2010年12月27日-28日

ウガンダ 黄熱
リーシュマニア症 オーストリア、新たなベクター
◎ ダニ麻痺症 オーストラリア

● 原因不明の疾患 ウガンダ
PRO/AH/EDR> Undiagnosed disease - Uganda (09): yellow fever vaccination 20101228.4572
 情報源 The New Vision (Uganda) 、2010年12月28日
Yellow fever: ring vaccination(包囲接種) not enough
今週末[25-26日]までに死者45人、感染者178人を記録している黄熱 yellow fever 感染流行対策として、ウガンダ北部で少なくとも250万人にワクチンの接種が必要と考えられている。致死率15から50%の黄熱は、WHO によれば1人でも患者が確認されれば感染流行と考えなければならないほど重大な疾患である。保健省は封じ込め策を策定したが、ring-vaccination ではなく、mass がより効果的な対策と考えられる。
[Mod.CP- 検査による黄熱の確定が必要]
関連項目
Undiagnosed disease - Uganda (08): yellow fever susp. 20101224.4531

● リーシュマニア症 オーストラリア
PRO/AH/EDR> Leishmaniasis, cutaneous - Australia: new vector 20101228.4571
 情報源 Xinhua News Agency 、2010年12月22日
豪の研究者らが 22日、致死性の寄生虫性疾患であるリーシュマニア症 Leishmaniasis が、複数の昆虫により伝播されることを発見し、今後多くの命が救われることにつながることが期待されている。この病気により皮膚に大きな潰瘍ができる。Menzies School of Health の研究者によると、7年前にオーストラリアでリーシュマニア原虫が発見されて以来、オーストアリア国内では患者報告がなかった。この寄生虫は豪国内ではカンガルーとワラビーにしか感染しない。これまで専門家の間では、この病気を伝播するのはサシチョウバエ sandfly のみであると考えられていたが、今回 biting midges(ヌカカ)もベクターとなる可能性があることが明らかにされた。リーシュマニア症により、世界中で数万人が感染し、毎年数千人が死亡している。sandfly 以外のベクターが報告されるのは世界でこれが初めてだと、22日に報じられている。(sandfly 以外の)他の昆虫が関係する可能性もあることが示され、そのことがこれまでの感染対策が十分な効果を上げられなかった理由かも知れないとした上で、世界中に sandfly 以外のベクターが存在する場所がある可能性もあると指摘している。
[Mod.EP- この記事の元となった研究結果は、今のところ唯一 the Australian Department of Agriculture and Fisheries website で見ることができる。midges については "day feeding midges of the _Lasiohelea_ spp.であり、最大 15%の未知の新種を含んでいる” と記載されている。Biting midges は Diptera 目に属する小型の flies で、この他の biting midges の中には vectors of bluetongue and African horse sickness も含まれている]
原著 New reports of Australian cutaneous leishmaniasis in Northern Australian macropods. Epidemiol Infect. 2009; 137(10): 1516-20; abstract

