2010年12月7日-8日

鳥インフルエンザ、ヒト エジプト,インドネシア
原因不明の疾患 ウガンダ

● 鳥インフルエンザ、ヒト インドネシア(2件),エジプト
インドネシア
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (64): Indonesia (WJ) 20101208.4383
 情報源: FluTrackers.com [machine translation]、2010年12月8日
Bandung にある Hasan Sadikin Hospital の医療チームは、同市内 Holis Street 住民1名の鳥インフルエンザウイルス [avian A/(H5N1) influenza virus] 感染を確認した。感染源は明らかではない。8日、ジャカルタ Jakarta の保健省当局から、この 21歳の患者の検体の検査結果を受領した。11月22日から ICU での治療を受けているこの患者は、入院時、激しい痛みを訴え、典型的な鳥インフルエンザの症状が見られたとされている...症状についての一般的な説明 ... 患者の容態は徐々に改善しつつあり、人工呼吸器もはずされた ... 感染源は明らかになっていないが、調理済みのニワトリを摂取していた事がわかっている。Bandung 市保健当局による自宅周辺の調査では、ウイルスを確認することはできず、自宅での家禽の飼育や周辺での家禽の突然死の発生も確認されなかった。
[Mod.CP- West Java,Bandung で鳥インフルエンザ陽性となった患者についての第2報である ... 家禽との接触がなく、周囲への感染伝播もない。公式に確認されれば、2005 年以来、インドネシアで 171人目、2010年に限れば 9人目の患者となる。]

インドネシア
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (62): Indonesia (WJ West Java) 20101207.4373
 情報源: FluTrackers.com 、2010年12月6日
Confirmed H5N1 patient in Bandung Hospital, West Java
Depkes (Ministry of Health) からの電子メールによると、the RS Hasan Sadikin Hospital in Bandung で治療中の患者1名の鳥インフルエンザウイルス感染 [of avian A/(H5N1) ] influenza virus infection が確認された。患者は生存しており、治療は継続されている。
[Mod.CP- confirmed by a normal route of communication があれば、インドネシアで 2005年の流行開始以来 171人目の avian A/(H5N1) virus infection 患者となる。2010年としては9人目となる]

エジプト
PRO/AH/EDR> Avian influenza, human (63): Egypt (DQ Dakahlia) susp. 114th case 20101208.4378
 情報源 FluTrackers, youm7.com report 、2010年12月7日
Suspected 114th human case, 38th fatality
Dakahlia governorate 在住の 30歳の男性 1名が 6日、入院中の the al-Sadr 病院 (Zagazig) で、鳥インフルエンザ [influenza A/(H5N1)感染] により死亡したと見られている。この男性は、鳥インフルエンザ感染の疑いで治療中であった 5人の患者のうちの 1人であった。
[Mod.CP - 診断が確定されれば、2006年にはじめてヒトでの感染が確認されたエジプトで、114人目(2010年の 24人目) の鳥インフルエンザ A/(H5N1) ウイルス感染者となる。2010年の死亡患者としては 12人目 (全体では38人目) となる。
FluTrackers による、2010年の患者 24人の臨床経過 (最新の3名のみ抜粋、全患者については原文参照願います)....
No. 112: 33 year old, female, onset date unknown, hospitalized 24 Aug 2010 - Qalyubia governorate Death
No. 113: 30 year old female, onset date unknown - hospitalized on 2 Dec 2010 Gharbia governorate - Death
No. 114: 30 year old male, onset date unknown, death reported on 7 Dec 2010 Dakahlia governorate - Death ]

