2010年12月31日

日本脳炎など インド

● 日本脳炎など インド
PRO/AH/EDR> Japanese encephalitis & other - India (28): (UP) 20101231.4604
 投稿者 印・Christian Medical College、Dr T Jacob John、2010年12月30日
The Gorakhpur region in eastern Uttar Pradesh (UP ウッタル・プラデーシュ州) は稲作地帯で、水田で増える Culicine mosquitoes(Culex イエカと同じ?)と日本脳炎 Japanese encephalitis (JE) ウイルス血症を起こす水鳥が混在する。従ってこの地域は、JE affected eco-type area といえる ; 2006 年以降、数回にわたって JE vaccination (Chinese live SA14-14-2) が実施されている。2006年に大規模接種キャンペーンが行われ蔓延が治まったが、その後 the EPI [Expanded Program on Immunization、拡大予防接種計画] mode のためのワクチン輸送に数々の問題が持ち上がったため、今も容赦ない JE の発生が続いている。国立ウイルス研究所 The National Institute of Virology [NIV] (of Pune, Maharashtra, an ICMR [Indian Council of Medical Research] Centre]) は、Gorakhpur に調査のための現地拠点を設置した。こうしてわれわれは今 JE cases and non-JE cases の発生状況を把握することができるようになった。
The non-JE "acute encephalitis syndrome" には複数の病態が含まれている可能性がある。現地拠点及び Lucknow 医科大学はいずれも、髄液から分離されることはまれなウイルスを含め多数のエンテロウイルス Enterovirus(es) が分離され関与が示唆されている。The NIV は the enterovirus theory に否定的だが、the Lucknow people は an enterovirus disease と主張している。毎年繰り返されている上、地域が限定されている点で an enterovirus syndrome とは考えにくい。Enteroviruses は広い範囲に分布しているからである。
私見では a viral syndrome ではないのではないか,さらに感染症でもないかもしれないと考えている (たとえば、われわれが UP 州西部で報告している the 'hepatomyoencephalopathy 肝筋脳症' で、20年前から NIV がくり返し調査を行い Saharanpur encephalitis と呼ばれている)。またわれわれは systematic studies により、豆を食べ過ぎた小児に見られる _Cassia occidentalis_ poisoning について報告した。Saharanpur encephalitis を Google で検索すれば、 hepatomyoencephalopathy がでてくる。
[Mod.TY- JE 以外について、coffee senna or coffeeweed と一般に呼ばれている the plant _Cassia occidentalis_ (or _Senna occidentalis_) の関与が示唆されている。この植物はあらゆる部分 (seeds, roots, leaves, fruits) に毒素が含まれている。大量に摂取された場合の中毒症状として、下痢、振戦、褐色尿などがある。毒素成分として anthraquinones, emodin glycosides, toxalbumins, and alkaloids などがある]

● ハンタウイルス アルゼンチン
PRO/AH/EDR> Hantavirus update 2010 - Americas (41): Argentina (BA Buenos Aires)
Archive Number: 20101231.4614
 情報源 Diario Popular [in Spanish]、2010年12月31日
the Quilmes area の焼却場で、生活のために空きビンや食べ物を集めていた 31歳の若年者 1名が、ネズミの尿中に排泄されるハンタウイルス Hantavirus に感染して死亡した ... 母親の話によると、ひどい呼吸困難を訴え、2日後には全く動けなくなったと言う。the Quilmes Isidoro Iriarte Hospital に入院したところ重症肺炎があり、hantavirus [infection] case として治療が開始された。 男性の家族らに対して、観察のための隔離入院が行われたが、異常が見られないため退院した。
[Mod ?.- 腎症候性出血熱ではなく、ハンタウイルス肺症候群により臨床像が近い。原因ウイルスについても、広範囲で発生し、特に海岸近くの都市部に多い、_Rattus_ species の Asian Seoul hantavirus ではなく、New World hantavirus の1種である可能性が高い。アルゼンチンでは、ヒトでの感染に、複数のハンタウイルスが関与している: Andes virus (western Argentina, in the long-tailed pygmy rice rat host, _Oligoryzomys longicaudatus_); related Andes-like viruses Hu39694 (in central Argentina; rodent host unknown); Lechiguana (in central Argentina in _O. flavescens_); Oran (in northwestern Argentina in _O. longicaudatus_); and Bermejo (western Argentina in _O. flavescens_) virus. 今回の症例は Lechiguana virus infection による可能性があるが、検査による確定が必要.]
The CDC excellent Power Point presentation on hantaviruses
地図 Quilmes is a municipality in the greater Buenos Aires area 

● インフルエンザ ロシア,世界(2件)
ロシア
PRO/EDR> Influenza (26): Russia (SV Saratov) H1N1 20101231.4612
 情報源 News agency "Novosti" [ Russian, trans.]、2010年12月27日
Outbreak of swine flu Saratov gymnasium [school] 
地域保健当局の話によると、 gymnasium No.5 in Saratov [city] で12人の生徒らがインフルエンザ swine flu [influenza A/(H1N1) virus infection] と診断された。57人中12人が、検査の結果インフルエンザA H1N1 ウイルス感染と確認されている。市内のインフルエンザ発生率は例年を下回る 2.9% にとどまっているが、2歳未満と 7-14歳ではそれぞれ 6.5 および 2.4%となっている。
地図 the city of Saratov in the Oblast