◎ ダニ麻痺症 オーストラリア
PRO/AH/EDR> Tick paralysis, pet - Australia, alert 20101228.4570
 情報源 The Canberra Times 、2010年12月27日
2010年、Canberra では深刻な paralysis ticks の流行が発生しているため、住民らは休日のペットの散歩に二の足を踏まなければならなくなっている。季節はずれの humid weather がダニの生育に格好の条件を与え、獣医らはペットの迅速な治療に追われている。シドニー Sydney のクリニックでは、anti-venom serums(抗毒素血清)が不足に陥っている。
[Mod.TG- Tick paralysis (ダニ麻痺症)の原因となるダニの種類は、世界中で40種を超えていて (5 in North America, including the deer tick)、ダニのいる地域ならどこでも発生する可能性がある。世界の他の地域では、ウシやヒツジを中心に多数の動物が死亡している。ペットや家畜にとって深刻な問題となっている tick paralysis だが、ヒトの患者はまれで、ほとんどが10歳未満の小児に発生する。
Tick paralysis は、an engorged and gravid (egg-laden 抱卵した) female tick が、唾液腺内に産生した神経毒 neurotoxin を、吸血時に host に注入することで発症する。実験的に、ダニが host に付着してから 5-7日目に toxin が最大量となる(重症度を増す)ことが示唆されているが、ダニの種類によりばらつきがある。攻撃したダニが(host から)離れてからも、長期間増殖や移動を続ける Lyme disease, ehrlichiosis, and babesiosis などとは異なり、tick paralysis の症状は化学的に誘引されたもので、ダニが付着する期間に限定され、ダニが除去されればすぐに症状は消失する。ただし、一部の症例では profound paralysis に進展したり、ダニの存在に気づかれないまま死に至る場合もある。
ダニ麻痺症の症状は、ダニの付着後5-7日の間に現れ、倦怠感、足のしびれ、筋肉痛などから始まる。麻痺は、下もしくは背側から、上もしくは腹側の四肢へと急速に拡大し、ダニが除去されない場合、舌や顔面の麻痺に至る。最も重篤な合併症には、痙攣、呼吸不全などがあり、無治療の患者の最大12%が死亡する。ヒトでの症状もおよそこれと同じである。
現在診断用の検査はなく、動物の臨床所見などによるほかはない。治療のほとんどが呼吸器装着などの支持療法となるが、ダニを除去することが最も重要である。複数のダニが付着していることが多い。毛足の長い動物では特に、くり返し身体中のダニを探索することが必要となる。ダニは頭部や頸部で見つかることが多いが、身体中どこにでも付着する。ダニ除去の前に駆除剤でダニを殺しておく獣医師もいる ... オーストラリアのダニ _I. holocyclus_ に対する特異治療法である Canine tick hyperimmune serum(also called tick antiserum (TAS))、実際の動物の治療法など]
Additional information including photos of _Ixodes holocyclus_

● 鳥インフルエンザ、ヒト エジプト(2件)
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (69): Egypt, 116th case
Archive Number: 20101228.4577
 情報源 Youm7.com [in Arabic]、2010年12月28日
116th human case of avian influenza A/(H5N1) influenza

エジプト保健省は、新たな鳥インフルエンザ bird flu [avian influenza A/(H5N1) virus infection] の感染者について発表した。東部 Sharqia 県在住の56歳の女性で、2006年のエジプトでの発生以来 116人目の患者となった。現在、高熱、咳、呼吸困難のため、 Sharqia governorate の病院に入院中で、鳥インフルエンザウイルスに感染していたと見られる家禽と接触があった。感染が疑われた時点で Tamiflu が開始され、検査のための throat swabs が送付されている。肺炎を併発しているものの状態は安定しており、カイロ Cairo の病院に転送されたと当局者は述べた。
[Mod.CP- 検査機関での確定診断がなされたかどうか、はっきりしない]
地図 the governorates of Egypt, showing Sharqia to the north of Cairo

PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (68): Egypt, 38th death 20101227.4558
 情報源 Aufait [in French]、2010年12月26日
エジプト保健省は2006年のエジプトでの発生以来38人目となる新たな鳥インフルエンザ avian influenza A/(H5N1) virus infection による死亡患者について発表した。カイロ Cairo の南660kmの Luxor Governorate の11歳の少女で、急性肺炎を発症したと報告されていた。2010年、エジプト全域の広い範囲において115人の感染が発生し、このうち11人が死亡している。今も、アジアを除く、最も感染者の多く発生している国である。
関連項目 20101223.4515

● 日本脳炎など インド
PRO/AH/EDR> Japanese encephalitis and other - India (27): (UP) 20101228.4576
 情報源 Yahoo News, Press Trust of India (PTI) report、2010年12月28日
Gorakhpur で入院中の2人が脳炎により死亡し、Uttar Pradesh 州東部で2010年に the deadly brain fever により死亡した人の数は 541人となった。保健当局は28日 the Baba Raghav Das Medical College Hospital から2日間で新たに 6人もの acute encephalitis syndrome (AES) 患者が報告されたことを明らかにした。死亡したのは Kushinagar および Gorakhpur districts の患者であった ... Gorakhpur, Mahrajganj, Deoria, Kushinagar, Basti, Sant Kabir Nagar, and Siddharthanagar の各地の複数の病院で治療が行われている。2010年の脳炎による入院患者は合計3754人で、このうち541人が死亡している。一方で the Japanese encephalitis vaccination drive が7 districts of eastern Uttar Pradesh で無事終了した。
[Mod.TY-the non-JE virus(es) については、何ヶ月も経過して未だに不明のままである]