● 原因不明の疾患 ウガンダ
PRO/EDR> Undiagnosed disease - Uganda (07): plague suspected 20101208.4382
[1] 5つの地域で肺ペストが確認されている
 情報源: Reuters Africa 、2010年12月7日
ウガンダ北部で肺ペスト plague が流行し、38人の死者と多数の入院患者が発生していることが、7日の保健当局者の話で分かった。疾患サーベイランス担当者によると、11月に発生した疾患に関する調査は現在も続いているが、暫定的な検査結果では、肺ペストと確認されている。このアフリカの貧困国の医療サービスは十分ではなく、疾患の発生が確認され、医療資材が現地に届けられるまで数週間を要した。当局者は38人の死者が発生したウガンダ北部でこれまでに、5つの地域において肺ペストが確認されていると説明した。首都カンパラ Kampala から医療関係者が派遣され、対応に当たっている。Northern Uganda は the Lord's Resistance Army により20年間の内戦から復興を遂げつつある。貧困と劣悪な衛生環境により、容易に病気の発生が起きる。
[2] 米CDC でペストが確認された
 情報源: AllAfrica, The New Vision (Uganda) report 、2010年12月6日
げっ歯類の病気ではあるが、感染性のノミによりヒトや他の動物にも感染する可能性のあるペストが、ウガンダ北部の Kitgum 地区に発生したことが保健省により確認された。同省はこれまで出血熱の1つとされていた原因不明の疾患がペストであることを確認したと述べた。Kitgum 地区の疾患サーベイランス担当者はアトランタ Atlanta の CDC でペストの予備診断が得られたと述べた。WHO の報告によると、この疾患は,3日 Acholi sub-region でも発生している。Kigum とPader の病院に、それぞれ 1人及び 2人が入院となった。この報告では Kitgum の患者数は 18人となり、うち 1人が 3日に死亡したとも伝えられている。ほかにも 9人の死者がいる。
[3] 新型の致死性疾患との闘い
Uganda scrambling to identify new deadly disease
 情報源: AFP 、2010年12月8日
ウガンダ政府当局は、海外の医療専門家の協力を得ながら、北部で 38人の死者が発生した、診断のついていない病気と日夜戦っていると、当局者が述べた。この原因不明の疾患が、複数の地域で初めて確認されたのは、11月10日のことであった。現地及び海外メディアは、最近では 2008年にウガンダで発生のあった、腺ペストと報じていた。しかし、調査に当たっていた、政府当局の Epidemiology and Surveillance Division は 8日、疾患の原因は今も特定されておらず、これまでの情報により腺ペストが疑われると述べている。Fort Collins から報告された検査結果では、腺ペストは陰性であったと、米国 コロラド Colorado 州の専門検査機関からの結果を報告した。典型的なペストならすでに判明しているはずであり、このような疾患はかつて経験したことがないと述べた。この医師によると、ウガンダ国内でこれまでに発生したペストすべて the West Nile region に限局しており、今回の流行発生地点からかなり西に離れた場所であると説明されている。またペスト患者は、腋かなど身体の特定の部位に炎症病変が認められるが、今回の患者には当てはまらないとも述べた。また、過去のペストの死亡患者の多くが女性と子どもであったが、今回の死者はすべて成人男性であったと述べた。すでに調査に加わっている CDC の現地駐在スタッフに加え、アトランタの本部からも、原因究明のための専門家が現地に向かっている。コンゴ民主共和国のブラザビル Brazzaville にある WHO アフリカ本部のスタッフがウガンダに派遣された .. ウガンダのスタッフによる治療により、死者の数は 38人のままでとどまっていると説明した。確認されている 91人の患者の症状は、頭痛、めまい、発熱、嘔吐であると、保健省が説明した。
[4] 依然として原因不明 Northern disease still a mystery
 情報源:NewVision 、2010年12月8日
the US Centers for Disease Control (CDC 米CDC) からの新たな医療専門家チームが 9日ウガンダに到着し、北部及び北東部の少なくとも 6つの地域に発生した、原因不明の疾患への対策が強化されることに期待が高まっている。11月に初めて報告され、28人の死者が発生している今回の outbreak の原因を特定するため新たな検査を持ち込む。CDC のチームリーダーは 7日、Arua district にある CDC とウガンダウイルス研究所の共同検査室で行った検査でペストは否定されていると説明した。Entebbe 並びに米国 Atlanta の CDC 検査室で行った検査でも、エボラ、マールブルグ、クリミアコンゴ出血熱が否定されていると話した。患者らには、激しい頭痛、めまい、発熱、下痢、嘔吐の症状が見られている。今週前半に、保健省はペストによる感染流行であると発表したが、WHO、保健省、CDC、複数の NGO の専門家らは、確定的な診断には至っていないことを明らかにしている。
[Mod.LL-(ペストの自然感染の1%とされる)原発性肺ペストは、腺ペストや敗血症ペスト (患者) に併発する二次的肺合併症の結果生じる,感染性エアロゾルに含まれるペスト菌の吸入により発症する。原発性肺ペストの潜伏期間は 1-3日間と短く、突然のインフルエンザ様症状として、発熱、悪寒、頭痛、全身の痛み、衰弱、胸部苦悶感を示す。喀痰を伴った咳を生じ、胸痛と呼吸困難が進行する。病状の進行に伴い、低酸素血症、喀血が顕在化する。暴露から 24時間以内に抗生物質による治療を開始しなければ、常に死は避けられない。原発性の肺ペスト患者からは大量の感染性エアロゾルが排出され、濃厚接触者に対して重大なリスクを与える。CDC ガイドラインでは2m 以内での接触で最も危険が高く、エアダクトやベンチレーターを介する病原微生物の伝播は考慮しないとしている。濃厚接触者は抗生物質による予防治療を受ける必要がある。抗生物質としては tetracyclines and fluoroquinolones による予防内服が行われることが多い。しかし、新たな報道ではペストの診断が確定される見込みは低いようであり、臨床症状も肺ペストとしては非典型的で、ほかに腺ペスト患者がいないことも一般的ではない。他の病原体、もしくは同一地域内での複数の病原体による流行の可能性があるのかもしれない]
地図 the Northern Region of Uganda affected by the outbreak

