なき医師団)は警告している。カラアザール Kala azar(or visceral leishmaniasis、内臓リーシュマニア症)は、寄生虫に感染したサシチョウバエ sandfly の刺咬により伝播する顧みられない熱帯病で、Southern Sudan に常在感染している。脾腫、発熱や衰弱などの症状が見られ、医療事情が極端に悪い poor, remote, and unstable areas に存続している ... 治療されなければ1-4 か月以内にほぼ 100%死亡する一方、適切な時期に治療が行われれば95% が治癒する。11月末までに Upper Nile, Unity, and Jonglei states において MSF による治療を受けた患者は 2355人で、2009年と比較して 8倍以上多かった。2010年の(国全体の)栄養状態の悪化に伴う免疫低下により outbreak はさらに深刻化している。MSF には、10か月間で13800人あまりの重度の栄養不良の患者が訪れている。これは、2009年比で 20%増、2008年1年間の患者の 50%増である。さらに the upcoming January [2011] referendum (分離独立のための国民投票)に向け、Northern Sudan あるいはさらに遠方から多数の Southerners が帰国することになっている。こうした人々が、マラリア、麻疹、髄膜炎、結核などの diseases endemic in the South に暴露することとなる。またすでにある食料、水、医療などの資源不足に、さらなるストレスがかかることにもなる ... insecurity due to inter-tribal violence, rebel groups like the LRA [Lord's Resistance Army], and new militias の問題など...
[Mod.EP- Visceral leishmaniasis は Southern Sudan において endemic かつ increasing であり、治療患者数が8倍になっていることは,多くの無治療患者が死亡する感染症であることから事態は深刻である。visceral leishmaniasis がこの地域内の広い範囲で問題となっている malnutrition 栄養不良と関係することが明確に指摘されている]

● アフリカ豚熱(豚コレラ) タンザニア、ウガンダ OIE
PRO/AH/EDR> African swine fever - Tanzania, Uganda: OIE 20101216.4452
[1] タンザニア (Mbeya): OIE African swine fever
 情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2010; 23(49)、2010年12月8日
感染開始時期 2010年12月3日
前回流行時期 2004年4月
原因ウイルス African swine fever virus
新たな感染流行
発生地 Kyela, Mbeya: village
Species: swine(pigs are in free-range system;自然放牧)
Susceptible: 13 854
Cases: 308
Deaths: 122
Destroyed: 0
[2] ウガンダ (Moyo)
 情報源 Daily Monitor (Uganda) 、2010年12月13日
Moyo District 当局は、アフリカ豚熱 African swine fever の感染流行発生を受け、ブタの移動と地域内での豚肉の売買を禁止した。

● タロイモの病気,Leaf blight 西アフリカ
PRO/PL> Leaf blight, taro - Africa: 1st rep. West Africa 20101216.4451
[1] Nigeria, Ghana, Togo
 情報源 This Day 、2010年12月11日
The National Root Crops Research Institute (NRCRI) は、世界最大の cocoyam 生産国であるナイジェリア全土でその生産を脅かしている、Cocoyam leaf blight 対策への支援を強化している。この病気は、真菌の _Phytophthora colocasiae_ を原因とし、 yam and cassava などの他の作物にも被害が拡大する恐れがある。トーゴ、ガーナからも、sub-regional crisis が報告されている...
[2] Cameroon: diagnosis
20100715.2365 について
 投稿者 英 ・ Global Plant Clinic、Dr Rob Reeder、2010年12月15日
the preliminary DNA sequence analysis using the ITS region [internal transcribed spacer region, routinely used to examine relationships among races of _Phytophthora_] shows more than 99 percent matches to the _Phytophthora colocasiae_/_P. citrophthora_ species aggregate....
[3] Management strategies
 情報源 PestNet 、2010年12月
カメルーンで発生した outbreak of taro leaf blight についての投稿 [20100715.2365] に関して、メンバーから多くのコメントが寄せられた ... 原文参照願います。
[Mod.DHA- Taro [_Colocasia esculenta_] leaf blight の原因は、真菌の_Phytophthora colocasiae_ で、初めて報告されたのは、1900年代前半のジャワ Java からであった]