● デング熱
PRO/EDR> Dengue/DHF update 2010 (63)
Archive Number: 20101227.4567
 - サウジアラビア(Jeddah) 21 Dec 2010: New cases of dengue fever predominantly from the eastern district of Quwaizah
 - オーストラリア (north Queensland) 24 Dec 2010: spread to another 2 suburbs in Townsville in north Queensland.(Cases confirmed in the suburbs of Annandale and Vincent. In the last month, 28 people)
 - ブラジル (Mato Grosso、in Portuguese) 24 Dec 2010: 44 762 dengue cases in the state, with 65 reported dengue deaths, 54 confirmed and 11 under investigation.
 - エクアドル (Pastaza) 23 Dec 2010: 30 patients suspected of having dengue infections. fumigation campaign in various cities and in forested areas of this Amazonian province
 - メキシコ (Guerrero、in Spanish. ) 20 Dec 2010: Acapulco[ popular tourists' destination] has reported 1198 dengue cases, 30 percent DHF

● 口蹄疫 韓国(2件),台湾
PRO/AH/EDR> Foot & mouth disease - S. Korea (24): spread, vaccination, RFI 20101228.4575
 情報源 Yonhap News Agency 、2010年12月28日
1か月間にわたる検疫措置にもかかわらず、韓国では新たに 4件の口蹄疫 foot-and-mouth disease (FMD) 感染流行が確認された。The Ministry for Food, Agriculture, Forestry and Fisheries によると、東部 Gangwon のウシ農場 3か所と、North Gyeongsang Province の養豚場 1か所が、検査の結果陽性と判明した。ウシ農場があるのは、ソウル Seoul の北東約80-100kmの Chuncheon および Hongcheon 市と、同じく 140 km 東の Hoengseong 市の農場である。ソウルから約230kmの Yeongju 市の養豚場には 13 000 animals が飼育されており、11月に最初の流行が確認された場所に比較的近い。この4か所の農場はいずれも、一部の飼育動物の過剰な流涎、食欲低下、舌や蹄の水疱の出現が認められた27日の時点で隔離されていた。

PRO/AH/EDR> Foot & mouth disease - S. Korea (23): spread, vaccination 20101227.4557
[1] Update as of 25 Dec 2010
 情報源 Joongang Daily 、2010年12月27日
26日、新たに2か所の養豚場とウシ飼育農場で口蹄疫 foot-and-mouth disease (FMD) 感染流行が発生し、The Grand National Party は、担当部署の一本化などの対策強化を打ち出した...
[Mod.AS- 韓国で現在みられる集会の延期などの状況は、2001年に英国で FMD が発生した当時を思い起こさせる。the open parks and nature reserves が長期間閉鎖されることにより、農村部の the agri-business, including agri-tourism and catering への経済的な大打撃と総選挙の延期につながった。2001年2月19日に始まった感染流行は6か月以上経過してようやく収まった。英国の "Foot and Mouth Disease 2001: Lessons to be Learned Inquiry" の冒頭で,2001年9月末までに2000か所以上の農場での発生が確認され、数百万頭の家畜が処分され、農村部の生活がかつてないまでに影響を受けたと述べられている。韓国の流行に関しては、最近起きた日本での流行にも思い当たる。現在韓国で流行中のものと同じ型のウイルスによる、日本の事例からの教訓が、韓国政府の意思決定に有用となるだろう([2])。
"Main route of spread of FMD, as of 24 Dec 2010, AM 11.00"
Chosun online (Japanese edition) 
Legend:
orange line: confirmed route
white line: suspected route
1 spread to Gyeonggi-do
2 to Gangwon-do
3 to Incheon city
4 possibility of national spread ]
[2] The Japanese experience
 情報源 Transboundary and Emerging Diseases 57 (6) (2010) 396-403 、2010年8月15日
宮崎県で3月に始まった FMD 感染流行についての、疫学調査の結果と農場間の伝播状況について記述する。7月10日時点で、合計 292か所で感染が確認され、累計で宮崎県全体のウシの8.5%、ブタでは36.4% が感染した。ブタはウシに比べより感染率が高く (odds ratio = 4.3 [95 percent confidence interval (CI): 3.2, 5.7]).、モデル解析により、 the relative susceptibility(感受性) of a cattle herd は typical pig herd (95 percent CI:3.9, 4.5) の 4.2倍であったが、 the relative infectiousness(感染性) of a pig herd は a cattle herd (95 percent CI: 5.0, 13.6) の 8.0 倍であったことが示唆されている。流行のピークは 5月中旬であり、その後発生数は減少に転じ、5月後半から、the effective reproduction numbers ( 有効再生産数 )がほぼ unity (1?) 以下となった。ただし、5月後半の a vaccination programme が感染動物の症状をマスクした可能性がある。汚染農場の地理的範囲は、県内の一部に限定されていたが、県内の離れた地域での弧発例が確認されている。2010年初頭から、極東アジアの国々で頻繁に感染流行の発生があることから、continued monitoring and surveillance が肝要と思われる。