WHO Influenza - Update 124
PRO/EDR> Influenza (27): WHO update 124 20101231.4609
 情報源 World Health Organisation (WHO), CSSR Disease Outbreak News 、2010年12月30日
要約 北半球各地は、The winter influenza season に入った。北米のカナダと米国の一部地域では、influenza-like illness (ILI インフルエンザ様疾患) の発生数が基準値を超えて増加しており、基本的には、influenza viruses A (H3N2) and type B が確認されている。The United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland (UK 英国) では、過去3週間に、軽症・重症の患者ともに急激に増加し、未だピークに達していない。influenza A (H1N1) 2009 virus が中心で、これより少ない頻度で influenza type B が認められている。H1N1(2009)ウイルス感染の臨床像は昨年同様、若年成人を中心に発生し、基礎疾患のある患者や、大部分がリスクファクターのなかった妊婦に、著しい影響が見られる。欧州大陸、中東、北アジアでの発生率は低いながら増加し傾向にあり、熱帯地域ではほとんど活動性が認められないが、スリランカでは H1N1 (2009) により死者 22人など重症患者が発生し、英国と同じく、基礎疾患のある 60歳未満の患者に発生する傾向が見られている ... 以下、北米、欧州、中東、アジア、熱帯地域、南半球温帯地域の状況など。

● コレラ ハイチ・ドミニカ共和国,各国(2件)
PRO/EDR> Cholera - Haiti (32): Haiti, Dominican Rep. 20101231.4611
[1] ハイチ Haiti update
 情報源 Herald Sun 、2010年12月31日
ハイチ国内のコレラ感染による死者は 3333人に達したことが、20日に発表された公式の数字で明らかになった。19日には 1日で 100人以上の死者が確認され、11月中旬の記録を上回った。
[2] ドミニカ共和国 Dominican Republic update
 情報源 Associated Press 、2010年12月30日
検査によりコレラ菌による汚染が判明したため、政府当局は 30日、西部地域の上水道 water supplies の使用を停止したと、発表した。ハイチとの国境にある、Banica 近郊の集落に影響が出ている...ドミニカ共和国では、国境付近を中心に 139人のコレラ患者が報告されている。

PRO/EDR> Cholera, diarrhea & dysentery update 2010 (30) 20101231.4608
[1] コレラ - ジンバブエ (Mashonaland West)
 情報源 Eyewitness News 、2010年12月31日
ジンバブエ北部の Zvimba にある Mugabe 大統領宅区でコレラ Cholera 感染が増加している。豪雨のためコレラ感染が拡大しやすい最悪の時期に発生した。塩素タブレットの使用が、そのにおいのため敬遠されていると医療関係者らは嘆いている。Zvimba 地区でこれまでに 69人のコレラ患者が確認されている。
[2] コレラ - ザンビア (Copperbelt)
 情報源 The Times 、2010年12月23日
Ndola で雨期開始後初のコレラ患者が発生した。Kawama Township の4歳の男児の、コレラ感染の検査が陽性となった。
[3] コレラ - ソマリア (Ogaden)
 情報源 Ogaden 、2010年12月5日
Fiq の町とその周辺地域でコレラ感染流行が発生している。多数の死者が出ている..感染流行の開始は約 1か月前のことであるが、Ogaden で、すべての人との物の往来がストップしており、詳細は不明である。
[4] コレラ - タンザニア
 情報源 The Citizen (Dar es Salaam) 、2010年12月2日
コレラ感染流行により国内で入院した人の数が 87人以上に上ることが、12月1日、保健社会福祉省により明らかにされた。臨時大臣は、3 regions of Dar es Salaam, Tanga and Shinyanga で 87人の患者が発生したとの報告を受けていると述べた。Dar es Salaam では Temeke District の 58人と Kinondoni District の 1人、Bariadi District(Shinyanga Region)では 23人以上、Mkinga District(Tanga Region)でも 6人の患者が報告されていると説明した。
地図 Tanzania's regions, with Shinyanga in the north & Tanga in the east 
[5] 下痢症 - モルジブ
 情報源 Haveeru 、2010年12月25日
the Maldives の the northern islands において下痢症が流行している。the Centre for Community Health and Disease Control (CCHDC) によると、海岸に放置されたごみが、ハエの発生数増加を助長しているという。当局は市民に対し、ハエによる食品汚染の防止、塩素化もしくは煮沸した飲料水の使用、衛生的なごみ廃棄の重要性を強調している。
[Mod.LL- The Maldives の正式名はモルジブ共和国  Republic of Maldives で、インド洋上にある南北に延びた a double chain of 26 atolls 環礁からなる島国である]
[6] 下痢症 -パナマ
 情報源 Prensa Latina [trans]、2010年12月24日
パナマ政府保健当局は、最近の下痢症患者の増加に対し懸念を示すと共に、コレラ感染防止対策に乗り出した。 Hospital Santo Tomas(Nestor Vega)の救急部長は、屋台での飲食が増えたことにより、1月の重症急性下痢症患者数が増加していることを明らかにした。国内各地で飲料水が不足する中、市民に注意を呼びかけている。2010年 11月までの Ministry of Health の記録では、国内で197 985 cases of acute diarrhea が発生した(164 487 in 2009)。