● コレラ ハイチ
PRO/EDR> Cholera - Haiti (27): update
Archive Number: 20101207.4374
[1] ハイチ: update
 情報源: Haiti Libre、2010年12月7日
Period from 30 Nov 2010 to 4 Dec 2010 (5 days)
Total cholera patients
30 Nov 2010: 84 391
4 Dec 2010: 93 222 (increase of 8831 cases or 10.46 percent)
[2] ドミニカ共和国: update
 情報源: Dominican Today 、2010年12月7日
国内で確認されているコレラ感染者数が 22人になったと、7日公衆衛生省が発表した。最新の患者2名は、西部の国境にある Elias Pina.州で発生した。患者の多くが、Santiago and Santo Domingo で発生し、最新の2名は、ドミニカの 53歳の農夫と、23歳のハイチ人で、現在 Banica の病院で治療を受けているが、状態は安定している。
[3] 米国 ex Haiti: 3人目の患者確認
 情報源: The Miami Herald, Associated Press (AP) report 、2010年12月6日
マイアミ Miami health officials によると、Thanksgiving, 25 Nov 2010 に、ドミニカ共和国発マイアミ行の機内で発病した、American Airlines の搭乗客の 1人が、コレラに感染していたことが確認された。この男性は、コレラ患者の治療に当たっていた医師であることが明らかにされた。フロリダ州内で確認された患者としては3人目となる...

● ポリオ インド、下水
PRO/EDR> Poliomyelitis - worldwide (29): India (Delhi) sewage 20101207.4372
 情報源: The Times of India, Times News Network (TNN) 、2010年12月7日。
デリー Dehli の下水からポリオ
 Poliomyelitis ウイルスが検出されたことから、感染拡大が懸念されている。2010年4月から6月にかけて east Delhi areas で行われた下水の調査により判明した。WHO に検体を送付し、さらに詳しい検査が行われる。インドは移民の流入があるため、ポリオ常在の高危険域の1つと考えられている。保健当局者によると、このサーベイランスは環境中の野生株ポリオウイルスを検出する目的に行われた。the Red Cross Hospital in Seemapuri および Swarn Cinema in the Trans-Yamuna area 付近で、4月から6月まで行われた2つの主要排水路の調査で,野生株ポリオウイルスが検出されたと述べられている。sewage surveillance programme は8月と 9月に5 areas along the Yamuna [river] -- including Batla House, Wazirpur, and Bhalaswa Lake でも行われたが、ポリオウイルスは検出されなかった...
[Mod.CP-(インドはほとんどの地域でポリオ清浄状態にあり、ウイルスの持続的な感染循環は western Uttar Pradesh and central Bihar に限局化されている)]

● 鳥インフルエンザ 韓国 H5N1、ネパール OIE(2件)
韓国
PRO/AH/EDR> Avian influenza (60): South Korea (CB) H5N1, wild bird, RFI 20101208.4377
 情報源: Yonhap News Agency 、2010年12月8日
韓国 ・ 農業省は 7日、冬の渡り鳥の主な住処となっている、南西部 Iksan, North Jeolla [Jeollabuk-do] Province の [トリから採取された] 血液検体について行われた、政府獣医学当局における検査で、検体の1つから鳥インフルエンザウイルスが検出されたことを明らかにした。同省は、感染が確認された the Mangyeong River 周辺地域の緊急消毒作業を開始し、 発生地域を中心とした 10km圏内で厳重な監視を行っている。同圏内には、約 219箇所の養鶏場と 13箇所のダックの飼育場がある...
[* ProMED の記事、情報源の News サイトのいずれにも、H5N1 の記載は見当たりませんでした]
[Mod.AS- 韓国国内で最も新しい H5N1感染流行は、2008年1月から 5月にかけて発生し、33件の outbreaks が起きている(要約)。2008年 9月以降、全 parent stock duck farms で、surveillance protocol が実施された結果、これまでに以下の LPAI が確認されている; October 2008, H5N2; December 2008, H5N2; December 2009, H7N2; December 2009, H5N2; June-July 2010, H7N7; October 2010, H7N7; November 2010, H7N6 ... 韓国の AI 発生に関する報告の透明性など]

ネパール
PRO/AH/EDR> Avian influenza (59): Nepal (CH Chitwan) H5N1, OIE 20101208.4376
 情報源: OIE, WAHID (World Animal Health Information Database), weekly
disease information 2010; 23(49) 、2010年12月5日
Highly pathogenic avian influenza, Nepal 最終報告
感染開始時期 2010年10月25日(同30日終息)
前回流行時期 2010年3月
原因ウイルス  Highly pathogenic avian influenza [HPAI] virus Serotype: H5N1
新たな感染流行
発生地 Nawaganga Poultry Farm (Anand Poultry Farm), Mangalpur-3, Chitwan, Narayani 農場
感染した種 birds
Susceptible: 11 503
Cases: 66
Deaths: 66
Destroyed: 11 437
Slaughtered: 0
Affected population: a commercial poultry farm