PRO/AH/EDR> Foot & mouth disease, porcine - Taiwan (05): (TA Tainan) OIE 20101227.4561
 情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2010; 23(52) 、2010年12月26日
Foot-and-mouth disease, Chinese Taipei (final report)
感染開始時期 2010年12月17日 sub-clinical infection
前回流行時期 2010年8月16日
原因ウイルス  Foot and mouth disease virus Serotype: O
新たな感染流行 
発生地  South District, [Tainan Shi 台南市] : farm
Species: swine ブタ
Susceptible: 161
Cases: 10
Deaths: 0
Destroyed: 0
Slaughtered: 0
疫学コメント the routine active FMD serological surveillance ( 定期血清学的調査 )の中で、ある養豚場で、 NSP [non-structural protein] antibody が検出された。いずれのブタも健康上の問題はなかった...検査の結果、 10 positive results for NSP かつ all negative for virus isolation and RT-PCR という結果だった...
[Mod.PC- 2010年の4件目の FMD virus serotype O による事例である]

● ブルータング ギリシャ、キプロス
PRO/AH/EDR> Bluetongue - Greece, Cyprus: OIE, BTV-16, RFI 20101227.4564
[1] Bluetongue, Greece Follow-up report No. 11
 情報源 OIE WAHID weekly Disease Information Vol. 23 (51) 、2010年12月24日
感染開始時期 2008年11月3日
前回流行時期 2001年12月
原因ウイルス  Bluetongue virus Serotype: 16
新たな感染流行 [6 outbreaks on]
発生地 Lesvos, Voreio Aigaio [South Aegean periphery]
Total outbreaks: 6
感染した種 Species / 頭数 / 感染数 / 死亡 / 廃棄 / 処分
Sheep ヒツジ/ 1907 / 90 / 46 / 0 / 0
[2] Bluetongue, Cyprus Follow-up report No. 3
 情報源 OIE, WAHID weekly Disease Information Vol. 23 (51) 、2010年12月22日
感染開始時期 2010年10月22日
前回流行時期 2007年
原因ウイルス  Bluetongue virus Serotype: 16
新たな感染流行 [Sub-clinical cases in holdings of sheep or cattle]
Total outbreaks: 3
Species / Susceptible / Cases / Deaths / Destroyed / Slaughtered
Cattle / 233 / 10 / 0 / 0 / 0
Sheep / 220 / 4 / 0 / 0 / 0

