2010年12月2日

原因不明の疾患-ウガンダ (03)
マラリア-米国 自国内感染
リフトバレー熱-モーリタニア

● 原因不明の疾患-ウガンダ (03)
PRO/EDR> Undiagnosed disease - Uganda (03)
Archive Number: 20101202.4334
 情報源:Daily Nation 、2010年12月1日。
タンザニア政府当局は、隣国ウガンダの国境で発生したエボラ出血熱が疑われる感染流行の調査のため Kagera 地方へ医療の専門家を派遣した。ウガンダ政府当局からの報告によると、Kitgum、Abim、Agago 各地区で死者が出ているこの疾患は、新たな型 (株) のエボラ出血熱である疑いがもたれているとしている。11月26日の報告では、同月中に Balang village(Mutu parish in Paimol Sub County, Agago district)で流行が始まって以来、 累積 患者数は32人で、致死率は 25%とされている。現在19人が入院中で、下痢、嘔吐、激しい前頭部痛、結膜炎を伴わない眼痛、血便などの急性症状が見られると説明されている。患者の吐物に触れた病院の医療従事者 1人にも、同様の症状が発生している。患者は上腹部痛から、不穏、意識混濁、攻撃性が見られるようになり、昏睡や死に至るという。
[Mod.CP- より詳細な臨床症状が報告され、累積患者数は 32人で、致死率は 25%となっている。患者の症状は、出血熱の症状とは違っており、また現在ウガンダで支持されている、アメーバ赤痢の診断から予想される症状よりは、より重症である。]
地図 The districts of Kitgum, Abim, and Agago in the Northern Region of Uganda
関連項目
Undiagnosed disease - Uganda (02): (TG) 20101130.4302

● マラリア-米国 自国内感染
PRO/EDR> Malaria, autochthonous - USA: (FL) 20101202.4333
[1] 海外渡航歴のない熱帯熱マラリア患者発生
 情報源:DCHD 、2010年12月2日。
The Duval County Health Department (DCHD) 当局は、海外への渡航歴のない Jacksonville の 31歳の女性が、 熱帯熱マラリア_Plasmodium falciparum_ malaria に感染したことを確認した。(地域内で)感染が継続されている可能性が低いものの、住民及び医療従事者に対し、新たなマラリア患者発生があれば直ちに当局に連絡するよう呼びかけている。現在この患者が地域内で感染した可能性について調査が行われている。フロリダ Florida 州は、2010年に入り111人のマラリア患者を報告しているが、すべて外国からの輸入例であった。Duval County でも2010年に 5人の輸入マラリア患者を報告している。この 6例目の患者は、最近の旅行との関連が認められず、郡内では 10年ぶりとなる地域内でのマラリア感染の疑いがもたれている。
[2] 同内容
 情報源: Jacksonville.com 、2010年12月1日。
Jacksonville の 31歳の女性が、海外旅行歴がないにも関わらず、典型的な熱帯病 (マラリア) に感染していることが、検査で判明したと、保健当局が発表した 。
[Mod.EP- 国内で感染伝播が確認されていない国で、単一のマラリア感染患者が発生することは、好適な気候条件とベクターが存在すれば珍しいことではない。これまでにもそのような例を報告してきている。こうした例の多くは、無症候性の gametocyte のキャリア患者から、地域内のハマダラカ _Anopheles_ mosquitoes が感染し、その蚊族が患者に感染を伝播したと考えられる。これまでに免疫を有していなければ、感染した患者はすべて発症するためマラリアと診断される。このような感染が、その後地域内で集中的に発生する危険性は低い。しかし1962 年以降、自国内でのマラリア感染がなかったジャマイカのキングストン Kingston で2007年に発生した熱帯熱マラリア感染の流行は、いまだに終息していない]

● リフトバレー熱、家畜、ヒト-モーリタニア
PRO/AH/EDR> Rift Valley fever, livestock, human - Mauritania 20101202.4332
 情報源: Romandie, Agence France-Press report [in French]、2010年12月2日。
モーリタニアの Aoujeft (North) でリフトバレー熱 Rift Valley [fever] の発生により、ヒトや動物の死亡が続いていると、2日政府当局者が述べた。公式に発表された数字では17人が死亡したと述べた。感染した患者らは Nouakchott などの病院に収容されている。the Adrar (the region where Aoujeft is situated) の住民に対しては、現地で生産される肉やミルクの摂取を控えるよう、保健内務大臣が指示した。

● 麻疹-コンゴ民主共和国
PRO/EDR> Measles - Africa (33): Congo DR (SK) 20101202.4331
 情報源: Medecins Sans Frontieres, Field News 、2010年11月29日。
コンゴ民主共和国 the Democratic Republic of Congo (DRC) の保健当局が、国内で麻疹 Measles 感染流行が多発していると公式に認めた後、国境なき医師団によって発生地域での麻疹ワクチン接種のカバー率向上を図る大規模接種キャンペーンが開始された。ワクチン接種だけでなく、多数の麻疹患者の治療にも当たっている。the health zone of Fizi,(South Kivu province) では、生後 6ヶ月から 15歳までの小児 12万人にワクチン接種を行うことを目標としている。

● 鳥インフルエンザ (56) -日本 HPAI OIE
PRO/AH/EDR> Avian influenza (56): Japan (SM) HPAI H5, OIE 20101202.4330
 情報源: OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly
disease information 2010; 23(48) 、2010年12月2日。
感染開始時期 2010年11月27日
前回流行時期 2009年4月1日(2008年?)
原因ウイルス Highly pathogenic avian influenza virus Serotype: H5
新たな感染流行
発生地 安来市Yasugi city, Shimane、農場
感染した種 鳥類
Susceptible: 21 606
Cases: 57
Deaths: 57
Destroyed: 21 549
Slaughtered: 0
Affected population: 家禽 (layer)
[Mod.PC- 前回は野鳥での流行であったが、今回は商業飼育の家禽であった点が懸念される。21606羽中、死亡はわずか 57羽 (0.26%) と、それほど致死率は高くない。ウイルスが H5亜型で、高病原性であることが確認されている事実と、このような低い罹患率は相容れない。また、致死率は100% (感染した57羽がすべて死亡) である。この制限区域内に、4か所しか農場がないことは、非常に幸運である。2008年に発生したのは、本州の北寄り (秋田県) と北海道であり、今回の新たな発生地からかなり遠い。野鳥から検出されたウイルスと同じ株が、家禽に感染したされているが、徹底的な疫学調査が望まれる ... 2008年の流行について]

● ブルセラ症、ウシ-米国 バイソン
PRO/AH/EDR> Brucellosis, bovine - USA (04): (WY) bison 20101202.4325
 情報源: CBS 4 Denver, Associated Press (AP) report 、2010年12月1日。
[Wyoming ワイオミング州] State livestock 当局は Park County で確認された 2例目のブルセラ症 brucellosis と、感染したと見られる Sublette County の 1例の調査を行っている。獣医師は Park County の症例は1400 頭のバイソン bison の群れの1頭であることを明らかにした。群れのすべてを検査するよう、所有者に働きかけている。

● 慢性消耗性疾患、シカ-米国
PRO/AH/EDR> Chronic wasting disease, cervid - USA (13): (WY Wyoming) 20101202.4324
 情報源: The Buffalo Bulletin、2010年11月23日。
Buffalo 市内の limits で 15日の週に捕獲された 2頭のシカが、慢性消耗性疾患 chronic wasting disease [CWD] の検査の結果、陽性となったことは、現地当局にとって予想外の結果だった。