● サルモネラ感染症 米国
PRO/AH/EDR> Salmonellosis, serotype I 4,5,12,i-, sprouts - USA (03) 20101231.4602
 情報源 CDC Outbreak Reports 、2010年12月28日
CDC 当局は、各州政府及び FDA による、複数の州で起きたサルモネラ菌感染症アウトブレイク outbreak of _Salmonella [enterica_] serotype I 4,[5],12:i:- の調査に協力している。担当者は診断(培養)検査で得られた _Salmonella_ bacteria サルモネラ菌の DNA analysis により、今回の感染流行による患者の特定を行っている。11月1日から12月27日までの間に、11月1日以降に発生した outbreak の原因菌である、_S. enterica_ serotype I 4,[5],12:i:- に感染したと報告されている患者は、以下の 16の州と首都における94人である: California (1), Connecticut (1), District of Columbia (1), Georgia (1), Hawaii (1), Iowa (1), Illinois (51), Indiana (9), Massachusetts (1), Missouri (17), New York (1), Pennsylvania (2), South Dakota (1), Tennessee (1), Texas (1), Virginia (1), Wisconsin (3)。情報が分かっている 91人の発症日は、11月1日から12月14日までである。年齢は 1から 75歳、24%が入院となり、死者は報告されていない。この特定の serotype の菌の、the pulsed-field gel electrophoresis (PFGE) pattern は、ふだんでも米国で発生が見られることから、一部の患者は、今回の流行に無関係である可能性もある .... 以下、調査結果( 約半数がイリノイ州で発生し、多くの患者のが、Jimmy John's outlets のスプラウト入りのサンドイッチを食べていた )、消費者へのアドバイス ( 1996年以降起きた30件のスプラウトが関係する食中毒の起因菌のほとんどが、サルモネラ菌と大腸菌 )、追加勧告(Tiny Greens brand Alfalfa Sprouts or Spicy Sprouts を食べないこと)など。

● 原因不明の大量死、コウモリ 米国 
PRO/AH/EDR> Undiagnosed die-off, bats - USA: (AZ) 20101231.4613
 情報源 Arizona Daily Star、2010年12月28日
Bat die-off here a mystery
27日朝、east-side walking path で約 70匹のコウモリの死体が発見され、アリゾナ州 Arizona Game and Fish の当局者らは原因を調べている。Tucson(Arizona)の季節はずれの暖かさが原因である可能性もある。

● 出血性敗血症、ゾウ インド
PRO/AH/EDR> Hemorrhagic septicemia, elephant - India: (TN) 20101231.4610
 情報源 DNA India 、2010年12月27日
Epidemic alert sounded as bacterial disease fells 6 elephants in Karnataka and Tamil Nadu
15日間に、タミルナド Tamil Nadu 州の Byilore range of Biligiri Rangawildlife sanctuary の 3頭および Satyamanagala rangeの 3頭の計 6頭のゾウが、細菌による病気 haemorrhagic septicaemia (HS 出血性敗血症) or Pasturellosis により死亡した。森林関係者や専門家らは、9751平方kmの面積に生息する、およそ 5630頭のゾウでの流行を懸念している。厚皮動物 pachyderm であるゾウは、この病気に罹ると、高熱と重要な臓器の不全に陥り、3から36時間で死んでしまう。森林内にはゾウの死体が点在している。ウシにより伝播されるため、感染拡大防止には、この地域のウシへのワクチン接種の徹底が必要である。

● 狂犬病 イスラエル
PRO/AH/EDR> Rabies, animal - Israel (07): (North-East), dog-mediated 20101231.4607
[1] Rabies Case in Merhavya
 情報源 Arutz Sheva - Israel National News、2010年12月27日
保健省は27日、23日に Merhavya(near Afula)で行方不明となった、黒の Labrador retriever 1頭が、狂犬病 Rabies に感染していたことが判明したと発表した。この野犬と接触したり、野犬との接触または攻撃を受けた可能性がある動物を所有したりする場合は、直ちに当局に連絡するよう呼びかけている。
[Mod.AS- 27日のイスラエル Field Veterinary Services(ヘブライ語) からの回章に詳しく記載されている]
[2] Rabies event No 53, 2010
 情報源 Circular, Field Veterinary Services - Israel [Hebrew]、2010年12月28日
2010年の23件となる狂犬病のイヌの事例であり、狂犬病としては53件目の事例となる。 the village Dovev, Upper Galilee(Mount Meron の北約7km、レバノン国境沿い)。2-3歳のワクチンを受けていない雑種の番犬。