● ベネズエラウマ脳炎 ベネズエラ
PRO/AH/EDR> Venezuelan equine encephalitis - Venezuela: (FA) RFI 20101227.4563
 情報源 Notitarde [in Spanish]、2010年12月23日
2か月間で約20頭のウマが、ウマ脳炎と見られる流行により死亡し、ファルコン州 Falcon [state] 東岸の生産農家は対策に手をこまねいている。
[Mod.TY- もし本当にベネズエラ馬脳炎 a small outbreak of Venezuelan equine encephalitis (VEE) が起きているのなら懸念すべき事態である。歴史上、ベネズエラ国内で 数千頭のウマの VEE 感染の大流行が散発的に起きている。南米ではウマの致死率は最大で80% に達している。また流行中は多数のヒトの感染者も発生している。ヒトの致死率は1% 未満であるが、有病率は高く、病院に急性の患者があふれることになる。2か月前にこの地で起きた大洪水により、VEE ウイルスを伝播する蚊族の個体数は減少または増加のいずれだろう。ウマに使用できる有効な VEE ワクチンが存在する。7月前半にもベネズエラの VEE に関して相反する報告が出されている。大衆紙の報道を農業省があとで否定した。ベネズエラのウマの感染発生について最後に公式報告されたのは2004年のことである。しかし2010年7月と8月に、隣国コロンビアのカリブ海沿岸部で VEE outbreak が発生している]
地図 Venezuela showing the location of Falcon state on the Caribbean coast
参考項目
Eastern & Venezuelan equine encephalitis - Venezuela (02): NOT 20100714.2354

● オーエスキー病、イヌ ルクセンブルグ
PRO/AH/EDR> Pseudorabies, canine - Luxembourg: (ME) OIE 20101227.4560
 情報源 OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly disease information 2010; 23(51) 、2010年12月26日
Aujeszky's diseaseLuxembourg
感染開始時期 2010年12月16日
前回流行時期 1999年
原因ウイルス  Aujeszky disease virus
新たな感染流行
発生地  Helmdange, Lorentzweiler, Mersch
感染した種 Dogs
Susceptible: 1
Cases: 1
Deaths: 1
Destroyed: 0
Slaughtered: 0
感染源 contact with wild species
疫学コメント ルクセンブルグにおける last Aujeszky's disease case は,1999年の家畜のブタでの発生だった。野生のイノシシから家畜のブタへの the Aujeszky disease virus 感染防止のための、 biosecurity measures が実施されており、 the 2nd half of 2009 も、発生報告はなかった。
[Mod.PC- 過去2年以上にわたり、フランス及びドイツから、イヌや野生のイノシシが報告されている。多くの場合、猟犬と、欧州内でしばしば pseudorabies 感染が報告されている野生のイノシシとの接触による感染である。2009年7月以降に、OIE WAHID databaseに、野性のイノシシでの感染報告を行っている他の欧州国としては、 Spain, Portugal, Hungary, Italy, and Slovenia がある。ちなみに、pseudorabies は、rabies 狂犬病とは何の関係もなく、神経系を侵す herpesvirus の1種である。ウシは、pseudorabies により "mad itch"とよばれる、激しい掻痒症を起こす]

● 慢性消耗性疾患、シカ 米国
PRO/AH/EDR> Chronic wasting disease, cervid - USA (14): (VA) 20101227.4559
 情報源 NV Daily 、2010年12月24日
Chronic wasting disease 慢性消耗性疾患は、数年先まで地域内のシカの脅威となる可能性があることが、当局の調査で分かった。western Frederick County で11月後半に射殺された1頭の 4-point buck( 雄シカ ; 4-point は種類?等級?) が検査の結果陽性となった。バージニア Virginia 州でシカの検査陽性となったのは、今回を入れて2回目で、2009年の Virginia's 1st case of CWD に近い、 the West Virginia line で射殺されたシカだった。

● 鳥インフルエンザ 日本、家禽か渡り鳥か
PRO/AH/EDR> Avian influenza, poultry vs migratory birds (07): Japan  20101227.4562(削除)
[1] 鹿児島県 : hooded crane(ナベヅル), death, highly lethal H5N1
 情報源 : The Japan Times 、2010年12月23日
環境省は22日、鹿児島県出水市のナベヅル1羽から発見された、感染力の強いH5N1鳥インフルエンザは、致死性が高いことが確認されたと発表した。このトリの死体について、県当局が鳥インフルエンザを確認した翌日のことである。ウイルスのDNA 構成は、2010年10月に北海道稚内市の野生のカモの糞や、11[* 12?] 月に鳥取県米子市の民家で弱っているところを発見された幼鳥のコハクチョウ tundra swan で確認されたウイルス、にきわめて近いと、同省は説明している。22日に政府当局のおよそ40人の専門家からなるチームが、現地の飼育場を検査したところ、国内最大のツルの越冬地である、出水平野の半径10km圏内にある約160か所の農場のうち、およそ50か所については感染がないことが確認された。農水省によると鹿児島県は、2009年、47都道府県中最大のブロイラー養鶏県で、鶏卵生産量においても国内第3位であった。感染の発生した県内北西部では、2800万羽のニワトリが飼育されており、県当局には、家禽への感染拡大防止策の実施が求められている。
[2] 鹿児島、ナベヅル, H5N1 positive
 情報源 Jiji Press [in Japanese]、2010年12月21日。
(抜粋) 環境省と鹿児島県は21日、鳥インフルエンザの簡易検査で、陽性反応が出ていたナベヅル(The hooded crane, _Grus monacha_)1羽について、同日行った遺伝子検査で、高病原性鳥インフルエンザウイルス「H5N1型」が検出されたと発表した...また、同省によると、別の3羽も簡易検査で陽性と判明。さらに遺伝子検査を実施する。感染が分かったナベヅルは、衰弱していたことから、18日に同県出水市 (Izumi-Takaono National Bird and Animal Sanctuary;the world's largest wintering site for 8000 hooded cranes, _Grus monacha_, and 2500 white-necked cranes, _Grus vipio_.) で保護され、20日に死んだ...ナベヅルは、環境省レッドリストで「絶滅危惧II類」(絶滅の危険が増大している種)に指定されている。同市は越冬地として、例年1万羽を超えるツルが飛来する。県によると、出水市は約520万羽が飼育されている日本有数の養鶏地帯。(2010/12/21-21:55)
[Mod.MHJ- 5.2 million chickens and ostriches が the 10 km (6 mi) radius surveillance area で飼育されている]
[3] 鳥取 : サーベイランス
 情報源 The Japan Times、2010年12月20日
鳥取県当局の専門家らが19日、1羽の死亡したハクチョウから鳥インフルエンザウイルスが発見されたことを受けて行った野外調査で、米子市内で23羽の死鳥を回収した。鳥取大学で、鳥インフルエンザウイルス感染の有無を検査することにしていると、述べた。約20人からなる、この動物の専門家らのチームは、ハクチョウが発見された米子市内の民家から半径10km圏内の道路と海岸や、以前に鳥インフルエンザが発生した、隣の島根県安来市の養鶏場の半径10km圏内ををパトロールした。民家と養鶏場とは7km 離れている。野鳥の会鳥取県支部も、調査に協力しているが、死亡したトリは発見されていない。4日、米子市内の民家のベランダで、ill young tundra swan 1羽が発見され、翌日死亡した。H5N1 ウイルスの遺伝学的構造は、12月中に安来市の農場で分離されたウイルスと、"partially identical" であることが確認されており、双方の関連性が示唆されると、18日に大学の研究者が述べていた。富山県では、16日に高岡市の公園で死亡して見つかった、2羽のハクチョウのうちの1羽が、H5 亜型鳥インフルエンザウイルスに感染していることが判明しているが、専門家が、高岡市の家禽飼育場の視察や、富山市内の植物園での双眼鏡による観察などを実施している...兵庫県豊岡市のコウノトリ white storks の公開も中止されていることなど。
[Mod.PC- 20日に、the Izumi-Takaono National Wildlife Protection Area で死亡していたナベヅルは、a "highly lethal" form of H5N1に感染していたようだ。公式の詳細な検査結果の発表と、すぐになされると思われるOIE への報告を待ちたい。記事では、highly pathogenic H5N1 avian influenza virus とされている。2羽目のナベヅルも検査陽性になるだろう。周囲の養鶏場などの調査が行われている the Izumi Plain region は、 commercial broiler and layer farms が数多く密集している。また、野営地には、12000羽あまりのナベヅルが飛来すると報じられており、 HPAI H5N1 もまた、同所に存在すると考えられる。 これらの理由とより慎重を期すため、この地域の the alert level が、the highest level. の3に引き上げられた。一部の動物園でも、移動制限などの、感染防止のための警戒態勢が取られつつあると思われる。これに関する情報提供も期待したい。一方、この数日間は、日本の他の地域や集団での outbreak の報道がないのは明るいニュースである。あるいは、活動が中断されているためかもしれないが...]